王仁DBβ版 出口王仁三郎と霊界物語の総合検索サイト 文献検索 画像検索 単語検索 メニュー開く
サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)

文献名1霊界物語 第56巻 真善美愛 未
文献名2第3篇 月照荒野よみ(新仮名遣い)げっしょうこうや
文献名3第12章 照門颪〔1442〕よみ(新仮名遣い)てるもんおろし
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-06-24 17:32:43
あらすじ求道居士とケリナは、テルモン山ケリナ生家・小国別館を目指して夜道を歩いていく。二人はそれぞれ述懐歌を歌いながら進む。猛獣唸り声が前後左右から聞こえて来る。求道居士は天数歌を歌い、経文を念じて力いっぱいほら貝を吹きたてた。ケリナは猛獣声に戦慄し、求道居士にすがりついて経文を称えている。やがて猛獣唸り声はぴたりと止まった。これよりケリナは何となく求道居士を尊信愛慕する念が深くなるに至った。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年03月16日(旧01月29日) 口述場所竜宮館 筆録者外山豊二 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年5月3日 愛善世界社版169頁 八幡書店版第10輯 209頁 修補版 校定版178頁 普及版83頁 初版 ページ備考
OBC rm5612
本文のヒット件数全 172 件/ノ=172
本文の文字数4018
これ以外の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい 霊界物語ネット
本文  求道居士はケリナ姫を伴ひ乍ら、テルモン山小国別館を指して送り行く途々歌ひ出したり。
求道『有為転変は世習ひ  とは云ふも
 行末こそは不思議なれ  三国一
 ハルナ都に程近き  大国彦現れませる
 大雲山に立籠り  バラモン教御教を
 朝な夕なに信仰し  抜擢されてバラモン
 教司と任けられつ  追々功績を現はして
 大黒主御見出しに  あづかり遂にカーネル
 尊き職を授けられ  神素盞嗚現れませる
 斎苑館を屠らむと  大黒主命を受け
 鬼春別や久米彦  両将軍に扈従して
 旗鼓堂々と月国  後に眺めて進み行く
 万里山野を跋渉し  蹄音も勇ましく
 浮木森迄進軍し  片彦、久米彦将軍と
 隊伍を整へ河鹿山  進む折しも三五
 治国別言霊に  打破られて敗走し
 浮木陣屋へ引返し  又もや茲に全軍を
 二つに分けてライオン  広き流れを相渡り
 ビクトル山袂にて  仮陣屋を造りつつ
 ビクトリヤ城を脅かし  味方軍勢に驚いて
 ゼネラル様と諸共に  総隊崩れ逃げ出す
 戦庭に出で乍ら  薄穂にも怖ぢ恐れ
 慄ひ慄ひて広野原  漸く渡りシメヂ坂
 壁立つ如き坂道を  漸く下り猪倉
 難攻不落山寨に  永久的陣営を
 構へて時を待つ内に  又も聞ゆる宣伝歌
 三五教に名も高き  神将軍と聞えたる
 治国別一行に  又も攻められゼネラルは
 脆くも茲に兜脱ぎ  バラモン教軍職を
 捨て忽ち三五  教ピユリタンと
 変らせ玉ふ果敢なさよ  吾等も共に進退を
 同じうせむとカーネル  職をば止めて修験者
 名も求道と改めて  ビク御国清滝に
 霊を洗ひビクトル  下津岩根に宮柱
 太しく立てて永久に  鎮まり居ます大神
 御前に日毎詣でつつ  治道、道貫、素道居士
 三人許しを受け乍ら  フサ国をば横断し
 猛獣毒蛇荒ぶ野を  神光を杖となし
 夜路露をば浴び乍ら  エルシナ川麓まで
 来る折しも大空  月は漸く薄らぎて
 忽ち聞ゆる鳥声  川水瀬はやる音
 たよりに伝ひ下る折  淵に浮かんだ四人姿
 見逃がしならずと衣を脱ぎ  法螺を口に喰へつつ
 ザンブと許り飛込んで  四人男女を空砂
 上に救ひて耳元に  大法螺貝を吹立つる
 神恵は忽ちに  シヤール一人を除く外
 三人は息を吹き返し  やつと胸をば撫で下し
 三人男女に皇神  御教を完全に諭しつつ
