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文献名1霊界物語 第60巻 真善美愛 亥
文献名2第1篇 天仁和楽よみ(新仮名遣い)てんじんわらく
文献名3第2章 神森〔1527〕よみ(新仮名遣い)しんしん
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじバーチル夫婦は宮普請様を見て、天国浄土建設だと祝い歌った。二人はそれぞれ自分たちに懸っている猩々彦・猩々姫因縁を歌い、また先祖以来蓄財罪をあがなうために、財産を里人たちに分配することを表明し、神殿造営神業を讃えた。テクはバーチル夫婦平等愛発現を讃え、三千彦は猩々彦御霊がアヅモス山に帰還したこと、三五教・バラモン教融和したこと神業を讃え歌った。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年04月05日(旧02月20日) 口述場所皆生温泉 浜屋 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年8月12日 愛善世界社版25頁 八幡書店版第10輯 606頁 修補版 校定版26頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm6002
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本文  アヅモス山谷深く  数多樵夫や猩々を
 引率なして三五  玉国別宣伝使
 彼方此方と経巡りて  手頃良材相選び
 山口神を祭りつつ  本と末とは山霊に
 供へまつりて三つ栗  中幹をば伐り出し
 珍宮居材となす  グイグイグイと鋸
 チヨンチヨン カンカン 鉞  声は木精に響きつつ
 彼方此方に歌ふ声  猿勇む怪声に
 宛然戦場如くなる  こ光景を打眺め
 バーチル夫婦は手を拍つて  天国浄土建設と
 祝ひ歌ふぞ目出度けれ。
バーチル『心もスマ里  アヅモス山南麓に
 遠き神代昔より  里庄君と仕へつつ
 バラモン神を尊敬し  神司を兼ねながら
 神代ながら吾家を  守り来りし目出度さよ
 わが垂乳根バーチクは  尊き神御恵みに
 いつしか慣れて天王  森に鎮まる神様を
 いと忽かに思ひなし  神使猩々彦
 命をとりて神罰を  蒙り遂に果敢なくも
 天寿短く失せたまふ  猩々魂は
 吾肉体を宮となし  天王神殿を
 いと新しく改築し  底津岩根に宮柱
 太敷く建てて垂乳根  犯せし罪を宣り直し
 アヅモス山比丘となり  堅磐常磐に仕へよと
 猩々魂が  吾に厳しく宣り伝ふ
 玉国別許し得て  神代ながらに刃物をば
 入れし事なき神森  喜び勇みて伐採し
 宮柱と仕へゆく  今日生日目出度さよ
 アナンヸイクラー(無量力)神力を  各も各もに受けつぎし
 アバーヰクラーミン(大力)荒男  朝も早うから現はれて
 捻鉢巻大活動  アニクシブタヅラ(不休息)大車輪
 汗をタラタラ流しつつ  励む見れば惟神
 神仕組と知られけり  玉国別はトライロー・キャボクラー(越三界)
 天下に稀な宣伝使  マイトレーヤ(弥勒)神国を
 築かむ為に産土  館に現れます瑞御魂
 ラトナブラナ(月光)命を受け  ブールナ・チャンドラ(満月)照り渡る
 これ神山に現れまして  ニッテヨーデユクタ(常精進)励みつつ
 神柱を一々に  選りぬき玉ふ雄々しさよ
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  誠一つ
 如何なる曲も恐れむや  神依さし此宮は
 天国浄土マハーヸユーバ(大荘厳)  宮居如く築かれて
 弥永久に世人を  救はせ玉ふ事ならむ
 吾はこれより朝夕に  神スダルマ(善法)や
 シキン(妙識)を清く身に稟けて  青人草は云ふも更
 禽獣虫魚に至るまで  マイトレーヤ(弥勒)心もて
 救ひ助けむ惟神  神に誓ひて願ぎまつる
 吾魂はアヴドヤー(無明)  苦集滅道真諦を
 誤り忘れ漁りに  心を傾け居たりしが
 神試練を与へられ  今は全く新人と
