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文献名1霊界物語 第42巻 舎身活躍 巳の巻
文献名2第5篇 出風陣雅よみ(新仮名遣い)しゅっぷうじんが
文献名3第22章 別離の歌〔1147〕よみ(新仮名遣い)べつりのうた
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-12-29 12:46:03
あらすじ黄金姫、清照姫らは別れにあたって、セーラン王たちイルナの国の人々に述懐と訓戒の歌を歌った。ヤスダラ姫は、三五教の宣伝使となる覚悟を歌った。また右守司の従者ハルマンは、実は言依別命の命で身分を隠し、イルナの国に潜入していた三五教の宣伝使・駒彦であると素性を明かした。それぞれ一同、別れに当たって抱負と覚悟を明かす歌を歌った。
主な人物 舞台イルナ城(入那城、セーラン王の館) 口述日1922(大正11)年11月25日(旧10月7日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年7月1日 愛善世界社版268頁 八幡書店版第7輯 738頁 修補版 校定版276頁 普及版114頁 初版 ページ備考
OBC rm4222
本文のヒット件数全 1 件/宣伝歌=1
本文の文字数2707
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本文  黄金姫は別れに臨んで宣伝歌を歌ふ。
『朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  誠一つの三五の
 教の道は世を救ふ  斎苑の館を出でしより
 神の恵に守られて  虎狼や獅子熊の
 伊猛り狂ふ荒野原  漸く渉り高照の
 珍の岩窟に導かれ  神徳無限の北光の
 神の薫陶を受けながら  親子は勇み入那城
 四方に塞がる黒雲を  神の力に吹き払ひ
 セーラン王の危難をば  救ひ助けて今は早
 天地清明日月は  天津御空に輝きて
 冬とは云へど花香ふ  常世の春の心地しつ
 曲津の荒みをさまりて  出行く吾こそ楽しけれ
 セーラン王よ聞し召せ  如何なる事のあるとても
 天地の神の与へたる  妃の君のサマリー姫
 必ず見捨て給ふまじ  天と地とにたとへたる
 夫婦の道はどこまでも  厳しく守り進みませ
 夫婦は道の大本ぞ  ヤスダラ姫の神司
 汝が命の御心に  かけさせ給ふ事もなく
 科戸の風に執着の  雲吹き払ひ天地の
 誠を千代に永久に  立てさせ給へ惟神
 神に誓ひて願ぎまつる  吾はこれより天地の
 神の恵に助けられ  魔神の荒ぶ荒野原
 夜を日についで進みつつ  歓喜の花咲くハルナ城
 大黒主の肉体に  巣ぐふ曲神を言向けて
 神の司の天職を  尽しまつらむ惟神
 神は吾等と倶にあり  北光神よセーラン王よ
 吾往く先を恙なく  守らせ給へと神床に
 心静めて祈りませ  天と地とは清照の
 姫の命と諸共に  治まる御代もヤスダラ姫の
 貴の命の神司  三五教の宣伝使
 駒彦司のハルマンと  茲に一行四人連れ
 清き尊き聖城を  名残惜しくも後に見て
 吾はこれより出でて行く  あゝ惟神々々
 御霊幸はへましませよ』
 清照姫は又歌ふ。
『神が表に現はれて  善神邪神を立て別ける
 三五教の宣伝使  清照姫の神司
 清き尊き御教に  心の駒を立て直し
 鞭ち進む膝栗毛  心も軽き蓑笠の
 草鞋脚絆に身を固め  猛虎のたけぶ荒野原
 善言美辞の言霊を  打ち出しながら堂々と
 進み行くこそ勇ましき  行手に如何なる曲神の
 さやりて進路を塞ぐとも  何かは恐れむ敷島の
 大和心は清く照る  仁慈の駒に矢を放つ
 醜の曲霊はあらざらめ  あゝ勇ましや勇ましや
 入那の城の黒雲は  清く涼しく晴れ渡り
 天国浄土の有様を  現出したる今日の空
 心の残る事もなし  いざこれよりは親と子が
 心を合せ力をば  一つに固め月の国
 さやる曲津を悉く  瑞の霊に言向けて
 進みて往かむ惟神  北光神やセーラン王の
 君の命に嬉しくも  謹み別れを告げまつる
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
 ヤスダラ姫は又歌ふ。
『入那の国の刹帝利  尊き家系に生れたる
 左守司のクーリンス  神の司の貴の子と
 生れあひたるヤスダラ姫は  神命降り今茲に
 恋しき父や大君の  あれます国を後にして
 実にも尊き三五の  黄金姫の神司
 清照姫に従ひて  悪魔の征途に上りゆく
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましまして
 ヤスダラ姫の魂に  無限無窮の神力を
 濺がせ給へ天地の  皇大神の御前に
 謹み敬ひ願ぎまつる  朝日は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  仮令大地は沈むとも
 誠の力は世を救ふ  誠一つの三五の
 教を守りいつまでも  イルナの国を浦安く
 守らせ給へ大君の  御前に謹みヤスダラ姫が
 謹み畏み今此処に  別れに臨み願ぎまつる
 天国浄土の花も咲く  ミロクの神世も北光の
 天の目一つ神司  高照山に帰りなば
 汝が妻神の竹野姫  御前に対しヤスダラ姫
 道の司が種々と  恵を受けし嬉しさを
 感謝し居たりと委細に  伝へたまはれ惟神
 神に誓ひて願ぎまつる  吾は是より黄金の
 姫の命に従ひて  荒野ケ原を打ち渉り
 嵐に髪を梳り  霰や雪に身をそぼち
 身なりも卑しき蓑笠の  いと軽々と進み行く
 セーラン王よサマリー姫  吾往く後は睦じく
 天地の神の神業を  互に助け助け合ひ
 勤しみたまへヤスダラ姫の  神の司が旅立の
 別れに臨み願ぎまつる  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましませよ』
 ハルマンは又歌ふ。
『三五教の宣伝使  吾は駒彦神司
 言依別の御言もて  イルナの国に身を窶し
 忍び入りしは三年前  上下に時めく右守司
 カールチン館に身を寄せて  卑しき下僕となり下り
 バラモン教に迷ひたる  曲人達を悉く
 誠の道に言向けて  神の御前に復り言
 申さむものと朝夕に  神に祈りし甲斐ありて
 いよいよ吹き来る時津風  吾職責も今は早
 漸く尽しあらためて  三五教の神柱
 黄金姫と諸共に  曲津の猛ぶ月の国
 ハルナの都に蟠まる  八岐大蛇の征服に
 進み往くこそ勇ましき  コーカス山の聖場を
 立ち出で茲に早三年  仇に月日を送りしを
 心に嘆き居たりしに  一陽来復三五の
 誠の花は咲き出でて  心も勇む春駒の
 名もハルマンと改めて  正々堂々進み往く
 あゝ面白し面白し  北光神よ大君よ
 吾往く後は天地の  神の教を朝夕に
 照らし給ひて永久に  蒼生を平けく
 いと安らけく守りませ  吾は尊き大神の
 御霊を背に負ひながら  第二の故郷と住みなれし
 イルナの都を後にして  茲に別れを告げまつる
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ。

