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文献名1霊界物語 第74巻 天祥地瑞 丑の巻
文献名2第1篇 渺茫千里よみ(新仮名遣い)びょうぼうせんり
文献名3第6章 真鶴山霊〔1874〕よみ(新仮名遣い)まなづるさんれい
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ顕津男の神は、真鶴山の山頂に神々を率いて、厳の言霊歌を歌った。国原は、マモムミの言霊によって生まれようとする。いろは歌、続いて天の数歌、真鶴山の国造り歌を歌う。最後に、『ウーアーオー』の言霊を宣りあげた。すると、真鶴山は次第に盛り上がり固まり、常磐木の松、白梅、筍などが生い出でた。圓屋比古、産玉の二神は、この瑞祥をたたえる歌を歌った。産玉の神が、この山を守る女神のないことを嘆く歌を歌うと、大地をわけて、一人の女神が現れ出た。真鶴山の御魂、生代比女が、産玉の神の言霊と顕津男の神の神徳によって呼び出されたのであった。神々は各々、喜びの歌を歌いあった。
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年10月21日(旧09月3日) 口述場所水明閣 筆録者林弥生 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年1月5日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 182頁 修補版 校定版80頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7406
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本文  主の神の生言霊に紫微の宮  領有ぎ給ふ天界は
 𪫧怜に委曲にひらけつれど  広大無辺の神の国
 そのはしばしに至りては  まだ国土稚く苗草の
 地稚くしてたわたわに  浮脂の如漂ひつ
 国土の形を為さざれば  瑞の御霊とあれませる
 太元顕津男の神は  ア声の水火より生れまして
 紫微天界をひらきつつ  国土を固め神を生み
 𪫧怜に委曲にひらくべく  夜を日についで出で給ふ
 道の隈手にさやりたる  四方の神等言向けて
 山河渡り野路を越え  葭と葦との茂りたる
 西南方の稚き国土  真鶴山の方面を
 さして出で立ち給ひしが  百神等の計らひに
 今日は漸く真鶴の  山の尾上に着き給ふ
 生言霊を宣りませば  四方を包みし狭霧の幕も
 もえたつ湯気も次ぎ次ぎに  薄らぎにつつ久方の
 天津月日は明けく  澄みきり給ひて葦原を
 照らさせ給ふ世となりぬ  太元顕津男の神は
 真鶴山の頂上に  百神等を率ゐまし
 厳の言霊宣り給ふ。
 その御歌にいふ。

『久方の紫微天界も国土稚く
  浮脂の如漂へるかも

 漂へる国土をひらきて神を生み
  主の大神の神旨に叶はむ

 見渡せば目路の限りは霧たちぬ
  神々生かさむ術もなき国土

 言霊の御稜威によりて我は今
  稚き国原固めむとぞおもふ

 マモムミ生言霊の活用に
  この国原は生れむとする

 いや広き国土はあれども国土稚く
  漂ひ形まだ定まらず

 真鶴の山は地上に聳ゆれど
  ぬかるみの如やはらかなるも。

 いろはにほへどちりぬるを
 わがよたれぞつねならむ
 うゐのおくやまけふこえて
 あさきゆめみしゑひもせす
 一二三四五六七八九十
 百千万の生言霊の神光に
 御空は晴れよあらがねの
 地は乾けよ固まれよ
 百の草木もすくすくと
 生ひたち茂り花ひらき
 貴のつぶら実なりなりて
 神々等の玉の緒の
 生命の糧となれよかし
 紫微天界の南の
 果に来りて我は今
 国土生み神生み惟神
 生言霊の神光を
 天地四方に照らさむと
 ももの悩みを忍びつつ
 夜を日についで漸くに
 真鶴山の稚国土に
 百神率ゐ勇ましく
 来りけるかも今日の日は
 天の世ひらけし始めより
 ためしもあらぬ目出度き日
 御空の月は冴えにつつ
 星は真砂の数の如
 輝き給ひて花と咲き
 実とあらはれて天界の
 栄を祝ふ如くなり
 ああ惟神々々
 生言霊の御水火こそ
 神国を造り神を生む
 神の御稜威の神業なる
 神の御稜威の神業なる』
 斯く歌ひ給ひ『ウーアーオー』と生言霊を宣り上げ給へば、真鶴山の稚国土は、次第々々に盛れ上がり、ふくれ上がり、固まりにつつ、真先に生ひ出でたるは、常磐樹の稚松、白梅の茎、筍等なりき。
 圓屋比古の神はこの瑞祥を見て感歎おくあたはず、御歌うたひ給ふ。

