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文献名1出口王仁三郎著作集 第5巻 人間王仁三郎
文献名2第4部 歌譜心象 >王仁新輯辞典よみ(新仮名遣い)
文献名3人名辞典解よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2018-05-15 04:47:50
ページ419 目次メモ
OBC B195305c410
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本文の文字数2160
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本文 ダニ これは貪慾国住民にして甘み有りそうな人間身辺に巧妙に付き纒い、酢につけ味噌につけて血液を吸い、終には深く喰い入りて人を倒す異人種である。蚤・虱等は是等人種仲間である。

狼連 これは利己国住民にして、常に人目や犬目を避け、時に咆哮して人生血を搾り、遂には其肉までも喰わざれば止まぬ人種である。中には大神道を看板にして、可憐なる信者なぞを誑かし大神と狼と道を混同させる人種も偶にはあると云うことである。

大神楽 これは大言壮語国住民にして、信念も無く実力も無く口舌勇者なり。舁いで走るような虚言を吐く人種である。

ギッチョンチョン これは機織虫如き名称なれども、実際は蛙ケ原巨人であって、奥歯に物コマツタ如なオクシグな声音を張り上げて、「ドウカ静粛に願いまーす。登壇は許します」-酒宴と高い処に居て、蛙喧騒を喰い止むる厄目を持てる人種である。

無賃飛脚(一名東西屋) 此人種は、世界何れ方面を問わず盛んに出没し、他人悪事醜行を、無賃・無報酬にて足を運ばせ、或は筆に誌して吹聴する代物である。中には善事も悪事様に捏造して、天下に煽伝し、東西南北に駆け廻る迷人もある。

幽霊コッツリコ これは到底話にも棒にもかからぬ人種であって、入り日影を握むが如く少しも手ごたえ無き、無責任にして其言動当てにならぬ泡沫的人種である。

今業平 瓜実顔優しい男子で、面部に白粉を塗りチツクを使い、懐に鏡や櫛などを携帯し、女か男か判らぬ如な風をなし、天下色男を以て自ら任ずる代物である。婦人歓迎を受くるを以て得意とする人種である。

暖簾 これは支那大連やサガレン島人種ではない。日本到る処に棲息し、瓢箪鯰式行動を日常取り居る代物である。

箒 これは放蕩学校卒業生にして、朝に甲地青楼に登り、タに乙地茶屋に出入りし、次から次へと際限もなく飛行する人物である。

馬車馬 これは余程融通利かぬ馬鹿人種にして、一名杓子定規という善悪正邪判断力なく、機械的に愚人まにまに、横目も振らず一直線に犬馬労を厭わず、驀進する不重宝なる人物である。

昼行燈 大石内蔵之助別名にもあらず。現世に生きているか死んでるか訳分からぬ米喰い虫で、常に不得要領。娑婆塞ぎ精神暗同である。

天下さん これは毎日々々太平楽を並べ、金銭心配もせず、生活保証を得て自分み栄耀栄華を極め込み、生活困難を夢にも知らぬ坊ちゃん異名である。

二枚舌 是は文盲省中橋県不徳郡ヒヒ的猿人にして、口顎最も大なり。口中には二枚舌を蔵す。学校昇格問題怪人にして、目下高山頂上より渓間に向かって飛降せんと考慮中とか云う。

安閉坊喜楽 之はアカナミ産にして、天下騒乱も、其困窮も、世人悪罵嘲笑も一切介意せず、所信に向かって悠々閑々楽天主義を保持しつつ、如何なる辛苦艱難もお茶一服立てる程にも面倒がらぬ、風変わり奇怪なる鬼神である。

甘酒屋看板 之は天之宇受売命と云う神代女豪傑である。鼻が非常に低うて、一見失笑を禁じ得ないような愛嬌も福相な神様である。君臣・父子・夫婦間を和らげ睦ぶこと守護神である。日本は美人国とか、東海姫氏国とか、天岩戸初めより女ならでは夜明けぬ国とか謂って来たが、現代日本国は都鄙到る処に甘酒屋看板が出没して、ハイカラさんとか変名して居るが、昔とは異なり、和合どころか我儘許り主張して、新しい女とか云って、女子参政権獲得運動とかに熱中して居る、腐人連である。

酒呑童子 之は古は丹州大江山鬼賊で、数千部下を従え大酒を呑み人血を啜り、大いに世人を悩ませたもである。幸い源頼光智勇に依りて平らげられ、今日は大江山み高くなって居るが、其霊魂は大正今日に至るまで滅亡せず、世界各国に霊魂を分派しつつ、貧者汗や油や血を搾り大厦高楼に安臥しつつ、体主霊従生活を公々然として敢行しつつありと謂う。

帆掛舟 之は風来国住民にして、少しも尻落ち付かぬ人種である。さあ火事だと云えば半分も聞かぬ内に、尻に帆を掛けてあてども無しに一番に飛び出し、往来人とコッツリコを演じ、アイタタと云いつつ明るい方へ走り出したり、米騒動じゃと聞くや否や捻鉢巻で飛び出し、警官に捉まって一週間も留置場御客さんと成ったり、喧嘩があると聞いて矢も楯も堪らず、尻曳っからげて、家内や友人止めるも聞かずに蝗ように明暮飛び出す代物である。

大学目薬 之は砂漠が原に住する、頭に木草無い電気頭ような巨人であって、能く肥満せる豚ように、油ぎった大声デカデカ光る人種である。

大文字屋 一名福助と云う。かみしもをチャンと行儀よく着用に及んで、店頭に眼を張り両手を膝上に揃えたり、日扇を以て千客万来御用を忠実に勤めて居る、頭大きな割に身体倭小な釣り合い取れない番頭さんである。頭大きい割に身体に身実ない、大文字屋とか大臣とかいう番頭さんは、目下日比谷座芝居見物を恐そうにやって居るという事である。然し現今大文字屋さんは二枚舌を使うとか使われたとか、随分八釜しい大文題が起こって居ると事である。

(掃き寄せ集、「神霊界」大正十年三月号)
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