 いざさらば心の駒彦勇み立ち
  ハルナの都へ立ちて向はむ。

 大君よ心安けくましませよ
  汝が魂に神ましませば。

 北光の神の命に物申す
  吾往く先を守らせ給へ』

北光『汝こそは三五教の神司
  駒彦なりしかいとも珍らし。

 天地の神の経綸はどこまでも
  ゆき渡りけれ尊しの世や。

 ハルマンの神の司を駒彦と
  悟り得ざりし吾の愚さ』

清照『清照の姫の司も駒彦も
  みな化物の類なりしか。

 吾こそは小化物なり駒彦は
  大化物よ恐ろしく思ふ』

駒彦『清照の姫の命に言問はむ
  汝が心は化物ならずや。

 吾よりも汝が命こそ恐ろしき
  右守の司をもてあそびまし。

 吾こそは右守の司に使はれて
  下僕の恥を忍び居たりし。

 顧みれば吾こそ汝に比べては
  実にも小さき化物ぞかし』

黄金『世の終り大化物が現はれて
  智者と学者を噛み殺すなり。

 現界に時めく人の大方は
  大化物の器なりけり。

 世の中の大化物を悉く
  言向け和す三五の道』

ヤスダラ『面白し大化物のさやる世に
  現はれ出でし神の化物。

 化かされて魂を洗ひしカールチン
  吾も騙されたくぞ思ひぬ』

カールチン『清照の姫の命に操られ
  揉み潰されて真人となりぬ。

 世の中は善悪不二正邪一如
  その理を今や悟りぬ。

 善と云ひ悪と称ふも人の世の
  中を隔つる玉垣と知る』

(大正一一・一一・二五 旧一〇・七 加藤明子録)
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