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文献名1霊界物語 第16巻 如意宝珠 卯
文献名2第1篇 神軍霊馬よみ(新仮名遣い)しんぐんれいば
文献名3第1章 天橋立〔591〕よみ(新仮名遣い)あまはしだて
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-11-05 22:20:25
あらすじ顕恩郷を鬼雲彦から取り戻した神素盞嗚大神娘たち・八乙女らだったが、鬼雲彦は東に逃げて教線を延ばした。神素盞嗚大神が千座置戸を負って追放された後は、五人娘たちは邪神に囚われて、小さな舟に乗せられて海原に捨てられてしまった。英子姫は従者悦子姫とともに舟に捨てられ、長く苦しい航海末に天橋立竜燈松根元に着いた。そこへ四五人バラモン教捕り手が現れて、英子姫らを探し始めた。しかし捕り手たちは酒に酔っている。鬼虎は英子姫を幽霊だと思って腰を抜かしてしまう。悦子姫は捕り手たちに霊縛をかけて、そ間に主従二人はそ場を逃げ出す。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年04月05日(旧03月09日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年12月25日 愛善世界社版11頁 八幡書店版第3輯 405頁 修補版 校定版11頁 普及版4頁 初版 ページ備考
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本文  葦原瑞穂国に名にしおふ  メソポタミヤ顕恩郷
 子孫と生れたる  ハム一族鬼雲彦は
 バラモン教を楯となし  霊主体従を標榜し
 現世をば軽んじて  魂行方幽界を
 堅磐常磐住所ぞと  教へ諭すはよけれども
 名実共に叶はねば  醜曲事日に月に
 潮如く拡がりて  天下なる神人は
 苦み悶え村肝  心ねぢけて日に月に
 世は常暗と曇り行く  八岐大蛇や醜狐
 醜神率ゐる曲鬼を  言向和し豊なる
 神御国を樹てむとて  恵も広き瑞霊
 神素盞嗚大神は  教を開く八乙女
 珍御子をば遣はして  鬼雲彦が身辺を
 見守り給ひ曲神  醜健びを鎮めむと
 三五教宣伝使  肝太玉命をば
 遣はし給ひ八乙女と  心を併せ力をば
 一つになして顕恩郷  治め給ひし折柄に
 雲を霞と逃げ去りし  バラモン教大棟梁
 鬼雲彦一類は  フサ国をば打渡り
 あちらこちらに教線を  布きつつ進む魔
 斯かる時しも天教山  高天原に大御神は
 天岩戸に隠ろひて  暗さは暗し烏羽玉
 闇に徨ふ世  人憂ひに附け入りて
 時を得顔曲神は  益々荒び初めにけり
 神素盞嗚大神は  千座置戸を負はせつつ
 何処を当と長旅  姿隠して千万
 悩みに遭はせ給ひつつ  八千八声時鳥
 血を吐く思ひ空  遠き近き隔てなく
 八洲国を漂浪  御身果ぞ憐なる
 勢猛き竜神も  時を得ざれば身を潜め
 蠑螈蚯蚓と成り果てて  塵や芥に潜むごと
 高天原に名も高き  皇大神弟と
 生れ出でたる大神も  いと浅猿しき罪神
 怪しき御名に包まれて  心も曇る五月空
 空行く雲果しなく  親に離れし雛鳥
 愛しき五人姫御子は  心汚き曲神
 捕虜となりて痛はしく  塩八百路八潮路
 大海原に捨小船  波まにまに漂ひつ
 海路も遠き竜宮  魔神猛ぶ一つ島
 自転倒島や錫蘭島  常世国や智利
 波まにまに流されて  ここに姉妹五柱
 詮術さへも浪上  涙雨にうるほひつ
 雨風霜に打たれつつ  漂泊ひ給ふぞ苛しき
 神素盞嗚大神  霊に生れます八柱
 乙女中にも秀でたる  姿優しき英子姫
 容も貌も悦子姫  待女を引つれ朽ち果てし
 危き生命捨小船  何時間にやら日数を重ね
 年も二八若狭湾  身行先はどうなりと
 成生岬を後にして  昨日や経ケ岬をば
 右手に眺めて宮津湾  神伊弉諾大神
 いねます間に倒れしと  言ひ伝へたる波
