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文献名1大本史料集成 1 >第2部 出口王仁三郎思想
文献名2第4章 道よみ(新仮名遣い)
文献名3第10節 道栞 第二巻上(二)よみ(新仮名遣い)
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ページ688 目次メモ
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本文 栞第二巻上(ニ)
五一 瑞霊に背く者は、全く神に背く者ぞ。罵る者は全く神を罵るもぞ。
五二 世界中生民二十億。皆天帝御子なり。善人も神御子なり。悪人も神御子なり。数限りなき三千世界霊魂も亦神分霊にして、所謂神御子なり。
五三 心を尊み、体を卑しむるは、善をなす本なり。故に我精神を宝となし、真理を宝とするもは、善極まりにして、神御心に叶ひ奉るもなり。
五四 体を尊み心を卑しむるは、悪を為す始めなり。故に土地、財産、道具等、形あるもを以て宝とするもは、悪を為す源にして、根国底国に落つるもなり。
五五 天が下公為に為す事は善なり。我一人利益為になす事は悪極みなり、正しき心を以て、徳を行ふもは善なり。正しからざる心を以て、誠行ひせざるもは悪なり。等しく是善悪共に神御子なり。
五六 善人も神御子なり。悪人も神御子なり。善人はいと美はしく、いと高く、いと栄えに充てる天国門を自ら開く。悪人はいと低く、いと醜しく、いと苦しき地獄に自ら落ち入るなり。
五七 高天原へ救はるゝも、根国に落つるも、唯信仰と行ひ如何に因るもぞ。其相隔つる事道理恰も雲と泥如し。是そも誰過ちぞや。
五八 肩書許り貴人を羨望むなかれ。名刺紳士となる勿れ。金銀お化けとなる勿れ。彼等は世、毒虫にして、神御心に叶はざる者なり。
五九 人見ぬ所、知らざる所に於て、善をなし徳を積むベし。神は明かき暗き隔て無くして、行う所を能く見そなはし給ふなり。
六〇 天帝御霊魂を真霊魂と云ふ。真霊魂は不増不減と云ひて、増す事もなく亦減る事もなし。天帝霊魂は始めもなく終りもなし。
六一 人霊魂は然らず。必ず増えたり減たりするもなり。即ち善を為せば、其霊魂を増す。悪を為せば霊魂を減ず。
六二 天帝は人身に、霊魂を与へ、或は之を奪ふ力ある御方なり。
六三 天地太元は即ち道なり。貴人も道によりて立ち、人民も道によりて立ち、万物も亦、道によりて安んずるなり。
六四 真如を瑞霊と称ふるもは、五尺有余肉体謂にも非ず。そ肉体に宿れる、神分霊たる瑞言葉なり。誤りて偏り見ること勿れ。
六五 道を聞いて、其行を為さざるもは、神御心に背くもなり。又己が身を欺くもなり。
六六 取次よ心すべし。我は神御旨を伝ふる清き者なりと思ひて、誇り顔に道を語る勿れ。神道を穢す者は、普信徒よりも、却て取次するもゝ行状及言葉より出づるもなり。
六七 我は神に仕ふるもなり。神に代りて教を伝ふるもなりと思ひて、誇り驕ぶる事勿れ。罪深き者をして神に近寄らせ、悔い改めさせんとなし給へばなり。神に仕ゆる者は、有らん限り耐ヘ忍びと慎みとを忘るべからず。
六八 誠愛を以て人を度し、誠信を以て人を制し、誠勇を以て人を守り、誠智を以て足らざる人を補ふべし。
六九 智徳円満なる神御使ひたるべきもは、全き信仰を養ひ、依怙贔負業を慎み親しみと和らぎと、卑り下りと慈、とを以て、信仰を正道に誘ふべし。
七〇 神御子なる信者を、天御国へ導くべき役目を持てる取次等よ、先づ己れ魂と行状とを清くして、己れ先づ高天原門を開くべき鍵を握り得たる上にて、始めて導く事に力を尽すベし。
七一 神道を能く知らずして、取次する事勿れ。是れ神を欺きて道を汚し、自れ心を欺き、遂には人を地獄ヘ落し、自れも亦地獄火に焼かれて限りなき苦しみを受けん、最も慎むべし。
七二 神道は、昔も今も更に変る事なし。其変れる如く見ゆるは、是迄予言者共誤りを知らず。為に瑞教を変はりたる如くに思ふなり。今迄は誠其儘を伝へたる予言者は無かりしなり。
