王仁DBβ版 出口王仁三郎と霊界物語の総合検索サイト 文献検索 画像検索 単語検索 メニュー開く
サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)

文献名1霊界物語 第76巻 天祥地瑞 卯
文献名2前付よみ(新仮名遣い)
文献名3英領北亜米利加創造説よみ(新仮名遣い)えいりょうきたあふりかそうぞうせ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年12月07日(旧10月20日) 口述場所水明閣 筆録者谷前清子 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年3月23日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 461頁 修補版 校定版88頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm760012
本文のヒット件数全 114 件/ノ=114
本文の文字数2649
これ以外の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい 霊界物語ネット
本文    世界創造

 昔、ウィアンドット族が、高い高い空世界に住んでゐました。
 或る日、一人黄教僧が人々に向つて、
『お頭側に生えてゐる林檎木を掘るがよい』
と言ひました。そこで、人々は一緒になつて、林檎根を掘り始めました。酋長娘がそ時、林檎側に寝転んでゐましたが、起き上りもしないで、皆する事をぼんやり眺めてゐました。だんだん掘つてゐると、出し抜けに大きな音がしました。天上世界床を掘り抜いたでした。人々は、びつくりして飛びすざりましたが、酋長娘だけは、やはり寝転んでゐましたで、林檎木と一緒に下へ下へと落ちて行きました。
 下界には、まだ陸といふもがなくて、一面に水が広がつてゐました。水上には、白鳥群が泳ぎ廻つてゐましたが、出し抜けに大きな音がしましたで、びつくりして上を見ると、一本木と、一人若い女が空から降つて来てゐました。
『見ろ、女が降つて来てゐる。水中に落ちると可哀さうだ。みんな一緒に集まつておくれ。あ女が、わたし達上に落ちるやうに』
と一羽白鳥が言ひました。そこで、みんなが一緒に集まりましたで、酋長娘は、無事にそ上に落ちました。暫くすると一羽白鳥が、
『こ女をどうしたらいいんだらう。こんな重荷を背負つては、お互にとても長く泳いでゐるわけに行かないよ』
と言ひました。すると、他白鳥が、
『それぢや、あ大きな亀公とこに行つて、相談して見よう。亀公なら、きつとよい智慧を貸してくれるに違ひないから』
と言ひました。そこで、白鳥共は亀ところに行つて、
『女子を一人背負ひ込んだが、どうも重くてたまらない。どうしたらいいんだらう』
と尋ねました。すると、亀は、すぐに使を走らせて、あらゆる動物を呼び集めて、相談会を開きました。
 いろいろ話し合つてゐるうちに、一匹動物が立ち上つて、
『白鳥さんたち話によると、一本木が、女子と一緒に落ちて来て、水底に沈んださうな。で、誰か水底に潜りこんで、木根から少し土をとつて来たらいいだらう』
といひました。それを聞くと、亀が、
『さうだ、少しでも土が手に入つたら、それで島をこしらへて、こ住家にすることが出来るだらう。一体そ木が沈んだところは何処なんだ』
と言ひました。そこで白鳥どもは、みんなを連れて、林檎沈んだところに行きました。
『さあ、誰かうまく潜れるもはないか』
と亀が言ひました。
 真先に川獺が沈んで行きました。そして、暫くたつて、水面に浮び出ましたが、ほつと大きな息をついたかと思ふと、そ儘死んでしまひました。こんな風にして、みんなが死んでしまひますで、あとでは、誰も水中に潜らうといふもがゐなくなつてしまひました。
 すると、一番おしまひに、年をとつた蟾蜍が、
『わたしが、やつて見ませう』
と言ひました。蟾蜍は、大変小さくて、大変醜かつたで、それを聞くと、みんな笑ひ出しました。しかし、亀だけは、まじめな顔をして、
『ぢや、どうかやつて見ておくれ』
と言ひました。
