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文献名1三鏡
文献名2玉鏡よみ(新仮名遣い)
文献名3素尊と稚姫岐美命よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ香良洲神社(お烏神社) データ凡例 データ最終更新日2023-10-17 15:03:36
神の国掲載号1931(昭和6)年07月号 八幡書店版34頁 愛善世界社版40頁 著作集 第五版131頁 第三版131頁 全集 初版105頁
OBC kg582
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本文の文字数672
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本文  神世昔素盞嗚尊様と稚姫岐美命様と間にエロ関係があつた。大日孁尊様がこれをさとられて、天津罪を犯したもとして生木を割くやうにして、遥々高麗国へ稚姫岐美命様を追ひやられた。
 風朝雨夕、天教山を遠く離れた異郷にあつて、尊恋しさに泣き明す姫命は思ひに堪へかねて、烏羽裏に恋文を認め、こ切なる思ひ願はくは途中妨げらるる事なく尊様御手に入れかしと祈りを篭めて烏を放つた。烏羽裏に文を書いたは、黒に墨、誰が見ても一寸分らぬやうにと用意周到なるお考へからであつた。
 烏は玄海荒浪をこえ、中国山又山を遙か下界に眺めつつ息をも休めず、飛びに飛んで伊勢国まで辿りついたである。こ時烏はもう極度に疲れて仕舞つて、あはれ稚姫岐美命燃ゆる恋情を永久に秘めて、其地で死んで仕舞つたである。
 今お烏神社あるところが其地なである。だからお烏神社御神体は、こ羽根だといふ説がある。
 此方、今日か明日かと尊様御返事を待ち佗びた姫命は、何時迄たつても烏が復命しないで、遂に意を決して自転倒島へと渡り給うたである。併しながら何処までもこ恋は呪はれて、恰度高天原に於て素盞嗚尊様もおもひは同じ恋衣、朝鮮から便りが一向ないで痛く心をなやませたまひ、姫命にあつて積る思ひを晴らさむと、遂に自ら朝鮮に下られたである。嗟しかし尊が壇山に到着された時は、姫命影も姿も見えなかつた。行き違ひになつたである。
 かくて稚姫岐美命は遂に紀州和歌浦で神去りましたである。玉津島明神、これが稚姫岐美命様をお祀り申上げたもである。
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