王仁DBβ版 出口王仁三郎と霊界物語の総合検索サイト 文献検索 画像検索 単語検索 メニュー開く
サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)

文献名1霊界物語 第44巻 舎身活躍 未
文献名2第3篇 珍聞万怪よみ(新仮名遣い)ちんぶんばんかい
文献名3第20章 脱線歌〔1189〕よみ(新仮名遣い)だっせんか
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-12-18 19:36:26
あらすじ一同はお寅とお菊を見送りながらそれぞれ歌を歌った。万公、五三公、アク、タクは万公過去話を元にして脱線歌を歌っている。松彦は先に立って歩きだした。五三公は一足一足坂道を登りながら、ふたたびお寅から聞いた万公過去悪行を肴にして滑稽な宣伝歌を歌った。万公は負けぬ気になって負け惜しみ宣伝歌を歌うが、歌い終わりにへばってしまって休憩を提案した。松彦も休息を認め、一同は石に腰を下ろした。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年12月09日(旧10月21日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年8月18日 愛善世界社版271頁 八幡書店版第8輯 236頁 修補版 校定版284頁 普及版121頁 初版 ページ備考
OBC rm4420
本文のヒット件数全 148 件/ノ=148
本文の文字数3847
これ以外の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい 霊界物語ネット
本文  松彦はお寅、お菊後を見送つて、