 長く浮かべる橋立  切り戸を越えて成相
 山嵐に吹かれつつ  漸く心地も与謝
 波も柔ぐ竜灯  松根元に着きにける。
 二人は舟を棄てて、竜灯松根元に漸く上陸したり。折柄烈風海面を撫で、峰吹き渡る松風音は、一層寂寥感を与へたり。寒さ身に沁む夕暮空、ねぐら求めて立帰る烏群幾千羽、カワイカワイと啼き立て乍ら、大江山方面指して翔り行く。雲衣は破れて、処々より天書光瞬き始めける。二人は路傍に腰を下し、来し方行末身を案じ煩ひつつ、ヒソビソ物語る。
悦子姫『英子姫様、メソポタミヤ顕恩郷を立出でましてより、情無き魔神為に、朽ち果てたる舟に乗せられ、押流された時事を思へば、夢様で御座いますなア。それにしても、君子姫様始め、四人姫様は、どふやも計り難しうなられましたでせう、……貴女御無事に此処へお着きになつたに就いて、四柱姫君様御身上、心にかかる冬空、情無き凩に吹き捲くられ、冷たき人さいなみに、心を砕かせ給ふやも計り難し、併し乍ら此処もやつぱり鬼雲彦が縄張内、ウカウカすれば、又もや如何なる憂目にあはされむも計られませぬ。一時も早く森林に身を忍び、一夜を明かし、山越に聖地を指して参りませうか』
英子姫『アさうだな、長居は恐れ、何とかせなくてはなりますまい。それに就ても姉妹四人上、今頃は何処果に悩み煩ふならむか』
と首を傾け、暫し涙に沈む。暫しあつて英子姫は頭をあげ、
『アヽ思ふまい思ふまい、何事も刹那心、惟神に任すより途はない、サア悦子姫、急ぎませう』
と立上らむとする所へ、近付き来る四五人声、ハツと驚き逃げむとする時しも如何はしけむ、英子姫は其場にピタリと倒れたり。悦子姫は探り探りて磯端水を手に掬ひ口に含み、英子姫面部を目蒐けて伊吹狭霧を吹きかけたるに、英子姫は漸くにして顔をあげ、
『アヽ悦子姫ど、又もや吾身を襲ふ持病癪、モウ斯うなつては一足も歩かれませぬ、敵に捉はれては一大事、そなたは妾に構はず疾く此場を落ち延びなさい。サア早く早く』
と苦しき息下より急き立つるを、悦子姫は涙を揮ひ乍ら、
『姫君様、何と仰せられます。大切な主人危難を見棄てて、どうして是れが逃げられませうか、仮令如何なる運命に陥る共、主従死生を共にし、未来は必ず一蓮托生と詔らせ給ひしお詞は、妾が胸に深く刻み込まれ、一日片時も忘れた暇とては御座いませぬ。どうぞ妾に介抱させて下さいませ』
と泣き伏しにければ、英子姫は、
『エヽ聞分けない悦子姫、妾は病身体、仮令此場を無事に遁るればとて、再び繊弱き女、何時病に犯され、悪神為に捉はるるやも計り難し、汝は一刻も早く此場を立去り、聖地をさして進み行かれよ』
 悦子姫は首を振り、
『イエイエ、何と仰せられても、此場を去ることは忍ばれませぬ』
『エヽ聞分けない、主人言葉を汝は背くか。妾は今より主従縁を切るぞゑ』
『姫君様、縁を切るとはお情無い其お言葉……』
と云ふより早く、暗に閃く両刃短刀、英子姫は、病に苦む身を打忘れ、手早く悦子姫腕を、力限りに握り締め、涙声、
『逸まるな悦子姫、其方は壮健なる身上、一日も永く生き長らへて、吾父に巡り会ひ、妾姉妹が消息を伝へて呉れねばならぬ。サアどうぞ気を取直し、一刻も早く此場を立つて下さい、………アレあ通り間近く聞える人々声、見付けられては一大事、早く早く……』
と急き立て玉へば、
『ぢやと申して此れが、どうして見逃せませう。仮令主従縁は切られても、是れが見棄てて行けませうか』
『主人が一生頼みぢや、どうぞ此場を立去つて下さい。斯う云ふ間にも人足音サア早く早く』
と小声に急き立てる。悦子姫は後髪引かるる心地して、此場を見棄てかね、心二つに身は一つ、胸を砕く時こそあれ、四五人荒男進み来り、稍酒気を帯びたる銅羅声にて、
『ナナ何だ、早く此場を立去れとは、それや誰に吐かすだい、立去るも、立去らぬ、もあつたもかい、俺は今大江山御大将命令を受けて、此処へ漂着して来る筈、二人女つちよを捉まへようと思つて、立現はれた所だ。立去れも糞も有つたもかい、………ヘン、人を馬鹿にするない、石熊野郎め、貴様は何時も暗がりになると怪つ体悪い、女泣声を出しよつて………チツト男らしうせないかい』
