王仁DBβ版 出口王仁三郎と霊界物語の総合検索サイト 文献検索 画像検索 単語検索 メニュー開く
サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)

文献名1霊界物語 第65巻 山河草木 辰
文献名2第5篇 讃歌応山よみ(新仮名遣い)さんかおうさん
文献名3第26章 七福神〔1682〕よみ(新仮名遣い)しちふくじん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年07月18日(旧06月5日) 口述場所祥雲閣 筆録者北村隆光、加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1926(大正15)年4月14日 愛善世界社版298頁 八幡書店版第11輯 717頁 修補版 校定版311頁 普及版135頁 初版 ページ備考
OBC rm6526
本文のヒット件数全 269 件/ノ=269
本文の文字数5904
これ以外の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい 霊界物語ネット
本文  日出別命左右には道彦、安彦両人が従ひ、初稚姫一行を導いて数百旒五色旗を風に翻し乍ら、百花爛漫たるゲッセマネ園にと進み入つた。玉国別一行が竜王三個玉を捧持して来りし其功績を賞する為め、特に埴安彦尊命により歓迎宴が開かれた。ゲッセマネ園には種々作物や、音楽や演劇が盛んに催されて居た。さうしてコウカス山よりは、言依別命が数多神司を引き連れ、二三日前に早くも聖地に到着されて居た。
 玉国別、真純彦は途中に於て初稚姫に『聖地は結構な所恐ろしい所だ』と誡められ、筋肉迄緊張させ居たにも拘はらず、こ大袈裟歓迎に肝をつぶし、夢かと許り呆れてゐる。只見るも、聞くも意外事許りで語る事も知らず、無言儘初稚姫後について進んで往く。日出別神は俄作り建物をさし示し、
出別『サア皆様、貴方方御苦労を慰める為め、神様思召によつて、種々余興が催されて居ます。これから此建造物に於て、七福神宝入船と云ふお芝居が初まりますから、悠悠気をゆるして御覧下さいませ』
 玉国別は案に相違しながら、
玉国『いや、どうしてどうして、そんな気楽な事が出来ませうか。真純彦に持たせた此宝玉を、無事神様にお渡しする迄は、芝居所では厶いませぬ。是ばかりは平にお恕し下さいませ。うつかりして九分九厘で顛覆しては大変ですからなア』
と何処迄も警戒し体を固くして居る。
出別『決して決して御心配なさいますな。此通り貴方方御到着を祝ふために宝入船と云ふ神劇が催されて居るです。貴方も宝を抱いてヨルダン河を船にて渡り、こ聖地へお這りになつたですから、宝入船主人公は貴方方ですよ』
玉国『ハイ。真純彦、お前はどう考へるか。どうも大教主お言葉が私には些と許り解し兼ねるだがなア』
真純『先生、これや神様から気を引かれて居るかも知れませぬよ。兎も角お断りを申て、早く此玉を埴安彦神様にお渡しして来うではありませぬか。さうでなくてはお芝居を見る気がしませぬわ』
初稚『決して御心配は要りませぬ。這入つて御覧なさいませ。いやいや貴方方が役者にならねばならぬですよ。やがて治道居士、伊太彦、三千彦、デビス姫、ブラヷーダさまが見えることですから、七福神になつて貰ふ積りです。治道居士さまは布袋、玉国別さまが寿老人、真純彦さまが毘沙門天、伊太彦さまが大黒さま、三千彦さまが恵比寿さま、それから、デビス姫さまが弁財天、と云ふやうに、各自にちやんとお役が定つて居るです。サアどうぞ楽屋へお這入り下さい。私等は見せて貰ふです。実所は貴方方に役者になつて貰ふですから、是も御神業だと思つてお勤め下さいませ』
玉国『ハテナ、些とも合点が往きませぬわ。御命令とあれば俄俳優になつてもよろしいが、てんで台詞が分りませぬからねえ』
出別『台詞なんか要りませぬよ。其時神様が憑つて口を借りて仰有いますから、承諾なさればよいです』
