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文献名1霊界物語 第42巻 舎身活躍 巳の巻
文献名2第1篇 波瀾重畳よみ(新仮名遣い)はらんちょうじょう
文献名3第2章 馬上歌〔1127〕よみ(新仮名遣い)ばじょうか
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-12-19 12:01:51
あらすじ照山の岩窟を後にして、セーラン王の一行はイルナの都に向かって馬を進める。途上、セーラン王は馬上にてこれまでの経緯の述懐し、自分の罪を懺悔し神の教えと誠に基づいた国づくりへの決意を歌った。ヤスダラ姫は、神の清めによって自分を覆っていた恋の執着の雲もすっかり払われたことを歌い、イルナの都の立て直しへの決意を明かした。竜雲も馬上にてこれまでの自身の経緯の述懐を歌った。竜雲は急坂を急ぎ行く一行に休息を提案し、王たちもこの言葉に従いしばし息を休めることになった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年11月14日(旧09月26日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年7月1日 愛善世界社版23頁 八幡書店版第7輯 651頁 修補版 校定版23頁 普及版6頁 初版 ページ備考
OBC rm4202
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本文  神の御稜威も高照山の  厳の岩窟を後にして
 入那の都の刹帝利  セーラン王の一行は
 栗毛の駒に跨りて  狼吼える山路を
 岩の根木の根ふみさくみ  凩荒ぶ野路を越え
 蹄の音も勇ましく  音に名高き照山
 峠の麓に到着し  馬上豊に歌ひつつ
 都をさして進みゆく。
 セーラン王は馬上静に歌ふ。
『父の命の後をつぎ  心の暗き吾身魂
 入那の国の王となり  徳望欠けたる所より
 部下の統率誤りつ  遂には右守の司をして
 邪神の群におとしける  われは尊きバラモンの
 神の教を受けつぎて  朝な夕な国民に
 誠の模範を示すべき  尊き職に在りながら
 神の恵を軽んじつ  知らず識らずに慢心の
 雲立昇り村肝の  心は暗に迷ひけり
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましまして
 心に千花百花の  香る時こそ北光の
 神の恵に助けられ  水も漏らさぬ御教に
 漸く晴れし胸の闇  空に日月輝きて
 晴れわたりたる胸の空  秋野を飾る黄金の
 姫命の功績は  清照姫と輝きぬ
 神が表に現はれて  善神邪神を立別ける
 尊き稜威の御教  悟りし上はセーランの
 神の司も潔く  前非を悔いて天地に
 誠一つの三五の  善言美行を励みつつ
 神の司の天職を  完全に委曲に顕現し
 此世の鑑となりぬべし  ヤスダラ姫よ竜雲よ
 神は汝と倶にあり  神の大道に任す身は
 如何に大黒主の神  神変不思議の神力を
 現はし来り入那城  蹂躙せむといらつとも
 何か恐れむ敷島の  大和心のある限り
 必ず神は吾々を  安きに救ひ給ふべし
 人は神の子神の宮  天地を開く経綸に
 仕ふる身ぞと知る上は  骨を粉にし身を砕き
 神の御為世の為に  互に心を合せあひ
 力を一つに固めつつ  大慈大悲の神恩に
 酬いまつれよ諸共に  照山峠の坂路は
 いかに峻しくあるとても  心の駒の脚並みの
 揃ひし上は光栄の  遂には都に進む如
 如何なる事も成りとげむ  進めよ進めいざ進め
 誠の道を踏みしめて  勝利の都に逸早く
 進めよ進めいざ進め  神の教を力とし