『天晴れ天晴れ瑞御霊の言霊に
  この天地は晴れ渡りける

 常磐樹の松と白梅筍は
  真鶴山を包みて生えけり

 真鶴の山にし立てば見の限り
  雲霧はれて輝き初めたり

 天渡る月の恵の露浴みて
  これの国原百樹栄えむ

 真鶴の山をめぐりし広沼も
  乾きて底まで真白くなりぬ

 沼のあとは次第々々にふくれあがり
  百の草木は生ひ出でにつつ

 わが立てる真鶴山は次々に
  ふくれふくれて高くなりぬる

 次々にふくれ拡ごり真鶴の
  山は間もなく国土となるらむ』

 産玉の神は御歌うたひ給ふ。

『わが生みし真鶴山も瑞御霊
  生く言霊に固まりしはや

 固まりし真鶴山はマモム
  水火の凝りつつふくれあがりぬ

 瑞御霊宣らせ給ひしマモムミの
  言霊著く国土固まれり

 マモムミ瑞の言霊に生代比女
  神の神言の姿ほの見ゆ

 生代比女の神よ出でませ真鶴の
  神山に瑞の御霊たたせる

 真鶴の山は御水火に固まれど
  守らす女神無きぞ淋しき』

 斯く歌ひ給ふ声の下より、大地をわけて、次第々々に現れ給ふ比女神あり、容色端麗にして玉の如し。
 顕津男の神はこの態を見て、喜びに堪へず御歌うたひ給ふ。

『真鶴の山の御魂と生れましし
  生代の比女の姿愛しも

 言霊の水火に生れます生代比女
  この国原を永久に守らへ』

 生代比女の神は覚束なき言霊にて御歌うたひ給ふ。

『真鶴の山かき分けて吾は今
  岐美の光にあひにけらしな

 言霊の水火に生れし吾なれば
  永久に神山を守りまつらむ』

 顕津男の神は歌ひ給ふ。

『健気なる生代の比女の言霊や
  我たしたしに諾ひまつらむ』

 生代比女の神は御歌うたひ給ふ。

『ありがたし瑞の御霊の神宣
  万代までも忘れざらまし

 産玉の神の神言の御水火より
  呼びさまされし生代比女神よ』

 圓屋比古の神は歌ひ給ふ。

『言霊の奇しき御稜威になり出でし
  汝生代比女神はうるはし

 美しく優しく雄々しく生れませる
  生代の比女は女の鏡かも

 瑞御霊と産玉神のいさをしに
  生れます比女神容姿麗し

 いや広き紫微天界にかくの如
  清しき女神おはさじと思ふ

 真鶴の山は次第に拡ごりて
  国土の柱となるぞ目出度き』

 国中比古の神は御歌うたひ給ふ。

『いや先に吾は来りて瑞御霊
  迎へまつると言霊宣り待ちぬ

 有難し瑞の御霊の出でましに
  この国原は固まりにけり

 この上は国中比古と仕へつつ
  これの聖所を永久に守らむ

 主の神のウ声になりし吾なれば
  永久に固めむ貴の国原』

 多々久美の神は御歌うたひ給ふ。

『雲霧は瑞の御霊の言霊に
  晴れ渡りたり天晴れ天晴れ

 天晴れ天晴れ国土晴れ狭霧晴れにけり
  今日よりはれて永久に守らな』

 美波志比古の神は御歌うたひ給ふ。

『主の神のウ声になりし美波志比古
  今日より守らむ天の浮橋

 この国土はまだ稚ければ瑞御霊
  浮橋かけて渡しまつらむ

 ワヲウヱヰ生言霊に地固め
  百の草木の生ひたち守らむ

 葭と葦茂れる国土を拓きつつ
  吾は美波志と神に仕へむ』

 魂機張の神は御歌うたひ給ふ。

『諸々の生命保たせ魂機張の
  神は仕へむ世のことごとに

 たまきはる生命の糧をもろもろに
  くまり与へて神国をひらかむ

 神々の生命を守りもろもろの
  水火を助けて神代に仕へむ

 顕津男の神の御供に仕へつつ
  今日真鶴の山に登りぬ

 たまきはる生命を永久に守りつつ
  岐美の神業を吾は守らむ

 天地の百神等が玉の緒の
  生命を守る神とならばや

 主の神のウ声の言霊幸ひて
  吾は生れにし生命の神なり

 産玉の神にいそひて神生みの
  神業仕へむ世のことごとを』

(昭和八・一〇・二一 旧九・三 於水明閣 林弥生謹録)
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