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。(2023/12/19)
文献名1
大本史料集成 2 >第1部 明治・大正期
の
運動
文献名2
第3章 幹部そ
の
他関係文書
よみ
(新仮名遣い)
文献名3
第3節 大本神諭に照らされたる世界覆滅
の
大陰謀
よみ
(新仮名遣い)
著者
浅野和三郎
概要
浅野和三郎
の
著作
備考
底本にはたくさん傍点が振ってあるがすべて省略した。
タグ
データ凡例
データ最終更新日
2019-05-14 05:53:46
ページ
195
目次メモ
OBC
B195502c1303
本文のヒット件数
全 1092 件/ノ=1092
本文の文字数
20883
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霊界物語ネット
本文
序
教祖
の
お筆先
の
中に、露国に上りてをつた悪神
の
仕組云々
の
文句が、所々に見えますが、何
の
ことだか判じ物
の
やうな感がないでもなかつた。然るに大正八年
の
初夏に、マツソン秘密結社
の
陰謀を曝露した印刷物が、日本
の
某重要官衙
の
手に入り、次いで我大本にもそ
の
一本が到来した。これが即悪神
の
筆先ともいふべき、其
の
結社長
の
演説草稿である。これで教祖
の
お筆先
の
謎がとけた
の
である、今回両者を対照して如何にも分り易いやうに編輯した人がある
の
で、取りあへず叢書
の
一として出版することにした。こ
の
人は井上顧問
の
令息で、廿歳
の
青年ではあるが、頭脳
の
明敏な又、恪勤励精
の
好信者である。序でに其
の
労を推奨して、紹介
の
辞に代へておかうとおもふ。
大正九年三月浅野和邇三郎
一 総論
私は大正八年十二月十五日号神霊界教主補様
の
随筆で、悪神
の
企みが雑誌「公論」紙上で曝露されたと拝読した
の
で、早速同誌を神戸堂で購めた。
「人類共同
の
仇敵世界覆滅
の
呪咀A秘密結社
の
大陰謀」
劈頭こ
の
大袈裟な見出しに先づ驚かされ乍ら読み初めた。
滔々五十余頁に亘るマツソン結社
の
大企画!
私は其陰謀
の
余りに浩大なると、其方法手段
の
余りに巧妙悪辣なるに、只々驚愕嗟嘆、頁を繰る手も為に打振ふ
の
であつた。が、私は読み終つて更に更に驚くべき事実を発見した。
即ち、此陰謀書が我大本神諭と全然合致して、恰も符節を合せたるが如くであるといふ事である。
で、私はこれから両者を数項に分つて、比較対照して見やうと思ふ
の
である。それには先づ此陰謀書、即ち此結社長
の
演説
の
稿本が如何なる性質なも
の
であるかを究むる
の
が最も必要なことである。
抑も、此秘密結社
の
最高幹部は猶太人によつて組織されて居て、金力と学力とを動力として巧妙毒悪なる画策を廻し、暗々裡に世界統一を九分九厘まで完成して居る
の
であるが、勿論こは単なる人為的
の
結社に非ずして、其後には邪神界
の
一大勢力
の
潜在せるは明白
の
ことである。そは我皇道大本
の
背後には正神界
の
大勢力
の
厳存せると同じであらう、而して此邪神界
の
主宰神は大本神諭
の
「八尾八頭
の
大蛇神(露国
の
悪神)」と「金毛九尾白面悪狐」とである。
此二邪神は神界にては国祖初め正神界
の
神々を圧倒駆逐して自ら地
の
神界(顕
の
幽界)
の
主宰神となり、遂には天
の
神界(幽
の
顕界)までも其
の
手を延べんとし、現界にては己が霊統をひける一猶太人に依つて全世界を統一せんと
の
企画を、泥海時代より起して居た
の
である。それは「其蛇神
の
目的は綾部
の
高天原を中心と致して置いて、自身が天へ上りて天から末代地界を守護致したいと云ふ思惑でありたなれど」(大正八年十二月十八日)
「利己主義
の
行り方でモウ一ツ悪を強くして、日本
の
国を平げて世界中を外国
の
世界に致して王
の
王になりて末代続かせる仕組をして居るから」(大正六年旧十一月廿三日)
の
神諭によつて明かである。
此結社は彼
の
悪神が、主として現界に於ける目的-世界統一-を達する為め、実行機関として造つたも
の
で、国祖が現幽両界に亘る立替立直を遂行し、正神界
の
主宰神に坐します天照皇大神
の
霊統を継承し給へる我日本天皇陛下
の
下に、現世界を統一せんが為め皇道大本なる団体を造られたと同一であらう。
然らば其機関
の
首脳者たる社長には此邪神
の
内何れかが憑依して居る
の
はモウ寸毫
の
疑を挾む余地もない
の
である。
「支那
の
帝政を覆し、露国
の
君主制を滅し、次で独逸其他
の
君主国を破壊したガガアール
の
悪神
の
霊魂は、米国に渡りてウイルソン
の
肉体を機関と致して世界を乱らし」(大正八年八月十二日)
こ
の
ガガアールと云ふ
の
は八尾八頭
の
蛇神ださうだから、こ
の
社長には今一つ
の
四足
の
頭が憑つてゐる
の
ではあるまいか。
「四足
の
霊は唐天竺へも渡りて来て、国々
の
人民
の
守護神を我
の
自由に致して全然人面獣心国に致して、未だ此上に日本
の
国
の
王
の
○○○を自由に致す積りであるが」(明治四十年十月十六日)
なる神諭と、世人が此結社
の
悪計に籠絡され、日本人
の
内にもかゝる人が年々歳々激増しつ』ある
の
とを対照して見ると、さうも考へられる様だ。
正神界に変性男子
の
経役と女子
の
緯役とがあるからには、邪神界にも亦有るに違ひない。即ち此社長が経役、独帝ウイルソン等が緯役をやらせられて居る
の
ではあるまいか。
然らば、此演説
の
稿本はそ
の
憑依せる邪神
の
頭が社長
の
肉体を使つて書いたも
の
、即ち邪神界
の
神論と見做すことが出来る
の
である。
是
の
稿本を霊的方面より
の
観察で無しに、単に人為
の
結社長
の
目論見として見ても実に驚死すべき者で、世界人類殊に我々日本人は正に反覆熟読三省すべきも
の
であるが、之を彼
の
悪神
の
頭
の
筆先として見たならば、更に更に驚くべき深意義が発見される
の
である。 否私をして言はしむれば、然う解するに非ずんば、到底其真意義を極むることは出来ない。即大本神諭を国祖
の
神懸と考へずに、教祖が肉体で書かれたも
の
として解釈するも、少しも其真意を捕ふること
の
出来ない
の
と趣を同じくして居ると思ふ
の
である。故にこ
の
両者
の
比較は実に正邪両神界
の
神諭
の
対照である。
吾人はこれによつて神界
の
御経綸
の
深遠広大なると、時期
の
大切迫と、大本神諭
の
