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文献名1霊界物語 第77巻 天祥地瑞 辰
文献名2第2篇 十一神将よみ(新仮名遣い)じゅういちしんしょう
文献名3第8章 征魔出陣〔1940〕よみ(新仮名遣い)せいましゅつじん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ田族比女と十柱降臨によって、万里島はようやく治まってきたが、まだ白馬ケ岳谷間には、しばしば黒雲が立ち上り、天を塞いで光を隠し、暴風雨を起こして国土を荒らしていた。田族比女はまずこ曲津見を征服しようと、十柱神々を率い、竜神が住む白馬ケ岳深谷を目指した田族比女は出陣決意を歌に歌うと、従者神たちは、それぞれ魔神を征して万里島に平和をもたらそうと決意を述懐歌に歌った。一行は田族比女をはじめ四柱女神と七柱男神。そ陣立ては、輪守(わもり)比古神を先頭に、霊山(たまやま)比古神、若春比古神、保宗(もちむね)比古神、直道比古神を先触れとし、田族比女神を正中に、そ他五柱神が後を守っていた。そして白馬ケ岳魔棲ケ谷(ますみがやつ)を目指して進んでいった。
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年12月13日(旧10月26日) 口述場所大阪分院蒼雲閣 筆録者森良仁 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年3月30日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 621頁 修補版 校定版127頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7708
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本文  田族比女神及び十柱降臨に依りて万里島ケ根は治まりつれども、未だ白馬ケ岳谷間には、非時黒雲立ち昇り折々天に塞がり、日月光を隠し暴風雨を起して国土を荒すこと再三再四なりければ、先づ此曲津見を征服せむと、田族比女神は十柱神を率ゐて万里丘を立出で、白馬ケ岳竜神すめる深谷を指して出で立たさむとして、御歌詠ませ給ふ。

『主御稜威に清く治まりし
  万里ケ島根に曲津潜めるか

 白馬ケ岳谷間に立ちたつ黒雲は
  曲津見水火か天を包める

 雨風を折々起して万里
  木草を艱むる曲津滅さむ

 十柱神を従へ今よりは
  曲砦に吾進むべし

 主依さし給ひし万里島を
  心安国とよみがへらせむ』

 輪守比古神は御供に仕へむとして御歌詠ませ給ふ。

『比女神神言畏し吾こそは
  十柱神御尾前守らむ

 谷深く潜める曲津は竜神か
  大蛇か非時毒気吐くかも

 毒気非時吐きてこ島に
  災を為す神を譴責めむ』

 霊山比古神は御歌詠ませ給ふ。

『果しなき此神国に潜み居る
  魔神在処を攻め滅さむ

 久方御空月日を隠しつつ
  邪気漲らす醜曲神よ

 御樋代天降りし此島に
  曲神潜むとは吾心得ず

 さりながら朝な夕なに毒気を
  吐きつつ空に黒雲起すも

 黒雲は天に塞がり地を這ひて
  こ食国を朝夕汚すも』

 若春比古神は御歌詠ませ給ふ。

『八千草花も曲津見毒気に
  艱まされつつ咲き萎むなり

 非時に実りし島実さへ
  虫に食はれて実らず落ちつつ

 此島は常春国と聞きつれど
  曲津荒びに冬心地すも

 黒雲中に紛れて丹頂
  鶴は御空に迷ひ飛ぶなり』

 保宗比古神は御歌詠ませ給ふ。

『此島に久しく棲みし百蛙
  日に日に影を潜むる憐れさ

 荒金土を耕す鼠蛙は
  曲神水火に滅び失せつつ

 猪も犬も月日重ねて其数
  少くなりしも曲津見為なり

 曲津見害を除きて万里
  百蛙を助けたく思ふ

 御樋代神に従ひ白馬ケ岳
  谷間大蛇を言向けてみむ』

 直道比古神は御歌詠ませ給ふ。

『主定め給ひし天地
  正しき道に刃向ふ曲津なし

 言霊真言剣振り翳し
  斬りはふりてむ醜曲津見を

 言霊功に生りし天地よ
  生言霊を恐れぬ曲津は無き

 仰ぎ見れば白馬ケ岳谷間より
  天に冲する八重黒雲』

 山跡比女神は御歌詠ませ給ふ。

『御樋代真言に従ひて
  白馬ケ岳谷間に進まむ

 吾はしも女神なれども言霊
  剣光に曲津を照らさむ

 久方月日を隠して荒び狂ふ
  醜曲津を斬り放るべし

 十柱神と雄々しく駒並べて
  白馬谷に進む楽しさ

 常世行く暗を晴らして天日を
  終日仰ぐ神世となさばや

 夕されば月朗かに大空に
  輝き給ふ神世とひらかむ』

 千貝比女神は御歌詠ませ給ふ。

『白馬ケ岳千峡八百峡に潜みたる
  醜曲神砦に向はむ

 七男四女一行堂々と
  進むも楽し白馬谷間に

 吾伊行く道にさやらむ曲神は
  躊躇もなく斬りて放らむ

 山路行く道傍へ草叢に
  鳴く虫音も悲しかりける

 百鳥よ虫よ獣よ安くあれ
  今に曲津見影滅ぶべし

 久方天津高宮ゆ降りたる
  神ある限り安き国原

 曲神を生言霊に斬り払ひ
  清め澄まして国土を拓かむ』

 湯結比女神は御歌詠ませ給ふ。

『山も野も神霊気に充たさるる
  此食国に潜む曲津はも

 曲津見は黒雲となり霧となり
  嵐となりて荒び狂ふも

 万里島に作り育つる穀物も
  曲津水火に生ひ立ち悪し

 谷深く潜める曲津を言向けて
  心安国土と造り固めむ

 神々も生きとし生ける森羅万象も
  心安国土に栄えしむべし』

 正道比古神は御歌詠ませ給ふ。

『天地生みてし言霊
  真言道に逆らふもなし

 谷深く八十曲津見潜むとも
  生言霊に斬り放りてむ

 言霊幸に生れし吾にして
  言霊戦門出なすも

 わが魂に少し曇りある時は
  生言霊も光らざるべきを

 谷川清き清水に禊して
  吾は進まむ言霊戦に

 御樋代光を恐れずに
  潜める曲津は強もなる

 雲となり雨風となり霧となりて
  神世を曇らす曲津見憎しも

 万里河源遠し白馬ケ岳
  峰に湧き立つ雲に続けば

 行き行けど白馬ケ岳は遥かなり
  駒脚並速めて進まむ』

 雲川比古神は御歌詠ませ給ふ。

『御樋代神に仕へし十柱
  神は言霊戦司よ

 十柱轡を並べつつ
  進まむ道にさやる曲津なし

 曲津見司を言霊
  剣に斬りて神世を照らさむ

 御樋代神稜威光に照らされて
  曲津征途に上る楽しさ』

 斯く神々は曲津見征途に上らむとして、御歌詠ませつつ各自駒に跨り、輪守比古神を先頭に霊山比古神、若春比古神、保宗比古神、直道比古神を前供として、田族比女神を正中に其他五柱神、御後辺を守りつつ、黒雲立ち昇る白馬ケ岳魔棲ケ谷を目指して進ませ給ふぞ雄々しけれ。
(昭和八・一二・一三 旧一〇・二六 於大阪分院蒼雲閣 森良仁謹録)
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