王仁DBβ版 出口王仁三郎と霊界物語の総合検索サイト 文献検索 画像検索 単語検索 メニュー開く
サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)

文献名1大本史料集成 2 >第1部 明治・大正期運動
文献名2第1章 出口王仁三郎関係文書よみ(新仮名遣い)
文献名3随筆『神霊界』大正9年8月21日号掲載「教主輔大先生御訓示」よみ(新仮名遣い)
著者
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
ページ96 目次メモ
OBC B195502c110716
本文のヒット件数全 288 件/ノ=288
本文の文字数5600
これ以外の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい 霊界物語ネット
本文    教主輔大先生御訓示
(八月十七日午後八時ミロク殿に於て役員信徒ため)
 今晩お暑い所を皆様に御集りを願つたは外ではありません。諸君御承知如く、全国新聞雑誌大本に対する批難攻撃は近来又日盛んになつて来まして、都大新聞も田舎小雑誌も大本事を書かねば何か不見識でもあるやうに、皆筆を揃へて書き立てて居ます。そして其等記事大部分は皆根も葉もない虚妄な中傷的なもであるも、諸君周知事でありませう。
 が、古諺にも「火ない所には煙は立たぬ」と云つて居る通り、是等記事出づる源には、仮令其れが如何に誇張されたもとは云へ、其処には必ず役員信者誤れる言行が原因して居るで有らうと思ふであります。即ち、入信後日浅き信者や、又大本真髄を未だ捕へ得ざる研究者誤れる言行が、誇張好き新聞記者に依つて針小棒大的に伝へられ、それが「一犬虚に吠えて万犬実を伝ふ」的に天下に喧伝せらるるに至つたもと信じます。故に此際諸君最も慎んで戴きたいもは口であります。俚諺にも「口は禍門」と云ひ復御神諭にも「此大本は世間からは指一本さすことも出来ぬ誠教であれども、大本を破るもは、大本中より出現するぞよ」とか「力一杯御用した積りで力一杯邪魔する」とか仰せられて居ます。こ際役員信者諸氏は充分に口を慎しんで貰はねば、却て神界経綸を妨ぐることとなるであります。
 御筆先はすべて各人身魂相応にとれるもであります。丁度鏡やうなもで対者心が正しければ写つた姿も正しくありますが、若し対者心が邪しまであれば邪に写りとんだ間違ひになるであります。
 昔斯う云ふ話があります。或御幣かつぎが、正月元朝は何でも御目度たい事を云つて福を招かねばならぬと思ひ、近所物識許へ行つて、「福神に貧乏神が追ひ出され垣外面にメソメソと泣く」と歌へと教へられました。そ男は大喜びで帰りましたが、元日朝になつて「福神が貧乏神に追ひ出され垣外面にメソメソと泣く」と、がとにとが顛倒して意味が正反対になつて居るも知らず、一生懸命に怒鳴つて居たと申します。
 御筆先も丁度これと同様に肝腎な所を一寸と違へてもとんでもない間違になつて了ふです。
 役員信者諸氏中には大立替で大変な天変地災が起るとか、大正十一年には天地がヒツクリ覆るとか云ふやうな事を現実に在る如くに依然喧伝する方もあるやうに聞きますが、すべて破壊動乱を喜ぶは悪魔心でありまして、斯様な人は上に述べた御幣かつぎも及ばぬ大取違ひをして居られるであります。即ち是等人は神諭中に「急遽に致せばこ世は潰れて了ふなれど、ここまで開けて来た世を潰すことはどうしても神は忍びないから斯金神は如何なりとして一人でも多く改心させ、餓鬼虫族迄も助けたいが此願ひであるから、万一事があれば天大神様へ申訳がないから、ここ所を推量してどうぞ一日も早く改心して下されよ」とある、至仁至愛大神大御心を汲取らず、全然目付け処を違へて居るからであります。