 蟾蜍は、ろと水中に沈んで行きましたが、なかなか浮んで来ませんでした。みんなは、待つて待つて、たうとう待ちきれなくなつて、
『あいつは、もう帰つて来ないだらう』
と、話し合つてゐました。すると、やがて、水上にぶくぶくと小さな泡が立ち始めました。と思ふと、蟾蜍姿が、ぬつと水上に現れました。そして、ぱくりと口を開いて、亀上に少しばかり土を吐き出しました。それを見ると、小さい亀が、土を掴んで、大きな亀甲にすりつけ始めました。と土は、見る見る大きくなつて、一つ島になりました。そこで、白鳥どもは、背から女子を下して、島上に載せました。島はだんだんと大きくなつて、今日やうな大地になりました。
 亀と蟾蜍と働きで、大地が出来上りましたが、まだ日光がありませんで、世界中が、真暗でした。そこで、亀は、あらゆる動物を集めて、相談を開くことにしました。いろいろ話し合つてゐるうちに、小さい亀が立ち上つて、
『若し、わたしが空に昇ることが出来たら、いくらか日光を集めて、それを球にして持つて帰るんだがな』
と言ひました。それを聞くと、大きな亀が、
『さうだ、さうだ、一つ空に昇つて見るがよい。お前には、大した力が備はつてゐるんだから』
と言ひました。
 小さい亀は、すぐに呪文を唱へました。すると、急に烈しい嵐が吹き起つて、雷光を含んだ雲が大きな音を立てて、みんな集まつてゐるところ方に転がつて来ました。それを見ると小さい亀は、素早く雲中に飛び込んで、雲と一緒に上へ上へと昇つてゆきました。
 暫くすると天上世界に着きましたで、雷光を集めて、二つ球をこしらへて、空からぶら下げました。世界中が急に明るくなりました。二つ球といふは、太陽と月でした。
 又、光り起原について、左様な説もあります。
 昔、世界には、光といふもがなくて、何処もかしこも真暗でした。人々は、毎日々々闇中にゐるが嫌で嫌でたまらなくなりました。
 そ頃、一本大きな枯木が野原に突つ立つてゐました。虎斑鼠は、そ木を見ると、
『これに火をつけたら、世界中が明るくなるに違ひない』
と思ひました。そこで、枯木根に火をつけて、灰がたまると、棒先でそれを掻きけかきけしてゐました。そうちに、枯木は、たうとう大地に倒れて、世界中が明るくなりました。人々は、それを見て、大変に喜びました。
 ところが、熊やそ友達は、年中暗闇中にゐるが好きでしたで、木が倒れるを見ると一生懸命に、そ上に土を振りかけて、
『暗だ暗だ暗だ』
と唱へました。すると、虎斑鼠は大変に怒つて、土を払ひけて、火を掻き起して、
『光だ光だ光だ』
と叫びました。かうして、熊と虎斑鼠とは、お互に土をかけたり、火を掻き起したり、
『暗だ暗だ暗だ』
と叫んだり、
『光だ光だ光だ』
と叫んだりしてゐましたが、おしまひには、二人ともすつかり疲れてしまひましたで、両方から譲り合つて、一日半分は明るくて、残り半分は暗いやうにすることにきめました。しかし、熊は、やはり明るいが厭でたまりませんで、
『こんなことになつたも、お前せゐだ』
といつて、虎斑鼠を追つ駈けました。虎斑鼠は、びつくりして、穴中に逃げ込みましたが、逃げ込む時に、熊ために背中を掻きむしられました。だから、今日でも虎斑鼠背には、斑がはいつてゐます。
霊界物語ネットで読む 霊界物語ネット
オニド関係の更新情報は「オニド関係全サイトの更新情報」を見れば全て分かります!
王仁DB (王仁三郎データベース)は飯塚弘明が運営しています。 /出口王仁三郎の著作物を始め、当サイト内にあるデータは基本的にすべて、著作権保護期間が過ぎていますので、どうぞご自由にお使いください。また保護期間内にあるものは、著作権法に触れない範囲で使用しています。それに関しては自己責任でお使いください。/出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別用語と見なされる言葉もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。/ 本サイトのデータは「霊界物語ネット」掲載のデータと同じものです。著作権凡例 /データに誤り等を発見したら教えてくれると嬉しいです。
連絡先:【メールアドレス(飯塚弘明)
プライバシーポリシー
(C) 2016-2024 Iizuka Hiroaki