七三 富みたる人を敬ひて、貧しき人を蔑むもは、神御心に叶はざるもなり。神心は誰彼隔てなく。富めると貧しきと別ち無ければなり。
七四 貧しきもは却て信仰に富みて、神御国に救はるゝ者多し。富たるもは、朽つる宝に眼眩みて信仰に乏し。故に富めるもは、天国幸ひを味はうこと能はぬも多し。
七五 富めるもにして、信仰全く行状宜しきもは、此上なき天国喜びを受くる事一層なるべし。
七六 取次なるもよ。心を潜めて神正道を正しく悟り、邪に迷ふ勿れ。
七七 自れ先づ迷ひて、次に信者を迷はせる取次最も多し。人を迷はせて其心を汚す者は、神最も大なる罪人となるべし。
七八 貧しき者を見下し、又愚かなる者を侮る勿れ。神取次たり信者たる身を以て是等慎みなき者は、清き神御名を汚す咎人となるべし。
七九 信徒を礼拝席に就かしむる時に当りて、顔古き新しきによりて、人を別つ事勿れ。亦位記有る無きによりて、人に高き低き別を立つる事勿れ。
八○ 神には百八十一階級あり。是れ天帝命じ玉ふ所にして、万劫動かぬ定めなり。
八一 人間手によりて、上げ下げ、奪り与り出来る階級位記などを以て、神御前に用ふベからず。
八二 神子と生れし人達よ。汝等形ある宝に富みて罪を重ね、天獄屋に繋がるゝを善しとするや。又家は貧しくとも信仰道に富みて、神御国へ遊ぶ事を宜しとするや。地富は限りありて、いと短く、天上富は限りなくして、永久に変る事なし。
八三 地苦しみ即ち肉体苦しみは限りあれば、仮苦みなり。神界にて苦み、即ち霊魂に受けし苦みは限りなければ真苦みなり。何時々々までも免がるゝ事能はざるなり。
八四 明治御代は、信仰自由を人々に与へられたり。是れ全く天祖大御心に出づる処にして、天時到り、大本改革者現はるゝに就て、先手順として来れるなり。
八五 此大本は、今に始まりし教に非ず。世教なり。今では悪魔はびこりて、斯道全く現はれざりし。故に此度天より瑞霊を現はして、斯証を為さしめ給ふもなり。
八六 自由と我儘とを交じゆる事勿れ。如何に信仰自由なりとて、道ならざる道に行くもは我儘なり、我儘は神忌み嫌ひ給ふ処なり。
八七 道ならざる道とは邪教なり。異国より参りたるブツ道は、殊更に神忌み給ふ処なり。
八八 日本に生れし者は、日本道を歩むべし。汽車はにほんレール上こそ自由に運転するなり。其レールをはづれては一寸も進まず。直ちに転覆すべし。誠日本道より外を歩むも、又遂に顛覆せざるを得ざるなり。
八九 汽車もにほんレール上にては、進退共に自由なり、信仰も日本教に従ふもは自由なるべし。
九〇 信仰自由なりとて、邪神教に靡く者は我儘者なり。
九一 神を信仰するもは、第一に疑を去るベし。疑ある信仰は恰も浮草如し。風東へ行けば東へ行き、風西へ行けば西へ行く。
九二 信仰は巌如く堅くすべし。浮草如き信仰は一生涯神御恵を被むる事能はずして、遂には其身も霊魂も亡ぼさるゝに至らん。
九三 神御恵を蒙らぬもは誰もなし。されど信仰動くもは、誠厚き御恵を与へらるゝ事無し。
九四 神道に従ふもは、心を一つになすべし。二心あるもは、其行状常に定まらずして、遂に清き神御名までも汚すに至るべし。
九五 涙海に漂へる如き辛き暮らしをなせる人々よ。尋ねて来よ。救ひ船は今此処に現はれたり。
九六 救ひ船に乗るもは神より限りなき力と栄とを与へられて、其身を永久に安きに救ひ給ふべし。来れ我が後に従ひて、清き神道を目当に。
九七 愛しき一粒種子我子に離れたる人も、いとも愛する妻に離れて悲しめる人も、来りて神美はしき御声を聞かば、流るゝ涙も喜び中に、拭ひ取らるゝに到るベし。
九八 神道を信じたるが為に、人より辰めを受け、我が道為めに責め苦しめらるゝとも、必ず驚く勿れ。専ら神御心に委せて、真理を杖として、真一文字に道真中を進むべし。神勇によりて能く忍び、神親によりて交はり、神愛によりて生き更り、神智によりて悟るべし。
(「神国」大正十四年七月八日号)
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