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文献名1霊界物語 第55巻 真善美愛 午
文献名2第4篇 法念舞詩よみ(新仮名遣い)ほうねんぶし
文献名3第17章 万巌〔1425〕よみ(新仮名遣い)まんがん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-05-29 19:16:19
あらすじ玉置村テームスは屋敷や山林田畑を開放し村人共有となし、新しい村を経営することになった。治国別は神勅により、しばらくテームス宅に止まっていた。仮宮に大神を鎮座する祭典に、数百人老若男女が喜び勇んで集まり列した。治国別は祭主となって神殿に向かって祝詞くづし宣伝歌を奏上した。村人たちは千引岩を神前に奉ろうと大綱を握り歌を歌って進んでくる。社傍らに添えられた千引岩は、こ岩石が腐るまで心を変えずに神に尽くす、という赤心供え物であった。万公は村人と同じく捻鉢巻をして運んできた石を場に据えようと、槌を振り上げて大地を固め、杭を打って歌いながら作業に励んでいる。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年03月04日(旧01月17日) 口述場所竜宮館 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年3月30日 愛善世界社版219頁 八幡書店版第10輯 114頁 修補版 校定版231頁 普及版95頁 初版 ページ備考
OBC rm5517
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本文  玉置テームスは治国別教を聞いて今迄貪欲心や執着心を弊履を捨つるが如くに脱却し、広き邸を開放し村人共有とし、且つ山林田畑を村内に提供して共有となし、茲に一団となつて新しき村を経営する事となつた。先づ大神神殿を造営すべく村人は今迄テームス持ち山たりし遠近山に分け入つて木を切り板を挽き、日夜赤心を尽し、漸くにして一ケ月を経たる後仮宮を造営し、大神を鎮座する事となつた。治国別は村人に教を伝ふべく、又こ神館完成する迄神勅に依つて待つ事とした。数百人老若男女は悦び勇みて社前に集まり、こ盛大なる盛典に列した。治国別は祭主となり、神殿に向つて祝詞くづし宣伝歌を奏上した。

治国別『久方天津御空高天原に、鎮まり居ます大国常立大神、神伊邪那岐大神伊邪那美大神、厳御霊大神瑞御霊大神を初め奉り、天津神国津神八百万神達御前に、三五教神司治国別命、清き尊き珍御前に慎み敬ひ、畏み畏みも申さく、高天原御国を知し召す、瑞御霊大御神、日神国を知し召す、厳御霊大神は、現身曇り汚れ罪過を、科戸風に吹き払ひ、速川瀬に流し捨て、清き麗しきミロク御代に立直さむと、神素盞嗚大御神に、千座置戸を負はせたまひ、産土山聖場に、斎苑館を立て給ひ、千代住所と定めつつ、神御言を畏みて、遠近国々に珍教を完全に、開かせ給ふ有難さ、百司を初めとし、四方国人達は、皇大御神大御恵を、喜び仰ぎ奉り、早風如く潮打寄する事如く、神御前に伊寄り集ひて、神賜ひし村肝心を錬り鍛へ、百罪汚れ過を、払ひ清めて天地、神柱と生れ出でたる人務めを、完全に委曲に尽し終へむと、励しみ仕ふる勇ましさ、掛巻も畏き皇大神領有ぎ給ふ、豊葦原千五百秋瑞穂国は、生言霊幸はふ御国、生言霊助くる御国、生言霊生ける御国にましませば、天下に生きとし生ける民草は、日に夜に心を研き身を謹み、神賜ひし珍言霊を祝り上げ奉り、仮にも人を罵らず、譏らず嫉まず憎みなく、睦び親しみ兄弟如く、現世に生永らへて、日々生業を楽しみ仕へ奉り、神依さし大御業に、仕へ奉るべき者にしあれば、三五教御教を、夢にも忘るる事なく、朝な夕なに省みて、神御国幸ひを、完全に委曲に受けさせ給へと、皇大神大前に、謹み敬ひ願ぎ奉る、下つ岩根に千木高く、仕へまつりし此宮、いとも広くいとも清けきが如く、いや永久に、いづ玉置村人は、テームス村司を親と崇め、各自生業を、いそしみ勤めて大神、御前に勲功を奉り、家内は睦び親しみて、恵良々々に歓ぎ賑ひ、茂り栄えしめ給へ、ああ惟神々々、御霊幸倍ましませよ』
 斯かる所へ村若い衆と見えて赤鉢巻を締め乍ら、鐘や太鼓を叩きつつ、千引岩を車に載せ、神御前に奉らむと、大綱を老若男女が握り乍ら汗をタラタラ流しつつ、歌を唄つて進み来る其勇ましさ。(以下( )内はワキ)
『(エンヤラヤー、エンヤラヤア)  三五教神司
 治国別宣伝使  (ヨーイヨーイ、エンヤラヤア)
 天津御空雲別けて  玉置村に下りまし
 (ヨーイトセー、ヨーイトセー)  (エンヤラヤーエンヤラヤー)
 欲に抜目ない爺  テームスさまを説きつけて
 (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)  も一つそこらで(エンヤラヤア)
 (ヨーイヨーイ ヨーイトナ)  皆さま揃うてモ一つぢや
 昔先祖から  欲をかはいて溜めおいた
 山も田地もすつかりと  (ヨーイヨーイ、エンヤラヤ)
 玉置村へ放り出して  上下なしに安楽な
 生活をせよと云はしやつた  時節は待たねばならぬも
 (ヨーイヨーイ、エンヤラヤア)  皆さま揃うてモ一つぢや
 (ヨーイヨーイ、ヨーイトセ)  広き邸を開放して
 尊き神宮を建て  老若男女が睦び合ひ
 今日は目出度い宮遷し  (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
 (ヨーイトセ、ヨーイトセ)  皆さまそこらで一気張り
 (ヨーイヨーイ ヨーイヤナ)  これから玉置村人は
 今度新にお出ました  万公さま若主人に
 心底から服従し  上下揃うて神様
 御用を励み日々  野良仕事や山仕事
