王仁DBβ版 出口王仁三郎と霊界物語の総合検索サイト 文献検索 画像検索 単語検索 メニュー開く
サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)

文献名1霊界物語 第58巻 真善美愛 酉
文献名2第4篇 猩々潔白よみ(新仮名遣い)しょうじょうけっぱく
文献名3第22章 獣婚〔1497〕よみ(新仮名遣い)じゅうこん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじバーチルやようやく懐かし我が家に帰ってきたが、妻サーベルは床間に厳然と控えてニコニコしていた。そしてバーチル姿を見るとヒラリと床間を飛び下りて、猿ような怪しい声を張り上げた。サーベルは、自分は猩々女王であり、賤しい獣肉体ままサーベルに着いていくわけにも行かず、身を投げて死し、バーチル肉体に懸っただと語り始めた。玉国別は、サーベルは一体二霊だから因縁としてこまま仲良く暮らすがよいとバーチルを諭した。バーチルは納得がいかない面持である。サーベルに懸った猩々女王はそ因縁を語りだした。それによると、猩々女王猩々王は、アヅモス山を守護していたが、バーチル父バークス罠にかかって命を落としたという。そして夫猩々王精霊は、バークス息子であるバーチル肉体に納まっただという。猩々女王は夫死後、眷属をひきつれてアヅモス山を逃げ出し、船に乗って猩々島に隠れ、夫精霊がやってくるを待っていただという。バーチルが漁をやめられずに船に焦がれていたも、猩々王精霊がなした業であり、そために難船して三年前に猩々島に流れ着き、猩々女王と夫婦となっていただと明かした。玉国別は不思議な因縁を受け入れるようバーチルを諭した。一同はこ不思議な物語を聞いてそれぞれ述懐歌を歌った。サーベルは我に返った。そして自分肉体に宿っている猩々姫が語ったことや歌った歌を聞いて、覚悟はできたから、こまま一体二霊にて夫婦として過ごそうとバーチルに呼びかけた。玉国別は、人間は精霊宿泊所ようなもであり、そ精霊は一方は愛善徳を受けて天国に向かい、一方は悪と虚偽ために地獄に向かっていると説いた。善悪混淆中間状態にあるが人間であるから、愛と善と信真によってあらゆる徳を積み、天国天人班に加わらなければならないと続けた。そこへ下女がたくさんな馳走をこしらえて膳部を運んできた。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年03月30日(旧02月14日) 口述場所皆生温泉 浜屋 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年6月15日 愛善世界社版269頁 八幡書店版第10輯 465頁 修補版 校定版285頁 普及版108頁 初版 ページ備考
OBC rm5822
本文のヒット件数全 195 件/ノ=195
本文の文字数3636
これ以外の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい 霊界物語ネット
本文  玉国別を先頭にバーチルは三年振りに恋しき吾家表門を潜つた。四辺光景は自分不在にも似合はず、極めて生々として居る。庭手入れも殊更行届き、牡丹、芍薬、燕子花、日和草、そ外鳳仙花、鶏頭等が、広庭彼方此方に主人不在を知らず顔に、艶を競ふて咲き誇つて居る。雀や燕は主人帰りを祝するも如く、殊更高い声をして囀り出した。バーチルは感慨無量面持にて表玄関より玉国別に従ひ、奥間深く進み入る。
 自分が久し振りに帰つて来ただから女房サーベルは道四五丁も喜んで迎へに来て居さうなもに、どうしたもか、玄関口迄も迎へに来ないは、何か大病でも患つて居るではあるまいかと案じ乍ら、吾居間に宣伝使と共に進み見れば、サーベル姫は床間に儼然として胡座をかき、両手をキチンと合して、莞爾し乍ら控へて居る。
 バーチル姿を見るより床間をヒラリと飛び下り、『キャッキャッ』と怪しき声を張り上げ乍ら、
サーベル『ホホホホホこれはこれはお旦那様、えらう遅い事で厶いましたね。妾は一歩お先へ参りまして僕に準備をさせ、待つてゐましたよ。貴方も妾と三年が間、あ離れ島に御苦労なさいましたね。もう此処へお帰りになれば何かにつけて便利もよく、何卒幾久敷く偕老同穴契を結んで下さいます様にお願ひ申します。宣伝使様も妾肉体を連れて帰つてやらうかと親切に仰有つて下さいましたが、何と云つても畜生肉体、到底立派な貴方様お側に仕へる事は出来ぬと存じまして海中に身を投じ、性を変じて奥様肉体に憑りました。妾は貴方愛して下さつた猩々夫人で厶います。第二夫人として使つて下さいませ』
バーチル『はて、合点ゆかぬ事だな。もし先生様、奥は発狂したではありますまいか。怪体な事を申すぢや厶いませぬか』
玉国『いや決して発狂でも何でもありませぬ。精神清浄潔白にして純朴無垢な猩々姫様が、貴方を慕つて精霊となり、奥様肉体にお宿りなさつたですよ。これも因縁で厶いますから仲良うお暮し下さいませ』
バーチル『何だか化物様な感じが致します。嫌らしい者ですな。さうして奥魂はどうなつたでせうか』
玉国『奥様とお二人ですよ。つまり一体二霊ですから之も因縁と諦めて仲良くお暮しなさるが宜しい。これには何か深い因縁が此家に絡つてあるに違ひありませぬ』
バーチル『へー………』
サーベル『妾夫はアヅモス山天王森を守護して居る猩々で厶いましたが、バーチルさま父上バークスさまが妾夫を罠にかけ命を奪られました。それ故精霊行く処がありませぬで、バークス様御息子、即ち此夫バーチルさま肉体に納まりましたで厶います。云はばバーチルさま精霊は妾夫で厶います。妾は眷族を引き連れ、アヅモス山森を逃げ出し、磯辺に繋いであつた船に眷族を乗せ、漸く猩々島に渡つて夫来るを待つて居りました。それ故妾精霊が夫精霊と通ひし為めバーチルさまは海を見るが好きになり、漁を遊ばし到頭漁船は難破して妾島へ漂着遊ばす様に夫精霊が致したで厶います。決して三年前から夫婦になつたでは厶いませぬ』
バーチル『はてな、さうすると私は矢張り二人暮しであつたか。何とまア合点いかぬもだな。いつ間にか猩々彦生宮となつてゐたもと見える。扨ても扨ても合点ゆかぬ事だな』
玉国『霊魂力と云ふもは恐ろしいもで厶いますよ。云はば貴方肉体はバーチルさまと猩々彦合体、奥様肉体はサーベル姫と猩々姫合体ですから一夫婦で二夫婦生活を営んでゐる様なもです』

