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文献名1出口王仁三郎著作集 第3巻 愛と美とい
文献名2如是我観 >平和にいきるよみ(新仮名遣い)
文献名3直観力を養えよみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2019-03-15 04:09:15
ページ369 目次メモ
OBC B195303c625
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本文の文字数1482
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本文  神とは隠身(かくりみ)という意味であつて、人間肉眼でみられない存在、物質尺度ではかることできない世界をいうである。ところが世間には、よく余に向かつて、「神をこ目で見せてもらいたい、そしたら神存在を信じよう」という人がある。
 だいたい「信」という字は人偏に言と書いてあつて、真人言を尊重し、聖人言にしたがう心である。ところが今人々は、「目に物を見せられ」なければ、人言を信ずることできない強情な心になつているが、そ心はすでに「信」ではないということに気づかねばならぬ。
 それで、余はつねにかかる人々につぎように答えている。
「人々は、くじらが大きな動物だというが、太平洋真つただなかには、脚長さが二里もある大きないかが住んでいる。しかしてそ脚にふれて、ときどき船が沈没することがあるが、人々はそれがいかせいだとは気がつかない。またシベリア広野には、雪や氷に埋れて二万年も三万年も眠りつづけている巨獣がいる。しかしてなにも知らない人間たちは、そ上へ鉄道をつけたり要塞を築いたりして気張つているが、そ巨獣が一度目をさましてあくびをしたら、どんな珍事がおきるか想像だにできない。いまかかる動物頭をここに持つてきて君に見せたところが、はたして君にはそれがわかるだろうか。しかして神御姿はもつともつと大きなもだよ」と。
 肉眼や尺度で神を知ろうとすることは、群盲象評以上愚かなことである。だが、「信」ある人、聖人言を信じ聖典教えを尊ぶ人には、野に咲いている一片草花にも、空を飛んでいる一羽鳥にも、神力と愛をありがたく感得することができるもである。
 神存在を否定する人々に、むつかしい理屈は禁物である。野に咲いている百合花を見せて、もしそ人が「美しい」といつたら、それでよいだ。そ人は十分に神存在を知つている人である。すなわち、そ人は理屈で神を否定しながら直感で神存在を知り、肉眼で神を見ないが、すでに魂どん底で神ささやきを感得しているである。しかして前にいつたごとく、神は理屈で論ずべきもでなく、肉眼で見るべきもでなく、直感で知り心ささやきで感ずべき存在なであるから、神を否定している科学者や理論家たちも、結局、科学や理論では神はわからないということを証明しているにすぎないである。
 昔人間は直感すなわち、いわゆる第六感が鋭かつた。だが今日科学は最低直観を基礎として立てられたもであるがために、だんだんとそ第六感をもにぶらしめてきたである。それは人類にとつてたいへんな損失であつて、どうしても今後学問は科学的に人間智慧を向上せしめるとともに、神より与えられた人間直感力をいよいよ発達せしめて、両々相まつて人類福祉に貢献せしめるよう努力せしめねばならぬ。
 たとえは近代建築家が、ただただ機械精巧みにたよらずして、わが国伝来蟇目故実を修得して、そ両者を併用するようになつた暁は、おそらく全世界を驚倒せしむべき建築界革命をもたらすことができるであろう。そ他すべて方面にわたつて機械能力とともに、わが日本人独特直感力をますます発揮したときこそ、はじめて独自超人的科学文明を、日本から全人類に教示することができるである。
 日本科学者たちは、一日もはやく欧米糟粕にあまんぜず、伝統的大精神にめざめて一大奮起すべき日にいたつていることに気がつかねはならぬ。これがすなわち吾人称する皇道科学なである。
(「人類愛善新聞」 昭和10年8月23日)
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