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文献名1霊界物語 第54巻 真善美愛 巳
文献名2第4篇 関所玉石よみ(新仮名遣い)せきしょぎょくせき
文献名3第17章 火救団〔1403〕よみ(新仮名遣い)かきゅうだん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ次に八衢関所にやってきた女は、スミエルだった。守衛と問答中で、スミエルは自分が婿養子縁談を断っていたは、番頭シーナに恋着していたことを明かす。スミエルは夫婦理想こそが重要で、双方に人格が平等な関係でなければ真結婚とは言えないと結婚論を披露した。赤守衛は、また恋愛至上主義者がやってきたと言いながらも、スミエル論が最も優れていると評した。そこへスガールがやってきた。守衛は二人に対して、二人肉体は暗い落とし穴に放り込まれているが、まだ生死簿には寿命が残っているからには神様が何とかして現界に帰してくれるだろう、と言い渡した。そこへ道治別とシーナが宣伝歌を歌いながらやってきた。道晴別とシーナも、守衛からまだ寿命が残っていることを知らされた。赤守衛は四人に対して、何れ立派な宣伝使精霊がやってきて、四人を現界に連れて行ってくれるだろうと述べた。すると東方から呼ばわる声が聞こえてきた。一道光明が低空を轟かして進み来たり、四人前に緩やかに落ちた。火団はたちまち四柱神人と化した。道晴別がよくよく見れば、師匠治国別、松彦、竜彦、万公一行であった。道晴別はうれし涙にくれながら、四人に呼びかけてお礼を述べた。いつとはなしに四方から普遍的な光明が差してきた。こ光明に照らされて、八人姿は煙ように消えてしまった。八衢関所も、赤と白守衛姿も見えなくなった。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年02月23日(旧01月8日) 口述場所竜宮館 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年3月26日 愛善世界社版211頁 八幡書店版第9輯 697頁 修補版 校定版214頁 普及版99頁 初版 ページ備考
OBC rm5417
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本文  八衢関所にトボトボとやつて来た一人女がある。守衛は女に向ひ、
赤『ここは八衢関所だ、一寸調べる事があるから待つて貰ひ度い』
 女はハツと驚いて叮嚀に辞儀をし乍ら、
女『ハイ、何か御用で厶りますか』
赤『お前は何処女だ。姓名を聞かして貰はう』
女『ハイ、私はフサ国、玉木村テームス娘スミエルと申します』
 守衛は『フサ国 フサ国』と云ひ乍ら横に長い帳面を念入りにめくつて、
赤『お前は未だ未婚者だなア』
スミエル『ハイ、左様で厶ります。どうも縁が遠縁で厶りまして困つて居ります』
赤『今迄幾度ともなく縁談申し込みがあつたぢやないか。何故両親言葉を聞いて早く養子を迎へなかつたか』
スミエル『随分立派な養子も申し込んで下さいましたけれど、御存じ通りお多福で厶りますれば、心から私を愛して養子に来る人はありませぬ。皆父財産を相続するが目的で養子申し込みがあるですから、そんな犠牲にせられちや堪りませぬからな。既に養子とならば主人です。両親黒い間は兎も角、両親が国替でも致しましたら、そろそろ被つて居た猫皮を剥ぎ本性を現はし、美しき女を妾に置いたり、或は本妻をおつ放り出し、妾を本妻にする悪性男多い世中ですから、うつかり養子を貰ふ訳にも参りませぬ』
赤『お前は実際所、番頭シーナに恋着してゐるだらう。それだから左様な事を申して、立派な養子があつても皆刎ねつけてゐるだらうがな』
