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文献名1霊界物語 第54巻 真善美愛 巳
文献名2第2篇 恋愛無涯よみ(新仮名遣い)れんあいむがい
文献名3第8章 祝莚〔1394〕よみ(新仮名遣い)しゅくえん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ御統瓊(美須麻琉) データ凡例 データ最終更新日2024-04-05 15:33:33
あらすじビクトリヤ城客殿には、刹帝利、ヒルナ姫をはじめ治国別一行、タルマン、左守、右守、ハルナ、カルナ姫ならびに数多役員が列席し、アールとハンナ結婚式が行われた。こことはだれともなく城下に広まった。そして政治大改革象徴だと国民一同に期待された。治国別媒介で結婚式はつつがなく行われた。祝宴席で、治国別は祝歌を歌った。今まで道にたがえる形式差別を撤回し、上下心を一つにして神に仕え、ビク国繁栄に尽くすことを祈った。左守、右守、タルマンも、金扇を開き、アールとハンナ結婚を祝う祝歌を歌った。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年02月21日(旧01月6日) 口述場所竜宮館 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年3月26日 愛善世界社版99頁 八幡書店版第9輯 656頁 修補版 校定版97頁 普及版47頁 初版 ページ備考
OBC rm5408
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本文  ビクトリヤ城客殿には刹帝利、ヒルナ姫を始め治国別一行、及び内事司タルマン、左守、右守を始めハルナ、カルナ姫、並びに数多役員が列を正し、結婚式が行はれた。此事誰云ふとなく城下に拡がり、寄ると触るとレコード破り結婚だと云つて、話花が長屋裏迄咲いてゐた。さうして政治大改革象徴だと国民一同に期待されたである。ここに治国別媒介にて神前結婚式も恙なく相済んだ。
 それから刹帝利、ヒルナ姫は治国別に厚く礼を述べ吾居間に帰つた。後に新夫婦を始め一同祝宴が開かれた。
 治国別は祝歌を歌ふ。
治国別『神代昔伊邪那岐  皇大神は伊邪那美
 神と諸共高天原にて  天御柱巡り会ひ
 妹背道を結びまし  山川草木神までも
 完全に委曲に生み玉ひ  此世を安く美はしく
 造り給ひし雄々しさよ  そ神術に習ひまし
 ビクトリヤ城間で  時代に目覚めたアールさま
 上下障壁撤回し  耕奴家に生れます
 ハンナ姫と合衾  式を挙げさせ玉ひしは
 之ぞ全く天地  尊き神御心に
 かなひ奉りし吉例ぞ  尊き卑しき差別をば
 神御子たる人草に  つけて待遇に差別をば
 作ると云ふは皇神  心を知らぬ曲業ぞ
 一陽来復時臻り  至仁至愛大神
 大御心ままに  妹背道を開きまし
 国人等に其範を  示させ玉ふ尊さよ
 かくなる上は国民は  王をば誠親となし
 主と崇め師となして  心底より真心を
 捧げて仕へまつるべし  神が表に現はれて
 善と悪とを立別ける  此世を造りし神直日
 心も広き大直日  只何事も人世は
 直日に見直し聞直し  世過ちは宣り直す
 皇大神御前に  今まで道に違ひたる
 形式差別を撤回し  上下心を一にし
 御国ために国民が  力を協せ心をば
 一になして君辺を  弥永久に楽しみて
 守り仕へむ惟神  神は嘸々此式を
 諾ひまして永久に  妹背道を守りまし
 ビク国をば弥栄に  栄え賑せ玉ふべし
 ああ惟神々々  神御前に誠心を
 捧げて祝ひ奉る』
 左守司は金扇を開き自ら踊り自ら謡ふ。

左守(謡曲)『ああ有難や尊やな、掛巻も綾に畏き天地、皇大神神勅もて、ビク国に鎮まり居ます、刹帝利、ビクトリヤ王、初めて御子と在れませる、王子アール君に、耕奴家に生れ玉ひし、心雄々しき才女と、鴛鵞永久に、睦み親しみ妹と背、道を開き玉ひたる、これ御式尊さよ。仮令首陀家に生れたりとも、誠に明かき賢女を、娶らせ玉ふ若君は、天地開けし其時より、例もあらぬ珍御子、賢しき御子に在しまして、上と下と隔を絶ち、下国民を憐みまし、美はしき政を開かせ玉ふ、端緒ぞと左守司を始めとし、右守司は云ふも更、百司に至るまで、今日芽出度き御式をば、仰ぎ喜び拍手声も賑しく、そ喜びは天地に、響き渡りて大空、雲をつきぬき和田原、水底深く響き渡り、四方八方内外隈もなく、此新しき妹と背御契を、仰がぬもぞなかるべし。実にも芽出度き君が代、千代万代も極みなく、鶴は御空に舞ひ遊び、亀は御池に浮びつつ、君が幾代を祝ぎて、仕へまつるぞ芽出度けれ。朝日は照るとも曇るとも、月は盈つとも虧くるとも、天は地となり地は天となるとも、君が誠は幾千代も、変らせ玉ふ事ぞあるべき。実にも尊き三五、神教に仕へます、御空も清く治国別、珍宣伝使、二人仲に立たせ玉ひ、神代例そままに、婚嫁道を新しく、始め玉ひし尊さよ、神御稜威も高砂、尾上友白髪、積もる深雪何処迄も、溶けずにあれや妹と背道、ああ惟神々々、恩頼を喜び勇み願ぎ奉る』