絶対的権威とを、悟らざるを得ぬ
の
である。
只憾むらくは、私
の
読み様
の
浅薄ながために此抄録を甚だ不完全杜撰な者としたことで、こ
の
点は深く謝する次第であります。
大本神諭とマツソン結社社長演述稿本と
の
対照
(一)自由平等
の
権利
(マツソン)吾人が自由・平等・四海兄弟なる標語を民間に放つた
の
は、既に古代
の
事である。夫以来、此等
の
語は幾度といふ事なく鸚鵡返しに復習されてゐる。其鸚鵡は此好餌に飛び集り、之を咥えて去ると同時に、世界
の
幸福を破壊し、真正なる個人
の
自由を破壊した。所謂智識階級
の
猪口才な人は、此等
の
語
の
抽象であることを知らぬ。其意味
の
矛盾と調和とを知らぬ。又自然界には平等なく自由
の
有り得べからざることや、自然に於る智識才能
の
不平等が自然
の
大法則であることを知らぬ。
自由・平等・同仁といふ言葉は、吾人
の
牒者が之を世界
の
隅々に宣伝した。幾千万
の
民衆は吾人
の
陣営に投じ来り、此旗を担ぎ廻つて居る。然るに、実際は此標語は到る処に平和と安寧とを破壊し、国家
の
基礎を顛覆して、欧米人
の
幸福を侵害する獅子身中
の
虫である。是が吾人
の
勝利を助長したと言ふことを、諸君は後日首肯せらるゝあらう。
権利を愛する者を刺撃〔戟〕して権力を濫用せしむる為には、吾人は独立解放といふ我儘な主張を鼓吹して、あらゆる勢力を樹立せしめた。
自由といふ抽象的な標語は、何者を民衆に与へたか。政府といふ者は、国家
の
持主たる人民
の
手代に過ぎないから、破れた靴
の
如く之を委棄交代せしめる事が出来るも
の
だと云ふ観念を与へた。人民が代表者-政府
の
-を交代し得るといふ事が即ち吾人に其代表者を左右すること
の
機会を与ふるも
の
である。
若し人間に自由を与へて或年月之に自治を許すならば、放縦に流れるに極つてゐる。其から内乱が起る、団体的戦争も起る。次第に国家は紛乱して、国家が無くなる。自由主義によつて、色々
の
権利が主張せられ、要求せらる。随つて国家と法律と
の
力が段々減殺せられる。吾人はかゝる国家に新権利を獲得し、之を支配する。斯くして彼等は自由と我儘とによつて、実権を我等に明渡すことになり、我等は之を受取つて彼等を圧制してやる
の
だ。
吾人は各国民に対しては極力自由主義を鼓吹するけれども、吾党
の
内では絶対的無言服従である。
吾人
の
天下になつた時、国民学校で教へねばならぬことは、唯一
の
学問、学問中
の
学問である。其は何か。人生
の
組織と分業とを有する社会組織である。換言すれば、人間を階級に分たねばならぬと云ふことである。平等は有り得べからざる者であることを各自が記憶せねばならぬ。何となれば各自
の
行動
の
価値が異つて居るからである。
真
の
自由は「自由は放縦な我儘をする権利ではなく、又人間
の
力と真価とは良心
の
自由平等など
の
如き破壊を主張する権利にある
の
ではない。又個人
の
自由とは烏合
の
集会場で駄弁を弄し、自他を混乱させる権利ではない。真
の
自由は公共生活
の
諸規則を守る人
の
不可侵権であり、又人
の
真価は自分
の
権利と同時に無権利を自覚するにあるも
の
で、自己といふ問題に
の
み没頭して空想を描いてはならぬ。」
(大本神諭)自由平等とか申すことは一寸と聞けば誠に結構な行り方
の
様であるが、日本
の
神国
の
御先祖様
の
道を外れて、外には自由も平和も来るも
の
ではないぞよ。日本には、天照皇大神様
の
万古不易
の
動かぬ神教があるから、此教を忘れて向ふ
の
国
の
悪神
の
行り方いたしたら、到底世界は安心して暮すことは出来ぬから、日本
の
神国
の
人民は一人も残らず天照大神様
の
御血統を立て、麻柱
の
誠を貫いて行かねばならぬ、大きい天から
の
責任が有る
の
であるから、国
の
権力や神
の
稜威を無視するやうな悪神
の
計略にかゝらぬ様にして下されよ。(大正八年八月十一日)
露国
の
悪神
の
霊魂が日本へ渡りて来て、他人
の
苦労で此世を盗みて、好き寸法
の
世
の
持方致して、日本魂
の
胤を無茶にいたして自己さへよけらよいと申して、栄耀栄華
の
仕放題
の
世
の
持方に……(明治三十三年二月十一日)
世を立替へて了はんと上が下に覆りて居る
の
で、斯世が思ふ様に行かん
の
であるぞよ。上は上
の
位、下は下に住みて物事に順序を立てねば誠
の
修りはつかんぞよ。(明治三十三年八月十三日)
上は上、下は下相応
の
行を致して、区別を立てゝ何彼
の
規則を決めるぞよ。規則通りに致さねば向後
の
世は厳しくなるぞよ。これ迄とは天地
の
違に変るぞよ。(大正元年旧十月五日)
今や、世は挙つて、自由平等に権利主張に狂奔し、苟も之に反対的口吻を洩らす者は、二、三世紀もおくれた者として早速に社会から葬り去られさうな勢である。而も、曷ぞ知らん此語は、A結社即邪神が既に古代より世界各国民に注射し、之を麻酔狂惑せしめ以て各国を紛乱倒壊せしめんとして居る麻酔薬であらうとは、誠にあきれるより外はないではないか。げにも自由平等にあこがるゝ者は、大本神諭
の
「放縦な好寸法な我良し
の
行方」に相違ない。此自由平等
の
標語は彼等にとつて最も大切な武器であるが、之が如何なる方面に如何にして使用せられ、如何なる効果を齎したかは、章を重ぬるに随つて判明する。
又世
の
学者輩は、大本信者を以つて「所謂智識階級」と笑つてゐる。
一方社長は彼等博学
の
士を指して、亦「所謂智識階級
の
猪口才な人」と嘲つてゐる。吾人は茲に非常なる滑稽と皮肉を見出すではないか。
(二)無神論物質文明科学
の
発達と金力崇拝
(マツソン)自由が若し敬神を根拠として四海同胞主義に根拠を有する時は、国民
の
幸福を阻碍することなく、国家組織は維持して行くことが出来る。斯る宗教と信仰とを持つて居る時は、人民は地上に於る神
の
摂理に従ひ、教会に統御せられ、甘じて温柔に精神
の
父なる牧師
の
命に従ふも
の
である、夫故吾人は宗教
の
根底を覆し、世界人類
の
裡から神
の
観念を抜き取り、之に代ふるに打算と数理的要求とを以てせねばならぬ……。
かくすれば社会を指導するも
の
は唯打算、即ち金力
の
みになり、金力が与ふる物質的快楽
の
為に金力
の
みを崇拝することになるだらう。
そうなると、各国
の
下層民は至善に勤むる為でもなく、又富
の
為でもなく、唯上流社会に対する憎悪から吾人に服従して、吾人
の
競争者たる上流社会
の
権力を奪はんとすることになる
の
だ。