スミエル『お察し通り、宅に置いた番頭で厶りますけれど、ラブに上下区別は厶りませぬ。又番頭を養子にして置けば、世間様に威張らなくて何程宜いか知れませぬから、家為めにも自分為めにも大変好都合と存じまして、両親は如何考へてるか知りませぬが、私はそれに定めて居ります。何程番頭と云つても人格に変りはありませぬ。凡て男も女も相互に個人として人格を基礎として結合すべきもだと思ひます。一方から一方を奴隷扱ひするでもなく物品視するでもなく、又神如く尊崇するでもない。双方共に平等人格と人格と結合でなければ真恋愛でもなく、結婚でもありませぬ。今日如き男尊女卑的結婚は実に不合理極まるもで、其性的関係に就いても殆ど主人と奴僕如く、顧客と商品と如く、或は牝馬と種馬と如く、個人として已に一度目覚めた人間から見れば甚だしく非人間的な非論理的な性的関係だと云はねばなりますまい。夫が女房に対して可愛がるとか、面倒を見てやるとか、優くするとか等言葉に対して、妻方から旦那様お気に入るとか、可愛がられるとか云ふ言葉が存立し得る如き夫婦関係は、そこに仮令如何なる愛情が存在して居らうとも、決して真正な結婚ではありませぬ。飼ひ主が愛犬に対する愛情、或は資本家が賃金報酬に対する温情主義と称するもと何等異なるもなきもで、真人と人と道徳的な関係ではありませぬ。女性に向つて只々温良貞淑をみ強要せむとする如き夫は、所謂奴隷道徳を異性に強ゆるもであります。私等は社会因襲的、かかる悪弊は絶対的に排除したいもで厶います。今日多く婦人間に媚びるとか、甘へるとか、じやれるとか、飼ひ犬や、飼ひ猫と共通的な性情をさへ具有せしむるに至つた悲しむべき事実を見るに至つたは、畢竟今迄人間に少しも恋愛結婚に対する理解力がなかつたからで厶います。私は第一、主人だとか番頭だとか下らぬ障壁を取除き、神聖なる恋愛に生き度いもで厶います。それ故何程立派な男でも智者学者でも、此間道理が分らない頑固な人には、一身を任せる事は出来ませぬ。恋愛至上思想があつて初めて一夫一婦的確なる精神的、道理的、合理的基礎を与ふる事が出来るもでせう。それ以外一夫一婦論は偽善説にあらざれば、即ち単なる便宜的、因襲的、実利的御都合主義か、形式主義たるもに過ぎないでせう。理想合はない夫婦は、何時か相互間に必然的紛擾を起し、モルモン宗様に一夫多妻主義を止むを得ず採らなければならない様になります。又女方では已むを得ずラマ教様に、表面は兎も角、裏面に一妻多夫主義を心ならずも行はねばならぬ様な破目になりますから、此結婚問題みは、何程両親言葉だと云つても承諾する事は出来ませぬ。それ故番頭シーナさまも私も困り果てて居るですよ。頑迷不霊親を持つた娘位不幸な者は厶いませぬ』
赤『またしても恋愛神聖論者がやつて来て、吾々頭脳に一種異様反響を与へよつた。併し乍ら此女云ふ事も、今日人間としては最勝れた考へだ』
 斯く云ふ所へ少しく年若い、非常な美人がトボトボとやつて来た。スミエルは此女を見るより嬉しさうに、
スミエル『やア其方は妹スガールぢやないか』
スガール『ハイ、姉さまで厶いましたか。いい所でお目にかかりました。猪倉山岩窟に連れ込まれ暗い陥穽へ落されたかと思へば、こんな所へ抜て来てゐました。姉さまもヤツパリ私様な目に会つたでせうね』
スミエル『これ妹、ここは現界ではなく、どうやら霊界様な塩梅ですよ。姉妹二人が深い穴へ放り込まれ、命を失つて霊魂がここへ来てゐるでせうよ』
スガール『そんな事は厶いますまい。これ丈け気分が確りしてゐますも。夢でもなければ死んだでもありませぬ。そんな事云つて下さるな。私心淋しう厶いますわ』
赤『スガールとやら、其方スミエル妹と見えるが、ここは霊界八衢だから未だお前達来る所ではない。之から現界へ帰つて暫く働かねばなりますまいぞ。併し乍ら両人身体は、深い暗い陥穽に放り込まれてゐるだから、容易に救ひ出す事は出来まい。併し不思議な事には生死簿には生としてあるから、神様が何とかして現界に返して下さるだらう』
スガール『左様で厶いますか。さうするとヤツパリ此処は霊界で厶いましたかな。鬼春別、久米彦と云ふゼネラル部下に捕へられ、深い穴に放り込まれたと思へばヤツパリそ時に私等姉妹は現界を去つて来たですかな』