真純『モシ先生、イヤ寿老人さま、神様命令だ、千両役者になりませうか』
玉国『何と云つても神様御命令とあれば背く訳には行きますまい。勤めさして頂きませう。そして三千彦、伊太彦はもはや此方へ見えて居りますか。どうしても吾々とは二三日後れるやうに思ひますがなア』
言依別『時間空間を超越したる神道、そんな御心配は要りませぬ。直に今此処へお出になりますよ。総て神様御国は想念世界ですから、想念儘になるです。此処が外地点とは違つて尊い所以です。さうでなくてはエルサレムと云つて神様がお集まり遊ばす道理がありませぬから』
玉国『左様ならばお受け致します』
真純『私も先生と同様お受を致します』
と云ふや否や、二人姿は忽ち七福神一人となつて居た。いつ間にやら、治道居士、三千彦、伊太彦、デビス姫、ブラヷーダ姫其外人々は集まり来りて、何れも七福神姿となつて居る。愈茲に七福神宝入船奉祝神劇は演ぜられた。数多神司や信者は、此広き建物中に、立錐余地なき迄に集まつて、愉快げに観覧し、其妙技を口を極めて賞揚した。神劇次第は左記通りであつた。
 抑我日下は神御国なり  天地ひらけ陰陽分れ
 青人草を始めとし  万物爰に発生して
 天地人三体備はりぬ  天津御国太元は
 大国常立大御神  又御名は天照皇大御神なり
 地津神太元は豊国主大御神  又御名は神素盞嗚尊
 豊葦原瑞穂国産土山  底津岩根に宮柱太敷立て
 三五都を奠め賜ひしより  千代万代に動ぎなく
 天下泰平国土安穏  五穀成就万民鼓腹撃壤楽みを享く
 実に有難き神  草木も靡く君が御代
 かくも目出度国中に  四海波風豊にて
 雲井空に寿ぎ舞ふ鶴や  千年色深く
 万歳亀も楽しむ天教  高く澄みきる月あたり
 たなびく霞中よりも  真帆をば風に孕ませつ
 浮かれ入り来る宝御船  七五三静波かきわけて
 積み込む宝数々や  まばゆきばかりあたりを照らす
 うるはしさ
 丁子や分銅袋に  黄金鍵もかくれ蓑
 七宝壮厳雨に濡れし  小笠露や玉光と
 打出小槌  七福神銘々が
 乗合舟話こそ面白き。
 中にも口まめな福禄寿長い天窓を振り立てて、
福禄『天下無双ナイスお弁さま、イナ弁財天女ど、貴女は新しい女と見えて、こんな変痴奇珍な男子計り中へ、案内もせないに、何と思つて同席栄を賜はつたかな』
 弁天女は面恥ゆげに莞爾と笑み乍ら、
弁天『ホヽヽヽ、アまあ福禄寿さま御言葉とも覚えませぬ。好く考へて御覧、何程新しい女だとて、ナイスだとて、五百羅漢堂を覗いたやうなスタイルして居らつしやる醜男子側に来られないと云ふ法律は発布されては居りますまい。五六七御代が開ける魁として、今度エルサレム宮に於て、玉照彦命、玉照姫命二柱神様お目出度い御婚礼があるで、御祝ため貴神等は、こ宝舟に乗つて聖地エルサレム竜宮城へ昇られるでせう。何程福神だと云つて、男子許りでは花も実もありますまい。昔から七福神は聞いて居るが、六福神は聞いた事が無い。夫れで妾が天津神様御命令で、俄に貴神等仲間に加はつたですよ』
福禄『コレお弁さま、御心配下さるな。こ福禄寿一神あつても下から読み上げて見ると十六福神だよ。ヘン済みませぬナア。そこへ寿老人(十六神)を加へて三十二神ですよアハヽヽヽヽ。それよりも身上話でも聞かして貰つた上、都合によつて加へて上げようかい』
弁天『三十二神処へ妾が一神加はれば、三十三相御魂ですよ。一神欠けても三十三魂にはなりますまい。女は社交上花ですからねー。妾素性を一通り聞かして上げますから、十六神さま謹聴なさいませホヽヽヽヽ』
六福『謹聴々々ヒヤヒヤ』