 神諭には神心に立ち帰れと始終御教誨になつて居ますが、神心とは全然自己を離れ大君為御国為に尽す処所謂「我身をすてて世界助け信心」をする事であります。即ち上は天壌無窮皇運を扶翼し賜ふ皇室弥栄えに栄え給ふ事を祈り、下は万民鼓腹泰平を楽むやうになるを願ふが神心であります。であるから、天変地災などは可成無きやうに、一人でも多く人がミロク世に救はるる様に大神様に祈願し、又自らも努めるやうにならねば、決して御神慮に叶ひ奉るやうにはならぬであります。神諭には「大難を小難に祭り代へて小難は無き様に」とありますが、こ大難と云ふは風水火大三災事で、小難とは饑病戦小三災事であります。前者は人力を以て、如何とも為難いもでありますが。後者は必ずしもそうではありません。我々が充分に改心して神心に立ち帰れば、大難を小難に祭り代ヘて戴き、又た小難は来ぬやうに守つて頂けるでありますから、此際諸君は充分に神心になつて、悪魔言は固く却けていただかねばならぬであります。然かみならず我国は古来言霊幸ひ天照る国でありますから、善きことを云へば善き事来り、悪いことを云へば悪い事が来ます。故に余り天変地災を唱導すると、其言霊為に実際それを招来さすことになるであります。故に私は今迄も神霊界誌上で「思ふことありて」と言ふ歌を読んで色々と御注意申上げたですが、今回は遂に内務省当局に御心配をかけるやうになつて来ました。内務省では近来思想界動揺甚だしきを憂へ、こ方面取締を大いに厳重にして居られるですが、今年に至りて愈々天下視聴中心となつた我大本が、天変地災や日米戦争予言的宣伝をやつては世に影響する処頗る甚大なであります。殊に日米戦争説如きは外交上にも尠なからぬ支障を来すと事ですから、特に御注意を御願ひするであります。
 私は今日綾部警察署へ出頭致しまして、小原高等課長、遠藤綾部署長立会ひ上、諸種注意をうけましたから、それに付いて少し皆様に御話しを致し、御反省を待たうと思ふであります。
 第一注意は皇室尊厳を冒涜するが如き言辞を慎むやうにと云ふ、誠に意想外な注意であります。
 抑も我皇道大本は世道民心堕落を慨嘆し、敬神尊皇愛国旗幟を押し立てて蹶起したもでありますから、大本より敬神尊皇愛国を去つたなら、あとには何物も残らぬであります。只世為人為に自己を忘れて尽瘁し迷へる人々に神慈愛を宣べ伝へ、之を改心させて、ミロク世に救ふ、是が大本根本精神なであります。然るに、今回思ひがけずもかかる誤解を世に得たは、誠に何たる意想外なことでありませう。吾人平素主張主義に対しこれ程遺憾な、又愧しいことは無いであります。私はかかる誤解生じた原因を考ヘて見ますに、今体主霊従になり切つた世人は善事は余り顧みないが、悪事になると大変喜んで見聞きしたがるもです。随つて過激な突飛な言論が喝采をうける所から、大本伝道者中血気に迅る人等は動もすれば、奇矯な、大本根本精神に背戻する──少くともそ様に誤解さるるやうな──言論をなすやうであります。上述如く雪とタドンと取り違へたやうな誤解も斯う云ふ処から生じたもでせう。諸君は「伝導者言葉と行為は恰も原野を焼く火如し」と神諭前によくよく御反省あらんことを切に希望する次第であります。
 皇道大本綱領は政(万世一系御天職)教(天授真理)慣(天人道常)造(適宜事務)であります。神聖な神様に仕へ奉る以上は今迄やうな賤しい商法を止めねばならぬなど云ふ人がありますが、若し世人が皆職業を止めて祝詞斗り奏上して居たら国家は何うして維持して行けませうか。斯誤解は造何物たるかを知らぬからであります。諸君はこ政教慣造区別を明かに体得して戴かねばなりません。
