王仁DBβ版 出口王仁三郎と霊界物語の総合検索サイト 文献検索 画像検索 単語検索 メニュー開く
サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)

文献名1霊界物語 第77巻 天祥地瑞 辰
文献名2第1篇 万里海原よみ(新仮名遣い)までうなばら
文献名3第3章 狭野食国〔1935〕よみ(新仮名遣い)さぬおすくに
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ七柱神々は、舟中で語り明かすうち、東雲近くになって、海鳥さえずる声が響き渡り、またときどき鷲声が神々耳をそばだてさせた。一行はそれぞれ、霧海に東雲空が明けていく様子を見て、これから旅立ちに心を新たにし、曲津神と対決に心を引き締める述懐歌を歌った。天晴比女は、言霊によって霧晴れたことき、海原を進んで、大蟻住むという魔島々にこぎ寄せて上陸しよう、と歌った。すると不思議にも、舟は櫓も櫂もないに、自然に海原を進んで行った。神々がお歌を歌いあう間に、数十里波を渡って、船は魔島近くにたどり着いた。朝香比女は、魔島を間近に眺め、舟を止めて島様子をうかがっていたが、馬よりも大きな蟻が数十万も群がっている様子を見て、魔島よ海に沈め、蟻よ消え失せよ、と言霊歌を歌った。蟻はこ歌を聞いて驚き、前後左右に島を駆け巡り始めた。さて、実はこ島は八十曲津神が地中に潜んで、頭だけを水上に浮かせたもであり、蟻はそ頭にわいた虱であった。朝香比女が「島よ沈め」と歌った言霊も、一時は何効果もなく、曲津神はますます狂い立って島は高く浮き上がった。そして、曲津神巨体が水上に浮かび上がり、目鼻口が不規則に並んだ顔は雲よりも高く、膝まで海中につかった巨大な姿を現した。不規律な歯並口から発する笑い声は、雷が百も同時に鳴ったかようであった。そして、朝香比女をしりあざ笑って、巨大な口から唾を四方八方に吹き散らした。一滴でもこ唾に触れると、全身が固着して、手も足も動かせなくなってしまう。曲津神魔術を尽くした奥手であった。朝香比女神は少しも恐れた様子なく、天数歌に続いて、曲津神を巌に固め、蟻虱を土とする言霊歌を歌った。すると、八十曲津神巨体は、そまま海中に巨大な巌島と固められてしまった。従者神たちは朝香比女言霊神徳に驚きたたえる述懐歌を歌った。こ巌島は、周囲百里に余る、相当に大きな島であった。天中比古神は、狭野彦を助手として草木種を蒔き、島経営に当たりたいと、朝香比女に申し出た。朝香比女はこれを了承した。天中比古は、生言霊によって草木五穀を生み出した。こうして狭野食国が出来上がり、天中比古は永遠に鎮まることとなった。
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年12月12日(旧10月25日) 口述場所大阪分院蒼雲閣 筆録者谷前清子 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年3月30日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 597頁 修補版 校定版42頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7703
本文のヒット件数全 194 件/ノ=194
本文の文字数3292
これ以外の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい 霊界物語ネット
本文  天津神国津神七柱は、磐楠舟に身を寄せ四方八方珍しき話に時をうつし給ひつつ、東雲近くなりければ、こ海原に数多棲める百千鳥囀る声漸くひびき渡り、時々大いなる鷲声は、神々耳を欹たしめたりける。
 ここに朝香比女神は御歌詠ませ給ふ。