 誠の道を杖として  心の駒の勇ましく
 上りつ下りつ村肝の  心は最早秋の空
 恩頼は目のあたり  輝き初めて春の野の
 百花千花咲き出づる  嬉しき思ひに充たされぬ
 誠の道に進む身は  いかなる曲も夏草の
 上に滴る露の玉  朝日に消ゆる其如く
 亡び失せむは目のあたり  勇めよ勇め諸共に
 前途多望の神司  身の行末ぞ頼もしき
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましませよ』
 ヤスダラ姫はセーラン王の後について、声も静かに馬上ながら歌ひ進む。
『入那の国の刹帝利  セーラン王の家筋に
 生れ合ひたる吾こそは  親と親との許嫁
 セーラン王の妃となりて  入那の国を永久に
 守らむものと朝夕に  神に願ひを掛巻も
 畏き神の御心に  反きしものかゆくりなく
 テルマン国に追ひやられ  素性卑しき毘舎の家
 シヤールの妻となり下り  面白からぬ月日をば
 歎きかこちつ暮しける  時こそあれや青天の
 霹靂胸をとどろかす  惨状吾身に迫りけり
 梵天帝釈自在天  神は此世にまさずやと
 吾身の不運を歎つ折  忠義に篤きリーダーが
 雨風烈しき真夜中に  吾とらはれし牢屋をば
 忠義の槌を打振りて  砕き毀ちて救ひ出し
 暗に紛れて荒野原  スタスタ進み来る折
 右守の司の捕手等に  前後左右を取りまかれ
 蓮の川の此方にて  いかがはせむと悩む折
 竜雲司に助けられ  又もやここに高照の
 深山の奥の岩窟に  危き身をば救はれて
 北光神の御教を  朝な夕なにかかぶりつ
 曇りし胸も晴れ渡り  迷ひの雲は払拭し
 真如の月日は心天に  強く輝き給ひけり
 あゝ惟神々々  悪魔のしげき世の中に
 かくも仁慈に富み給ふ  誠の神もいますかと
 感謝の涙川となり  沈みし胸も浮き立ちて
 救ひの舟に棹をさし  天国浄土の楽園に
 逍遥しける折もあれ  思ひがけなき刹帝利
 セーラン王の一行が  尋ね来ませる嬉しさよ
 絶えて久しき二柱  巡り会ひたる睦び言
 かはす間もなく北光の  神の司におごそかに
 教へられたる神嘉言  うなじに分けて両人は
 感謝の涙払ひつつ  駒に跨り岩窟を
 名残を惜みふり返り  馬上ゆたかに嵐吹く
 野路を踏み越えやうやうに  照山峠に来て見れば
 木々の梢の紅葉は  いつしか散りて淋しげに
 尾の上をわたる秋の風  淋しき山路も何となく
 君に従ひ登る身は  春めき渡り村肝の
 心は映ゆる春心地  神の教に導かれ
 進む吾こそ楽しけれ  入那の都に到りなば
 右守の司の御子とます  サマリー姫はさぞやさぞ
 吾身の姿を打眺め  心を悩ませ給ふべし
 あゝ惟神々々  如何なる事も天地の
 神の御旨に従ひて  恋の執着秋の野の
 木の葉の風に散る如く  サラリと清め睦じく
 姉妹と手を握つて  誠一つを立て通し
 三五教の神力を  現はしまつり入那国
 都の花と謳はれて  誉れを千代に伝ふべし
 あゝ惟神々々  大地の竜と名を負ひし
 清き白馬に跨りつ  誠を明かし奉る
 セーラン王よ聞し召せ  妾を包みし恋の雲
 瑞の御霊の吹き送る  科戸の風に払はれて
 塵もとめなくなりにける  あゝ惟神々々
 吾等の身魂に皇神は  清く涼しく宿りまし
 汚れ果てたる吾身をば  雄々しく照らさせ給ひけり
 進めよ進めいざ進め  誠の道を只管に
 心の限り進みゆけ  勝利の都も近づきぬ
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましませよ
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  誠一つは世を救ふ
