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文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3天立君主立憲よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考「神聖」昭和一〇年四月号所収「皇日本は天立君主立憲なり」とほぼ同じ
タグ データ凡例 データ最終更新日----
ページ281 目次メモ
OBC B123900c087
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本文  民がその家の一大事に向つて誠心誠意憂慮奉公すれば、そのは健全に発達し、の生命が弥栄に栄え行くけれども、民が家の一大事に対して憂慮しないやうなことがあれば、そのは必ず滅亡の淵にのぞむものである。
 現在日本の一大事とは何ぞ、云ふまでもなく日本精神たる皇道を忘れ欧米思想に惑溺せることである。これが為めに政治も宗教も教育も経済も外交も芸術も、何もかも行き詰つて来たのである。しかるに為政者らも支配階級の人々も、この根本問題を解決せずしていたづらに枝葉にのみ走り、家百年の経綸を論ずるが如きものはほとんど皆無と言つてよいほど情ない状態である。
 現今の憲法学者らが、日本の家について種々の議論を立ててゐるやうであるが、皇道を体得しないで日本の家組織を説いたり、皇道を知らないで君主を説いたりするから「天皇機関説」が出て来たり、統帥権まで云々する者が出て来るのである。皇の憲法は畏くも天祖より出でたる神典の示すがまにまに規定せられたもので、政治も経済も宗教も教育も、その他一切が同一の精神で統一され、渾然一体となつて栄え行くやうになつてゐるのである。
 学者をはじめ多くの人々は、日本を立憲君主のやうに思つてゐるが、これが重大な間違ひである。そもそも我が皇は万世一系の天皇が現人神として永遠に統治し給ふ世界無比の神聖皇道であつて、帝道(立憲君主)でもなく、王道(専制君主)、覇道(弱肉強食)では勿論なく、実に地上唯一の天立君主立憲なのである。この根本義を知らないが為めに総てが間違ひだらけになつて来て、つひに今日の如く立往生の形になつて来たのである。これが即ち我が皇の一大事なのである。
 前にも述べた如く日本は神であり皇道である。人間の考へた欧米の学理や学説は、皇道の前には何らの権威もない。そんなものを守り本尊として政治や教育をしてゐるのだから、日本のがますます紊れ、民が日に日に困窮のドン底へ沈んで行くのは当然のことである。
 もし日本がこの調子で進み行くならば果してどんな結果が生れて来るであらうか、何人にも容易に想像出来得るだらう。これはどうしても一時も早く皇道に照らして一切の間違つたところを正す必要がある。これは上陛下に対する吾々皇民当然の責務であると信ずるものである。ここにおいて予は昭和神聖運動を起して全を遊説し、広く民に皇のこの一大事を告げ、一刻も早く皇道精神に目覚めしむるやう努力してゐるのである。
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