『万公がお寅婆さまに巡り会ひ
  恨み数々お菊さま哉。

 万更に捨てたもではあるまいと
  たかを括つた五三公口。

 川辺で昔垢を流しけり
  万公末代取れぬ罪とがを。

 荒波伊猛り狂ふ河鹿川
  丸木橋を渡る危さ。

 猿叫ぶ野中森を立出でて
  婆さンとはまつた万公破目』

万公『お寅さま、お菊をつれて河辺に
  万公来ると茲に松彦。

 あま相なお里浮名を永久に
  流しける哉河鹿川原に』

五三『身油とられた上に小言をば
  菊子痛さよ。

 偉相に此行先は言はれまい
  お里分つた万公身は』

万公『コラ五三公、おればつかりぢやない程に
  貴様も尻臭い奴だよ。

 吾尻赤いを知らぬ山猿が
  人事をばかきまはすなり』

五三『恥をかき頭をかきてベソをかき
  お寅婆さまにかき毬られる。

 アハヽヽヽ開いた口さへ塞がらぬ
  ローマンスロは口と申せば。

 大根畑荒す野鼠土鼠
  お里穴までねらふか』

万公『穴尊と穴ない教穴を見よ
  宣伝使にも妹が居るぞよ』

五三『芋をほり蕪をぬいてくらふ奴
  三五教大根役者よ』

万公『馬鹿云ふな蕪をぬいた其跡に
  てまり様な穴があるぞよ。

 三五教と誰が言うた
  貴様顔にも抜穴がある。

 抜けた面口あンぐりとあけ乍ら
  三五教とはよくぬかしたり。

 五三公ローマンスをば尋ぬれば
  磯片思ひかも。

 万公は何と云うても色男
  お里方に思はれたぞや。

 思はれて思ひ返すは益良男
  権威と知らぬ馬鹿者もあり』

アク『アク垂れババに悪垂れ口いはれ
  へこ垂れよつた万公面』

万公『こりやアク奴、何も知らずに喧ましう
  きさまが口をアク所でない。

 山猿様な面した其方に
  恋が分つてたまるもかい』

アク『仕殺したお里事を思ひ出し
  ホヽヽヽとほほゑみをする。

 幾度もホヽヽヽヽと森
  暗に紛れて死嬶が慕ふ。

 おかし奴、何程こがれ慕うとも
  幽霊抱いては寝られまいぞや』

万公『こらアクよ、貴様は何を幽霊か
  無礼を云ふも程があるぞや』

タク『コレは又面白うなつて来よつたぞ
  お里が墓からお出でお出でする』

万公『タク奴何も知らずに八釜しい
  子供に恋が分るもかい』

タク『タクさまは、タク山に姫を持つたぞよ
  天下無双ナイスばかりを』

万公『何ぬかす蜥蜴やうな面をして
  ナイスもクソもあつたもかい』

テク『こりやタクよ慢心奴を捉まへて
  相手にするな人が笑ふぞ』

タク『笑うてもかまふもかい笑はれて
  油取られた万公ぢやも

テク『三五万公は
  婆と娘にくはれける哉』

万公『テク迄が何ゴテゴテと囀るか
  俺心を知つて居るかい。

 万公は今こそ負て居るけれど
  お菊成人した時を見よ』

五三『お菊さま大きくなつたら又やろと
  万が一をばあてにしてるか』

万公『コリヤ五三公、急いで事はなるも
  先を三年春を見て居れ』

五三『又してもそンな野心を起すなよ
  今度は首と胴と別れる』

万公『三年先になつたらお寅さま
  冥途旅に行つたあとだよ。

 何事も万さまなればお菊ぢやと
  今から秋波を送り居るらし』

松彦『腰折れみ歌ばかりをうたひ上げ
  うたてき事限りつくせし。

 サア万公、五三公、アク、タク、テク五人
  もうボツボツと山に登ろか』

万公『宜しかろお寅婆さまはさておいて
  お菊奴が待つてゐるから』

五三『執着深い奴ぢやと思たけれど
  これ程迄とは思はなかつた』

万公『呆れたかオツたまげたか五三公よ
  人は見かけによらぬ者だよ。

 さり乍ら俺も誠道をゆく
  万公なれば恋は廃した。

 心配をどうぞなさつて下さるな
  メツタにお菊は思はないから』

五三『さうだらう、何程思うてみた所が
  向ふが厭なら仕方なからう』

アク『コレは又面白うなつて来たわやい
  旅慰め此上もなし』

テク『テクついて川畔に来て見れば
  婆さンに追はれてバサンとはまる。

 アク運強いお方が助かつて
  世に珍しき話きく哉』

万公『万さまがあつたらこされお前等も
  歓喜笑に漂うただ。

 心霊餌さは歓喜と云ふぢやないか
  おれを命親と尊め』

 松彦は先に立つて歩み出せば、五三公は一足々々坂道を登り乍ら笑ひ半分に歌ひ始むる。
『神が表に現はれて  善と悪とを立分ける
  ババが川辺に現はれて  万公とアクを苦しめる
 此世を造りし神直日  心も広き大直日
  此世鬼に巡り会ひ  心もひどく悄気返り
 只何事も人世は  直日に見直し宣直し
  只何遍も人前  なぶられもに会はされて
 身過ちは宣直せ   身過ちを述べられて
  万公奴がベソをかく  旭は照る共曇る共
  アク公は川へはまる共  月は盈つ共虧くる共
  罪あり丈さらす共  仮令大地は沈む共
  譬方なき大痴呆  誠力は世を救ふ
  万公畜生は夜這ひする  三五教宣伝使
  ウラル穴捜し  ウブスナ山を後にして
 河鹿峠をよぢ登り   ウツカリ川辺に巡り会ひ
  嬶親になぐられる  祠森に来て見れば
 玉国別宣伝使   野中森を立出でて
  たまたま会うた婆娘  猿に目玉をかき取られ