 誠の道を踏みしめて  玉の御柱立直し
 天地の花と謳はれて  豊けき誠の実りをば
 枝もたわわに結びつつ  今迄もつれし心をば
 ときさばき行く奇魂  曽富戸の神の幸ひに
 進むわれこそ雄々しけれ  あゝ惟神々々
 御霊幸はへましませよ』
 道は益々急坂となり、鞍上最も注意を要すべき難路につき当つた。されど何れも乗馬の達人、鞍上人なく、鞍下馬なき有様にて、悠々として凩に面を吹かれながら英気に充ち、一行は単縦陣を張りつつ登るのであつた。竜雲は馬上豊かに歌ひ始めた。
『ハイハイハイハイ馬の奴  照山峠の急坂だ
 気を付け遊ばせ栗毛さま  顛倒致しちや堪らない
 ハイハイドウドウ ハイドウドウ  人世の旅は急坂を
 登るが如しと聞くからは  有為転変の世のさまを
 思ひ浮べてハイハイハイ  ゆかしさ胸に充ちわきぬ
 月の御国の首陀の家に  臍の緒おとした竜雲も
 天馬が空をかけるよな  思はぬ欲望に駆使されて
 波間に浮ぶシロの島  神地の都の神司
 ハイハイ手綱をしめ直し  しつかりせなくちや危ないぞ
 サガレン王を放逐し  折柄起る風雲に
 乗じて天へ舞ひ昇り  心猿意馬は忽ちに
 狂ひ出してハイハイハイ  悪虐無道の張本と
 なりすましたる恐ろしさ  心に潜む鬼大蛇
 醜神どもの勢は  鬣振り立て急坂を
 越え行く駒のその如く  とめどもなくに味噌汁が
 ステツペンへと飛上り  意気揚々と雲の上
 ハイハイハイハイドウドウドウ  天の下をば睥睨し
 俺程運のよい者が  三千世界にあらうかと
 笑壺に入りし折もあれ  運命つきて北光の
 神の司に荒肝を  拉しがれ忽ち谷底へ
 顛落したるあさましさ  オツトドツコイ馬の奴
 道にさやりし岩角に  躓きやがつた確りせい
 膝を摧いちや堪らない  お前は俺の助け舟
 神の光に照らされて  改心致した其おかげ
 七千余国の月の国  何の障も荒野原
 巡りて進む神の道  ハイハイハイハイ シーシーシー
 セーラン王に従ひて  誠の道に入那城
 四方に輝く黄金姫  身魂も清照姫命
 あれます聖地へ進み行く  吾身の上ぞ楽しけれ
 あゝ惟神々々  神が表に現はれて
 善をば助け悪神を  誠の道にまつろはせ
 救はせ給ふ三五の  神こそ誠の世の柱
 心ねぢけた竜雲も  心の駒を立直し
 教も清く照山の  さしもに嶮しき坂路を
 栗毛の駒に助けられ  正しき人に従ひて
 旗鼓堂々と登りゆく  ハイハイハイハイハイドウドウ
 馬の合うたる人ばかり  一緒にゆくのが同道々
 いよいよ面白なつて来た  最早絶頂も近づいた
 峠の上で鹿毛さまよ  お前も一服するがよい
 重い男を背に乗せ  登る貴様もえらかろが
 乗つてる俺も楽でない  さはさりながら苦みの
 後にはキツト楽がくる  あゝ惟神々々
 人馬諸共神の山  登りつめたる暁は
 四方を見はらす世界晴  晴れて嬉しき胸の暗
 忽ち開く天国の  清き涼しき花園に
 進むわれこそ楽しけれ  あゝ惟神々々
 最早峠に着きました  王様一服致しませう
 ヤスダラ姫様、テームスよ  レーブよ、カルよ、一休み
 四足泡を吹き出した  これから先は下り坂
 世の立替が始まつて  上る身魂や下る魂
 行合ひかち合ひ騒がしく  入那の都の大空に
 一悶錯の起る前  縺れ果てたる小田巻の
 いとやすやすと治めませ  あゝ惟神々々
 御霊幸はへましませよ』
と歌ひ了り、馬をヒラリと飛び下り、傍の巌に腰を打かけ、息を休むるのであつた。セーラン王其他も竜雲の言葉に従ひ、馬背を飛び降り、人馬共に、暫し息を休むることとなつた。
(大正一一・一一・一四 旧九・二六 松村真澄録)
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