 かかる所へ道晴別、シーナ二人は道々何事か話し、又幽かな声で宣伝歌を歌ひ乍ら、此方に向つて進んで来る。そ姿が道端間を透して、仄に現はれて来た。
道晴別『神が表に現はれて  善と悪とを立別ける
 此世は神ゐます国  世人草は押し並べて
 尊き神御恵みに  洩れたる者はあらざらめ
 斎苑館を立出でて  魔神猛る月
 大雲山に蟠まる  醜神等を言向けて
 此世塵を払はむと  治国別に従ひて
 進み来れる折もあれ  祠森に残されて
 瑞御舎仕へつつ  そ神業も相果てて
 又もや進む宣伝使  浮木森を後にして
 シメジ峠山麓に  来かかる折しも曲津見が
 猪倉山に陣取りて  四辺人を悩ませつ
 玉木テームスが  娘二人を掠奪し
 帰りし事を聞くよりも  見捨て兼ねたる義侠心
 軍服姿に身を窶し  シーナと共に曲神
 集まる岩窟に立ち向ひ  悪神達計略
 暗き穴へと投げ込まれ  気絶したりと思ひきや
 何時とはなしに漂渺と  涯りも知らぬ大野原
 知らず知らずに辿りける  思ふにここは霊界
 八衢街道にあらざるか  四辺空気はなんとなく
 現世とは変りけり  ああ惟神々々
 御霊幸はひましまして  現界幽界隔てなく
 罪に穢れし吾々  身魂を救ひ天国に
 上らせ玉へ惟神  国治立大御神
 豊国姫大御神  瑞御霊大前に
 慎み敬ひ願ぎ奉る  ああ惟神々々
 御霊幸はひましませよ』
 二人は漸く関所門前に着いた。よくよく見れば救ひ出さうとしてゐた、スミエル、スガールが、赤、白守衛と共に何だか話をしてゐるで道晴別は不思議相に、
道晴『拙者は三五教宣伝使道晴別と申します。ここにゐられるは玉木村テームス殿番頭シーナさまで厶ります。二人御婦人はスミエル、スガール様ぢや厶りませぬか』
赤『左様で厶る。只今ここへ精霊となつてお入来になりましたから、今お帰りを勧めて居る所です』
道晴『あ、それは御厄介で厶いました。私も仄に心に浮びますは、此御両人を助け出さうと思ひ、猪倉山岩窟へ奇計を以て忍び入り、失敗を致し、敵に覚られ暗黒なる深き穴に投げ込まれたと思へば、斯様な処へ両人が来て居りました。さうすれば、吾々もヤツパリ現界者ではありませぬかな』
赤『いや御心配は要りませぬ。まだ貴方方四人共ここに来られる方ぢやありませぬ。何等か手続きを以て現界へ帰られるでせう。時にシーナとやら、ここにスミエルさまが来て居られるから御挨拶をなさらぬか』
シーナ『ハイ、何とも恥かしくて言葉が出ませぬ』
と俯向く。
赤『シーナさま、随分スミエルさまは貴方に対し、大々的気焔を吐いてゐられましたよ。ま一度現界へ帰つて何卒親密に社会奉仕なり、神霊奉仕をお励みなさい』
シーナ『一旦肉体をとられた私、如何して現界へ帰る事が出来ませうかな』
赤『ここへ来なくてならぬもは、何程嫌だと云つても来なくてはなりませぬ。又現界に命数ある人は何程来たいと云つても来る事は出来ませぬ。何れ立派な宣伝使精霊が来て、貴方等を現界へ連れて行つて下さるでせう』
 四人は意外感に打たれて、二人守衛顔を見つめてゐた。そこへ東方から、『オーイ オーイ』と三四人声が聞えて来た。四人はハツと声する方に身を転ずれば、一道光明が低空を轟かしてゴウゴウゴウと進み来り、四人前に緩やかに落ちて来た。火団は忽ち四柱神人と化した。道晴別は『はて不思議』と、よくよく顔を透かし見れば、恋ひ慕うてゐた治国別一行である。道晴別は嬉し涙にくれ乍ら、
道晴『ああ先生様、松彦、竜彦、万公殿、よう来て下さいました』
と涙を袖に拭ひ嬉し泣きに泣く。何時とはなしに四方から普遍的な光明がさして来た。此光明に照らされて八人姿は煙如くに消えて了つた。随つて八衢関所も赤白守衛姿も見えなくなつた。
(大正一二・二・二三 旧一・八 於竜宮館 北村隆光録)
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