吾人は文明進歩と云ふ一語を以て各国民を惑はせて大いに成功したではないか、各国民
の
内には物質文明
の
外進歩と称すべきも
の
無しと思ひ、進歩なる語が却て真理から彼等を遠ざける好餌たることを知るも
の
はない。
神様は、真理
の
保護者たる吾人
の
外誰にも真理が見えないやうに、巧に蔽ひ隠して了ふ
の
である。
吾人
の
世界統御策は歴史的
の
経験や、時々刻々
の
注意深い観察から来る
の
である。欧米一般
の
人々は公平なる史的実験を基礎としないで、唯理論的迷路を辿つて、其結果に対して少しも批判的態度をとらない。是彼等
の
恐るゝに足らざる所以である。
彼等は当分歓楽に耽るがよい。新歓楽を空想するがよい。過去
の
追想に耽るがよい。又吾人が与へた科学
の
命令を金科玉条として遵奉するがよい。吾人は出版物
の
力を仮りて絶えず科学に対する絶対服従を鼓吹せねばならぬ。彼等
の
智識階級は其智識に誇るがよい、吾人
の
牒者が組立てた学問をば彼等に応用させる
の
だ。
分り切つて居る虚偽な学説を吹聴して、吾人は各国
の
青年を惑乱させた。
吾人は最も斬新に最も進歩的に見える学説
の
製造に人心を向はしめねばならぬ。
昔宗教が国家を統べた時代もあつたが、現今は金力が支配者となつて居る。吾人
の
動力は金力である。
(大本神諭)今
の
世界
の
人民は此世に神は要らんも
の
に致して、神を下に見降して、人民より豪い者はなきやうに思うて居るが、見て御座れよ。
立替
の
真最中になりて来ると、智慧でも学でも金銀を何程積みて居りても、今度は神に縋りて誠
の
神力でないと、大峠が越せんぞよ。(大正五年旧十一月八日)
日本
の
人民欲に呆けて、学斗りに凝りて、利己主義
の
行方で理窟斗り申して、学力で弁解致して、我
の
悪を隠さうと企みて、一生懸命に学を勉強致して、人を下に見降して、我が上へ昇りて楽に暮すことを考へて居るが、之が外国
の
悪
の
行り方であるぞよ。日本
の
国は神力で、何事も行ける結構な国である
の
に、外国
の
カラ
の
教に従うて、日本
の
神
の
教を寸毫も用ひずに薩張誑されて居りて、外国にどんな仕組を致して居るといふことも解らずに居る、曰本
の
上下
の
人民は、今に天地
の
先祖様へ申訳
の
なきことが出来いたすぞよ。(明治三十六年四月一日)
是迄は学力がありたなら、上へ登れたなれど、学力は九分九厘で霊
の
利かん様に仕組みてあるから、時節には勝たれんから、いろはから勉強いたさな、今
の
学では誠
の
ことが分らん
の
で、世が渡れんぞよ。物質と学と
の
世
の
終りとなりたぞよ。(大正六年十月十六日)
変性男子と変性女子と
の
身魂が、誰もよう為ぬ辛抱を致して、此世には神は無きも
の
と、学で神をないやうにして居りた
の
を、此世に神があるかないかと云ふことを、三千世界
の
天晴と天地
の
神をあらはして見せて、此先は日本
の
国は神力なり、外国は学力でどんな事でもいたすなれど、世
の
本
の
根本
の
生神
の
神力には敵はんから、今
の
中に海外
の
国
の
悪神
の
エライ陰謀を砕いて了ふから、一日も早く往生致すが得であるぞよ。(大正元年旧八月十九日)
今
の
人民は一も金銀二も金銀と申して、金でなければ世が治まらんやうに取違したり…学さへ有りたら、世界は自由になる様に思うて、畜生
の
国
の
学へ深はまり致したり……
是も皆露国へ上りて居る悪神
の
霊
の
所行であるぞよ。(明治三十一年旧五月五日)
これに見らるゝ如く、物質文明
の
隆盛及び其原因たる科学
の
発達は、皆世界統一
の
為めに、マツソン結社によつてなされた
の
である。其企画
の
深遠高大なる、真に驚くにたへたりと云ふべきではないか。
併し、こは一見甚だ奇矯
の
説
の
如く、世人はなかなか信じないに違ひない。彼等は「科学者
の
総てがマツソン結社員でない以上、かゝることは有り得べからざることである」など云つて反対するだらう。
然らば、「吾人は文明進歩を云々」「吾人
の
与へた科学
の
命令」「吾人
の
牒者
の
組立てた学問」等は全然虚構
の
ことであらうか。否々国祖
の
御筆先が毛筋
の
横幅
の
嘘もないと同様に悪神
の
頭
の
筆先にも偽は書いてない筈である。
此
の
間
の
説明は、現界(物質界)
の
みを見た皮相的
の
観察では得られない
の
で、どうしても一歩を進めて神界
の
奥を洞見しなければならない
の
である。
抑も、此
の
露国
の
悪神と呼ばるゝ神、即ち八岐遠呂知は元は偉大なる肉体をもつてゐて、天然造化
の
現象をも自由になし得る、絶大な神力を発揮してゐた
の
であるが、其
の
巨躯は、古事記
の
「簸
の
川上」に於て、素盞嗚尊にょつて滅されて了つた
の
である。既に幽体
の
みとなつては、さすが
の
彼ももうそんな絶倫な神力を発揮することは出来ない。そこで彼は、其失へる神力に代ふるに学力を以つてし主として人間を機関とし正神界
の
元
の
活神(竜神)
の
神力に対抗しやうと試みた
の
である。
かくて彼は部下
の
神々をして、後世科学者と呼ばるるに至つた人々に憑依せしめ、以つて科学を興した
の
だ。性質こそ邪悪なれ、驚くべき頴敏な智能を有する「悪賢い性来」
の
彼等
の
努力は決して空しからず、やがて科学は長足
の
発達をなし、今日
の
物質文明
の
隆盛を見るに至つた
の
である。
即ち科学者
の
殆どすべては、皆此結社
の
後に控へて居る邪神
の
使徒となつてゐた
の
で、取りも直さずマツソン結社
の
忠実なる社員である訳だ。
是が「吾人
の
与へた科学」「吾人
の
牒者
の
組立てた学問」とある所以で、決して虚構
の
説でも誇張せられた言でもない
の
である。又国祖が科学万能主義を極力攻撃せられ、現代
の
文明を外観的な似而非文明と罵倒せらるゝ所以や、神諭中到る所に繰り返されてある。
「神力と学力と
の
大戦」
の
意義も、かくて初めて闡明になる
の
である。
それから茲にもあるが、此演説中には神様は吾人を保護する云々
の
語句が厦々繰り返されて居る。是も神界
の
消息に盲目な現代人には、一種
の
修飾語位にしか見えないだらうが、こは言ふまでもなく、彼蛇神以下
の
邪神を指す
の
である。是によつてもA結社が邪神界
の
「大本」なる所以が、首肯せられるだらう。
以上
の
自由平等
の
標語、無神論、唯物的科学、物質文明
の
謳歌と、金力
の
崇拝、之が彼等外国
の
邪悪神人
の
最有力な武器である
の
である。飜つて世界
の
現状は如何?
