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文献名1霊界物語 第76巻 天祥地瑞 卯
文献名2前付よみ(新仮名遣い)
文献名3支那開闢説よみ(新仮名遣い)しなかいびゃくせつ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年12月05日(旧10月18日) 口述場所水明閣 筆録者白石恵子 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年3月23日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 420頁 修補版 校定版7頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm760004
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本文の文字数1150
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本文  太初には何物も存在して居なかつた。只一種気が濛々として広がり満ちて居ただけであつた。さうして居るうちに其中に物生ずる萌芽が始まつて、軈て天と地が現はれた。天と地とは陰陽に感じて盤古といふ巨人を生んだ。盤古が死ぬ時に其体が色々に化して、天地間に万物が具はるやうに成つた。則ち息は風雲となり、声は雷となり、左眼は太陽となり、右眼は月となり、手足と体とは山々となり、流るる血潮は河となり、肉は土となり、髪毛や髭は数々星となり、皮膚に生えてゐた毛は草や樹となり、歯や骨は金属や石となり、汗は雨となつた。又神話によると、盤古が死ぬと、そ頭は四岳となり、二つ眼は太陽太陰となり、脂膏は流れて河や海となり、髪毛は化して草や木と成つたと伝へてゐる。
 また更に他神話によると、盤古頭が東岳に化し、腹が中岳に変じ、左臂が南岳となり、右臂が北岳となり、足が西岳となりしとも伝へてゐる。

   天地分離

 太初には天と地とが相混つて、まるで鶏卵如うにフワフワとしてゐた。そ中に盤古といふもが生れて来ると、初めて天と地と差別が出来て、清いもは天空となり、濁つてゐるもは大地となつた。
 そ後は、天空も大地も、それからこ二つ間に生れた盤古も、段々と生長して行つた。
 天は一日に一丈づづ高さを増して行き、地も同じく一日に一丈づづ厚さを加へて行つた。そして、其間に挟まつてゐる盤古も劣らじと、一日に九度姿を変へながら、同じく一丈づづ背が延びて行つた。さうして居る内に、一万八千年といふ永い年月が経つた。そ間に盤古丈が延びに延びて九万里となつた。九万里といふ恐ろしいツポーが天と地と間に挟まる事になつたで、元々相接してゐた此二つが、九万里ほど隔たつて了つた。
 天空と大地と間が今日やうに遠く離れてゐるは、全く是が為であるといふである。
 ニユー・ジーランド神話に、タネマフタといふ木神が、相接してゐる天と地とを押し分けたといふことを説いてゐる。盤古神話はこれと頗る趣を同じうしてゐる。それから、世界樹観念も支那に存して居たらしい。スカンディナヴィア神話に、イグドラジルといふ大樹があつて、上は天界に至り、下は死界に根を張つてゐると云はれてゐる。かやうな樹を世界樹と呼ぶであるが、支那にも之に頗る類似した説話が存してゐる。
 『太平御覧』言ふ所によると、支那に一本大きな扶桑樹があつた。枝が無くてスクスクとどこ迄も大空に伸び上つて居た。そして上は天盤に至り、下は屈りくねつて三泉に通じてゐたと言ふであるから、之を目して支那イグドラジルとなしても決して不当ではない。従つてまた之を一種世界樹と呼んでも、敢て比倫を失してゐる訳でもないだらう。
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