バーチル『思ひきや猩々彦肉宮と
  知らず知らずに世を過ごしける。

 夜も昼も湖み憧憬れて
  漁りせしも仇事でなし』

サーベル『心なき人矛をば避け乍ら
  猩々ケ島より魂通はせつ。

 猩々果敢なき身をば持ち乍ら
  物云ふ人に宿る嬉しさ』

伊太彦『これはしたり思ひも寄らぬローマンスを
  目あたり見る訝かしさかな。

 三千彦司よ心せよ
  汝も猩々身霊ならずや』

三千彦『バーチルは宝に富める人なれば
  二重生活苦しからまじ。

 さり乍ら宝貧しき三千彦は
  二重生活する術もなし』

デビス姫『吾とても矢張二重生活よ
  神任さし正守護神在す』

伊太彦『それならば俺も矢張同じ事
  本正副三重生活』

真純彦『世人は何れも同じ事
  善と悪と容物』

玉国別『天地道を悟りけり
  心より来る人生涯。

 猩々も皆天地生神
  尊き霊分れなりけり。

 猩々姫主人に尽す誠心を
  見るにつけても涙こぼるる』

三千彦『人皮着た獣多き世に
  獣皮を着たる人あり。

 毛衣を脱いで芽出たく猩々姫
  今更めて人皮着る。

 つまを持つ二人中に又二人
  つま持つ人を獣婚(重婚)と謂ふ』

サーベル『有難し神大路に目覚めたる
  道言霊』

バーチル『斯うならば只何事も神様に
  任せて世をば安く渡らむ。

 猩々姫妻体を宿として
  吾に仕へよ千代に八千代に』

アンチー『これは又思ひもよらぬ出来事よ
  呆れ果てたる吾心かな。

 さり乍ら情道は同じ事
  殊更清き姫御心』

アキス『奥様と只一心に思ひつめ
  猩々姫に仕へけるかな』

カール『肉体はよし猩々に在すとても
  心清き姫ぞ尊き』

玉国別『霊界消息を詳細に
  教へ玉ひぬ厳大神。

 鳥獣虫族草木に至るまで
  皇大神霊よ。

 立ちて行くばかりが人所作でなし
  誠を立つる人ぞ人なれ。

 人多き人中にも人ぞなき
  あらぬ獣が人皮着て。

 表面こそ人と見ゆれど魂は
  獣多き今中』

サーベル『猩々姫暫く控へ奉る
  サーベル姫に口を譲りて』

サーベル『背帰りまししと聞きしより
  心勇みぬ身もたなしらに。

 背君を庇ひ玉ひし猩々姫
  吾身を宿と定めましける。

 何となく身も健かになりにけり
  腹に力充ち満ちしより。

 猩々生身霊
  吾身を強く守りますらむ』

伊太彦『何事も神まにまに人身は
  仕ふべき由今や悟りぬ』

サーベル姫『これは これは旦那様、お懐しう厶います。ようまア無事でお帰り下さいました。貴方行衛が分らなくなつてからと云ふもは朝夕アヅモス山天王森へ参拝致し、種々と御祈願を籠めましたが、どうしても御所在が分りませぬで、荒波に呑まれて魚腹に葬られた事と観念しまして、形許り野辺送りを済ませ、朝は天王森に夫冥福を祈り、夕はアヅモス山山腹墓に参詣し、悲しき光陰を今日迄送つて参りました。さうした所、二三日以前より俄に妾体が重くなり、腹中から種々事を囁き出し、貴方が近い中に無事にお帰りになると知らせ、それ故二人僕を浜辺に出し、お帰りを待たせて居りました。妾肉体には猩々姫とやら云ふ精霊が宿つてる様で厶いますが、最前から猩々姫歌を聞きまして、最早覚悟は致しました。何卒仲良くして添ふて下さいませ。お願ひで厶います』