と云ひつつ拳骨を固めて、一人横つ面をポカンと打つたり。
 石熊は、
『アイタタ、コラ鬼虎奴、馬鹿にしやがるない』
と又もや、石熊は、
『サア返礼だ』
と云ふより早く、鬼虎横つ面を続け打に、腕折れるほど擲り付ける。其機に鬼虎はヨロヨロとヨロめいて、二人上にドサンと倒れ、鬼虎は、
『ワアー、恐ろしい、……ヤイヤイ出やがつた、毛長い……色青い、冷い奴ぢや。コラ皆奴、俺を伴れて逃げぬかい』
 石熊は、暗がりより、
『アハヽヽヽ、態ア見やがれ、臆病者奴が……オイオイ皆連中、彼奴ア、酒に喰ひ酔つて、あんな夢を見やがつただ、ウツカリ傍へ行かうもなら、暗がりに握拳を振り廻されて、目玉が飛んで出るような目に遇はされるぞ。……行くな行くな、まあジツと酔ひ醒める迄、容子を見て居らうぢやないか……アーア俺も大分に酔がまはつた、どうやら足が隠居した様だワイ』
 一人男大声で、
『一体汝等、何為に沢山手当を貰つて偵察に歩いて居るだい……其足は何だ、肝腎要正念場になつて、足を取られると云ふ事があるもかい、チツと確りせないか』
石熊『有るとも有るとも、俺やアル中だ』
男『アルチウと云つても、歩いて居らぬぢやないか』
『アルコール中毒だ、邪魔臭いから、アル中と云つただい、………アーア、もう一足もアル中事が出来ぬ様になつたワイ………。コラ熊鷹野郎、貴様は何だ、他人にばつかり偉相に云ひよつて……貴様も足が変テコぢやないか』
熊鷹『チチチツと、なんだ、何して……居るもだから、いまこそは、千鳥にあらめチハ、ナトリニアラムヲ、イチハ、ナシセタマヘソ、イシトウヤ、アマハセヅカイ、アマハシダテ、二人女を見失ひ、鬼雲彦様に、コトカタリゴトモコウバだ、アハヽヽヽ。アヲヤマニ、ヒガカクラバ、ヌバタマヨハイデナン、アサヒ、エミサカヘキテ、タクヅヌ、シロキタダムキ、アワユキ、ワカヤルムネヲ、ソダタキ、タタキマナガリ、マタマデタマデ、サシマキ、モモナガニ、イヲシナセ、トヨミキタテマツラセ……てな事を宅神様奴が仰有りまして、ついトヨミキをアカニホに飲し召しただ。神酒は甕瓶高しり、甕はら満て並べて、海河山野種々珍物を横山如く、うまらに、つばらに飲食し、大海原に船充ち続けて、陸より行く路を、荷緒結かため、駒至り止まる限り、………熊鷹爪は、随分長いぞ。愚図々々吐かすと、石熊菊石面を抓つてやらう、イヤサ掻きむしらうかい、ウーンウン アハヽヽヽ』
石熊『何を吐すだい、お役目大切に致さぬかい、コンナ処へ、暗まぎれに、二人娘が遣つて来よつたら、貴様どうする積りだ。彼奴ア、中々女に似合はぬ腕利きと云ふ事だ、経ケ岬虎彦が急報に依つて、鬼雲彦より火急御命令、しつかり致さぬと、反対にやられて了ふぞ。アーツ、エーツ、ガ、ガアー、ガラガラガラガラ』
 熊鷹は、
『アア臭いワイ、酒や飯混合した滝を、人上へ流しよつて、……胸悪い……エエ、アどうやら俺もへへへへ、へどが出さうな。オイコラ、おとら……ヲヲ桶を持て来い、………背を叩け、ガアヽヽヽガラガラガラガラ』
 鬼虎は震ひ声で、
『オオオイ、貴様は何を愚図々々して居るだ、早く来ぬかい、俺をかたげて逃げてくれ、何だか怪体な、ババ化州が出やがつたゾ』
 石熊は、
『エー喧し吐すない、……俺口から大洪水が出て、人家殆ど流失、死傷算なしと云ふ惨状だ、貴様を助ける所かい、非常組でも繰出して救援に向はぬかい、ガラガラガラガラ』
熊鷹『エー怪つ体悪い、合点往かぬ夜さだナア、此処まで来たと思へば、俄にピタリと足が止まり、まるで地から生えた木様になつて了つた。……ヤイ何とかして俺足を動く様にせぬかい』
 暗がりより、
『動く様にせいと云つたつて、俄に、鋸持合せがないから、根から伐つてやる訳にも行かず、マア冬が来て、木葉が散り、枯木になる迄辛抱したが宜からう。さうすりや又、三五教ぢやないが、枯木に冷たい花が咲かうも知れぬぞ、ワハヽヽヽ』
熊鷹『エ、エ、どいつも此奴も、腰弱い奴許りだナア』
鬼虎『ヤーイ、皆奴、どうやら此奴ア、目的二人奴らしいぞ、しつかりして生捕にせうぢやないか』
