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文献名1霊界物語 第58巻 真善美愛 酉
文献名2第4篇 猩々潔白よみ(新仮名遣い)しょうじょうけっぱく
文献名3第23章 昼餐〔1498〕よみ(新仮名遣い)ちゅうさん
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ玉国別一行は丁重な饗応を受け、主客打ち解けて互いに神恩を感謝し祝歌を歌ってこ席をにぎわした。玉国別述懐歌に続いて、それぞれ宴歌を歌い、ようやく酒宴は終わった。お身体を清め、衣服を着かえて感謝祭典準備に着手することとなった。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年03月30日(旧02月14日) 口述場所皆生温泉 浜屋 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年6月15日 愛善世界社版281頁 八幡書店版第10輯 470頁 修補版 校定版298頁 普及版114頁 初版 ページ備考
OBC rm5823
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本文  玉国別一行は、鄭重なる饗応をうけ、神酒を汲み交し、主客打ち解けて、互に神恩を感謝し祝歌を歌つて此席を賑した。玉国別は盃を取り、主人バーチルにさし、自ら酒を注ぎ愉快気に歌ふ。
玉国別『アヅモス山森  下津岩根に千木高く
 大宮柱太知りて  鎮まり居ますバラモン
 主神とあれます自在天  大国彦大神を
 斎奉りし森林に  神使と現れませる
 猩々彦や猩々姫  如何なる宿世因縁か
 深き仔細は分らねど  此家父とます
 バークスさまに玉  尊き命を奪はれて
 其精霊住所をば  失ひ給ひ世継なる
 バーチルさま体に入り  堅磐常磐に鎮まりて
 スマ里なる人草を  心底より愛しみ
 尊き人と謳はれて  清く此世を暮しつつ
 猩々彦生霊や  猩々姫精霊が
 導くままに和田原  棚無し舟に乗り込みて
 暇ある毎に漁り  業を楽しみ給ひつつ
 因縁綱に引かされて  猩々島へ漂着し
 霊夫婦が廻り合ひ  互に睦び親しみて
 人無き島に三年ぶり  過ごさせ給ひし不思議さよ
 三五教宣伝使  玉国別一行は
 印度都に現れませる  大黒主神柱
 言向け和し印度国  旭輝く神国と
 立て直さむと瑞御霊  神素盞嗚大神
 御言かしこみ遙々と  百悩みを忍びつつ
 彼方此方聖場に  立寄り功績を立てながら
 尋ね求めし三千彦に  思はず知らずテルモン
 神館に廻り遇ひ  茲に師弟再会を
 悦び祝ひ皇神  御前に嬉しく感謝しつ
 一行五人急坂を  下りて漸く北
 漂渺千里埠頭際  波濤眺むる折もあれ
 矢を射る如く辷り来る  一艘船に身を任せ
 浪路遙に進む折  恨を懐きしワックスが
 数多同志を引連れて  船底より出で来り
 仇を討たむと迫り来る  スワ一大事と一行は
 帯締め直す折もあれ  浪を辷つて馳来る
 一艘船に助けられ  初稚丸と命名し
 大真人が浪上  犬背に跨りて
 出で在す後を慕ひつつ  夜を日についで浪
 進みて行けば罪島  左手方に横たはる
 よくよく見れば磯端に  五人男が何事か
 争ひ居ると見るよりも  何か仔細あるならむ
 近より様子を調べむと  船漕ぎ寄せて上陸し
 五人男を救ひつつ  またもや船に真帆をあげ
 南を指して進む折  前途に当つて賊船が
 横梯陣をはりながら  初稚丸を攻め囲む
 其光景怖ろしさ  船に救ひしヤッコスは
 海賊船に打ち向ひ  俺は汝頭梁株
 バラモン教目付役  ヤッコス司で厶るぞや
 早く退却致せよと  八百長芝居を巧妙に
 企みたるこそ可笑しけれ  茲に数多賊船は
 舳を北に転じつつ  何処ともなく逃げてゆく
 暗礁点綴する浪路  右に左によけ乍ら
 いつとはなしに潮流に  船は乗り入り西南に
 向つてずんずん流れ行く  雲か霞か将た山か
 彼方に見ゆる黒影は  猩々島かと怪しみつ
 やうやう近づき眺むれば  数多小猿に取りかこまれ
 猩々姫と諸共に  バーチルさまが立つて居た
 これぞ正しく人子と  御船に救ひて悠々と
 還る時しも猩々姫  脇に抱きし稚子を
 見るも無慙や締め殺し  其身は海に飛び込みて
 憐れや水沫と消えましぬ  吾等一同ふりかへり
 姫情緒をしびつつ  悲歎涙に暮れながら
 バラモン教目付役  海賊兼ねしヤッコスや
 ハール、サボール三人を  此猿島に捨て置いて
 船歌高く歌ひつつ  浪まにまに帰り来る
 又もや左手に一つ島  知らず知らずに吾船は
 島影近く進み寄る  よくよく仰ぎ眺めむれば
 嶮しき巌中央に  自然岩窟穿たれて
 そこに怪しき人影  此方に向つて手招きし
 救ひを叫ぶ如くなり  逆巻浪を乗り越えて
 船を間近に漕ぎ寄せつ  近づき見ればバーチルが
 懐刀と頼みたる  家アンチーさま
 飛び出し来り喜んで  初稚丸に救ひ上げ
 順風に真帆を上げながら  浪まにまに船首をば
 東北方に向け乍ら  スマ磯辺を目当とし
 帰る折しもバラモン  司と唱ふる海賊が
 八艘船を率ゐつつ  前途を遮る執拗さ
 神力に散らさむと  天津祝詞を奏上し
 厳言霊打ち出せば  其神徳におそれてか
 列を乱して逃げて行く  ああ惟神々々
 折から吹き来る神風に  櫓櫂を強く操りつ
 スマ岸辺につき見れば  アキス、カール両人が
 いと嬉しげに迎へ居る  ああ惟神々々
 神仕組奇びなる  猩々姫は逸早く
 吾より先に此館  主婦と在しますサーベル
 姫体に憑依り  霊夫婦なる
 猩々彦生宮  帰り来るを待ち給ふ
 斯かるためしは千早ふる  神代もきかぬ奇蹟なり
 霊と霊と肉と肉  二組揃ふた夫婦連れ
 無事に館に納まりて  神大道によく仕へ
 此村人を愛しみ  恵露を永久に
 垂れさせ給へ惟神  神に誓ひて願ぎまつる』

バーチル『千早ふる神代人となり代り
  人初め嫁ぎするかな。

 人は皆猩々子孫と聞くからは
  さながら神世心地こそすれ』

伊太彦『人は人獣は獣昔から
  其肉体に差別あるなり。

 さりながら神よりうけし霊魂は
  人も猩々も変らざるらむ』

サーベル姫『何事も神まにまに仕へなむ
  玉国別に救はれし身は』

玉国別『玉国功績ならず
  皆皇神守りなりけり』

真純彦『いざさらばこれ宴会を切り上げて
  厳御前に神祭りせむ』

玉国別『神司宿主も諸共に
  厳御祭り仕へまつれよ』

 漸く酒宴を終り各身体を浄め汗染だ衣服を着替へ、感謝祭典準備に着手する事となつた。
(大正一二・三・三〇 旧二・一四 於皆生温泉浜屋 加藤明子録)
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