文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3神秘荘厳の国よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考「東北日記第八巻」(昭和三年一一月七日)所収「神秘の国」を再編したものと思われる
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ページ158
目次メモ
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本文
神典や宗教や言霊学の方面から考へて見ると、古代日本の思想や文化の程度は、その時代々々における世界の文化より非常に早く進んで居たものである。
そしてまた種々の思想や宗教や丈化が移入されて居るが、世界の宗主国と云はるるだけあつて、凡ての物を抱擁してこれを能く消化し、日本化し、攻伐征戦の厄を見ずして行はれた事は人類史上未だかつて類例のない事実である。しかも外来の思想や宗教や文化が全然淘汰訂正されて日本思想となり、日本文化となつて完全に発達を遂げ、今やその粋は世界思想を指導せむとする人類愛善運動となつて現れたのである。そればかりでなく、美術や文芸史の語る所においても、更に近代文明思想の根基となつて居る科学思想を辿つても、古代の日本には既に西欧文化を凌駕する所の科学をもつて居た事は、神典古事記の明文において明かな事実である。神代の日本文化は現代文明国の進歩に比し数万年の昔において既にすでに超越してゐた。これを立証する我が国の史実は余り多きに苦しむほどである。
かく見来る時は、我が国は実に神秘荘厳なる天立神国である事が明白である。石器時代から昭和の今日に至るまで、一つの民族として惟神的に国是を創建し、国家建設第一の日の高御座を現代までそのままに保持して、国家の元首は現津御神として一刻たりとも岩戸篭りを遊ばされた事の無い神秘荘厳の国体である。即ち我々の奉仕する天皇は天照大御神そのままの神におはしまし、主師親の三徳を具有し玉ひ、無始無終の高御座に居らせらるるのである。
かかる有難き御恩沢に浴して居る万邦無比の国民は、一国一族であつて、全国、主従、師弟、親子のままに朝日の豊栄昇りと共に弥栄えに栄え、何ら衰退の事実無く、剛健質実、地球の極から極まで発展して窮りない現津御神の国を建て拡げつつあるのである。このやうな神秘が他の何国の歴史にあらうか、かくの如き荘厳が何国の何処にあるだらうか、かくの如き剛健な民族が地球の何処にあつたであらうか、と吾人は常に誇って来たのである。
かかる歴史的日本と現在の国状とを思ひ比べてを、深夜密かに涙の腮辺に伝ふるものあるは、あへて王仁一人のみではあるまい。