 気毒なりける次第なり   皿よな目玉をむき出され
  気が気でならぬ次第なり  険しき坂をエチエチと
 下りて漸く山口   険しき流れを打わたり
  やうやう茲に息休め  魔性女に出会はし
 荒肝とられし可笑しさよ   万公が婆に追ひつかれ
  欠点さらされし可笑しさよ  あゝ惟神々々
 御霊幸ひましませよ   あゝ叶はぬから叶はぬから
  目玉飛出しましませよ  アハヽヽツハ アハヽヽヽ
 イヒヽヽツヒ イヒヽヽヽ  ウントコドツコイきつい坂
 万公は足がだるからう  おれも一度はお菊さまに
 何とか都合よく巡り会ひ  マ一度万公臆病振り
 一伍一什を打明けて  愛想をつかさせやらうかい
 それが万公一生  お為になるに違ない
 これこれもうし松さまへ  私云ふが違うたら
 どうぞ叱つて下さンせ  ウントコドツコイ小北山
 ウラナイ教本山に  一寸よう似た名称だ
 此奴ア大方高姫や  黒姫さま慢心
 其ほとばりが芽をふいて  怪体な教を立て通し
 十曜紋を引つけて  世界をごまかし居るだろ
 何だか知らぬが五三公は  一寸も気乗がせないぞや
 お寅よな皺苦茶  婆さまばかりがウヨウヨと
 両手を合せ水鼻汁を  啜りまはして八釜しう
 下らぬ事を囁きつ  曲津を拝みてゐるだろ
 あゝ惟神々々  目玉飛出しましませよ
 アハヽヽハツハ アハヽヽヽ  最早ここらでやめておこ
 これから万公番ぢやぞや  あゝ惟神々々
 息がつまつて出て来ない』
 万公は負ぬ気になつて歌ひ出した。
『ウントコドツコイドツコイシヨ  五三公奴めが悋気して
 何ぢやかンぢやと誂りよる  貴様事ぢやあるまいし
 かもうておくれなホツトイテ  法界悋気も程がある
 昔におうた古疵が  一寸物言うたばつかりだ
 これも一つ御愛嬌  昔はつまらぬ奴なれど
 今は立派な宣伝使  治国別片腕だ
 ゴテゴテ言うて貰うまい  おれにはおれ権利ある
 松彦さンが偉うても  ウブスナ山神様に
 許して貰うた事もなく  ホン内証宣伝使
 治国別留守役だ  本当事を云うたなら
 万公さまが宣伝使  臨事代理となる所だ
 コラコラ五三公アク公よ  タク、テク両人よつく聞け
 すべて此世に大業を  なさうと思ふ人物は
 大きな影あるもだ  それをばおかげといふだぞ
 冷血漢五三公が  どうして英雄豪傑
 心裡が分つてたまらうか  子供は子供やうにして
 沈黙してるが悧巧だぞ  モウ之からは万公も
 遠慮会釈はせぬ程に  正々堂々先に立ち
 治国別代弁を  努めて見よう皆
 おれ命令に反くは  治国別命令に
 つまり反くといふもだ  旭は照る共曇る共
 五三公はこける共辷る共  月は盈つ共虧くる共
 狐は啼く共吼えるとも  仮令大地は沈む共
 仮令五三公は平太る共  誠力は世を救ふ
 曲津五三公は世を紊す  此世を造りし神直日
 此山登る神御子  心も広き大直日
 乞食上り奴  只何事も人世は
 高い山路シトシトと  直日に見直せ聞直せ
 並ンでドシドシ登りゆけ  身過ちは宣り直せ
 皆過つてふン伸びよ  三五教宣伝使
 アブナイ教センチ虫  治国別に従ひて
 ハアハア山路分け登る  悪魔征途に上りゆく
 飽迄つづくセンチ虫  あははツは アハヽヽヽ
 どうやら種が切れて来た  小北真中で
 ババを垂れるかこきたない  たうとう俺もへこたれた
 ハーハー フーフー フースースー
オイ皆奴、ドウコイ、皆立派なお方、万々ここで御休息なさつたら何うですか。歌まづい松彦さまに、テク下手なテク公、ゴータク上手なタク公、悪運強いアク公、東海道五十三次、一つここらで、休まう……かい』
 松彦は吹き出し、
『ハハー、たうとう弱りよつたなア、川端ではいぢめられ、森中ではおどかされ、又山路で苦められ、よくよく万悪い男だなア。アハヽヽヽ、併し何だか松彦も足が変になつて来た。幸ここにロハ台が並ンでゐる。全体とまれツ』
 此声終るか終らぬに万公はドスンと腰をおろす。続いて一同は嬉し相に腰を下ろし休息する。
(大正一一・一二・九 旧一〇・二一 松村真澄録)
(昭和九・一二・二九 王仁校正)
霊界物語ネットで読む 霊界物語ネット
オニド関係の更新情報は「オニド関係全サイトの更新情報」を見れば全て分かります!
王仁DB (王仁三郎データベース)は飯塚弘明が運営しています。 /出口王仁三郎の著作物を始め、当サイト内にあるデータは基本的にすべて、著作権保護期間が過ぎていますので、どうぞご自由にお使いください。また保護期間内にあるものは、著作権法に触れない範囲で使用しています。それに関しては自己責任でお使いください。/出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別用語と見なされる言葉もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。/ 本サイトのデータは「霊界物語ネット」掲載のデータと同じものです。著作権凡例 /データに誤り等を発見したら教えてくれると嬉しいです。
連絡先:【メールアドレス(飯塚弘明)
プライバシーポリシー
(C) 2016-2024 Iizuka Hiroaki