石熊『ナ、ナ、何ぢやア、貴様、最前から腰が抜けたと吐かしよつて、綺麗な女二人上に、ムツクリと寝て居よつたか、抜目ない奴だう』
鬼虎『まだ目は抜けぬが、サツパリ腰が抜けただ。……誰か腰抜けぬ奴、出て来て此奴を縛らないか。どうやら癪を起こして居るらしい、今フン縛るなら、容易なもだ……コラ石熊、熊鷹、早く来て捕縛せよ』
熊鷹『何だか今日は日和が悪いで、キヽヽ気に喰はぬで……ヲヽヽ叔母命日だから殺生は廃めとこかい、……コラ、ヤイヤイ石熊、今日は貴様番だ、貴様に手柄を譲つてやらう』
石熊『俺も何だか今日は気が進まぬワイ、女房命日だから、殺生はやめとこかい』
熊鷹『アハヽヽヽ、貴様、女房も持つた事ないに、命日が何処にあるか、馬鹿にするない』
石熊『俺女房は貴様知らぬか、ザツと十八人だ、其中に一番大事お春が今日死ンだ日ぢや、彼女が俺女房だ。アーア思へば可哀相な事をしたワイ、オンオンだ』
鬼虎『何を吐かしやがる、ソラ隣八兵衛女房だらう、間違へると云つても、嬶を取違へる奴がどこにあるかい』
石熊『俺は勝手に俺心で女房にして居つただ。アンアンアン、思へば可憐らしい事をしたワイ、オンオンだい』
 英子姫は、
『ヤア悦子姫殿、妾も其方親切なる介抱で快くなりました。サアサア二人揃うて行きませう』
『ハア夫れは夫れは嬉しい事で御座います、是れと申すも全く御父神素盞嗚……』
 英子姫は小声で、
『シツ』
と制しながら、口に手を当てたまへば、悦子姫は早速頓智、
『是れと申すも全くお酒爛が荒びましたで、皆様があ通り、妾達に余興をして見せて下さいますですなア。ここへお月様でも上つて下さいましたら、さぞ面白い事でせうに、………お声許りで見栄が御座いませぬ、耳で見て、目で聞けと神様御教、ホヽヽヽ』
熊鷹『ヤイヤイヤイ、貴様は素盞嗚尊娘であらう、何を吐すだい、耳で見る目で聞くと、まるでババ化物様な事を吐す奴だ。コリヤ女、そこ動くなツ』
 悦子姫は、
『オホヽヽヽ皆さま、動くなと仰有つても、何だか体が独り自由自在に動いて仕方がありませぬワ、皆さまは動きたいと思つても動けますまい、妾が一寸霊縛をかけて置きましたからネー、マアマア御寛りと管でも巻いて夜徹かしをなさいませ、……左様ならば皆さま、お気毒様乍ら、お先失礼を致します………あ、もし姫君様、サア斯うお出でなさいませ』
 英子姫は、
『ホヽヽヽ皆様、御寛りと、何も御座いませぬが、ヘドなつと掻き集めて、ネーおあがり遊ばせ。あなたお身内から出た物、あなた又お身内へお入れ遊ばすだ。人を呪はば穴二つ、おれに出でて己れに帰るとかや、あな有難や神様お守り』
と行かむとするを、鬼虎は一生懸命に英子姫裾を握つた儘放さぬ。
英子姫『ヤア厭なこと、此男、妾裾を握つてチツとも放して呉れないワ』
悦子姫『どうしませう………アヽさうさう、此男が姫君様お裾を握つた儘霊縛をかけられたもですから、其儘凝つて了つたでせう。ホヽヽヽ、是れは偉い不調法致しました。……コリヤコリヤ此鬼様な片腕、霊縛を解いて遣る、サア放せ』
 『ウン』と一声、鬼虎握り拳はパラリと解けたりける。
英子姫『アヽ有難う、是れで放れました』
石熊『ヤイヤイ鬼虎奴、案に違はず、女裾をひつぱつて居やがつたな、ナマクラな奴だ。よしよし貴様嬶に、明朝早々告発だ、さう覚悟致せ』
熊鷹『ナニ心配するな、俺が特別弁護人になつて喋々と弁論をまくし立ててやるから、キツト石熊敗訴だ、無罪放免になつた上、損害賠償を此方から提起してやらうか、アハヽヽヽ』
 英子姫、悦子姫は暗に紛れてスタスタと、何処ともなく姿を没したりける。後には海面を吹く風音、天鼓如くドドンドドンと鳴り響きぬ。五人男は暗がりより、破れ太鼓様な声を張上げて、
『オーイオーイ、二人女、暫く待てい。オーイオーイ、かやせ、戻せい……』
と熊谷もどきに叫び居たりけり。
(大正一一・四・五 旧三・九 松村真澄録)
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