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文献名1霊界物語 第59巻 真善美愛 戌
文献名2第4篇 六根猩々よみ(新仮名遣い)ろっこんしょうじょう
文献名3第22章 五葉松〔1522〕よみ(新仮名遣い)ごようまつ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじアンチーは船へさきに立って凱旋歌を歌いだす。猩々たちは勇み立って手を打って面白く拍子を取る。アンチーは述懐と猩々たち教訓を込めて歌う。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年04月03日(旧02月18日) 口述場所皆生温泉 浜屋 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年7月8日 愛善世界社版280頁 八幡書店版第10輯 583頁 修補版 校定版297頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm5922
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本文  伊太彦司に従ひて  猩々迎ひ副官と
 選み出されたアンチーは  船頭に立ちて勇ましく
 凱旋歌をば歌ひ出す  数多猩々は勇み立ち
 一声々々手を拍つて  キヤツキヤツキヤツとなきながら
 拍子を取るぞ面白き。
 アンチーは歌ひ初めた。其歌、
『猩々島に来て見れば  こ底深く
 潜みし海竜王が  猩々王帰幽をば
 見済し海より躍り出で  島固めと聞えたる
 大岩山に蟠まり  長い首をば垂れ下ろし
 大きな口をパツとあけ  毒焔吐いて此島に
 集まり居たる猩々を  唯一匹も残さずに
 丸呑みなして吾腹を  肥さむとする怖ろしさ
 斯る所へ三五  神使伊太彦が
 二十船を引きつれて  現はれ給ひ数歌を
 声も涼しく宣りつれば  遉海竜王も
 進退茲に谷まりて  体一面焦熱
 悩みにたへずペラペラと  紅蓮舌を吐き出し
 グレングレンとた打つて  苦しみ悶へ湖原に
 落ち込み逃れし可笑しさよ  キヤツキヤツキヤツキヤツ キヤツキヤツキヤツ
 ドンドコ ドンドコ ドコドコドン  バーチルさまと諸共に
 湖水魚を漁らむと  三年前に館をば
 そつと抜け出し怖ろしき  大海風に出会して
 船諸共に水中に  沈みて苦しみ悶へつつ
 神恵に救はれし  事を思へば今は早
 地獄を出でて天国に  登りし如き心地なり
 キヤツキヤツキヤツキヤツ キヤツキヤツキヤツ  ドンドコ ドンドコ ドコドコドン
 呑めよ呑め呑めどつさり飲めよ  二十戸前
 蓄へおいた此酒は  猩々さまに飲ます為
 バーチルさまはお前等  身魂親である程に
 猩々姫はお屋敷  サーベル姫に憑依り
 二重生活して厶る  三百三十三人
 猩々無垢お客さま  決して心配要りませぬ
 お前父と母さま  常磐堅磐に現れませる
 アヅモス山南麓  広き館に帰る
 悦び勇め猩々よ  キヤツキヤツキヤツキヤツ キヤツキヤツキヤツ
 ドンドコ ドンドコ ドコドコドン  これだけ沢山船客が
 あつても人語を発せない  キヤツキヤ連中許りで
 何だか気乗が致さない  さはさりながら天地
 間に生きとし生けるも  何れも神分け御霊
 言葉かよはぬ外国  人を乗せたと諦めりや
 それで心は済むなれど  頭多い割合に
 話相手がやつと無い  あゝ惟神々々
 常夜現世は  万さやぎたて
 岩根木根も立ち騒ぎ  草片葉も言問ひて
 普通選挙ぢや社会主義  四民平等なにかにと
 騒ぎ廻つて治まらぬ  其惨状に比ぶれば
 キヤツキヤツキヤツキヤツと云ふ許り  自分意見を主張せぬ
 お方制統は易いも  キヤツキヤツキヤツキヤツ キヤツキヤツキヤツ
 ドンドコ ドンドコ ドコドコドン  三五教筆先に
 誠神徳備はらば  人は黙つて俯むいて
 小理窟云はず神徳を  頂くもだと云ふてある
 これを思へば猩々さま  天地御恵を
 霊に受けて厶るか  ほんに秩序整うた
 猩々群を眺むれば  人間界が嫌になる
 人間なればよいけれど  人皮被る狼や
 狐狸化物と  暮して居るかと思ふたら
 ほんに怖ろしうなつて来た  あゝ惟神々々
 人は神子神宮  天はいつ迄物云はず
 地はどこ迄も言問はぬ  人は天地に神倣ひ
 下らぬ事を喋舌より  心に神徳頂いて
 いつも確り口をつめ  人譏や蔭言を
 決して言ふべきもでない  言はぬは言ふにいや勝る
 言葉を知らぬ猩々も  やつぱり天地御恵で
 生活するを窺へば  言葉必要は無いだらう
 神玉ひし真善美  善言美詞を外にして
 人を怒らせ恨ませる  礼無き言葉は云はぬも
 猩々さまがよい鑑  ほんとに感じ入りました
 キヤツキヤツキヤツキヤツ キヤツキヤツキヤツ  ドンドコ ドンドコ ドコドコドン
 私もこれからスマ里  無事に帰つた事ならば
 生れ赤子になりかはり  無言行を致しませう
 あゝ勇ましや勇ましや  浪もをさまる湖
 風も涼しき湖上  百鳥翼を打ち拡げ
 いと楽しげに舞ひ遊ぶ  神御国か海
 大小無数魚族は  吾等船を送りつつ
 ピンピンシヤンシヤン跳廻り  無事泰平を祝ぎて
 吾等一行を送るなり  あゝ惟神々々
 神有難き  キヤツキヤツキヤツキヤツ キヤツキヤツキヤツ
 ドンドコ ドンドコ ドコドコドン』
    ○
 物は云ふまい物云ふた故に
  父は長良人柱
   雉も鳴かねば打たりよまい。
 歌を歌ふなら快く歌へ
  歌は天地声。
 船を並べて猩々ケ島に
  進むアンチー冥加。
 五十九巻真善美愛
  猩々潔白物語り。
 霊界ありままをば委細に
  説いて教ゆる神教。
 物言はにや遠き神世有様を
  今世人に知らされぬ。
 加藤明子口を尖らし万年筆
  首筋掴むでかきなぐる。
 大山衣をはぎながら
  高麗峰をば瞰下する。
 一点曇りさへなき弥生空
  船に臥しつつ空を行く。
 方舟は口述台御名
  床に飾りし五葉松。
 千年齢保てる五葉
  万年筆やうに
   五御霊葉も茂る。
(大正一二・四・三 旧二・一八 於皆生温泉浜屋 加藤明子録)
(昭和九・一二・一 王仁校正)
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