と謡ひ終つて座についた。右守司は又謡ふ。

右守(謡曲)『天なるや乙棚機うながせる、玉御統瓊御統瓊に、あな玉はや、みたにふたわたらす、あぢしき高彦根、そ御神姿にも比ぶべき、珍御子なるアール君、神恵みに抱かれて、ここに理想妻と在れませる、ハンナ姫を娶らせ玉ひ、今宵芽出度く合衾を、完全に委曲に挙げさせ玉ひ、四海波風静にて、枝も鳴らさぬ君、そ礎と畏くも、婚嫁道を行はせ玉ひ、天地神に代らせ玉ひて、吾国民を心安く、治め玉はむ天御柱、国御柱とこれ館に並ばして、すみきり玉ふぞ尊けれ。吾は右守神司、まだ新参身なれども、君御為国為、誠事と知るなれば、仮令生命は捨つるとも、仕へまつらむ若君御前、ハンナ御前に、ああ二柱妹と背君よ、左守司を始めとし、そ外百司等を、誠奴と思召され、如何なる事も打明けて、吩ひ咐け玉へ宣らせ給へ、上下睦ぶ君が代、瑞祥示す今宵空、月光もさやかにて、星さへ今日は何時もより、光りも強くきらめき渡り、世継行末を、祝ぎ守らせ玉ふなり、荒き風もなく悪き雨もなく、五穀は豊に実り、天下太平国土成就、天神地祇を崇め祀り、父と母と君によく仕へまし、下国民を憐れみて、美はしき清き政を、布かせ玉へ聖君と謡はれて、神賜ひしビク国を、弥永久に守らせ玉へ、神に誓ひて右守司、若君二柱御前に、慎み敬ひ願ぎ奉る。朝日は照るとも曇るとも、月は盈つとも虧くるとも、星は空より墜つるとも、地は震ひ山は裂け、海はあせなむ世ありとも、君に対して二心、吾あらめやも、心限り身限り、身を犠牲に奉り、君御為世為に、清き尊き三五、神を拝み仕へまつり、君御言を畏みて、下万民に臨みまつらむ、二柱若君心安くましませよ。右守司が天地、皇大神御前に、誠心捧げ今日慶事を、寿ぎ奉る、ああ惟神々々、御霊幸はひましませよ』

 タルマンは又謡ふ。
『ビクトル山山麓に  大宮柱太知りて
 皇大神を奉りつつ  国王と在れませる
 ビク御国刹帝利  仁慈君に仕へたる
 内事司タルマンが  今日慶事を心より
 喜び勇み祝ぎ奉る  三五教神司
 治国別宣伝使  松彦竜彦万公
 珍御子をば伴ひて  天降りましたるそ時ゆ
 此城内に塞がれる  醜雲霧あともなく
 吹き払はれて千万  艱みは科戸春風に
 散り行くあとは青々と  野辺草木は茂り合ひ
 四方山辺はニコニコと  笑ひ初めたる芽出度さよ
 かかる時しも刹帝利  世継君と在れませる
 アール御子を始めとし  そ外五人御子等は
 恙もあらず大神  恵みに安く帰りまし
 吾君始め司等  喜び歓ぐ間もあらず
 又もや今日は合衾  芽出度き式を挙げられて
 千代礎を築きます  そ瑞祥ぞ有難き
 三千世界花  一度に来る常磐木
 松緑もシンシンと  花咲き匂ふ君が御代
 枝も茂りて鬱蒼と  巣ぐへる鶴声さへも
 いと勇ましく千代と呼ぶ  雀雲雀も諸共に
 今度慶事を祝ふ如  声勇ましく歌ひけり
 ああ惟神々々  神恵は目あたり
 今迄悩ませ玉ひたる  君心は春
 氷と解けて桜花  一度に咲き出す如くなり
 花と蝶とに譬ふべき  妹背御姿
 仰ぐも畏し大空  八重雲路を掻き別けて
 下り玉ひし天人か  天津乙女降臨か
 見るも芽出度き御姿  喜び勇み御前に
 真心こめて祝ぎ奉る  朝日は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  仮令大地は沈むとも
 誠力は世を救ふ  誠一つを立て通し
 ビク御国を何処迄も  上下心を協せつつ
 守らせ玉へ惟神  若君様御前に
 慎み敬ひ願ぎ奉る  ああ惟神々々
 御霊幸ひましませよ』
と歌ひ終つて座に着きにける。
(大正一二・二・二一 旧一・六 於竜宮館 北村隆光録)
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