嗚呼人類
の
咽喉は、将に此等
の
兇器によつて突き貫かれんとして居るではないか、今や実に世界人類
の
覚醒す可き時である。日本神民
の
奮起す可き秋である。
(三)善
の
仕組と悪
の
仕組
(其源深し、何れも九分九厘)
(マツソン)今日諸君に報告したいと思ふ
の
は、吾人
の
目的が早や完成に近づいた事である。剰す所は僅少だ。神秘的
の
蛇論を完成せんとして居る。此輪が結び付いたならば、欧洲諸国は最も強靱な「たが」で締めつけられた様になる
の
だ。
世界列国
の
同盟が一時は我等に対して対抗し得るかも知れぬ。が、是も敢へて恐るゝに足らぬ、何となれば吾人は、二千年もかゝつて、各国民
の
間に抜くこと
の
出来ない分離
の
根を張らせて置いた
の
だ。
世人が事
の
真相を知らば、事
の
未だ成らざる内に、兵力に訴へて吾人を攻撃するだらうと言ふかも知れぬが、其れに対しても準備がしてある。
如何なる勇士をも戦慄させる恐ろしい計画がある。是は地下鉄道だ、地下鉄道は遠からず各国
の
首都に通ずる。国家
の
政治機関と書類とは一時に爆発されて了ふだらう。
吾人
の
牒者は上流、下流、呑気な行政官階級、著述家、出版業者、本屋番頭、職工、馬車屋、家僕、其他
の
も
の
共である。
吾人は世界各国に調査、感化
の
機関たるA座を設ける。各座には革命主義や自由主義
の
分子を悉く糾合する。座員は各階級から集める。彼等は政治的陰謀を起すも
の
である。吾人
の
手中には現代
の
一大威力たるも
の
、即ち金力がある。二日間でもつて、吾人は如何なる大金でも秘密金庫から取出すことが出来る。
各国
の
重なる言論機関は既に吾人
の
掌中にある。吾人は之を丈夫な手綱で操縦する。
今や、吾人
の
権力外に二、三
の
権力が残つてゐる斗りだ。他は悉く掃除して了つた、現に吾人
の
道路には何
の
障害もない。吾人
の
超越政府は正に超帝権
の
資格を具備して居る。目下吾人は世
の
立法家と云つて差支ない。裁判と警察権とを行つて、活殺自在である。
(大本神諭)天地
の
先祖をなくして悪
の
行方で世界
の
頭となりて、此先を悪をモウ一つ強く致して、まぜこぜでやりて行かうと
の
、初発
の
目的通りに、此処までは、トントン拍子に、面白い程上りて来たなれど、此
の
日本には、神
の
深い経綸が世
の
元から致してありて、日本
の
仕組通りに九分九厘まで来たぞよ。
悪神
の
仕組も九分九厘までは来たなれど、モウ輪止りとなりて前へ行くことも出来ず、後へ戻ることも出来ん
の
が、現今
の
ことであるぞよ。仕放題
の
利己主義
の
行方で、末代此世を悪で立てゝ行くこと
の
目的が、今迄は面白い程昇れたなれど。(大正四年旧十二月二日)
外国
の
悪神
の
企みは、神界にては三千年余り前から、仕組を悪神が致して居りたなり、外国
の
人民を使うて斯世を乱しにかゝりてからでも、二千年になる永い経綸であるから、世界隅々までも、山
の
谷々までも、水も漏らさぬ仕組を致して居るぞよ。(大正八年八月十一日)
初発
の
世界
の
泥海
の
折から、末代
の
企を為て居りた極悪神
の
身上は、日本
の
元
の
大神が詳く知りて居られるから、日本にも、初発から深い仕組が為てありて
の
、今度
の
神と神と
の
大戦であるぞよ。外国
の
悪
の
頭は、何うなりと日本へ上る企をして居るなれど、日本
の
国へは上げられんから、露国
の
先祖としてありたなれど、悪
の
強い奸賢い性来であるから、何
の
様にしてでも、目的を立てねば、途中で邪魔をいたすと云ふ邪神であるから、天地
の
根本
の
大神は、茲まで悔しい残念を堪り詰めて、悪神
の
仕組
の
九分九厘と成るまで
の
、永い間
の
堪忍をいたして、悪神
の
頭
の
目的を立てさして置いたが、モウ一ツ目的を立て居る
の
を、日本
の
元
の
大神がよく知りて居るから、日本
の
神国には、外国
の
御魂
の
能うせん事が仕組であるから、九分九厘まではトントン拍子に出て来たなれど、モウ悪
の
仕組
の
輪止りが来たから、フクロ鳥
の
宵企みとなりて、此先では夜食に外れて難しき顔を致さなならん様に、時節が参りたぞよ。明治廿五年から知らしてあることが、皆其通りに出て来るぞよ、斯世が出来てから未だない、末代に一度外為られん二度目
の
世
の
立替である
の
に、何も判らぬ悪神
の
仕組は、我良し
の
弱肉強食
の
行方であるから、我
の
血統と親族と眷属とさへよかりたら、何時までかゝりて居りても、奪れた折に奪りたら良いと云ふ悪神
の
仕組は、楽な行方であるぞよ。そんな仕組をして居る方
の
云ふやうに相手になりて居りたら、此世が泥海となることが見透いて居るから、昔
の
元から日本
の
国には、悪神
の
方からは見えも判りも致さず、学力でも智慧でも外
の
身魂では出来ん経綸がしてあるから。……(大正六年旧十一月廿三日)
日本
の
国は二度目
の
天
の
岩戸開を致して、日本は日本
の
御血統で、元
の
天照大御神様
の
神政に捻ぢ直して、世
の
大本から
の
御血統で、万古末代世を建てゝ行く世が参りたから、体主霊従身魂
の
世
の
末であるから、好い加減に往生いたすが徳であるぞよ。ここまで日本
の
国を四ツ足
の
自由にしられて、実地
の
大本を無いも同様にいたして置いて、末代
の
世を、未だ此儘で行りて行かうと
の
悪智慧を搾り出して、前後構はず一生懸命に気張りて居るが、到底成就は九分九厘
の
所で致さん、気毒なも
の
であるぞよ。(大正七年旧一月廿三日)
公論記者は次
の
やうに云つてゐる。「露国は倒れた。独墺は倒れた。英国や伊太利は労働問題に、無政府主義に、苦しみつゝある。嗚呼A結社
の
所謂神秘的蛇論
の
首と尾とが結ばれる時が来るだらうか。斯う考へると欧州諸国は随分危い。此際に当つて断然として立つて国家を維持し、如何なる陰謀にも毒計にも更に動かないも
の
は、我日本帝国でなければならぬ。神秘的蛇論は現代
の
八岐大蛇だ。其首を刎ねる
の
は大和民族
の
任務である。」こ
の
八岐
の
大蛇と断じた所は偶然か、記者
の
霊覚か、大本神諭と一致して居る。素盞嗚尊
の
働を言霊解すれば、雄しき益良夫
の
団体
の
働となる、之は教主補
の
御話である。
八岐大蛇は八人之姫
の
内七人まで併呑んで了つた。彼は只一人残された櫛稲田姫をも呑まうとして居る。それが現今である
の
だ。
大和益良夫蹶起
の
時は来た。酒甕
の
智謀と、十拳
の
神劔
の
武勇とによつて、大蛇を寸断する秋は来た。吾人
の
責は重且大である。嗚呼思ふだに吾人
の
血は湧き吾人
の
肉は躍るではないか。
(四)立憲政治共和政体
の
不可と君主神権政
の
優越
(マツソン)吾人は自由主義なる毒を吾人
の
敵なる諸国に注射した、諸国は不治
の
病にかゝつて今煩悶して居る最中だ、リベラリズムから憲法政治が生れた。此政体も運用
の
方法を巧みにしないと、唯紛擾し争論する無益
の
学校となつて了ふ。議会
の
辯論は刊行物以上に王者
の
行動と勢力とを殺ぐも
の
だ。
浜
の
真砂
の
様な饒舌家は国会と政府とを舌戦場と化して了つた。大胆な新聞記者、無遠慮な政論客は毎日行政官を攻撃する。五里霧中な群集
の
為結局万事は顛倒するだらう。吾人は民衆
の
為、名
の
みで実
の
ない権利を憲法に入れた。吾人が食卓
の
上から投げ与へるパン
の
切れと、吾人
の
命令と
の
外に下層
の
人民は憲法政治から何者を得ることが出来たか?民衆と云ふも
の