バーチル『ああ女房、どうやら本性になつたらしい。実所はお前本当声が聞きたかつただ。今詠んだ歌はお前覚えて居るかな』
サーベル『はい、妾は貴方御存じ通り歌なんか一つも出来ませぬ。猩々姫様が妾に代つて歌を詠んでやらうと腹中で仰有いまして、あ通り珍らしい歌を詠めたで厶います』
バーチル『うん、さうに違ひない。到底お前考へではあんな詩才があるとは思はなかつた。ほんに不思議なもだな』
伊太彦『さうすると奥様よりも猩々姫さま方が余程詩才に富んでゐられると見えますな。いや恐れ入つた。之では人間も廃業し度くなつて来る』
玉国別『伊太彦さま、お前だつてチヨコチヨコ妙な歌を歌ふが決してお前知識産物ぢやないよ。皆副守先生がお前口を借つて厶る丈けだよ。人は精霊サツク様な者だからな。アハハハハ』
伊太『精霊サツク、ヘー、つまらぬもですな。さう考へて見ると別に歌を稽古したでもなし、直に当意即妙名歌が浮んで来ると思つたら、矢張守護神さまが仰有つたですかな。さうすると私御本体は何処にあるでせうかな』
玉国『人間は凡て精霊宿泊所様なもだ。そして其精霊は一方は愛善徳を受けて天国に向ひ、一方は悪と虚偽と為に地獄に向つて居る。善悪混淆中間状態にゐるが所謂人間だ。それだから八衢人足と神様が仰有るも決して誣言ではないよ。どうしても人間は愛善と信真に依つて所在徳を積み天国天人班に加はらなねばならないだ。生き乍ら天人列に加はつて厶るは、あ初稚姫様だ。あ様な立派な御精神にならなくては到底人間として生れて来た功能がないだ。それで私等も早くそ域に達したいと思つて神様御用を勤めて居るだよ』
 斯く話す所へ下女は沢山な馳走を拵へ、
下女『さア皆さま、御飯が出来ました。悠くりお食り下さいませ』
と云ひ乍ら膳部を運び来る。
(大正一二・三・三〇 旧二・一四 於皆生温泉浜屋 北村隆光録)
霊界物語ネットで読む 霊界物語ネット
オニド関係の更新情報は「オニド関係全サイトの更新情報」を見れば全て分かります!
王仁DB (王仁三郎データベース)は飯塚弘明が運営しています。 /出口王仁三郎の著作物を始め、当サイト内にあるデータは基本的にすべて、著作権保護期間が過ぎていますので、どうぞご自由にお使いください。また保護期間内にあるものは、著作権法に触れない範囲で使用しています。それに関しては自己責任でお使いください。/出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別用語と見なされる言葉もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。/ 本サイトのデータは「霊界物語ネット」掲載のデータと同じものです。著作権凡例 /データに誤り等を発見したら教えてくれると嬉しいです。
連絡先:【メールアドレス(飯塚弘明)
プライバシーポリシー
(C) 2016-2024 Iizuka Hiroaki