『霧波にうかびて吾立てる
  東雲空はほ明りせり

 百千鳥啼く声さえて霧
  波は漸くしめにけり

 天晴比女神現れます今日よりは
  天津日光清く照りまさむ

 ほと明け方近くなり行きて
  俄に吾魂かがやき初めたり』

 初頭比古神は御歌詠ませ給ふ。

『東雲空ほ明りつつ霧
  霧はつぎつぎうすらぎにけり

 朝香比女神光に霧
  霧は御空にうすらぎ消ゆるも

 東空ほと明らみぬ
  やがて昇らむ天津日神は

 明け方舟に浮びて吾魂は
  よみがへりつつ澄みきらひたり

 曲津神永久にひそめる霧
  島ことごとく言向けやはさむ

 いさぎよき朝香比女御尾前に
  仕へてわれは功を立てなむ

 ア生言霊に現はれし
  初頭比古吾は力なりけり

 限りなき水火力を現はして
  曲津砦を砕き破らむ』

 起立比古神は御歌詠ませ給ふ。

『東空明らみぬいざさらば
  起立神神言宣らむ

 天界は生言霊に生りし国土よ
  朝な夕なを神言宣らむ

 一日だも神言水火忘れたる
  日は曲津見襲ひ来るも

 非時に生言霊を宣りつづけ
  醜砦に向ひて進まむ

 もうもうと霧立ちぼる海原を
  明し進まむ起立神吾は

 東雲霧わけて天津日は
  大地限り照らして昇れり』

 天中比古神は御歌詠ませ給ふ。

『主サ声言霊幸ひて
  天中比古と吾は生れし

 朝香比女神神言言霊に
  服従はぬもはあらじと思ふ

 朝香比女神神言言霊を
  補ひ奉ると吾は天降りつ

 天津日は生言霊に照らされて
  天地あらむ限りを照らせり

 非時に雲霧迷ふ稚国土も
  今日より成らむ天津日光に』

 天晴比女神は御歌詠ませ給ふ。

『やうやくに諸神等言霊
  水火幸ひて天晴れにけり

 こ海を十重に二十重に包みたる
  霧うせにつつ天晴れにけり

 わが水火は幸ひ助けて大空に
  天照り渡らす日大御神よ

 斯くならば如何なる曲津潜むとも
  伊吹きに払はむ生言霊に

 四方八方を包みし雲霧晴れにつつ
  見渡す限り光野辺なり

 果てしなき霧海原に浮びたる
  島ことごとく目にうつりけり

 いや先きに蟻棲むとふ魔島に
  舟漕ぎよせて上らむとぞ思ふ』

 立世比女神は御歌詠ませ給ふ。

『朝香比女神を守りて立世比女吾は
  生言霊に水火を放たむ

 吾舟は次第々々に魔島を
  指して進めり岸とほみかも

 艪も楫もなけれど生ける言霊に
  進み行くこそ不思議なるかも

 西北風吹き起りわが舟は
  魔島さして進み行くなり

 駒よりも形大いなる蟻
  魔浮き島に集へりと聞く』

 狭野彦は歌ふ。

『大いなる蟻棲むてふ魔島は
  容易に近づき得ざる島と聞く

 さり乍ら力神々ましませば
  今日は安らに島に上らむか』

 斯く神々は御歌詠ませ給ふ間もあらず、数十里波を渡りて御舟は魔島近く着きにける。
 ここに朝香比女神は魔島を間近に眺めながら、舟を止めて暫しを休らひ、島様子を窺ひ給ひつつ御歌詠ませ給ふ。

『黒々と島一面に群がりて
  動ける影は蟻にやあるらむ

 吾乗れる駒より大なる蟻
  正しく曲津見化身なるらむ

 こ島に上れば忽ち数十万
  蟻は襲はむ驚きにつつ』

 朝香比女神は舟上より、御水火さわやかに、

『曲津神蟻と変りて寄り集ふ
  こ島よ海に沈まへ

 蟻よ蟻よ姿をひそめて消え失せよ
  吾こ島を今に沈めむ』

 斯く歌ひ給へば、曲津見は驚き騒ぎ、前後左右に先を争ひ島山を駈け廻る様、百万大軍一度に襲ひ来りし如く響きを立て、狼狽さまありありと目に映りける。
 さてこ島は八十曲津見地中に潜み、ただ頭みを水上に浮かせゐたるもにして、数多蟻はいづれも曲津見頭にわける虱なりける。
 朝香比女神は『島よ沈め』と宣らせし言霊も、一時何功もなく、曲津神はますます狂ひ立ち、島は次第に高く浮き上りて曲津見巨体は水上に浮び、目鼻口不規律に附着せる顔は雲を圧して高く、足膝頭より中は海中にあり、其大いさ形容すべからず。カラカラと不規律なる歯並口より笑ふ声は百雷一時に轟くかと思はれにける。そ声、
『ガアーーハハハハ ギアーーハハハハ ギユーーフフフフ ゲエーーヘヘヘヘ ギヨーーホホホホ もしや朝香比女神とは真神にあらず、天界を偽る贋神ならむ。待て、今に此八十曲津見神が神力を現はし、一柱も残らず吾泥足に踏み躙りくれむ。てもさても心地よやな。ギアーーハハハハ、ギユーーフフフフ、ギヨーーホホホホ、さてもさてもいぢらしいもだわい』
と言ひつつ巨大なる口より四方八方に吹き散らす唾は滝如、四方八方に散り乱るるさま、何もを以ても言ひ現はし得ざる光景なりき。万一こ口より出づる唾一滴だも身に触るる時は、全身固着して、手も足も動く能はざるに至る、曲津神魔術手をつくしたるもなりける。朝香比女神は少しも恐れず、