は、つまらない意地や、迷信や、或は小供に等しい理窟に囚はれて、動もすると党争を惹き起して、分り切つた事にでもなかく一致しないも
の
である。彼等は政治上
の
秘密を知らないから、何でも多数決といつたやうな愚にもつかない事で決議をして、無政府
の
種を蒔くも
の
である。
欧洲
の
諸国にも漸く共和時代が現出した。政治上
の
畸形児たる大統領が出来る。大統領は吾人
の
手足たる民衆に選挙させるから、結局彼も吾人
の
命を奉じて働かねばならぬやうになる
の
だ。吾人は大統領に新憲法を制定させ、吾人
の
掌中に立法能力を収めて了う。
共和制は貧乏人にとつては痛々しい皮肉ではないか。何となれば、日々
の
衣食に追はれるから自分
の
権利を利用することが出来ないで、雇主或は仲間
の
罷工に左右せられて、確実な常収入を失ふことになるから。
唯独裁君主
の
みが諸般
の
計画を統一し国家機関
の
上に按配し、秩序をたてゝ処理すること
の
出来るも
の
である。故に国家
の
利益になる政治は、責任ある独裁主権者
の
掌裡に帰しなければならない。吾人
の
主君は神意によつて定められたも
の
であり、理智ではなく、寧ろ性情によつて統治する。
将来政権が吾人
の
手に帰る時、一切
の
憲法を除去する階段として諸制度を一つ一つ取り除いて置く
の
である。そして憲法政治
の
変更を提議する。尤も吾人
の
独裁政治は立憲制破壊以前に承認されるかも知れぬ。
(大本神諭)日本
の
為政者流が外国之施政方針模擬を敢行心酔て、全然皇国天立神権君主を偶像視して、自己栄達主義之暴政であるから、日本
の
国
の
現今
の
下民嘗塗炭之状態であるぞよ。
日本
の
天立君主神権政治を立憲君主政体に変更して、至尊様
の
天権を束縛して了うた故に、人民
の
中
の
偽善高官までが、神皇を蔑視して居るぞよ。共和政体立憲君主政体は、日本には絶対的不適当ぞよ。(大正元年旧七月四日教主義訓)
外国
の
真似斗り致して、是が開けた世
の
行り方と申して居るが、何処が開けた
の
か。肝心
の
開くべき処は二重三重に塞いで了うて、開いてはならぬ神国
の
宝を破乱して、二進も三進も行かんやうになりて、途中
の
鼻高が毎年一処へ国々から集つて来て、豪い結構な御相談や言論を致して御座るが、下
の
何も知らん人民はよい面
の
皮じやぞよ。(大正六年旧十一月廿三日)
世界中を桝掛を引いて、世界を、大本を創造へた天と地と
の
先祖
の
誠
の
王で、万古末代善一つ
の
神国
の
王で、世を治めて、口舌
の
ない様に致すぞよ。天は至仁至愛真神天照大神様
の
神
の
王也。地
の
世界は根本
の
大国常立尊
の
守護で、日本
の
神国
の
万古末代動かぬ神
の
王で治めるぞよ。
此世界は一つ
の
神
の
王で治めんことには、人民
の
王では治まりは致さんぞよ。日本
の
王は神
の
王であるぞよ。(大正五年旧十一月八日)
憲法政治は国家を破壊するに効果
の
最も顕著な否欠くべからざる唯一
の
有力な武器
の
自由主義から生れた
の
だ、即ち出発点よりしてマンマとマツソン
の
戦略にかかつて居る
の
である。其
の
不可なるは言ふまでもない。 読者諸君はくだらぬ理論ー社長
の
所謂「子供に等しい理窟」を棄てゝ、過去
の
決算報告帳たる歴史に徴して判断せられよ。
ナポレオン皇帝
の
下に統べられたフランス帝国は、国威隆々としてよく全欧州に号令し得た。而して彼
の
帝政が倒れて、自由民権を標榜して居る現今
の
フランス共和国となつてからは如何?外には忽ちプロシヤに粉砕せられ、内政も亦思はしからず、其国力
の
消長隆替
の
甚しきは殆ど同日
の
談ではない
の
だ。之を上古に求めんとするならば、君主専制
の
権化たるスパルタと自由民主
の
標本たるアテネとを比較せられよ。近くに求めんとするならば、征旅数千里、燎原
の
火
の
如き勢を以て遠く欧洲
の
野まで躁躍し去つた元帝国と、現今
の
中華民国とを対照せられよ。更に万世不易
の
我帝国と興亡定りなき世界各国とを比較して見られよ。
又理窟家は専制政治は為政者に勝手な暴戻を許し、下民は甚だ不幸であるなど云ふかも知れぬが、現今レイニン、トロツキー等が口に民主、共産を唱へ乍らなしつゝある暴虐は、之を何れ
の
帝王何れ
の
君主に見出されるだらうか。
桀紂は酒池肉林
の
淫楽に耽りし故に、ネロは美姫を焼き基督教徒を犬に喰はせた故に、暴君
の
模範とせられたが、斯く
の
如きは、今日数千人
の
罪なき老者小児を虐殺し毒殺し餓死せしめ、活として顧みない、彼ら
の
暴戻に比しては殆ど物
の
数にもならない
の
だ。
「先見
の
明ある王者と盲従的な国民とが合する時は、吾人にとつて最も恐しい敵である」と云ふ社長
の
言に、是等
の
活事実を照らして見たなら一切は明々白々である。
之を更に具体的に説明すれば、マツソンは先づ自由平等なる標語を以て、行政権を少数
の
帝王より多数
の
民衆
の
手にわたし、次に此
の
麻薬を益々つよくし盲目な山羊(民衆)を駆つて帝王を倒させ、世界が紛々擾々回収すべからざるに至るを待つて、暗中に磨いて居つた毒爪を顕はし、之を一網打尽的に征服し統一
の
目的を達成せんとする
の
が、其最初から
の
計画である
の
だ。此第一段が即ち憲法政治となり、第二段が民主共和政とあらはれ、第三段でマツソン大帝国
の
出現なる最後
の
結果に到達する
の
だ、であるから、憲政を採用する
の
はやがてマツソンに隷属するに至る行程に立つたも
の
であつて、民主、共和国
の
如きに至つては事実上既に其属国と云つてもよい
の
である。
故に国家
の
滅亡を防ぐべく吾国民
の
取るべき道はどうしても万世一系
の
御天職を翼賛し奉り、皇室中心主義
の
下に国民は只管勅令をかしこみ、上下一致して忠君愛国
の
至誠を披瀝し、以てこ
の
大敵に当らねばならぬ
の
だ。
かくして初めて正神界
の
神々
の
大加護は来り、其絶大なる神力は第二
の
神風となつて一挙にして外国
の
悪神
の
経綸を粉砕して了はれる
の
だ。
今日
の
学者
の
如く少しも其
の
由つて来る所を窮めずして、徒に自由民主を鼓吹するが如き学説を流布して得々たるは、自ら亡国
の
種子を蒔き、マツソン
の
世界統一を助成するも
の
で、所謂盗に糧を資し冠に兵を仮す
の
愚に等しい
の
だ、余は我国
の
学者輩
の
猛省を切に希望してやまない。
普選問題
の
如きもこゝより見れば、我国にとつて如何に危険なも
の
であるかは明白である。是も勿論マツソン
の
仕組んだも
の
で、社長は次
の
如く堂々と言明して居る。
「吾人が希望
の
革命を完成した暁には、次
の
やうなことを云はう。
『君達
の
困苦
の
原因、即ち民族、国境、貨幣
の
差を研究しよう。是に対して諸君は、否定的
の
宣告を為されるかも知れぬが、其れは自由である。然し吾人が諸君に与へんとするも
の
を試みないで否定する
の
は食はず嫌
の
譏を免れることは出来ない』と。斯く言ふなら、彼等は心中から喜んで、異口同音に吾人を讃美するに相違ない。
吾人が天下掌握
の
武器と恃む普通選挙は、人類同士をして団体集合や協定など
の
習慣を作らしめ、遂に吾人
の
提議を否決する前に、其れを研究しようといふことに一致させる。之が為には階級
の
区別なしに何人にも発言権を与へて絶対多数を得なければならぬ。」
嗚呼惑はされたる国氏よ!須く直ちに迷夢より醒めて警戒せよ!然らずして猶軽挙を敢へてし盲動を続くれば、次に来るも
の
は只亡国ある
の
み、マツソン
の
専制ヘ
の
隷属ある
の
み!