弁天『妾は神代或る歳、頃は弥生巳日、二本竹根節を揃へて、動ぎ出でたる嶋だと云ふで、竹生島と称へられる、裏琵琶湖に浮べる一つ嶋に、天降りました天女中でも、最も勝れたナイス乙女ですよ。自分から申しますと何んだか自慢するやうですが、神徳があまりあらたかなと言ふで、世人より妙音弁財天女と崇められ、妾身体は引張り凧様に日四方に分霊を祭られて居ります。先づ東国では江島、西国では宮嶋に、今一体は勿体なくも古、伊邪那岐尊、伊邪那美尊二柱神様が天浮橋に渡らせたまひ、大海原に天降り、始めて開かれたる淤能碁呂嶋、そ時、鶺鴒と云ふ小鳥に夫婦道を教へられ、天照大神を生み給ふてより、又一名を日出嶋と名付けられ、こ国人に帰依せられ、福徳を授けしによつて、美人賢婦標本として七福神列に加はつた事は、十六福神さまも遠う昔に御存知筈。アナタも何時間にやら福禄寿でなくて、モウロク(最う六)十三になりましたねー、ホヽヽヽヽ』
福禄『ヒドイなア』
六福『アハヽヽ。オホヽヽヽヽヽ』
 顔色黒いを自慢大黒天は、槌を持つた儘座に直り、
大黒『弁天ナイス話を聞いた以上は拙者も男だ。一つ身上話を初めて見よう。一同御迷惑ながら御聴聞なさいませ。
抑も拙者は、神素盞嗚大神御子にて、八百米杵築宮に鎮まりし、大国主命でござる。生れつき慈悲心包むに由なく、貧しき者を見るに付け、不便さ忍び難く、一切衆生に福徳を与へむとして心を砕き、チンチンチン一に米俵を踏まへて、二に賑はしう治めて、三に栄え基となり、四ツ世中悦んで、五ツいつも機嫌よく、六ツ無病息災で、七ツ難事もないやうに、八ツ屋敷を開ひて、九ツ花倉を建て、十分満ればこぼるるぞ。コレ此槌は福を打出す槌ぢやない、お土を大切にして生命お米を作れと知らすためぢや。モ一つには奢れる奴等天窓をば打砕く槌ぢやわい。アハヽヽヽヽ』
福禄『アハヽヽヽヽ、コリヤ御尤もだ。オイ戎、コレサ聾ど、エベスど エベスど エベスど 貴神は、マア舳に出て釣許りして厶るは一体、こなたは何う云ふ福神ぢやい。福神にも色々あつて、雑巾を持つて縁板などをフク神もあれば、尻をフク紙もある。きつぱりと素性を明かして呉れないか』
戎『俺かい。おれはナ、何事も聞かざる、見ざる、言はざると云つて、庚申眷属を気取り、三猿主義を固守し、只堪忍をみ守つて居るだ。徳は堪忍五万歳だ。抑も拙者は、蛭子命と云つて、正月三日寅一天に誕生した若蛭子だ。商売繁昌を祈るが故に欲深い連中から商売神と崇められて居るだ。誠に目出度う候ひけるだ、アハヽヽヽヽ。十日戎売物は、はぜ袋に、取鉢、銭がます、小判に金箱、立烏帽子、桝に財槌、束熨斗、お笹をかたげて千鳥足』
大黒『アヽコレコレさう踊り廻すと船上は危険だ。モウ良いモウ良い御中止を願ひます』
大黒『エヽ時に寿老人殿、貴神は何時も何時も渋い面をして落付払つて厶るが、こんな芽出度い時には、チツと笑つて見せても可いぢやないか』
寿老『イヤ是は又迷惑千万、物価謄貴生活難声喧しき、こ辛い時節に、あまい顔をせよとは、粋にして且つ賢明なる方々にも似合ぬお言葉では厶らぬか。拙者は何時も苦い顔をして倹約を第一と守り、郵便貯金を沢山にして、他人に損をかけず、自分も損を致さねば、心労なき故、長命を仕るぢや。長命に過ぎたる宝は厶らぬ。兎角、拙者行り方を見習へば、たとへ福は授からなくとも、自然に福徳が保てますぞや』
福禄『ヘン、何程長命したとて、ソンナ苦い顔をして一生送るなら、余り福徳でも在るまい。笑つて暮すが、何より人生幸福だ。高利貸親父でも、たまには笑ふぢやないか。ナア、皆福神連中さま』
寿老『イヤ恐れ入る。併し自分は是でも人知らぬ心よろこびに充ちて、楽しく日を送つて居るだ。サテ、愚老許りお喋舌いたして皆様交際を忘れて居た。余り楽しさと、面白さと、今度御婚礼目出度さとに気を取られて、アハヽヽヽヽ。サア是からお交際申さう』
と傍にあり合ふ妻琴を引寄せ掻きならし、
(歌)『忍ぶ身や 夜な夜なもゆる 沢 螢火に 夜更渡りぬる』
寿老『余り長いは皆様さはりになる。長い者を俗に長者と言ふさうぢや。ヤ、是はしたり、長い者とは福禄寿様へ差合ました。失礼々々』
 布袋和尚は吹出して、
布袋『アハヽヽヽアハヽヽヽ、オホヽヽヽ、ハテ、コリヤ面白い 面白い 面白い ハヽヽヽヽヽ奇妙々々』
 毘沙門天は、むつとした顔しながら、