 第二は私有財産撤廃、大家族制度に対する注意で、之に就ても大分世人に誤解されて居るやうであります。
 すべて天地間一切事物は「豊葦原千五百秋瑞穂国は我子孫君たるべき地なり」と云ふ御神勅を奉じて天が下を知食し給ふ我天皇陛下御所有であらねばなりません。即ち普天下率土浜王土に非ざるはないであります。然るに今我々が御仁勅によつて私有財産を許されるは臣民を赤子如く見給ふ陛下御神慮に依るもと有難く感謝し奉らねばなりません。でありますから自己が相当な生活をなして行くに足る財産は戴いて居ても決して差支へないであります。只今日成金輩為す如く、他赤貧に苦しむ人を顧みずして、自己快楽為にみ貪るやうな事はしないで、余裕あれば公益為に供せよと云ふに過ぎないであります。僅か五十年人生にみ通用する財産を積むよりも、末代に滅ぶ事なき霊魂徳を積め、吾々は斯う叫ぶであります。仏教でも説くやうに、すべて善因には善果あり、悪因には悪果があります。斯世で正義を行ひ人道を履んだ人は、神界にてはまことに結構な身にしていたいただき、永遠幸福を楽み得るであります。此事がよく了解さるれば、区々たる私欲為、自らを根底国に堕す人こそ真に欲を知らざる者と云ふべきではありませんか。我大本にては斯かる見地より、即ち形ある金銀財宝よりも、心中無形財宝を重んぜよと云ふ意味に於て、私有財産を重んじ過ぎるなと云ふであります。
 又日本国家は神代昔より、主師親三徳を惟神に具有し給ヘる、陛下を親と慕ひ家長と仰いだ、一大家族をなして居ます。故に互に反目争闘することなく、常に相倚り相助け以て、渾然たる一家団欒をなさねばならぬであります。是即ち吾人呼号する精神的大家族制度であります。
 然るに中には之を形体上事となし共産主義社会主義抔に誤解されるやうに説かれる人があり、為に当局より白眼まれ、神界経綸を妨ぐる様なことになるであります。又憲法は立替後には無くなるとか云ふ人もあるそうですが、すべて憲法は皆、陛下御欽定になつたもで、そ廃否は皆、陛下御意に御在します事でありますから、我々臣民は何も申上ぐべき訳がないであります。それから、地震雷火雨等と云ふ天変地災に付いては先に述べたことをよく体得して、軽々しき言は最も慎んで戴かねばならぬであります。
 御筆先には「本宮山御宮が出来たら黙りて居りて改心出来るやうになる」「物云ひたいやうな間は誠でない」「なんとした静かさだらうと世間から云ふやうにならぬと神は表になられぬ」抔とよく教へられてあります。私は斯う云ふ処から神諭発表を見合はせやうと思つた事は再三ありましたが、「変性女子は大本経綸を邪魔して、自己所説を拡めあとを取らうとする」なぞと誤解されてはと、躊躇して居ました。そうして居る所へ本月五日に至り火巻発売禁止命が来たであります。
 私は是は皆神界御仕組と、有難くこそ思ヘ決して不平も何も無いであります。御筆先は只一枚でもよく腹に這入ればそれでよいですから、諸君も今迄神諭を入念に御拝読になれば、火巻はなくとも毫も差支へはあるまいと思ひます。
 次は鎮魂帰神でありますが、当局でも之を廃止さすことは出来ぬが、可成せぬやうにして呉れと云ふことです。一体こ鎮魂帰神神法は古事記日本紀古語拾遺等国家重典に誌されてあり、大日本国教重要なる要素をなして居ます。そ起原は畏くも皇祖天照大神御時にあり、故に歴代陛下は御即位式節は必ず鎮魂祭を行はせらるるであります。又た宮中八神殿は則ち鎮魂神様が祭つてあります。故に若し真鎮魂帰神を無視するならば、夫れは軈て国教を毀ち、延いては皇室尊厳を冒涜する不敬に陥るであります。然し乍ら、今まで大本人々がやつて居たはそ上にも相違が有り、且つ余り濫用し過ぎて居ました。中にはそ原理も真目的も知らずに盛んにデモ鎮魂をやつて居た人も尠少ではなかつた様であります。そ上、地方発狂者などが治病為に鎮魂を受けに来るを、鎮魂をうけた為発狂したやうに誤伝せらるる等、カナリ迷惑や弊害を認めましたで、私は台湾当局が禁止するよりも更に以前に於て充分注意をしたであります。