(五)労働問題と食糧問題
(マツソン)今日一般
の
人民は自分
の
暗黒と吾人が故意に助長する迷論に動かされ、自分より上
の
階級に対して敵意を抱いて居る。此敵意は経済上
の
恐慌によつて一層高められる。吾人は自己
の
掌中にある金力と陰謀とによつて、経済的恐慌を起してやることに準備して居る。即ち時を期して一時に労働者が注むに家なき有様を来らしめる。さうすると彼等は日頃から憎んで居る富豪
の
血を吸はうと思つて馳せ集り、富豪
の
財産を掠奪することになる
の
だ。
吾人は各国
の
工業を破壊する方法を予め設けてをる。吾人が鼓吹した所
の
贅沢的要求を益々ひろげる。又益々労銀を騰貴せしめる。こ
の
労銀は労働者にとつては何
の
利益も与へないも
の
である。何となれば農業畜産
の
衰微を名として日常品
の
価格を引き上げるから、吾人
の
謀計を中途で以て悟られないやうに、表面上労働階級を助け、吾党
の
経済学者
の
主張して居る経済原則を擁護するか
の
如く装うて、吾人
の
本心を蔽ひかくさねばならぬ。
今日食物
の
欠乏は、各国民をして何んでも斯でも吾人
の
奴隷たることを甘んじさせねばならなくなる。
(大本神諭)悪神
の
先祖
の
企みで、薩張り世
の
持方を誤されて了ふて、上下運不運
の
激しき世になりて、上下
の
守護神人民が、内輪喧嘩斗りで日を暮し、ストライキなど起さなならんやうに、国と人民
の
心とを乱されて居りて、チツトも気
の
附かん厄介な人民斗りであるから。(大正八年八月十一日)
食物は段々と欠乏になる也、菜
の
葉一枚でも大事なことに、今になりて来るぞよ、何程金を貯めて歓んで居りても、正勝
の
時には金銀では命が継げんぞよ。百万円
の
金よりも一握
の
御米
の
方が大切な世が廻りて来て。……(大正六年旧十一月廿三日)
結構な田地に木苗を植ゑたり、色々
の
花
の
苗を造つたり、大切な土地を要らぬことに使うたり致して。人民
の
肝腎
の
命
の
親
の
米、麦、豆、粟を何とも思はず、米や豆や麦は何程でも外国から買へると申して居るが、何処までもさうは行かんことがあるから、猫
の
居る所にも五穀を植ゑ付けねばならぬ様になりて来るぞよ。(明治卅六年旧十一月九日)
嘗て大本時報紙に神諭さへ読めば労働問題
の
如きは、勿ち解決されると、あつた
の
を、或新聞が巣鴨式だとか云つて笑つてゐたが、労働問題
の
如きはマツソンが多数
の
下層民を利用して己が強敵なる各国
の
帝王、資本家、地主
の
権力を失墜せしめんが為に起したも
の
で大本神諭によつて容易に解決せられる
の
である。
「こ
の
大本には、三千世界
の
大気違やら大化物が現れて、世
の
立替立直
の
御用を致して居るから、普通
の
人民
の
目からは見当は一寸、とれ難いなれど、世界
の
大本に現はれた大気違
の
申したことは一分一厘違
の
ない、チト実
の
ある気違であるぞよ。神から見れば今
の
日本
の
人民は真正
の
狂人斗りで、言ふことも為ることも皆間違だらけであるぞよ」。(大正七年十二月二十二日)
A結社が世界統一
の
武器とた
の
んでゐる普通選挙を一生懸命に後援し、時勢に順応せぬばならぬと叫び、ヤレ階級制度廃止、ソレ自由民権と、マツソン
の
思ふ笑壷に、忠義立をしてゐる新聞記者こそ、大神
の
御目には真
の
巣鴨式に見えるだらう。
(六)贅沢
の
禁止
(マツソン)吾人が世界を統一した暁には、吾人は贅沢品
の
製造を制限する。
(大本神諭)上
の
人民が贅沢なから、下までが見習うて又贅沢をいたすが、何時までもこんな行方では続かんぞよ。
天地
の
先祖が構ふ世になれば、今まで
の
やうな贅沢な行方を根本から変へねば、此儘で行り放題にさして置いたら、上も下も総潰となりて、こ
の
世が立たんことになるぞよ。(大正六年旧九月三十日)
巌に松
の
動かぬ固い神世になるから、今迄
の
やうな人民
の
行方なり贅沢三昧は如何しても出来ぬ様に厳しく変るぞよ。(大正七年旧二月廿六日)
斯く両神
の
世界改造後
の
施政方針に一致点が甚だ多く見出される。
(後章参照)こは蓋し両神
の
非常なる達見が最善
の
方法を取るに一致したも
の
と思はれる。
(七)原始的政治
(マツソン)吾人
の
政治は原始的で、為政者は親権を以て人民に臨み後見する
の
である。国民は為政者を見ること父
の
如くであらう。さうなると臣民は平和安寧
の
生活を送るには、為政者
の
親切と指導とに便る
の
外はないと観念する。斯くすれば殆ど神を敬するに近い尊敬を以て、吾が為政者を仰ぐことになる。
(大本神諭)元
の
昔に世を返すぞよ。(明治二十五年正月)昔
の
神世に立替る時節が来たぞよ。(明治三十三年…月…日)
猶此項につきては(四)(六)(十二)を参照せられたし。
(八)戦乱飢餓悪疫
の
猖獗
(マツソン)吾人は各国に於て政府と国民と
の
関係を紛糾せしめ、内訂、怨恨、争闘、困苦、飢餓、病毒伝播、生活難等
の
武器を以て絶えず民衆を攻め抜かねばならぬ。さうなると彼等はどうしても、吾人
の
全力と独裁権とに服従して来る他に、道は無くなる
の
である。(大本神諭)露国へ昔から上りて居りた悪神
の
頭が、露国を無茶苦茶に致して、モ一ツ向ふ
の
国ヘ渡りて、外国
の
隅々までもワヤに致して、金
の
費る
の
は底知れず、人
の
命をとる
の
も底知れず、行きも戻りも出来んやうにいたして、食物も無い所まで致して、終には日本
の
神国へ攻めて来て、世界を我
の
儘に致す、ドエライ好計を致して居るが。……(大正六年旧十一月廿三日)
行き放題
の
行りカンボウでは、トンと行き詰りた折には、人民が皆飢餓に及ぶことが出来て来るぞよ。
畜生国
の
やうに、終には人民を餌食に為んならん様なことが出来やうも知れんが、何程窮りて来ても日本
の
国は友食と云ふ如うなことは出来んぞよ。(大正七年旧正月廿三日)
病神が其辺一面に覇を利かして、人民を残らず苦しめ様と企みて、人民
の
油断を狙ひ詰て居りても、神に縋りて助かる事も知らずに、外国から渡りて来た、悪神
の
教へた、毒になつても薬にはならぬヤクザも
の
に、沢山
の
金を出して、長命
の
出来る身体をワヤに為られて居りても、夢にも悟らん馬鹿な人民斗りで-…(明冶三十一年旧五月五日)
餓鬼が段々殖えるぞよ。思はね国替を致す人民も沢山あるぞよ。医者と坊主と葬式屋
の
豊年は続くぞよ。(大正七年十二月二十五日)
一昨年末来、獰猛を極め全世界至る所死体
の
山を築かめした、西班牙風邪
の
手品
の
種も是によつて明かされた。皆此結社
の
世界覆滅
の
所業である、誠に驚くべき哉ではないか。併し、かう云つても彼等
の
手に企まれた唯物科学に惑乱されて、大本神諭
の
「盲と聾者」になり切つて居る現代人には、容易に了解されないかも知れぬ。何となれば、直接此「病毒伝播」
の
衝に当つてゐる
の