『曲津見雄猛びも
  わが生霊に滅ぼしくれむ

 汝が吹く醜み水火は雲となり
  霧となりつつこ世を濁せり

 一二三四、五六七八九十
 曲津見神よ
 巌となれなれこまま巌と
 手足も動くな口も利くな
 曲津神体は立巌となれ
 そ口鼻は洞穴となれ
 二つ目玉は池となれ
 蟻も虱もことごとく
 土となれなれそ土ゆ
 草木は萌えよ花は咲け
 香具実は非時結べ』
と言霊宣らせ給へば、八十曲津見巨体は其儘海中に固まり、巨大なる巌島と固められける。
 初頭比古神は驚き余り、御歌詠ませ給ふ。

『比女神生言霊功績に
  曲津神は遂に巌となりける

 島上に蟻と見えしは曲津見
  頭に生ふる虱なりける

 比女神生言霊に閉ぢられて
  曲津神は遂に巌となりける

 今日よりはこれ巌島に国津神
  永久に住ませて拓かせむと思ふ

 天界は生言霊御水火より
  成りし国土とは今悟りけり

 比女神は御樋代神にましませば
  如何なる神業も果し給へり

 比女神神業助くと吾宣りし
  生言霊恥づかしきかな

 今日よりは畏れ慎み比女神
  神業謹み仕へむと思ふ

 主ア声言霊に生れし吾も
  比女功に驚きしはや』

 起立比古神は御歌詠ませ給ふ。

『掛巻も畏し朝香比女神
  今日功におどろきにけり

 雲霧を四方に払ひて魔
  曲津神を永久に巌となせり

 沼をかため島をかためて比女神は
  新しき国土を生ませたまひぬ

 魔島は次第々々にふくれつつ
  見る見る草木は生ひ立ちにけり

 国津神永久住処と比女神は
  曲津神島を固め給ひぬ

 今日よりは国津神等食物を
  育つる国土と栄えますらむ

 いやらしき曲津神声に恥づかしも
  われは一時ふるひ居たりし

 起立吾神ながら震ひ立ちて
  生言霊も出でざりしはや

 主神ゆ御樋代神と選まれし
  神にしませばかくもありなむ』

 立世比女神は御歌詠ませ給ふ。

『かく如尊き神側近く
  仕ふる吾幸を思へり

 比女神よ立世比女神真心を
  嘉して永久に仕はせ給へ

 吾はいま朝香比女に仕へむと
  楽しみ待ちし女神なるはや』

 天中比古神は御歌詠ませ給ふ。

『比女神生言霊に固まりし
  こ島ケ根に舟寄せむかな

 大いなる蟻と見えしは曲津神
  頭にわける虱なりしか

 斯くならば一度島に上り行きて
  生言霊種を蒔かばや

 朝香比女神よ許させ給へかし
  草木種を吾蒔かむと思ふ』

 朝香比女神は御歌もて答へ給ふ。

『天中比古神神言にこ
  総てをまかせて国土拓かせむ』

 こ島は周囲百里に余る相当に広き島なりける。ここに天中比古神は国津神狭野彦を譲り受け、諸々草木五穀を生言霊に生み出でましつつ、遂に狭野食国を生み出で給ひ、永久に鎮まり給ひける。
(昭和八・一二・一二 旧一〇・二五 於大阪分院蒼雲閣 谷前清子謹録)
霊界物語ネットで読む 霊界物語ネット
オニド関係の更新情報は「オニド関係全サイトの更新情報」を見れば全て分かります!
王仁DB (王仁三郎データベース)は飯塚弘明が運営しています。 /出口王仁三郎の著作物を始め、当サイト内にあるデータは基本的にすべて、著作権保護期間が過ぎていますので、どうぞご自由にお使いください。また保護期間内にあるものは、著作権法に触れない範囲で使用しています。それに関しては自己責任でお使いください。/出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別用語と見なされる言葉もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。/ 本サイトのデータは「霊界物語ネット」掲載のデータと同じものです。著作権凡例 /データに誤り等を発見したら教えてくれると嬉しいです。
連絡先:【メールアドレス(飯塚弘明)
プライバシーポリシー
(C) 2016-2024 Iizuka Hiroaki