 抑も鎮魂神法は上は畏くも天皇様治国平天下大道より、下は万民が修身斉家基本であつて、実に我神国重要事でありますから、万々一鎮魂を禁止するやうな事が在りとすれば、皇室ため国家ため断じて許さないで在ります。併し先達て台湾官憲が鎮魂を禁止しましたに就ても吾々は一言も抗議が出来ないと云ふ残念な次第は真正鎮魂でなくて、前に申上げた様なデモ鎮魂乱用に帰因して居ると思ひますから、止むを得ず泣寝入りを為て居るで在ります。如何に乱暴な国体精神に乏しき某地方官憲と雖も皆さんが真正なる鎮魂を奉修されるを禁止する筈は無い、要するに我々不明罪と思ふて自ら戒むるより外に在りませむ。其筋御注意点は是位なもであります。
 最後に一言奥津城事に就て申上げます。教祖様御昇天は大正七年十一月六日でありましたが、当時はか流行性感冒が猖獗を極めて居て、共同墓地に余地が無かつた為め、今奥津城使用を願ひ出たですが、仲々許しが出ず、御昇天后二十八日目十二月四日に漸く許可通知状が来たであります。然も御本葬はあと二日に迫つて居るで、各地青年隊が一生懸命に努力した結果、やつとあ土饅頭丈けが築けたであります。然し原設計は決してああ云ふでなくて、方形に石を積んでそ上に墓標を樹てる予定だつたです。
 処が其後あ奥津城は畏くも明治大帝御陵に似て居る不敬だと云ふ批難が起りました。実際そうであるとしたら、敬神尊皇愛国なる大本主義に悖り、敬虔なる教祖様も決して御快よく思はれないに違有りません。且心ある信者は此点を大いに遺憾に思つて居られるやうでしたから、私も二代も三代も大変心配して、一年祭までに原設計通り改築し度いと思ふて一二回或る法律家に問ひましたが、十年後迄は改築する事はならぬとことで心ならずもあ儘にして置いたですが、今回願つて許可を得る見当がつきましたから、三年祭(即ち本年十二月六日)までには原設計通りに改築することにしましたから、皆様に誤解なきやうに願ひます。
 又本宮山御神殿を(御神宮)と時報などにあるを見受けますが、御神宮なる呼称は官幣大社以上でないと法規上須ひられませぬから、今後は必ず御神殿又は大神殿と呼んで頂かねばなりません。
(「神霊界」大正九年八月二十一日号)
霊界物語ネットで読む 霊界物語ネット
オニド関係の更新情報は「オニド関係全サイトの更新情報」を見れば全て分かります!
王仁DB (王仁三郎データベース)は飯塚弘明が運営しています。 /出口王仁三郎の著作物を始め、当サイト内にあるデータは基本的にすべて、著作権保護期間が過ぎていますので、どうぞご自由にお使いください。また保護期間内にあるものは、著作権法に触れない範囲で使用しています。それに関しては自己責任でお使いください。/出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別用語と見なされる言葉もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。/ 本サイトのデータは「霊界物語ネット」掲載のデータと同じものです。著作権凡例 /データに誤り等を発見したら教えてくれると嬉しいです。
連絡先:【メールアドレス(飯塚弘明)
プライバシーポリシー
(C) 2016-2024 Iizuka Hiroaki