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文献名1霊界物語 第17巻 如意宝珠 辰
文献名2第2篇 千態万様よみ(新仮名遣い)せんたいばんよう
文献名3第8章 蚯蚓囁〔619〕よみ(新仮名遣い)みみずささやき
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-02-14 00:31:38
あらすじ正月二十七日進撃前、三軍将に任命された夏彦、常彦、岩高、菊若は、出発に先立って、大将黒姫へ不平不満談に花を咲かせている。曰く、黒姫言行一致が最近怪しくなってきた、というである。そこへ黒姫が現れて、四人言行を非難し、説教を始めた。そして出陣したが、青彦、加米彦にさんざんに敗北したは、先に述べたとおりである。黒姫幹部であった夏彦、常彦、岩高、菊若は、黒姫・高山彦結婚一件以来統一を欠き、三五教に心を移しつつあった。真名井ケ原攻撃際も、こ四人がわざと敗走したところも大いにあったである。人心を収攬するためには、ウラナイ教ように権謀術数・巧言令色では行かないである。三五教はただ至誠至実をもって神業に奉仕し、ミロク精神を惟神的に発揮するみである。そうすれば人心は期せずして三五教に集まり、何時とはなしに天下大勢力となる。黒姫は、青彦に懸想しているお節をまず篭絡し、お節を介して青彦をウラナイ教に引き戻そうと画策していた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年04月22日(旧03月26日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年1月10日 愛善世界社版125頁 八幡書店版第3輯 569頁 修補版 校定版131頁 普及版53頁 初版 ページ備考
OBC rm1708
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本文  黒姫、高山彦発議により、愈真名井ケ原宝座を蹂躙し、あはよくば占領せむと計画は定まつた。黒姫夫婦は婚礼後片付に忙殺を極めて居る。三軍将と定つた夏彦、常彦、岩高、菊若四人は入口間に胡坐をかき、出発に先だち種々不平談に花を咲かし居たりける。
常彦『人間と云ふもは身勝手ぢやないか、石部金吉金兜押しても突いても此信仰は動かぬ、神政成就する迄は男やうなもは傍へも寄せぬ、三十珊大砲で男と云ふ男は片端から肱鉄砲を喰はすだ、お前達も神政成就迄は若いと云うても決して女などに目を呉れてはならぬぞ、若い者が女に目を呉れるやうな事では神界経綸が成就せぬと、明けても暮れても口癖やうに、長い煙管をポンと叩いて皺苦茶面をして、厳しいお説教を始めて御座つたが、昨夜態つたら見られたもぢやない、雪達磨がお天道様光に解けたやうに、相好を崩しよつて、「モシ高山彦吾夫様」ナンテ、団栗眼を細うしよつて何を吐しよつたやら、訳分つたもぢやない、俺やもう嫌になつて仕舞つたワ』
岩高『定つた事ぢや、女に男はつきもだ。茶碗に箸、鑿に槌、杵に臼、何と云つたつて此世中は男女が揃はねば物事成就せぬだ、二本手と二本足とがあつて人間は自由自在に働けるやうなもだ、三十後家は立つても四十後家は立たぬと云ふ事があるぢやないか』
常彦『四十後家なら仕方が無いが彼奴は五十後家ぢやないか、コレコレ常さま、お前は因縁身霊ぢやによつて、何うしても三十になるまで女房を持つてはいけませぬぞえ、人間は三十にして立つと云ふ事があるなぞと云よるが、此時節に三十にして立つ奴は碌なもぢやない、俺等は既に既に十六七から立つて居るぢや、今思うと立つもは腹ばかりぢや』
