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文献名1霊界物語 第49巻 真善美愛 子
文献名2第3篇 暁山妖雲よみ(新仮名遣い)ぎょうざんよううん
文献名3第15章 彗星〔1289〕よみ(新仮名遣い)すいせい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-06-27 09:05:32
あらすじお寅、魔我彦、ヨル三人は祠森で高姫とさんざん争った末、祠森を立ち出でてイソ館に進んで行った。懐谷近くまでやってきたときには、すっかり日が暮れた。南天を見ると、大彗星が現れているが見えた。三人は彗星についてあれこれ寸評した。ヨルは彗星が何か凶兆ではないかという歌を詠んだ。お寅は、何事も神顕現だとして魔我彦に、宣り直し歌を歌わせた。三人は近傍岩に腰をかけて休息し、高姫と争いや彗星や旅路を読み込んだ述懐歌を歌った。三人は休息が終わると、ふたたび険しい坂道を夜中に登りはじめた。登りながら、これまで経緯やイソ館参拝思いを込めた宣伝歌を歌った。上方から、優しい女宣伝歌が聞こえてきた。これはイソ館からハルナ都へ悪魔征討に上る初稚姫であった。三人はこ声に力を得て、蘇った心地で苦しさを忘れて坂道を登って行く。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年01月18日(旧12月2日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年11月5日 愛善世界社版215頁 八幡書店版第9輯 111頁 修補版 校定版221頁 普及版101頁 初版 ページ備考
OBC rm4915
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本文  お寅、魔我彦、ヨル三人は高姫と散々争ひ、祠森を立ち出でイソ館に進み行く。懐谷近傍迄来た時に日はずつぽりと暮れた。不思議や南天に当つて大彗星が現はれて居る。ヨルは空打ち仰ぎ、
ヨル『もしお寅さま、魔我彦さま、あれ御覧なさい、あ彗星を。ハルナ恰度上方に当つて出て居るぢやありませぬか。屹度何か変事でせうよ』
お寅『ほんに ほんに不思議な彗星ですこと。あれは大方八十年に一度現はれると云ふ、ハレー彗星ぢやありますまいかな』
ヨル『さうでせうよ、何でも天下に変事起る前兆でせう』
魔我『何、あいつは高姫星だ。どこもかも尻で曇らし廻る妖星だから、何と云ふ星か知らないが、魔我彦は是を称して高姫星と云ひますわ』
ヨル『一つあ彗星について歌を詠んで見ませう。
 地上に充満せる
 陰鬱空気は
 天に上つて凝結し
 忽ち彗星と化つて
 妖光を放射し怪煙を吐いてゐる。
 是果して何
 凶兆だらうか
 彗星妖光に毒せられて
 紫微宮色は
 非常に変つてゐる。
 これを思へば
 やがて天下に
 大難到来する前兆ならむ。
 彼妖星が
 やがては
 紫微宮中を犯すであらう。
 そ時こそは
 実に警戒を要する時だ
 大黒主失脚は
 歴々として
 既に已に
 天極紫微宮中に
 今より
 現はれて居るやうだ』
魔我『ハヽヽヽヽ、何だか、そんな事を聞くと心が落付かぬやうだなア。併し事実とあれば仕方がないわ』
お寅『魔我彦さま、ヨルさま言霊を一つ宣り直しなさい、何事も神顕現だからなア』
魔我彦『森羅万象は
 悉く主顕現だ
 人間身は
 主聖霊と神格とを
 摂受する時
 茲に初めて
 万有一切と
 共通し活躍し得るもである』
ヨル『ヤアこれで些つとばかり気がすんだやうだ。一つ此辺で暗くなつた序に休息しませうか』
お寅『宜敷からう、夜途に日は暮れませぬからなア』
と路傍岩に腰打ちかけ、三人は暫し息を休めた。