は、人ではなくて神であるからである。私は総論に於て此結社
の
後に邪神界
の
あることを説いた。そ
の
眷族共がやつてゐる
の
である。
即ち狐狸等
の
四ツ足霊、及び悪亡霊が黴菌を携ヘて人体に憑依し、其黴菌を植ゑつけて保護蕃殖せしめ、協力して肉体を忽ちに死に至らしめる
の
である。今度
の
流感が全世界隈なく猖獗を極め、如何なる寒村僻地をも見逃さなかつた所以は、一は実に茲にある
の
である。
勿論之とても、私が独決め
の
妄説臆想でもなんでもなく、上に掲げた大神
の
明示と鎮魂帰神
の
神法
の
結果得た千百
の
実験ー是等悪霊
の
自白等ーによつて確証せられたことである。
這
の
事が解れば、此度
の
感冒が、壮者殊に軍人社会に多く、俗に「今度
の
風邪は老人小供を嫌らう」と云つてゐる
の
や、死亡率
の
年一年と高くなる理由も、亦自ら解決されるであらう。即ち「日本を一コロに取る企み」を為て居る邪神界にとつては、国家
の
干城たる壮丁を一人でも少くした方が都合がよいからである。
一方正神界に於ては、今は之に対して傍観的態度をとつて居られる。
然し是とても決して袖手して我不関焉で居られる
の
ではない。
改心せる人又は見込
の
ある人、換言すれば神縁
の
有る身魂には、厚い冥護を与へられて居る
の
で従つて、是等
の
人々は、決して斯る悪病に犯されることなく、仮令犯されても、生命には毫も危険はない
の
である。故に今度死する人は悉く一部
の
因縁ない身魂
の
みと云ひ得る
の
である。
即ち邪悪分子が掃除される
の
である。詳言すれば、我が大神は彼等邪神共を掃除人足に使はれてゐる
の
で、所謂毒を以て毒を制す
の
妙策を取られて居られる
の
だ。
然しこんなことを知らない邪神界では、感冒位で満足せずに、もつヘちちうとトコトンまで行り抜かうとするに相違ないやうに思はれる。さうすると、世界
の
前途は此点
の
みよりしても、弥々益々暗澹となる訳である。今こ
の
毒手より免れ得る方法は一つある。而して唯一つに限られてゐる。
其は発根と改心して、原
の
大和魂に立ち復り、以て大本大神
の
大加護を仰ぐ、こ
の
一途
の
みである。是れ無くして、即ち体主霊従
の
四ツ足心を改めずに置いて、何程神前で頓首叩頭しても、何程御百度詣りや千度詣りをしても、そんな病直し
の
身欲信心は所詮駄目である。又現代
の
医学
の
無効なるは云ふまでもない。
何となれば黴菌
の
持参者後援者たる、本尊
の
悪霊を処理することを知らずに、其れが肉体を死滅せしめんとする方法、行為が肉体に顕はれた状況
の
みに捉はれ、全然本末を顛倒して居るからである。
論より証拠、今回
の
感冒でざへも、現代
の
医学は其無能を遺憾なく曝露して居るではないか。
世界に亘る飢饉状態についても明細に予言警告してある。
吾人が、小説によつてやつと想像し得た、人肉販売は既に露懊に於て行はれて、新喰人蛮族は、所謂文明
の
中心地たる欧洲
の
所在に簇生した。大本神諭
の
現実化
の
的確にして、分厘
の
誤差なきに敬服して居る吾人は、我国
の
前途につき深憂に堪へぬも
の
がある
の
である。
(九)無気力と軽佻浮薄
(マツソン)吾人にとつて最も危険なも
の
は、独断専行である。各国民をば如何しても、無気力に教育させなければならない。秘密結社に喜んで加入するも
の
は、大抵饒舌家射倖者、即ち概ね軽佻浮薄
の
人間である。
彼等を利用する
の
は少しも六ケ敷ない、彼等を利用して吾人
の
計画
の
機関を運転する
の
だ。
(大本神諭)此方も我で失策りた神であるから、我は出されん世であるぞよ。
今度
の
事は我が些つとも無くては不可んぞよ我も無くては、斯んな御用致すには柔順斗りでも間に合はんぞよ。我はなるたけ膳下丹田に鎮めて置いて、従来
の
心を全然棄てゝ、元
の
大和魂になりて下されよ。(大正三年旧九月十九日)
大本
の
元
の
御用致さうと思ふ人は、陽気浮気では勤め上らんぞよ。
(大正元年旧七月四日)
これから天地
の
ビツクリ箱が開くから、是丈知らしてある
の
に、未だ陽気浮気で居る守護神は、モウ此行く先では、黙りて居りて神界
の
帳を切りて、霊
の
利かんやうにして了ふぞよ。(大正三年旧九月十七日)
(十)煽動
(マツソン)吾人
の
煽動に乗る国民は屹度政権争奪
の
闘争を惹起し自滅する……。
吾人は彼等を自由に頤使することが出来る。
(大本神論)人
の
口車に乗るとスコタンに転覆ぞよ。(明治二十三年旧八月十一日)
(十一)商工政策と投機。世界統一後に於けるマツソン
の
課税制度ー金貨本位
の
不幸と金融逼迫
(マツソン)富と云ふも
の
を大仕掛に独占する
の
は吾人
の
目的である。列席
の
経済家諸君希くばこ
の
仕掛
の
意味を実行せられよ。吾人は地租を高めて貴族を破産せしむると同時に、商工業、殊に投機買占を保護奨励しなければならぬ。
工業によつて吾人は土地から人と資本とを奪ひ、投機
の
世界を経て満天下
の
黄金を悉く吾人
の
手中に収める、各国民は下層に沈倫して、吾人
の
足下に拝伏するより外に方法がなくなつて了ふ、世界統一
の
暁には吾人は工業家
の
私有資本を覆す為に家族的工業を復活させる。是は極めて必要なことだ。何となれば工業家はよし無意識にせよ、群集
の
心理を政府と反対に左右することが出来るから。人民即ち家族工業家は無仕事と云ふことを知らぬ。是が即ち主権に服従する所以である。
吾人
の
天下になつた時は自衛
の
原則に基き、民衆を抑ふるに課税を以てする、但し吾人は父であり保護者であることを忘れない。
税金
の
償却を税金累課から始める
の
が最良方法である。斯くすれば税金は何等
の
苦痛なしに又破産
の
恐れなしに、財産率に応ずることになる。
貧乏人へ課税することは、革命
の
種子であつて、国家にとつては損失である。如何となれば小物を追ふて大物を逸するから。之に反して資本家課税は、吾人に各国民に対抗する 為に、個人
の
手に集中して置いた富を、個人的に増加させないことになる。
財産率に随つて増加する税は、目下
の
人頭税などよりは、遙に多く
の
収入を与へるも
の
である。人頭税などは各国民に動揺と不平とを起させる為に
の
み必要なも
の
だ。
吾人
の
王者
の
頼みとする力は均衡と平和
の
保証とである。之が為には資産家が国家機関
の
安全運転
の
為め、自分
の
収入
の
一分を割かねばならぬ。国費は苦痛を感じないも
の
から出すべきである。斯くすれば、富者に対する貧者
の
憎悪が無くなり、富者を以て国家財政
の
補助者と見做し、平和安寧
の
整頓者と見るやうになる。
金貨本位は国家
の
為不幸
の
一因たることは、諸国
の
了解せる所である。
如何となれば吾人は出来る限り、金を融通界から取上げたから、金貨は紙幣
の
消費を満すに足らない
の
だ。
財産破綻には金融界から貨幣を取り上げて了ふ
の
だ。是は吾人が各国に仕組んだも
