王仁DBβ版 出口王仁三郎と霊界物語の総合検索サイト 文献検索 画像検索 単語検索 メニュー開く
サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)

文献名1幼ながたり
文献名2幼ながたりよみ(新仮名遣い)
文献名321 霊夢よみ(新仮名遣い)
著者出口澄子
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
ページ 目次メモ
OBC B124900c23
本文のヒット件数全 200 件/ノ=200
本文の文字数3965
これ以外の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい 霊界物語ネット
本文  明治二十五年、正月、そころは旧であります。元旦こと。
 近所賑わいもしずまったことでありますから、だいぶんと夜も更けていたでしょう。
 教祖は茅屋壁ぎわに端坐して、西町こと、八木こと、長男竹蔵さんことと、いろいろ考えておられました。そとき夢とも現ともなく、体が自由自在に、空でも駆けまわれるように、軽やかな気持ちになって部屋中が美しい色になり薫りよい香がみちてきて辺りが澄んできました。
 そうち、まわりことは、だんだん忘れ、なにか、けだかい神々しい気持ちに包まれて来られました。
 そうすると、教祖さま前に、美しいご殿が見えてきました。
 立派な宮がいくつも建っていまして、そ真ン中ころに正門らしきもがありました。門には、門番もなく、監視人も居りません。出入りは、来る人こころに任せてあるらしい感じです。
 教祖は門内麗しさに思わず心をひかれて、奥へ進んでゆかれますと、一人神様が坐って居られました。
 白髪を長く垂れ、童顔なんとも譬えようない神々しさに、こころを失われて、佇っておられますと、そ神はしずかに座を立たれ、教祖手をとって、さらに奥深く神殿方へ導かれました。
 奥殿と思われる所まで案内されると、何事か奏上されているようでありました。
 それから艮方角に廻られると、こんどは初めご殿より幾層倍もある大きな神殿があって、黄金、瑠璃、真珠をちりばめた楼閣がならんでいました。
 ここには、前よりずっと気高い神さまが居られて、身は金銀、宝石をもって飾られ、衣冠束帯、剱をつけた悠揚として得も言われぬお姿でありました。
 そ神は、教祖前近く歩みを移され、じっと教祖を見つめられ、にっこりとお微笑になりました。
 教祖ご肉体には電流注がれるように何もかが伝わって来て、それが満ちみちて、聴こえるもも、視えるもも別が開けてきました。崇厳な感情に肉体がはちきれるようにしまってくると思うと、開祖さま腹に、なにか大きな力が入っていることが、ご自分でもお判りになるようになりました。そ力が腹底から、玉が上がるように昇ってきて、おごそかな調子声となって現われてきました。声を出すまいと歯を固く食いしばっておられても、それを押しあけて、突然大きな声が突発しました。これが明治二十五年旧正月十日で、ご帰神初まりであります。
 しかし一方、教祖さまは内心ご心配でありました。自分子が二人までも、世にいう狂人になり、いま又、自分がこような夢ともつかぬ気持ちに犯されては、こ先どうなるであろうか、と悩まれ──これはこうして居れぬ──と、ご自分身構えを正して、体にかかってくるもを振り払おうとし、更に思わず、自分言葉をもって、神様正体を問い正そうとされました。
「おん身は何者でありますよな、事細やかに名告って下されよ」
 そ時すでに、なんとも言えぬ薫しい霊気が、下腹底から昇ってきました。
 胸辺りがふるえ、呼吸が止まるかと思われるほど強い衝動がおこり、唇辺りが自然に動きだしたと思うておられると、どこからともなく、非常に美妙しい音声で教祖耳に響いてきました。
「われは艮金神であるぞよ、元国常立之命、今より汝身体を守るぞよ」
 これは思わず、教祖口から洩れた言葉でありますが、これをご自分で聞かれて、なお不安に耐えかね、さらに畳みかけるように──艮金神──と申される神さまに、ご自分肉体からお退きとり願いたいと申されました。
 ここで説明しておきますが、神様お声も教祖肉体お口からでるでありますが、教祖お声ではありません。教祖思ってもおられないことが、圧えても圧えても出てくるであります。そお声に対して、開祖さまが平生お声で質問されますと、また神さまお声で答えられるであります。ちょっとそばでみていますと、自問自答ようでありますが、開祖さま一つ咽喉から、神様と開祖と二つ思いを使われる不思議なことであります。
「そんなことを言って、私をだますではありませんか」
「わしは神である。神はうそをつかぬ」
 そように初めは絶えず、神さまとたたこうて来られたようであります。それは、あまり突然なできごとに驚かれたと、神さま叫ばれますことが、三千世界立替え立直しという、とてつもない大きなことがらであったからです。もしこ言うことが間違いであったならば、世間に対して相すまぬと、つつしみ深いご性格だけに、こころを痛められましたが、夜となく昼となく、神さまと問答されていますうちに、教祖さまご自身おこころに、ケンゴとした世中を救わなければならないカクゴが、だんだんと形づくられたであります。
 自分がこれまで、人知らない苦労をしてきたも、すべて神代から奇しき因縁であったこと、世界を立直す神柱となるためお計らいであったことに気づかれて、かたいご決心をされたであります。
