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文献名1霊界物語 第76巻 天祥地瑞 卯
文献名2前付よみ(新仮名遣い)
文献名3ヘブライ天地創造説よみ(新仮名遣い)へぶらいてんちそうぞうせつ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年12月08日(旧10月21日) 口述場所水明閣 筆録者森良仁 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年3月23日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 472頁 修補版 校定版103頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm760014
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本文  神様には始めもなければ終りもないと言ふ事は、今日多く人が信じてゐる事でせう。こ神様が、まだ天地をお造りにならなかつた以前には、土地はきまつた形もなく、空漠とした、暗黒なもであつて、万物には何差別もなかつたである。
 ずつと大昔、神様が一言言葉をおかけになると、忽ち天と地とが出来上つた。それから、神様は、
『光あれ』
と仰せられたで、これから光といふもがあるやうになつた。今日やうに明るい時と暗い時と区別が出来たは、こ時からである。神様は暗い時を夜と名づけ、明るい時を昼と名づけられた。これが一日中に夜昼とあるやうになつた第一日である。
 そこで、神様は蒼空を造り、そ蒼空水と、上水とをお分ちになり、蒼空をば天とお名づけになつた。これが第二日目事で、これからは朝と夕方とがあるやうになつたである。神様は更に言葉をかけて、天下なる水は一所に集まつて、乾いた土が現れるやうにされた。そして乾いた土を地と名づけ、水集まつたを海とお名づけになつた。そして、出来上つたこれらを見て、非常にお喜びになつて更に、
『土は草と木と花と実とを地に出せよ』
と仰せられたで、土には草が青々と生えて美しい花が咲き、木には美味しい果がなつた。これが三日目事である。今度は二つ大きな光をお造りになつて、大きな光に昼を司らしめ小さな光に夜を司らしめになり、又星をもお造りになつた。そ大きな光が太陽であり、小さな光が月である。太陽輝く時が即ち昼であり、月と星とが照らす時が即ち夜である。これが第四日目出来事であつた。世界形はかうして大体出来上がつたで、今度は、神様は又地上あらゆる生物、鳥や、魚や、昆虫や、家畜や、獣物を其類に従つてお造りになつた。これが第五日目ことである。
 かくて世界には森や畑があり、そこには色々な動物が生れ、畑は緑に萌え、花は咲き、鳥は梢から梢へと渡り囀り、あらゆる生物は森辺をさまよひ歩き、天地は実に美しいもとなつた。けれども神様命令に従つて、これ等を治める者がまだゐなかつたで、神様は自分像に似せて人をお造りになり、
『生めよ繁殖よ地に満盈よ。そして万物を従はせよ。又海魚と天空鳥と地に動くところ凡て生物を治めよ』
と仰せられ、又全地表面にある果実なる草や、核ある果なる樹を人間食物とする事を許し、獣や鳥や其他すべて命ある物には、そ食物として、すべて青い草をとつて食ふ事をお許しになつた。これが即ち第六日目事である。
 七日目となつた。神様はすべて物を、すつかりお造りになつたから、これを祝つてお聖めになり、こ日をお安息となされた。神様が始めて光をお呼び出しになつてから、人間を造られる迄には、六日を費されたである。
 万物は漸く整つたで、そこで神様は、人間に命息を吹き込んで、これに生命をお与へになつた。そしてエデン方に園を設けて、そこに人を住まはせ、見て美麗しく、食べて美味しい、色々樹を生ぜしめ、そ中には生命樹と善悪を知る樹とをお植ゑになり、また園を潤ほす為にこ園を源として四つ河をお造りになつた。これが即ちエデン園で、吾々よく言ふ「パラダイス」である。
 さて、神様はそ花園を人間に与へ、これを管理する事をお命じになり、そ人間名をアダムと名づけられた。
 こ時神様はアダムに向つて、
『園果はどれをとつて食べてもよろしい。併し善悪を知る樹果は決して食べてはならぬ。若しお前がそれを食べたなら、お前命はないもと思ふがいい』
と仰せられた。神様はアダムがすべて鳥や獣にどんな名前をつけるか見たいもだとお考へになつて、そ事をお言ひつけになると、アダムはそ命に従つて、鳥や獣に一々名前をつけた。
 けれども、他鳥や獣はそれぞれ多く仲間があつたが、人間はアダムがたつた一人であつた。そこで神様は、彼を助けて共に生活する人を今一人造らうとお考へになつて、アダムを深く睡らせて、そ間にそ肋骨を一本抜きとり、其処を肉でふさいで置いて、そ肋骨から一人女をお造りになつた。そしてアダム所に連れておいでになると、彼は、
『それこそ吾が骨骨、吾が肉肉である』
といつてそ人を女と呼び、そ女にエバといふ名をつけた。これから二人は互に愛し合つて神様与へて下さつたこ美しい花園中で、幸福な日を送るやうになつた。二人は裸体ではあつたが、まだ恥づかしいといふことを知らぬ程聖らかな心を持つてゐたである。
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