の
だ。国家から金を引上げたから巨額
の
資本が渋滞した。
堂々たる国家が吾人に国債を仰がなければならない破目になつた。此等
の
国債は利子
の
支払で十分国家を苦しめ、残る元金で其国家が自ら奴隷
になる。そして企業家
の
手に経営せられる工業は、国民
の
膏血と国家
の
富とを吸ひ尽した。
(大本神諭)現今
の
世は金銀為本で治まるやうに思うて居るが、金は世
の
滅亡
の
本であるぞよ。根本から立替へるぞよ。お土から上りたも
の
を大切にいたさねば、貨幣では世が治らんぞよ。酒も造れる、煙草も造りて喫める、心安き世にかへるぞよ。(明治二十五年)
金銀を余り大切に致すと、世は何時までも治らんから、艮
の
金神
の
天晴守護になりたら、天産自給其国々
の
物で活けるやうに致して、天地へ御目にかける仕組が致してあるぞよ。(明治二十六年旧七月十二日)
此世が来た折には、世界中
の
困難となりて、何方
の
国にも金銀
の
要る
の
は程知れず、金融は段々逼迫になるし、どう為やうも無きやうに、一旦世界中は火
の
消えたやうになるから……。(大正元年旧十月五日)
金は引上になるぞよ。(明治三十三年閏八月一日)
商工業
の
方面にもかゝる綿密な仕組がしてある
の
は、流石はマツソンである。
が、一方正神界
の
方では、こんな事には殆んど一顧をも与へて居られないやうである。是は、国祖は「地震、雷、火
の
雨ふらし、外国を往生さすぞよ」とある如く、最後
の
審判は、之を元
の
活神たる竜神
の
絶倫なる神力によつてなされる
の
だから、斯る竜体
の
神
の
無い邪神界
の
するやうな姑息な、手段を採られる必要は少しも無いからである。
又国祖
の
御仕組では、立替後は金銀為本経済組織、即ち貨幣制度は全廃される
の
だから、課税問題
の
如きも自ら消滅するわけである。
前掲「酒も造れる」云々は之を説明するも
の
で、大本神諭中に課税制度に関することがすこしも書いてない
の
は此
の
為である。是が改造後に於る正邪両神界
の
政策中
の
唯一
の
、そして最も大きい差異である。工業家
の
私有資本を覆すに、家族的工業
の
復活を以てするとよ面白い。
国祖は「世界を自由にする」てふ、吾人
の
想像にも及ばない偉大な神力を有せられる
の
だからたまらない。
「予言所か確言斗り」と裏
の
神諭にあるが誠に其通である。
正神界
の
御筆先たる大本神諭は、邪神界
の
それなるA秘密結社
の
陰謀書によつて、何物も動かすこと
の
出来ぬ裏書を与へられた。
見よ、誰一人知るも
の
ゝ無かつたー彼
の
社長自身も「吾人
の
謀計は巧妙出没で誰にも知られる筈はない」と放言せるマツソン結社
の
驚死すべき陰謀は、殆ど目に一丁字もなかつた、丹波
の
一老婆
の
教祖
の
筆
の
先に細々と描き出されて剰す所はないではないか。
嗚呼大本神諭
の
権威はかくも絶大である。
之を古にしては古事記、今にしては大本神諭、此二神鏡
の
明光は柄乎として宇内を照徹して居る
の
である。世
の
軽々大本神諭を笑ふ者よ。君はかくても未だ笑はんとする
の
か。、
然らば君はマツソン
の
使徒である。八岐大蛇
の
眷属である。君
の
後には君を操る邪神が亦君を笑つてゐる
の
だ。
猶こ
の
比較抄録よりして、皇道大本が正神界
の
マツソン結社で、マツソン結社は邪神界
の
皇道大本なることを看取せられた諸君は、皇道大本が宗教に非ざる所以も同時に悉知せられたであらう。我大本は宗教
の
如き狭隘な無力なも
の
ではなくて、実に世界改造
の
実行中府である
の
である。マツソン結社も亦同様で、従つて両者
の
間に共通点
の
多くある
の
は、上に見らるゝ通りである。
我れ世界を統一せんとすれば、彼も亦同じ目的を有し、彼が施政方針を陳ぶれば、そは亦我に一致する。我は正彼は邪(性質)我は神力彼は学力、(実行手段)こ
の
二差と之に随伴する条件とを除けば、両者は何等
の
差異もない者となつて了ふ
の
である。
今や帝国
の
内外は紛糾纏繆、赤三角
の
黒手によつて企まれた内憂外患は交々至りつゝある。A結社
の
魔手は津々浦々までも延されんとして居る。こ
の
まゝで置いたならば、我帝国ば彼等猛太族
の
為に蹂躙せられて了ふより外はない
の
だ。而も其暁には火中
の
栗を拾はされるとも知らずして、理想社会建設
の
愚夢に恋々として居つた民主、社会、虚無、主義者、自由平等を唱へて新人がつてゐた軽薄者流は、最も皮肉な報酬をうける
の
だ。握飯と柿とを取られた上に背まで潰された蟹
の
二
の
舞をする
の
だ。即ち彼等は如何なる人も自由にする権利はないと云つてゐる、生命をとられるか、島流
の
刑に処せられるか、する
の
だ。
見よ!彼
の
社長は、「今迄存在して居る結社は、すつかり吾人が之を知つて居る。彼等
の
うちに吾人に対して忠義を尽したも
の
もあり、又今尽しつつあるも
の
もある。其れ等を区分して之を欧洲から遠い大陸に移してしまう。秘密を沢山知つて居るも
の
は、前述
の
如く処理し(死刑也)吾人が特に慈悲を加へて残して置くも
の
は流罪にして了う。つまり吾人
の
秘密結社に加入して居た者共をば、政府
の
中心たる欧州から追放する法律を設ける
の
だ」と云つてゐるではないか。
帝国
の
危急存亡
の
秋至る。人類
の
危機迫る。最早かく叫ぶだけでも愚かである。
嗚呼今此毒悪神人結社
の
大陰謀を根底より破壊し、其毒頷より累卵
の
帝国を救ひ、世界人類を真正光明世界に導くも
の
は、世界広しと雖も、天照皇大神を皇大御神と仰ぎ奉り、武勇絶倫なる大国常立尊始め元
の
活神
の
大守護
の
下に、敬神尊皇愛国
の
旗幟を翻せる我皇道大本を措いては絶無である
の
だ。
這般
の
消息は是非好悪
の
念を去つて、以上
の
比較抄録を熟読せられた
の
みで、蓋し思ひ半ばに過ぐるであらう。
既に時期は切迫に切迫を告げた、神秘的蛇論が完成するか?素盞嗚尊によつて両断せらるゝか?其最後
の
刹那は将に来らんとしてゐる
の
だ。苟くも此事を知つて猶晏如たる者あらば、そは腰抜と笑はれ、国賊と罵らるゝも又如何にせん。
醒めよ、我六千万同胞よ!
若し君
の
血管に一滴
の
大和民族
の
赤き血液
の
燃ゆるあらば、否極言すれば、ヂウ族
の
奴隷たることを欲せずんば、来つて皇道大本
の
大傘下に集れ!
敬神尊皇愛国
の
神剣を揮つて彼
の
八岐大蛇を寸断せよ!
是より世界統一権
の
表象たる草薙
の
宝劔を得て、我 現津御神陛下に捧呈せよ!
以上言辞少しく不遜独断、弱冠
の
余
の
言としては、或は生意気
の
謗をうけんも、一片
の
国を憂へ同胞を憐む
の
至情黙し難く、敢へて蕪辞をつらね、以て世人に警告せんとすと云ふ。
(大正九年八月十二日大本教団所蔵)
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