 三千世界一度にひらく梅花、艮金神世になりたぞよ。須弥仙山に腰を掛け、鬼門金神が守るぞよ。
 昔からこ来るは知れている。絶対絶命世になりたぞよ。
 こ雄大、華麗、崇厳な産ぶ声が大本経糸を産んだでありますが、こ産ぶ声がでるまでには、教祖がながいご苦労をとおして──世さまざま悪、人間不幸──を深く感じられ、こ世を改めて、万人楽しめる世中にしたい──という願いを強く抱かれていたことが、更に向上して、国祖大神ご理想と合一せらるることになったであります。
 教祖さまが、神がかりになられますと、たちまち私生活環境も変わってきました。おりょうさんは四方源之助さんところに守りに雇われてゆきました。残った私には神様ご用がありました。夜夜中に起こされて、お使いをさせられました。
「末子おすみど、起きて下され、××屋敷へ行って塩まいて下され」と言うふうに、夜半に起こされては、どこそこへ行って水撒いて来い、土撒いて来い、と言われ、私は理は分からず、ただ母いげんある言葉ままに素直に、お使いをつとめていました。しかし時おりは、私もどうしてこういうことを、と不安な淋しさにおそわれましたが、お使いがすめば優しい母言葉がきけるという、一条みがあって、また、私生まれながら、もごとをいつまでも悔んでおれない楽天的な性分で、母言うままにつとめてきました。
 そうち私日々しゅうかんになり、夜はさみしい夜風町に使いにゆきましたが、昼は梅ふくらんでゆくを楽しんだり、榎木角芽となり若葉へと季うつってゆくを楽しみました。
 教祖は私を呼ばれる時、決って「末子おすみど、ちょっと来て下され」という言葉で呼ばれました。私が教祖そばへ参りますと、私額を揉んでもんでもみおわると親ゆびでグット押されてフウフウと息をかけられました。
 私額から霊を入れてくれちゃったと思うです。それが、艮金神、国祖国常立尊神がかりになりまして鎮魂ですから、それはエライ勢いでありました。そういうことがあってから、夜半に幾度も起こされて、私は神さま鎮魂をうけました。
 そころ、私不思議に思いましたことは、私が眠っている間も、教祖は起きて居られ、教祖さまヤスまれたを見うけたことがなかったことです。
 教祖さまはそころことを、
「神さまが七十五日、一日も寝さしてくれず、十三日も食事を摂らして下さらなんだ」と言われています。
 私が夜半にフッと眼をさますといつも教祖さまは神様と話をしておられました。子供私には難しいことばかりで、聞こうとも思いませんでした。
 日々そういう日が続いているうちに、私は時々、これまでに、どこかで誰かに聞いた神様名を耳にすると子供ながらにも聞き耳をたてたもです。
 ある時、行者さんがきました。
教祖「役行者か」
声「はい、暫くだけ話すことをお許し頂きとうございます」
教祖「ならん」
「しばらくだけで結構ですから、お許し頂きとうございます」
教祖「しばらくだけやな」
「はい」
教祖「それならば‥…」といわれ、役行者話が初まりました。
「いままでは、もっぱら高山に居て守護用をつとめさして頂きましたが、時が来ましたで、これからは山を下り、世に出て守護さして頂こうと思いますで……」ということを話されていたを憶えております。
 それから、そ時分、マタタビマサゾウという神さまが来られたことがあります。
マサゾウ「あまり落ちぶれようでござります」
教祖「マタタビマサゾウどか」
 そこでマタタビマサゾウどと、もう一人神さまワカヒメギミミコトさまは涙を流されます。
 ワカヒメギミミコト「天より高く咲く花も、地獄焦げおこし、これも神ゆえ」と言われると、マサゾウという神さまは泣かれました。こマタタビマサゾウという、変わった名前神さまは教祖筆先にも出てきます。稚姫君尊とマタタビマサゾウ二人神さま話し声を聞いた感じでは、マタタビマサゾウという方は、神代において稚姫君尊さまお側ご用をしていた神様であるようです。なお、いろいろ話を聞いたところでは稚姫君尊はある神によって世に落とされ、それについては大変な秘密があります。落とした神名は言えませんが、もしそ名を言えば血で血を洗うようなことになるから、どうしても言うことはならんと神さまから言われているからであります。
 世を持ちなされて居た神さまが世に落とされ、落とした神が世を持たれたですが、そ当時ことを神さまが泣きながら話しあっておられました。
霊界物語ネットで読む 霊界物語ネット
オニド関係の更新情報は「オニド関係全サイトの更新情報」を見れば全て分かります!
王仁DB (王仁三郎データベース)は飯塚弘明が運営しています。 /出口王仁三郎の著作物を始め、当サイト内にあるデータは基本的にすべて、著作権保護期間が過ぎていますので、どうぞご自由にお使いください。また保護期間内にあるものは、著作権法に触れない範囲で使用しています。それに関しては自己責任でお使いください。/出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別用語と見なされる言葉もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。/ 本サイトのデータは「霊界物語ネット」掲載のデータと同じものです。著作権凡例 /データに誤り等を発見したら教えてくれると嬉しいです。
連絡先:【メールアドレス(飯塚弘明)
プライバシーポリシー
(C) 2016-2024 Iizuka Hiroaki