毘沙『ヤイ、そこな土仏坊主奴。何がそれ程可笑しいだい。袋と腹とで乗合船居所を狭めて居る癖に、チツと位遠慮召さつても可いだらう』
布袋『アヽ、コレコレ毘沙殿。さう腹立まいぞや、腹立まいぞや、立腹まいぞや。少々は乗合邪魔にも成るだらうが、ソコは仲間事だから、神直日大直日に見直し聞直してマアマア曰く因縁を聞き玉へ。夫れ一家一門附合、朋友、得意先、丸う無くては治まらないと云ふ道理は、拙者天窓で判るだらう。眼まで丸い布袋和尚だ、ハヽヽヽヽ。まつた腹は大きくなければ、心がさもしいもだ。そこで愚僧が此大きい腹を突き出し、腹鼓を打つて一通りお話致すで厶らう。
「ソレ、こ袋といつぱ」見たる事聞きたる事、よしあし共に忘れぬ様、中へ納めて斯通り、もたれて居申すなり。又世に子宝と云へるが、稚き者ほど可愛者はあり申さぬ。そ稚き者を団扇を持つて行司仕り居り候也。アヽ宜き楽みかな宜き楽みかな』
福禄『イヤ布袋ど、尤も尤も、尤も次手に笑はしやるも尤も尤も。「笑ふ門へは福禄寿」サレバお咄し申しませう。夫れ天窓が長ければ背はズント低う厶る。低うなければ愛嬌を失ひます。先づ入口を這入るにも長いによつて余ります。天窓を下げて這入ります。それで愛嬌が厶るだらうが、愛嬌ついでに皆さま、おはやし頼みます。
「越後角兵衛獅子、国を出る時や、親子連れ、獅子をかぶりて、くるりと廻つて、首をふりまする、親父や、まじめで笛を吹く」
ヨー、ハヽヽヽヽ福禄寿さま、大当りだ大当りだ。アハヽヽヽヽ』
六福『併し獅子頭が少々高過ぎるぢやないか。ハヽヽヽヽ』
福禄『ハテ、頭が高うもなければ納まらぬ事もある物だ。是もやつぱり世界道具だからう。ハヽヽヽヽ』
 毘沙門天は居直りて、
毘沙『ムヽヽヽヽ、ハヽヽヽヽ面白し面白し、吾は異形姿にて鉾携へし身乍らも、七福神列に加はる其由来を物語らむ。そも不身持山皆身(南)に当りて難渋ケ嶽峰に住む、貧乏困神とて悪神あり、彼に徒党奴原を悉く誠罰し諸人患を救はむと、こ国に天降り、日出る国信貴山に根城を構へ、追付悪神討亡ぼし、困窮根をたやさむこと、此多聞天が方寸内にあり、ハヽヽハヽヽハヽヽヽヽ、悦ばしや嬉しや』
と勇める顔色、威あつて尊く、実に有難き霊験なり。
 皆一同にあふぎ立て、中に取分け弁財天。
弁天『何れに、おろかは無けれども、多聞天おん物語、勇ましや。イザヤ発船、又御げん』
たまふにぞ、さらばさらばと漕ぎよせて、竜宮館面に、清き宝入船や、七福神霊験も、仁義釈教、恋無常、勧善懲悪聞明し、改過を作るそ主は、近松ならで松元、一とふし込し、竹本ならぬ国武彦御助け、梅香床しき一輪、花流れや汲み取る綾、聖地井に、映る言霊影きよく、照り輝きし玉照姫や、暗をも照らす玉照彦二柱、九月八日慶びを、筆にうつして末広く、伝へ栄ゆる神祝ぎ、尽きせぬ神代こそ芽出度けれ。
(大正一二・七・一八 旧六・五 北村隆光・加藤明子共録)
(昭和一〇・六・一六 王仁校正)
霊界物語ネットで読む 霊界物語ネット
オニド関係の更新情報は「オニド関係全サイトの更新情報」を見れば全て分かります!
王仁DB (王仁三郎データベース)は飯塚弘明が運営しています。 /出口王仁三郎の著作物を始め、当サイト内にあるデータは基本的にすべて、著作権保護期間が過ぎていますので、どうぞご自由にお使いください。また保護期間内にあるものは、著作権法に触れない範囲で使用しています。それに関しては自己責任でお使いください。/出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別用語と見なされる言葉もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。/ 本サイトのデータは「霊界物語ネット」掲載のデータと同じものです。著作権凡例 /データに誤り等を発見したら教えてくれると嬉しいです。
連絡先:【メールアドレス(飯塚弘明)
プライバシーポリシー
(C) 2016-2024 Iizuka Hiroaki