文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3神聖無比の皇国よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考「神霊界」大正八年四月一日号所収「皇道我観」の前半部とほぼ同じ
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ページ276
目次メモ
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本文
宇宙初発の際に言霊あり、言霊は神なり、また仏陀といひ、真言といふ。我が国は天地開闢の時に最初に造られたる真正無比の国土にして地球の総領国なり。また言霊の法清く美しく円満にして朗かなり。故に我が国を言霊の幸ふ国、言霊の天照る国、言霊の助くる国、言霊の生ける国と古より云ひ伝ふ。日本神州神民の声音は円満清朗にしてその数最も多く、清音のみにして、かつ言霊に権威を伴ふ。他国の言霊ははなはだしく混濁して、日本神民の三分の一の数を用ひ、かつ不正の声音を発し、言霊の権威は絶無にして、ただただ意思を伝ふる用に供するのみ。その他の下級動物に至るに従ひ、声音の数ますます少く論ずるに足らず。
惟神の大道は天地自然の性に従ふものなるが故に、世界おのおのその教を設くるにも、国魂と風土の関係によつて差別あるなり。皇国は国魂も風土も清浄潔白にしてその国民はあたかも神明に等しければ、神命を奉じ万世一系の皇室を戴き、大君は神の御心を心とし、民を以て本となし、天国の善政を施き臣民を率ゐて天地経綸の司宰者たる天職を尽すべく教へ導き、天が下を安国と平けく知食し玉ふが故に、我が大君は主師親の三徳を惟神に具有し給へば、我が国民は天津神の霊統を継がせ玉へる、現人神にまします大君の御神勅を畏み仕ヘ奉りて、上下一致億兆一心の天津誠の道を遵奉し奉り、天地の神明に愧ぢざる善行を為し、天下に範を示すベき神州清潔の神民なれば、外国の如く小賢く言挙げせざる大御国なる事も弁ヘ知るベし。
また印度の如く風俗悪く、従つて国魂劣りたる人民を教化し済度せむとせば、彼の釈迦の如く仏の教なるものを作り、地獄極楽の説、因果応報の教育など、種々の方便を設けて国人の心を和め、かつこれを導くは、これその国土人心に相応したる教戒なり。故に印度人としては最も適当なる唯一の教理といふべし。されど我が国にこれを応用するは、人類の食膳に向つて牛馬の喰ふべき食物を供するが如くにして、必ずしも適当なる教といふべからず。日本人は皇国固有の教を遵奉し、印度人は印度国に適したる仏教を遵奉せば安心立命し、以て人生の本分を尽し得るなり。
支那の如きは人民の心を本として教を立て、天下は天下の天下なり、一個人の左右すべきものに非ずてふ精神に基きて教を立てたる国土なれば、たとへ天下の主なりといへども、暴逆にして民心を失ひたる時は、これを伐ち、これを放ちて、その位に代るを以て自然の良道とするなり。故に孟子の言にも「民為貴、社稷次之、君為軽」とあり。土神穀神の社殿といへども、旱魃洪水などの変災しきりに起りてこれを禦ぐこと能はざる時は、直ちに無能不用の神としてその社殿を毀ちてこれを更改す。いはんやそれに次ぐと為せる国君の不徳にして民を治むること能はず、暴逆無道にして民心に背叛する時は、明君出てその位に替るも、みなその風土国魂に相応して聖賢の立たる自然の道なり。
それとはまた格別にして、我が皇国は神の造りし国、神の治むる国、神の建てたる国なれば、万世一系の皇統を天津日継と申し奉る事は、天地開闢の太初より、高天原に在します所の皇祖天照大御神の御子孫にして、天津日の御跡を継ぎて天下に君臨し給ふといふ尊称なる事は、古典明かにこれを教ヘ給ふなり。
「茜刺す天照国の日の宮の聖の御子……云々」
と続日本紀の歌にも載せられ、我が国体の尊厳無比なるは、古往今来国民のあまねく知悉せる所なり。万葉集の長歌にも
「天地の初の時ゆ久方の、天の河原に八百万、千万神の神集ひ、集ひ居まして神分り、分りし時に天照す日孁尊、天をば知しめすと葦原の、瑞穂の国を天地の、依り合ひの極み知しめす、神の命と天雲の、八重掻き別けて神下り坐し奉りし……」
と詠めるなど皇祖大神の高天原を知召し、皇孫瓊々芸命のこの地上の国土へ降臨し給ひたる神事を云へる神歌にして、君を君として立て、いはゆる天立君主立憲制の御国土なるが故に、古の摂家、清家の家々もみな天上より陪従し来りて、つかヘ奉りたる神人の裔孫支流にして、天地開闢の初より、君臣の大義名分なるもの自然に定まりて、幾度世を代ふるとも毫も動揺する事なく、天津日継の高御座は万世一系にして擾れ給ふ事なき、誠に至善至美至真の御国体なれば、この神国に生を託するものは、神と皇上との殊恩を片時も忘却すベからず、実に神聖無比の天国浄土たるなり。