 生れ変はりし嬉しさよ  三五教御教を
 心を清めて体得し
 サムダヤ(集聖諦)、ヂフカ(苦聖諦)、ニローザ(滅聖諦)、マール(道聖諦)が四聖諦
 世人々に説き諭し  物質的宝をば
 残らず社会に奉還し  貧富貴賤区別なく
 神まにまに此世をば  嬉しく楽しく渡るべし
 清浄無垢猩々彦  猩々姫は惟神
 神に仕へてそ体  一つを守る計りにて
 此世宝を身に持たず  天地恵みを喜びて
 此世に生きて栄え行く  空飛つ鳥も山に棲む
 百獣も鱗族も  野辺草木に至る迄
 決して宝を私有せぬ  それ故心を清らけく
 天地自然法則に  従ひまつり永久
 恵み春を喜びて  此世を暮す健気さよ
 これを思へば吾々は  巨万富を私有して
 天地恵みを独占し  里庄となりて世人に
 誇り居たりし苦しさよ  いざ之よりは一切
 執着心を払拭し  サーベル姫と睦じく
 アヅモス山に草庵を  結びて移り住み乍ら
 父祖伝へし邸をば  里人等が身心
 疲労を休むる園となし  せめては父祖罪科を
 贖ひまつりサルヷロー  カターツ・バドラヴオード
 ヷエーカブラチユツチールナ(度一切世間苦悩)神業に
 仕へまつらむ惟神  守らせ玉へと大神
 御前に慴伏し願ぎ奉る  あゝ惟神々々
 御霊幸ひましませよ』
 テクは捻鉢巻をなし、数多荒男樵夫を監督し乍ら歌ひ始めた。
テク『世はおひおひと更まり  専制制度を破壊して
 新し人御世となり  ソシアリズムやコンミュニズム
 海内外に擡頭し  天地雲行一変し
 天国浄土を地上に  築かむ時とぞなりにけり
 此家主バーチルは  世界思想傾向を
 早くも悟り玉ひつつ  ソシアリズムを発揮して
 巨万富を里人に  いと平等に分与しつ
 上下睦びて世を送る  至誠を発揮し玉ひけり
 之ぞ全く皇神  平等愛発現か
 但は人覚醒か  若しくば時代賜物か
 実にも尊き限りなり  もしも此儘頑として
 昔儘に地  宝を独占するならば
 四民怨府となり果てて  如何なる凶事が見舞ふやら
 図り難なき正念場  よくも改心成されました
 之こそ私御主人だ  アナーキズムやニヒリスト
 そ外百主義党派  現はれ来るを防止して
 此美はしき天地を  完全無事に開きつつ
 マイトレーヤ(弥勒)世を  楽み祝ふ魁と
 現はれ玉ひし猩々彦  猩々真心を
 世人に代り慎みて  ここに感謝し奉る
 あゝ惟神々々  御霊恩頼尊さを
 仰ぎ敬ひ祝ぎ奉る』
三千彦『真善美愛天地  中に生れし諸々は
 只惟神々々  尊き神御恵みに
 浸りて清く栄え行く  アヅモス山森林は
 遠き神代昔より  刃物を入れぬ聖場と
 伝へ来りし神山  木々梢は蒼々と
 常磐堅磐に色深く  花も実もある太柱
 鷲が巣を組む鷹が棲む  パイン枝には田鶴棲ふ
 昼目見えぬ梟鳥  木菟迄が集りて
 千代棲所と定めたる  彼方此方幹を
 忌鋤忌斧打ち揮ひ  伐り倒し行く勢に
 一度は驚き逃げ狂ふ  そ有様を見るにつけ
 同情涙禁じ得ず  さはさり乍ら大神
 珍社が建つなれば  百鳥千鳥勇み立ち
 もと如くに安々と  天授恵みを楽みて
 こ天国に永久に  安く月日を送るべし
 今まで姿を隠したる  猩々彦
 三百三十三体  眷族さまは又もと
 千代棲処に帰りまし  梢を渡り跳び越えて
 キヤツキヤツキヤツと勇しく  歓喜声を張り上げて
 珍御子をば数多く  幾千万人生みたらし
 清浄無垢神国と  歓喜開くなる
 常世春に遇ふならむ  勇めよ勇め里人よ
 祝へよ祝へ猩々さま  三五教もバラモン
 教司も信徒も  心塵を打払ひ
 睦び親しみ永久に  神恵みを感謝して
 苦行外道境域を  今日より全く脱却し
 嬉しく楽しく此世をば  渡らせ玉へ惟神
 珍三千彦が  清き心を現はして
 神御前に詳細さに  世行末安全を
 畏み畏み願ぎ奉る  あゝ惟神々々
 神代姿ぞ尊けれ』

 アヅモス山は尊きスメール(須弥仙)と
  やがて輝く四方国々。

(大正一二・四・五 旧二・二〇 於皆生温泉浜屋 北村隆光録)
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