 大岩谷麓まで  来りて息を休めつつ
 十字秘法や数歌  功力を伝へゐたる折
 悪逆無道ベル奴  わが懐に金子ありと
 早くも悟り悪心を  起して奪らむと攻め来る
 ヘルとベルとは初めより  わが懐を狙ひつつ
 八百長喧嘩を徐々と  真面目にやり出し
 ベル司は逸早く  此場を後に逃げて行く
 さはさり乍らヘル奴  色と欲とに心をば
 曇らせ吾等後を追ひ  ケリナ姫を送らむと
 草野を別けて進み来る  日も黄昏になりぬれば
 ポプラ蔭に立寄りて  息を休むる折もあれ
 又もや来る黒い影  これぞ正しくベル
 ヘルと二人が言ひ合せ  吾が懐を狙はむと
 来りしもと悟りしゆ  いろいろ雑多と真道を
 説き諭せども如何にせむ  地獄境に堕ち果てし
 二人霊は飽く迄も  悪企みを遂げなむと
 忽ち棍棒振り翳し  吾が脳天を打すゑぬ
 何かは以て耐るべき  忽ちウンと昏倒し
 夢路を辿る折もあれ  高天原霊国を
 領有ぎ玉ふエンゼルが  鳩如くに下りまし
 吾等二人危難をば  救ひ玉ひし有難さ
 ああ惟神々々  神恵を目当り
 受けたる吾々両人は  仮令如何なる悩みにも
 撓まず屈せず道為  世人為めに真心
 有らむ限りを尽しつつ  進まにやならぬ両人を
 守らせ玉へ惟神  皇大神御前に
 畏み畏み願ぎ奉る  旭は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  星は天より落つるとも
 印度海はあするとも  此大恩は何時世か
 報い奉らで置くべきぞ  思へば思へば有難き
 恵天地に  充ち足ひたる神世は
 草野末に置く露も  一々月御光を
 宿し玉ひて瑠璃光  如く光らせ玉ふなり
 ああ天国か楽園か  際限もなき広野原
 進み行く身ぞ楽しけれ』
ケリナ『わが足乳根父母は  月都に現れませる
 バラモン教太柱  大黒主部下となり
 仁慈無限御教を  テルモン山山腹に
 大宮柱太知りて  鎮まりゐます皇神に
 朝な夕なに仕へつつ  四方国人悉く
 神教に靡かせつ  教を開き玉ひしが
 ウラル神司  数多手下を引率れて
 得物を携さへ堂々と  勢猛く迫り来る
 其勢に辟易し  吾が足乳根は逸早く
 館を捨ててテルモン  高嶺を渡り森林に
 暫し難をば避け玉ふ  此時信者と現れませる
 鎌彦司が現はれて  神変不思議神力を
 現はし玉ひ攻め来る  ウラル司等を
 一人も残らず退けて  難をば救ひ玉ひしゆ
 吾が足乳根は漸くに  元館に帰りまし
 神教を詳細に  開かせ玉ふ折もあれ
 館難を救ひたる  鎌彦司は妾をば
 ラブし給ひて朝夕に  言ひよりたまひし果敢さよ
 妾は素より鎌彦に  少しも心はなけれ共
 度重なれば何時となく  男情けを慕ひ出し
 遂には割なき仲となり  父と母と目を忍び
 月夜を恨み暗夜を  指折り数へ待ち暮す
 怪しき仲とはなりにけり  さはさり乍ら足乳根
 吾が両親は頭をば  左右にふりて両人が
 恋を許させ玉ふ可き  気色なければ止むを得ず
 夜陰に紛れて両人は  手に手をとつて逃げ出し
 エリシナ谷山奥に  形ばかり草庵を
 結びて暮す折もあれ  吾が背鎌彦は
 俄に駱駝を引つれて  妾を家に残しつつ
 何処ともなく出でましぬ  深山奥に只一人
 果実を喰ひ芋を掘り  漸く餓を凌ぎつつ
 悲しき月日を送ること  早一年に及べども
 夫便りは泣く許り  袖をば濡らす草
 衣は破れ肉は痩せ  見る影も無き状となり
 淋しき浮世を果敢みて  冥途旅を為さむかと
 庵を後に夜道  エルシナ川川岸に
 佇み胸を押へつつ  少時思案に暮れけるが
 何処ともなく吾が耳に  死ねよ死ねよと教へ来る
 醜曲津か知らね共  切迫詰つた此場合
 死ぬより外に途無しと  心を定めて飛び込めば
 千尋青い淵  息も苦しくなりければ
 再び娑婆が恋しうなり  ま一度生命を保たむと
 焦れど詮なし女身  弊衣に水を含みしゆ
 身も儘ならず悶え居る  時しもあれや何物か
 吾が身に触るる物ありと  矢庭にしかと抱き付き
 浮つ沈みつ争へば  何時しか息は絶え果てて
 前後不覚となりにけり  斯かる処へヘル司