 喜び勇んで務めませう  (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
 (エンヤラヤーエンヤラヤー)  皆さまここらで一気張り
 千引岩は重くとも  大勢が心を一つにし
 力限りに曳くならば  何程甚い阪だとて
 神守りに安々と  苧殻を曳くよに上るだらう
 (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)  (エンヤラヤーエンヤラヤー)
 抑々玉置村人は  昔神世から
 こ神村を住所とし  ウラル御教を
 守り来りし人ばかり  (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
 (エンヤラヤーエンヤラヤー)  ウラル神さまどうしてか
 幾何信心したとても  些ともお蔭を下さらぬ
 テームスさまが唯一人  お蔭を横取許りして
 吾等一同汗膏  絞つて楽に日を暮し
 栄耀栄華にやつて居た  (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
 (エンヤラヤーエンヤラヤー)  それをば黙つて見て厶る
 ウラル神さまは  此頃盲になつた
 但は聾になつたか  村難儀を知らぬ顔
 (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)  (エンヤラヤーエンヤラヤー)
 皆さま揃うて一気張り  (ヨーイヨーイ エンヤラヤア)
 此度救ひ神様が  天河原に棹さして
 治国別と名を変へて  玉置村に下りまし
 吾等一同を救はむと  仁慈無限御教を
 宣らせ給ひし嬉しさよ  (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
 (エンヤラヤーエンヤラヤア)  これから玉置村人は
 飢に苦しむ人も無く  凍えて死ぬる人もなし
 上下運否ないやうに  ミロク御代が築かれて
 喜び勇んで暮すだらう  (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
 (エンヤラヤーエンヤラヤー)  此神殿に祭りたる
 救ひ神は厳御霊  瑞御霊神柱
 柱も清く棟高く  御殿も宏く風景は
 勝れて絶佳御場所よ  (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
 (エンヤラヤーエンヤラヤー)  捻鉢巻若い衆よ
 早階段に近付いた  もう一気張り一気張り
 お声を揃へてヨーイヤナ  (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
 (エンヤラヤーエンヤラヤー)』
と唄ひ乍ら方形大岩石を社傍に据ゑたり。これは村人が……此岩石腐る迄は心を堅く変へませぬ、何処迄も御神為に尽します……と云ふ赤心供へ物である。
 万公は村人と同じく捻鉢巻をし、運んで来た石を適当場所に据ゑむとして二三人部下と共に槌を振り上げ、大地をドンドンと固め、杭を打つて石にえ込まないやうと勤めて居る。相方が交互に歌を唄ひ乍ら拍子をとつて居る。
万公『神と神と引き合せ  (ドーン、ドーン、ドンドンドン)
 玉置里庄なる  テームスさま若主人
 万公司も現はれて  今日目出度いお祭りを
 力限りに祝ひませう  (ドーン ドーン、ドンドンドン)
 打てよ打て打て確り打てよ  地獄割れる迄
 今打つ槌は神槌  槌が土うつ面白さ
 (ドーン ドーン、ドンドンドン)  玉置皆さまが
 キール谷から千引岩  毛綱に括つて引き来り
 尊きお宮御前に  信と真と光をば
 現はし給うた目出度さよ  (ドーン ドーン、ドンドンドン)
 大神様御利益で  テームス館は云ふも更
 此村人は永久に  尊き此世を楽しんで
 堅磐常磐に玉  命を保ち心安く
 家も豊に栄えませう  (ドーン ドーン、ドンドンドン)
 これから村中心をば  一つに合して田を作り
 山には木苗を植付けて  (ドーン ドーン、ドンドンドン)
 共有財産沢山と  造つて子孫末迄も
 (ドーン ドーン、ドンドンドン)  宝を残し身を治め
 心を清めて神様  尊き教に心従し
 此世を安く頼もしく  (ドーン ドーン、ドンドンドン)
 千引御霊もて  悪魔を払ひいつ迄も
 ビクとも動かぬ鉄石  信仰励もぢやないかいな
 (ドーン ドーン、ドンドンドン)  どうやら準備が出来たよだ
 皆さまモ一つ頼むぞや  (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
 (エンヤラヤーエンヤラヤア)  力強い若い衆は
 挺をば四五本持つて来て  千引岩を此上に
 何卒据ゑて下されよ  万公別が頼みます
 (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)  (エンヤラヤーエンヤラヤア)
 朝日は照るとも曇るとも  轟き渡る滝
 洗ひ晒した此身体  神御前に奉り
 舎身供養を励みませう  ああ惟神々々
 (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)  (エンヤラヤーエンヤラヤー)
 神御心畏みて  村人心を一つにし
 今日祭を恙なく  済ませた事嬉しさよ
 玉置村は万世に  玉置宮と諸共に
 栄え尽きせぬ事だらう  喜び祝へ諸人よ
 (ヨーイヨーイ エンヤラヤ)  (エンヤラヤーエンヤラヤア)』
(大正一二・三・四 旧一・一七 於竜宮館 加藤明子録)
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