お寅『打ち仰ぐ天津御空に彗星
  世塵払ふ仕組なるらむ』

魔我彦『打ち仰ぐ空高姫彗星
  人をごもくやうに掃出す』

ヨル『夜空現はれ出でし彗星
  空高姫曲を払ひつ』

お寅『八十年に一度出づる彗星
  再び見せよ吾を守りて。

 大空も漸くハレー彗星
  力に曲は逃げ失するらむ』

魔我彦『いざさらば河鹿峠を三人連れ
  イソ館に進みて行かなむ』

ヨル『夜道登る吾身は義理天上
  日出神に別れ告げつつ』

 斯く互に歌ひ、又もや足を早めて急坂を攀ぢながらお寅は歌ひ出した。
『治国別取りなしで  イソ館に詣でむと
 魔我彦さまを伴ひて  祠森に来て見れば
 十曜御旗ひるがへり  高天原に千木高く
 大宮柱太しきて  鎮まり居ます三五
 実にも尊き大御神  八尋殿も新しく
 建て並べられヨルさまが  いと厳めしく受付に
 きちんと坐り居ましけり  お寅はすつと立ち寄つて
 様子を聞けば高姫  司が居ますと悟りてゆ
 如何なる方か知らねども  今迄教祖と慕ひたる
 日出神生宮に  一目会はむと悦びつ
 魔我彦さまと諸共に  高姫さまに面会し
 訳分らぬ託宣に  お寅は全く呆れ果て
 答ふる言葉も無きままに  二言三言争ひつ
 愛想もこそも尽き果てて  やつと館を飛び出し
 魔我彦さまと逸早く  旅装を調へ立ち出づる
 後に続いてヨルさまが  追ひかけ来る夜
 茲に三人一行は  雲つくばかり峻坂を
 神恵に助けられ  登る折しもあら不思議
 空に輝く彗星  如何なる事前兆にや
 善悪正邪は分らねど  容易ならざる此景色
 吾等は心を改めて  三五教大道に
 一直線に進行し  一日も早く御霊をば
 みがき清めて神ため  世人ために赤心を
 尽くさむため宮参詣  イソ館に現れませる
 瑞御霊大御神  何卒吾等三人
 心を憐れみたまひつつ  一日も早く大神
 御楯と仕へなさしめよ  朝日は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  彗星空より落つるとも
 海はあせなむ世ありとも  此世を造りたまひたる
 皇大神ます限り  誠道を進む身は
 決して恐るる事あらじ  進めよ進めいざ進め
 魔我彦、ヨルさま諸共に  吹き来る風は寒くとも
 山路は峻しくあるとても  一旦思ひ立ちし身は
 如何なる曲妨げも  撓まず屈せず桑
 ひきてかへらぬ吾思ひ  諾ひたまへ惟神
 皇大神御前に  畏み畏み願ぎまつる』
 ヨルは又歌ふ。
『玉国別宣伝使  五十子姫と諸共に
 百日百夜丹精を  凝らして瑞御舎を
 造りたまひし雄々しさよ  心清き宣伝使
 斯る尊き宮を建て  いささか執着心もなく
 遷宮式を相済まし  直様後を珍彦や
 吾等一同に任せつつ  出で往き給ふ雄々しさよ
 楓姫は忽ちに  神人感応境に入り
 身体をブルブルふるはせて  吾は日出神なりと
 言挙げせしぞ不思議なれ  数多信者が聞きつけて
 蟻甘きにつどふごと  岩石起伏山道を
 老若男女が厭ひなく  詣で来りて神徳を
 摂受し感謝にむせぶ折  高姫司が瓢然と
 現はれ来り奥に入り  楓神懸り
 審判をなせば忽ちに  楓姫は元
 普通娘となりにけり  後に高姫傲然と
 奥に居坐り吾こそは  日出神義理天上
 祠森は高姫  此生宮が守護する
 なぞとそろそろ威張り出し  金釘流筆先を
 朝から晩迄書きつづけ  是が誠神勅と
 宣言なして吾々に  拝読強ふる苦しさよ
 いやいや乍ら吾々は  全く神お示しと
 頭を押へて読みゆけば  脱線だらけ世迷言
 聞くに耐へない事ばかり  余り合点がゆかぬ故
 イソ館に参詣で  審判を乞はむと思ふうち
 高姫吾等心をば  探りしもかイソ館
 御霊研けるそれ迄は  決して参拝ならぬぞと
 無性矢鱈にせき留る  合点がゆかぬと思ふ折
 三五教お寅さま  思はず茲に現はれて
 高姫さまとかけあひに  日出神素性まで
 魔我彦さま口をもて  素つ破ぬかれし可笑しさよ
 ヨルも漸く胸晴れて  高姫司
 剥いてやらうと決心し  お二人さまに従つて
 イソ館に参詣で  御霊を研き神徳を
 腕もたわわに蒙りて  此黒白を明かに
 示さむもと思ひ立ち  漸くここに来りけり
 あゝ惟神々々  産土山大御神
 ヨルが心を憐れみて  御霊恩頼を賜へかし
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 バラモン教をあきらめて  三五教御教に
 帰順しまつりし其上は  如何でか心変るべき
 恵ませ給へ大御神  祠受付に
 仕へまつりしヨル公が  赤心籠めて願ぎまつる
 あゝ惟神々々  御霊幸倍ましませよ』
 魔我彦は又歌ふ。
『北山村を出でしより  日出神義理天上
 ウラナイ教を開きたる  高姫さまはいづくぞと
 心にかけて探すうち  祠森ではからずも
 久方振りにて廻り会ひ  我情我慢高姫が
 心に再び仰天し  遉魔我彦呆れ果て
 話にならぬ有様に  お寅婆さまと手を引いて
 長居は恐れと館をば  後に見捨ててヨルさまと
 峻しき坂路攀ぢ登り  やつと此処迄来りけり
 かうなる上は高姫も  よもや追かけ来るまい
 何卒無事に産土  イソ聖場へ
 吾等三人をすくすくと  進ませ給へ惟神
 神かけ念じ奉る  もしも高姫後を追ひ
 髪ふり乱し夜叉ごと  来るも測り知られない
 そ時こそは大空に  横たはりたる彗星
 これをば矢庭にひつ掴み  朽木に上る蟻
 手箒もちて落すよに  払へばそれですむ事だ
 高姫たとへ大空を  伊馳り地を潜るとも
 此世主と現れませる  神力にや叶ふまい
 吾等三人は赤心を  一つになして何処迄も
 百妨げ打ち破り  初志を貫徹致さねば
 男顔が立ちませぬ  男勝りお寅さま
 どうぞ確り頼みます  此処は名に負ふ魔
 山猿共が沢山に  現はれ出でて人目を
 引つ掻きやぶると聞きました  神力無双玉国
 別御目をば  創つけまつる悪い猿
 いつ飛び出すか分らない  危険区域と聞くからは
 唯一心に神言や  天津祝詞を奏上し
 此坂道を登りませう  あゝ惟神々々
 御霊幸倍ましませよ』
と歌ひ乍ら、さしも嶮しき夜坂道、一歩一歩心を配り祝詞くづし宣伝歌を歌ひ乍ら、汗を垂らして登り行く。上方より柔しき女宣伝歌が聞えて来た。これはイソ館よりハルナ都を指して悪魔征討に上る女宣伝使、豪胆不敵初稚姫であつた。三人は此声に力を得て殆ど蘇へりたる如き心地しつつ苦しさを忘れて登り行く。
(大正一二・一・一八 旧一一・一二・二 加藤明子録)
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