文献名1霊界物語 第55巻 真善美愛 午の巻
文献名2第3篇 玉置長蛇よみ(新仮名遣い)たまきちょうだ
文献名3第12章 霊婚〔1420〕よみ(新仮名遣い)れいこん
著者出口王仁三郎
概要
備考
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データ凡例
データ最終更新日2024-05-23 18:54:57
あらすじ真っ暗な寒風吹きすさぶ険しい隧道を、一人の男が杖を力にとぼとぼと下ってゆく。野中に建っている大邸宅を見つけ、一夜の宿をと立ち寄ってみれば、柱や壁は破れて傾き、異様な臭気が漂う中、悪虫・悪獣が屋内を往来している。この男はテームスであった。テームスはどこからともなく現れた山犬の群れに取り囲まれそうになり、恐怖にかられて逃げ出した。薄暗い野路を行くと、前方から夜叉・悪鬼が二人の女を追いかけてくる。よくみれば吾が子スミエルとスガールが追われていた。夜叉と悪鬼は二人に追いつき、娘たちを喰らった。後ろより幾百万ともなく悪鬼の唸り声が聞こえてくる。テームスは苦しさと恐ろしさに体がうまく動かなかった。空中から悪鬼がテームスの名を呼んで害そうとする。見ればベリシナが悪鬼に掴まれて助けを求めている。テームスは煩悶苦悩やるせなく進退窮まった。空中の悪鬼は自ら兇党界の大魔王も使役する羅刹だと名乗った。羅刹によれば、代々の悪業によってテームスの祖先たちは悪鬼となってここに悲惨な境涯を送っているという。テームスは、三五教の宣伝使治国別たちのお蔭で一度は改心を誓ったものの、鬼春別たち赦された人々に悪心を起こしたために極寒地獄に突き落されるところだという。テームスが羅刹に引かれていく間、テームスの祖先の成れの果てという夜叉、悪鬼はいやらしい声を上げて追っかけてくる。テームスは目の前で妻のベリシナが猛獣たちに食い殺される有様を見、また羅刹によって娘の肉を無理矢理口にねじこまれた。テームスの口はしびれ、苦い毒薬を飲まされたような苦しさを味わった。羅刹は、それがテームスとテームスの祖先たちが玉置村の人民に対してやってきたことだとののしり、今度はテームスがばらばらにされる番だとして突き倒した。そこへ天の一方から霊光が輝き来たり、テームスの前に落下した。羅刹たちはこの火団に驚いて姿を隠した。火団は一柱の神人と化した。よくよく見れば、鬼春別が円満具足なる霊衣を身に着し、莞爾として立っている。鬼春別は、自分は治国別の命によってテームスを救いに来たのだと告げ、自分にならって神の御前に犯してきた罪悪を陳謝すれば、神の恵みに家族ともども救われると諭した。鬼春別は紫の雲に乗って去って行った。テームスはいつの間にか高山の上に救い上げられていた。そして鬼春別を見送りながら合掌啼泣し、悔悟の念に暮れていた。テームスが阿鼻叫喚の声を聞きつけ谷底を見ると、山の麓は火に囲まれ、妖怪毒蛇が焼き滅ぼされていた。テームスは天津祝詞を奏上して神の救いひたすら祈っていた。そこへ雲に乗って勢いよく降り来た神人を見れば、万公であった。万公は、焼き滅ぼされている妖怪毒蛇は、テームス家の祖先が造った罪業によって生まれた悪魔たちであると説明した。万公は、テームス家の祖先に苦しめられた人民の霊が凝結して人の世に生まれて来たものだと明かした。そこでどうしてもテームス家の後を継ぎ、家の財産を人民に平等に分配して罪を滅ぼすのが自分の役割だと明かした。テームスは得心し、万公に追われて山を降る。万公は火焔の中でも火傷もせずに矢のように山を下って行く。万公に負われていくと、際限も無き原野に行き当たった。原野の中、水晶の水をたたえた沼に行き当たった。万公はここまで来て息を休め、沼を首尾よく渡れるよう神に祈る宣伝歌を歌った。沼はたちまち変じて青畳となった。テームスが目を開いてよくよく見れば、治国別、鬼春別、松彦、竜彦その他の人々が枕頭に集まって、テームスを懇切に介抱し天の数歌を奏上していた。
主な人物
舞台
口述日1923(大正12)年03月04日(旧01月17日)
口述場所竜宮館
筆録者北村隆光
校正日
校正場所
初版発行日1925(大正14)年3月30日
愛善世界社版155頁
八幡書店版第10輯 90頁
修補版
校定版159頁
普及版68頁
初版
ページ備考
OBC rm5512
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