夏彦『貴様等は何を下らぬ事を云うて居るだ、高姫さまだつて余り大きな声では云はれぬが、何々と何々し、又○○と○○し、夫は夫は口でこそ立派に道心堅固やうに云うて居るが、口と心と行ひ揃つた奴はウラナイ教には一匹もありやしないワ、俺も魔我彦や、蠑螈別や高姫に限つてソンナ事はあるまい、言行心一致だと初程は信じて居たが、此頃は何うやら怪しくなつて来たやうだ、本当に気張る精も無くなつて了つた。今迄は二つ目には黒姫奴、夏彦何うせう、常彦何うせう、岩高、菊若、斯うしたら好からうかなアと吐しよつて、一から十迄、ピンからキリ迄相談をかけたもだが、昨日から天候激変、ケロリと吾々を念頭から磨滅しよつて、箸倒けた事まで、ナアもし高山さま、これもしこち人、何うしませう、斯うした方が宜敷くは御座いますまいかと、皺面にペツタリコと白いもをつけよつて、田螺やうな歯を剥き出し、酒許り飲ひよつて、俺達には一つ飲めとも云ひよりやせむ、かう天候が激変すると何時俺達上に雷鳴が轟き、暴風が襲来するか分つたもぢやない、俺はホトホトウラナイ教真相が分つて愛想が尽きたよ。今更三五教へ入信うと云つた所で、力一ぱい高姫や黒姫言葉尻について、素盞嗚尊悪口雑言をふれ廻して来たもだから、どうせ三五教連中耳へ入つて居るに違ひない、さうすれば三五教へ入信る訳にも行かず、ウラナイ教に居ても面白くはなし、厄介者扱やうな態度を見せられ、苦しい方へ許り廻されて本当に珠算盤があはぬぢやないか、何時迄もコンナ事をして居ると身魂身代限をしなくてはならぬやうになつて了ふ、今中に各自に身魂土台を確り固めて置かうではないか。よい程扱き使はれて肝腎時になつてから、お前は何うしても改心が出来ぬ、身魂因縁が悪いナンテ勝手な理屈を云つてお払ひ箱にせられては約らぬぢやないか』
常彦『それやさうだ。高姫は変性男子系統ぢやと聞いた許りに、変性女子身魂より余程立派な宣伝使日出神生宮だと思うて今迄ついて来ただ。併し日出神もよい加減なもだ。各自ウラナイ教脱退覚悟をしやうではないか』
菊若『オイ、ソンナ大きな声で云うと奥へ聞えるぞ、静にせぬかい』
夏彦『ナニ、今日は何程大きな声で云つたところで俺達声は黒姫耳に入るもか、耳へ入るもは高山彦声許りだ、俺達声が耳に入る程注意を払つて呉れる程親切があるなら、もとよりコンナ問題は提起しないぢや、乞食虱ぢやないが口先で俺達を旨く殺しよつて、今迄旨く使つて居ただ、随分気に入つたと見え、枯れて松葉二人連、虱卵ぢやないが彼奴ア死ンでも離れつこは無いぞ、アハヽヽヽ』
岩高『併し、そろそろ真名井ケ嶽に出発時刻が近よつて来たが、お前達は出陣する考へか』
夏彦『否と云つたつて仕方が無いぢやないか、ウラナイ教に居る以上は否でも応でも出陣せねばなるまい、併しながら根つから葉つから気乗がしなくなつて来た、仕方が無いから形式的に出陣し、態と三五教に負けて逃げてやらうぢやないか、さうすれば黒姫は申すに及ばず、高姫もちつとは胸に手を当てて考へるだらう、高山彦だつて愛想をつかして黒姫を捨てて去ぬかも知れぬぞ。今こそ花婿が来ただと思つて上品ぶつて、大きな鰐口を無理におちよぼ口をしやがつて、高尚らしく見せて居るが、暫くすると地金を出して、又女だてら大勢中で、サイダーやビール喇叭飲みをやらかすやうになるは定つてゐる。鍍金した金属が何時迄も剥げぬ道理はない、俺達もウラナイ教信者と云ふ鍍金を今迄塗つて居たが、もう耐らなくなつて、そろそろ剥げかけたぢやないか、アハヽヽヽ』
 斯る所へ虎若と富彦両人現はれ来り、
虎、富『ヤア四天王大将方、高山彦、黒姫様御命令で御座る、一時も早く真名井ケ原に向つて出陣用意めされ』
と云ひ捨てて此場を急ぎ立ち去りにけり。
夏彦『エヽ何だ、馬鹿にしてゐる。昨日来た許り虎若、富彦を使つて吾々に命令を伝へるナンテ、あまり吾々を軽蔑し過ぎて居るぢやないか、如何に気に入つた高山彦連れて来た家来ぢやと云つて、古参者吾々を放つて置き勝手に新参者に命令を下し、吾々を一段下に下しよつたな、これだから好い加減に見切らねばならぬと云ふだよ』
常彦『アヽ、仕方がない、兎も角も形式なりと出陣する事にしやうかい』
 黒姫は突然此場に現はれて、
『これこれ夏彦、常彦、お前今何を云つてゐらした
常彦『ハイ、真名井ケ嶽に出陣用意をしやうと申て居りました』
黒姫『それは御苦労ぢやつたが、其次を聞かして下さい、其次は何と仰つた』
常彦『ハイハイ、次は矢張其次で御座いますナ』
黒姫『天に口あり、壁に耳と云ふ事をお前達は知らぬか、最前から四人話を初めから終迄、次間に隠れて聞いて居りました。随分高山さまや黒姫事を褒めて下さつたな』
 四人一時に頭を掻いて、
『イヤ何滅相も御座いませぬ、つい酒に酔うて口が辷りました、どうぞ神直日大直日に見直し聞き直して下さいませ』
『お前酔うたと云ふが、何時酒を飲みただい』
夏彦『ハイ、酒を飲みたは貴女と高山さまと祝言杯をなされました時……ぢやから其為に酔が廻つてつい脱線致しました』