 現はれ来り両人を  救ひ助けて森林
 中に伴ひ労りつ  種々雑多介抱に
 再び正気に復しける  悪逆非道一人は
 妾姿見るよりも  あやしき眼を光らせて
 耳も汚るる口説言  三人男は吾が身をば
 妻になさむと争ひつ  パイン蔭に組みついて
 組んづ転んづ又元  青淵目蒐けて落ち込みぬ
 妾を救けし恩人  生命を助けにやなるまいと
 吾が身を忘れて飛び込めば  又もや溺れて人心
 無き身とこそはなりにけり  これより一行四人連れ
 青野ケ原を打渡り  当途もなしに進み行く
 忽ち関所に突き当り  容子を聞けば霊界
 八衢関所と聞きしより  吾等が一行驚いて
 再び元道をとり  帰らむとする折もあれ
 酒に酔ふたる六造が  又もや途中に塞がりて
 何ぢやかんぢやと口説出す  こりや怺らんと思ふ折
 向ふ方より足早に  走り来れる婆々あり
 一行五人は怪しみて  道側へ草原に
 身を隠したる時もあれ  婆々はツツと立止り
 不思議な手つきで招きつつ  日出神義理天上
 底津岩根太柱  みろく生宮だ
 これからお前等一同に  天国浄土真相を
 諭してやるから跟いて来い  なぞと言葉も滑らかに
 いと熱心に説きつける  何は兎もあれ行き見むと
 婆々後に従ひて  川を隔てて岩山
 賤が伏屋に跟いて行く  ウラナイ教旗頭
 高姫さまが住家ぞと  聞いて驚く胸
 さあらぬ顔を装ひて  様子を伺ひ居たりしが
 忽ち聞ゆる法螺声  三五教修験者
 求道居士が現はれて  吾等一同危難をば
 救はせ玉ふと見る内に  俄に聞ゆる水
 小鳥声も爽かに  耳に入るよと見るうちに
 再び息を吹返し  又もや救ひ上げられて
 漸う此処迄帰りけり  ああ惟神々々
 尊き神御恵に  守らせ玉ひて道
 包む隈なく足乳根  居ますわが家へ速に
 帰させ玉へ惟神  神御前に願ぎ奉る』
と歌ひつつ求道居士後に従つて、夜道を辿るは、ケリナ姫であつた。
 忽ち聞ゆる猛獣唸り声、前後左右より一斉に山彦を轟かして聞え来る。求道居士は天数歌を歌ひ上げ、
『真観清浄観  広大智慧観
 悲観及慈観  常願常瞻仰
 無垢清浄光  慧日破諸闇
 能伏災風火  普明照世間
 悲体戒雷震  慈意妙大雲
 澍甘露法雨  滅除煩悩炎
 諍訟経官処  怖畏軍陣中
 念彼観音力  衆怨悉退散
 妙音観世音  梵音海潮音
 勝彼世間音  是故須常念
 念々勿生疑  観世音浄聖
 於苦悩死厄  能為作依怙
 具一切功徳  慈眼視衆生
 福聚海無量  是故応頂礼』
と念じ乍ら、負ず劣らず、力一杯法螺貝を吹き立てた。法螺貝声は山野邪気を払ふもである。ケリナ姫は猛獣声に戦慄し、求道居士腰に喰ひつき、泣き声になつて居士に従ひ経文を誦唱して居る。暫くにしてさしも激しき猛獣唸り声はピタリと止まつた。天を封じて居た雲は俄に散つて夏月は洗ひ出した様に、中天低く輝き始めた。是よりケリナ姫は何となく求道居士を尊信愛慕する念益々深くなり、ハートに折々波を打たせ胸を焦がすに至りたり。
(大正一二・三・一六 旧一・二九 於竜宮館二階 外山豊二録)
霊界物語ネットで読む 霊界物語ネット
オニド関係の更新情報は「オニド関係全サイトの更新情報」を見れば全て分かります!
王仁DB (王仁三郎データベース)は飯塚弘明が運営しています。 /出口王仁三郎の著作物を始め、当サイト内にあるデータは基本的にすべて、著作権保護期間が過ぎていますので、どうぞご自由にお使いください。また保護期間内にあるものは、著作権法に触れない範囲で使用しています。それに関しては自己責任でお使いください。/出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別用語と見なされる言葉もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。/ 本サイトのデータは「霊界物語ネット」掲載のデータと同じものです。著作権凡例 /データに誤り等を発見したら教えてくれると嬉しいです。
連絡先:【メールアドレス(飯塚弘明)
プライバシーポリシー
(C) 2016-2024 Iizuka Hiroaki