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文献名1出口王仁三郎著作集 第5巻 人間王仁三郎
文献名2第4部 歌譜心象 >王仁新輯辞典よみ(新仮名遣い)
文献名3蒙古語作歌辞典(一)(抄)よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ日蒙、モンゴル、入蒙 データ凡例底本には余りルビが付いていないでルビを少し補った。 データ最終更新日2018-03-15 03:26:42
ページ417 目次メモ
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本文 蒙古語作歌辞典(一)(抄)
又しても飴貰はんと次々にペチヤンコホータ(小供)がやつて来るかな
ウツトコ(女陰)を洗つた銅盥にて又もや面を洗ふ蒙古婦人
七人妻を持つてふ老人オチコ(男根)は嘸や忙しかるらん
耳に環ぶらぶら吊りてボロ着物まとふ蒙古イフナ(娘)床しき
写字して示さば意思は明かにムッテネ(明白)とぞ笑て答ふる
牛馬と人区別も無きやうな国風俗吾はムットホイ(不明白)
フウチン(父)やムウチン(母)二人が可愛気にペチヤンコホータ(小供)を抱いて遊ぶ
ウル(夫)とウム(妻)為すこともなく可惜日を遊んで暮す国長閑さ
ダンサイ(給仕)を一人雇ひて我は今何彼便利得つつ暮しぬ
ウンウテラ(今日)朝起き見ればケウテラ(昨日)降りし白雪山に残れる
マカシウテラ(明日)宿替せんと老印君心を砕きて東奔西走す
マカシウテラ宿を移さば一行もオルケウテラ(明後日)従心休まむ
神代土作り装飾も無き蒙古クロ(家)哉
燐寸をばアプチル(持って来い)と云へばダンサイがマツチがひしか石鹸持て来る
品をアバチ(持って行け)と云へばダンサイは火鉢を周章て携へ来たる
灰泥ついたチヨモ(湯呑)に湯を入れて平気で呑み居る蒙古ホナ(人)かな
古びたるアイガ(茶碗)に支那米盛り乍ら舌皷打つ蒙古ウフナル(女)
ウル(男)よりもウフナル方が権威ある如くに見ゆる蒙古人かな
蒙古ホナ、ウム(妻)は騎馬をば能くすれば児を産む数尠しと言ふ
トウシムラ(臣)数多引連れ蒙古王が管内巡視了へて帰りぬ
旅すればアツプホイラ(不用)物はなし糞で飯焚く蒙古は殊に
セイナ(好い)モモテ(悪い)区別さへも無き此国は美人も余りもてはやされぬ
財産ベーナ(有る)ウコイ(無い)に階級を立てぬ蒙古国ぞたふとき
ナスフットオリッベイ(あなたは幾歳になったか)かと尋ぬれば八歳になつたと小供答ふる
洮南へボトンカチラ(幾里あるか)と尋ぬれば三百清里ありと答へぬ
淤能碁呂島を出てゆ我プエ(身体)は日に増し強くなりにけるかな
ヌル、オウサ(洗面水)銅盥に汲み来り顔泥をば清めてしかな
蒙古人ペチヤンコホータ驢馬に乗りヤラウーコイ(そろそろ)と進み行くかな
アパ(父)オウヨ(母)二人間に三人アハ(兄)トウ(弟)イホンド(妹)生れける哉
チエチエ(姉)あとよりイホンド泣きながら脚いためつつ従ひて行く
ポツトコ(印汁)やポツトコロンホ無き国は万年筆も無用なりけり
ポホラ(尻)穴裂けるばかり鳴り音を平気でさせる蒙古ホナかな
蒙古馬走り乍らにブウブウと臭いオンクスアルテチ(屁を放る)可笑しさ
イルイル(来い来い)と女が呼べば豚群先を争ひ集ひ来るかな
肉食へば脂が浮き出して顔皮までヌル(顔)ぬるする
いかいヌータ(眼)むき出し乍ら温長興蒙古人をば叱り飛ばしぬ
実印如なハムラ(鼻)して大言壮語好む趙徹
(つづく)
(「神国」大正十三年八月二十五日号)
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