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文献名1霊界物語 第73巻 天祥地瑞 子
文献名2前付よみ(新仮名遣い)
文献名3総説よみ(新仮名遣い)そうせつ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年10月04日(旧08月15日) 口述場所天恩郷 千歳庵 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1933(昭和8)年11月22日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 29頁 修補版 校定版1頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm730002
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本文の文字数2380
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本文  三千大千世界大宇宙を創造し給ひし大国常立大神は、ウ声言霊御水火より天之道立神を生みたまひ、宇宙世界を教へ導き給ひたるが、数百億年後に至りて、稚姫君命霊性御霊代として尊き神人と顕現し、三千世界修理固成を言依さし給ひ、又ア言霊より生り出でし太元顕津男御霊も神人と現れ、共に神業を励み給ひける。天時茲に到りて厳御霊稚姫君命は再び天津御国に帰り給ひ、厳御霊神業一切を瑞御霊に受け継がせ給ひける。ここに厳御霊瑞御霊活動を合して伊都能売御霊と現れ、万劫末代教を固むる神業に奉仕せしめ給ひたるなり。
 厳御霊は荒魂勇と和魂親を主とし、奇魂智と幸魂愛は従となりて活き給ひ、瑞御霊は奇魂智と幸魂愛主となり、荒魂勇と和魂親は従となりて世に現れ、今や破れむとする天地を修理固成すべく現れ出でたるなり。而して厳御霊は経神業なれば言行共に一々万々確固不易なるに反し、瑞御霊神業は操縦与奪其権有我力徳を以て神業に奉仕し給ふ神定めなり。神諭にも、経御用はビクとも動かれず鵜露程も変らぬが、瑞御霊は緯御用なれば機緯糸ごとく、右に左に千変万化活動あることを示されたり。しかるに今や伊都能売御霊と顕現したれば、経緯両方面を合して神代顕現に従事し給ふこととなりたれば、益々そ行動変幻出没自由自在なるは到底凡夫窺知し得べきもにあらず。斯くして大宇宙神界治まり、三千世界更生となりて、全地上更生神業は成就すべきなり。こ消息を知らずして大神業に奉仕せむとするもは、恰も木に拠つて魚を求むる如く、海底に野菜を探り、田園に蛤を漁るが如し。
 神は至大無外至小無内在所如無不在所如無底なれば、従来各種宗教や賢哲道徳率を標準としては、伊都能売神御神業は知り得べき限りにあらず。例へば機を織るにしても経糸はビクとも処を変ぜず緊張し切りて棚にかかり、緯糸は管に巻かれ杼に呑まれて小さき穴より一筋糸を吐き出し、右に左に経糸間を潜り立派なる綾機を織上ぐる如きもなり。機を織る緯糸は一度通ずれば二度三度筬にて厳しく打たれつつ、ここに初めて機経綸は出来上るもなり。

 綾機緯糸こそは苦しけれ
  一つ通せば三度打たれつ

 神界深遠微妙なる経綸については千変万化極まりなく、善悪相混じ美醜互に交りて完全なる天地は造られつつあるなり。伊都能売神神霊も亦そ如く三十三相は言ふも更なり、幾百千相にも限りなく臨機応変して神業に依さし給へば、凡人小智窺知すべき限りにあらざるを知るべし。
 且つ厳御霊教は神人一般に対し、仁義道徳を教へ夫婦制度を固め、仮にも犯すべからざる神律なり。故に瑞御霊大神は紫微天界初めより太元顕津男神と現れまして、国生み神生み神業に奉仕し給ひ、万代不動経綸を行ひ給ひつつ若返り若返りつつ末世に至るまでも活動給ふなり。其間幾回となく肉体を以て宇宙天界に出没し、無始無終に其経綸を続かせ給へば、他神々は決して其行為に習ふべからざるを主神より厳定されつつ今日に至れるなり。
 神諭に経御用は少しも動かされず変へられないが、緯御用は人間知恵や学問にては悟り得べきもにあらざれば、神に仕ふる信徒達は其心にて奉仕せざれば神界経綸邪魔となると示されてあるは、此間消息を伝へられたるもなり。
 故に本書は有徳信者又は上根身魂にして神理を解し得る底身魂にあらざれば授与せざるもとす。こ物語を読みて神理を覚悟する人士は従来持方を一掃し、三千世界更生為に其力を添へられむ事を希望して止まざるなり。賢哲所謂中庸、中和、大中、其中は神府中とは大に異れり。故に現代人見て善と為す事も、神眼より視て悪なる事あり、又現代人目より悪と視ることも神界にては善と為すことあり。是を善悪不二真諦といふ、嗚呼惟神霊幸倍坐世。
 いよいよ本巻よりは、我古事記に現れたる天之御中主神以前天界有様を略述し、以て皇神国尊厳無比なるを知らしめむとするもなり。
 本書は富士文庫に明記されたる天世を初めとし、天之御中之世、地神五代世より今日に至る万世一系国体と、皇室神より出でまして尊厳無比なる理由を闡明せむとするもにして、先づ天世より言霊学応用により著はせるもなれば、決して根拠なき架空説にあらざるを知るべし。富士文庫神皇記御名を列記すれば、
 一 天之峯火夫神
 二 天之高火男神
 三 天之高地火神
 四 天之高木比古神
 五 天之草男神
 六 天之高原男神
 七 天之御柱比古神
 以上七柱天神七代を天世と称し、天之御中主神より以下七代を天之御中之世と称へ奉るなり。茲に皇国固有言霊学力をかりて、大虚空に於ける最初神々御活動を謹写せむとして著はしたる物語なり。又神生み国生み物語も、最初神々は幽幽に坐しませば、現代人如く肉体を保ち給はず全く気体に坐しますが故に、現代人如く男女関係は無く、只言霊水火と水火を結び合せて国を生み神を生み給ひしを知るべし。最初神々は何れも幽体隠神に坐すが故に、男神は比古を附し、女神は比女字を藉り顕しあれば、後世に於ける彦神姫神とは大に異なれるを知るべきなり。
 太元顕津男神名は、ア声言霊南西に活き給ひて顕れ給ふ神名にして、国を生み神を生まし給ふと雖も、国を開拓し玉ふ神業を国生みと言ひ、国魂神を選ませ又は生せ給ふを神生みと称へ奉るは、皇典古事記御本文に徴するも明白なり。又八十比女神国生み神生み神業も、只単に言霊水火組合せによりて、言霊神生り出で給ふ根本御神業なるを知るべし。
(昭和八・一〇・四 旧八・一五 於高天閣 森良仁謹録)
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