黒姫『馬鹿な事を云ひなさるな、酒も飲まぬに酔が廻り、管捲く奴が何処にあるもか、それやお前達、本真剣で云つただらう、サアサアウラナイ教はお前さま達やうな没分暁漢に居て貰へば邪魔になる、サアサア今日限り何処へなりと行つて下さい。エイエイ、お前達しやつ面を見るも汚らはしい』
夏彦『そらさうでせう、好きな顔が目前にちらついて来たもだから、吾々しやつ面は見るも嫌になりましただらう』
黒姫『エヽ入らぬ事を云ひなさるな、サアとつとと去んだり去んだり、ウラナイ教では暇を出され、三五教では肱鉄を食はされ、野良犬やうに彼方にうろうろ、此方にうろうろ、終には棍棒で頭一つも撲はされて、キヤンキヤンと云うて又元ウラナイ教に尾を振つて帰つて来ねばならぬやうにならねばならぬ事は見え透いて居るわ、ウラナイ教太元大橋越えてまだ先に行方分らず後戻り、慢心すると其通り、白米に籾混つたやうに、謝罪つて帰つて来ても隅方に小さくなつて居るを見るが気毒ぢや、今中に改心をしてこ黒姫云ふ事を聞きなされ、黒姫は口でかう厳しく云つても、心中は、花も実もある誠一途情深い性来ぢや、誠生粋水晶玉選り抜き日本魂持主ぢやぞえ、サアどうぢや、確り返答しなさい、夏彦昨夜歌は何ぢや、目出度い時だと思うて辛抱して居れば好い気になつて悪口たらだら、大抵者だつたらあ時に摘み出して仕舞ふぢやけれど、神様お道奥を悟つた此黒姫は、心が広いから松吹く風と聞き流して許して居ただ、それに又もや四人大将株が燕親方やうに知らぬ者半分も知らぬ癖に何を云ふだい。お前達に誠大御心が分つて耐るもか、知らにや知らぬで黙言つて居なさい』
夏彦『ハイハイ、誠に申訳がありませぬ、何卒今度に限り見直し聞き直して下さいませ』
黒姫『此度に限つて許して置く、此後に於て、一口でも半口でも、高山さまや黒姫事を云はうもなら、夫こそ叩き払にするからさう思ひなさい、サアサア常彦、菊若、岩高愈出陣用意だ、高山彦御大将はもはや出陣準備が整うたぞへ』
 四人一度に、
『ハイ確に承知仕りました』
 茲に黒姫、高山彦は一族郎党を集め、旗鼓堂々と真名井ケ原に向つて進撃したが、加米彦、青彦言霊に脆くも打ち破られ、蜘蛛子を散らすが如く四方に散乱したりけり。
 ウラナイ教鍵鑰を握つて居た黒姫部下四天王と頼みたる夏彦、岩高、菊若、常彦閣僚は黒姫結婚以来上下統一を欠ぎ、自然三五教に向つて其思想は暗遷黙移しつつありき。其為め、折角真名井ケ原攻撃も味方四天王より故意と崩解し、黒姫が神力を籠めたる神算鬼謀作戦計画も殆ど画餅に帰し終りたるなりき。嗚呼人心を収攪せむとする難き、到底巧言令色権謀術数等虚偽行動をもつて左右すべからざるを知るに足る。之に反して三五教は一つ包蔵もなく手段もなく、唯々至誠至実をもつて神業に奉仕し、ミロク精神を惟神的に発揮するみ。されば人心は期せずして三五教に集まり、日に夜に其数を増加し、何時とはなしに天下大勢力となりぬ。ウラナイ教は広い大八洲国に於て直接に信徒を集めたるも唯一人もなく、唯々三五教に帰順したる未熟信者に対し、巧言令色をもつて誘引し、且つ変性男子系統より出でたる高姫を唯一看板となし世を欺くみにして、根底弱き事、砂上に建てたる楼閣如く、其剥脱し易き事炭団に着せたる金箔如く、豆腐如く、一つ要もなく唯弁に任し表面を糊塗するみ、其説く所恰も売薬屋効能書如く、名みあつて其実なく、有名無実、有害無益贅物とは、所謂ウラナイ教代名詞であらうと迄取沙汰されけり。されど執拗なる高姫、黒姫は少しも屈せず……女一心岩でも突貫く、非が邪でも邪が非でも仮令太陽西天より昇る世ありとも、一旦思ひ詰めたる心決心は、幾千万度生れ代り死代り生死往来旅を重ぬるとも、いつかないつかな摧けてならうか……と大磐石心、固まりきつた女片意地、張合もなき次第なり。
 黒姫は力と頼む青彦三五教に帰順せし事を日夜に惜み、如何にもして再びウラナイ教謀主たらしめむと、千思万慮結果、フサ国より高山彦に従ひ来れる虎若、富彦に命じ、青彦が日夜に念頭を離れざるお節を説きつけ、お節より青彦が信仰を落させむもと肝胆を砕きつつありける。
(大正一一・四・二二 旧三・二六 加藤明子録)
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