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文献名1霊界物語 第29巻 海洋万里 辰の巻
文献名2第1篇 玉石混来よみ(新仮名遣い)ぎょくせきこんらい
文献名3第1章 アリナの滝〔823〕よみ(新仮名遣い)ありなのたき
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-12-18 19:32:14
あらすじ黒姫が紛失した黄金の玉を探しに旅に出た鷹依姫、竜国別、テーリスタン、カーリンスは、四人連れとなって南米の高砂島へやってきた。テルの港に着いた一行は、道を南にとり、その昔狭依彦が三五教を開いた旧跡・アリナの滝の上流にある鏡の池の岩窟にやってきた。一行はそこに居を構え、鷹依姫は岩窟の奥に身を潜め、竜国別は岩窟の外に庵を結び、鏡の池の神勅だと偽って玉のありかを探る計画を立てた。テーリスタンとカーリンスを巡礼姿となして周辺の国に遣わし、鏡の池に月照彦神が現れて、玉を献上すれば厚い神徳が得られると触れて廻った。高砂島の住民は二人の宣伝を信じて、玉を持って鏡の池に列をなした。一年ほどで幾百もの玉が集まったが、一行が求める黄金の玉は見つからなかった。ヒルの国のアールという男は、先祖代々より秘蔵した黄金の玉を月照彦神に献上しようと、夜に日を継いでやってきた。鷹依姫ら四人は、岩窟のほとりで苦労話にふけっている。そこへアールの一行が黄金の玉献上との旗を押し立ててやってきたのを見て、鷹依姫は慌てて岩窟の奥に姿を隠した。竜国別以下は威儀を正して鏡の池の前に端座平伏した。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月11日(旧06月19日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年9月3日 愛善世界社版13頁 八幡書店版第5輯 469頁 修補版 校定版13頁 普及版6頁 初版 ページ備考
OBC rm2901
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本文
 千早振る遠き神代の其昔  支那、西蔵、印度の国
 三国に跨る青雲の  山に鎮まる八王神
 神の心も澄み渡る  神澄彦や八頭
 吾妻彦の神司  黄金の玉を黄金の
 宮に納めて玉守彦の  神の司に守らせし
 神世を造る珍宝  ウラルの彦に狙はれて
 遂に危くなりければ  玉守彦を始めとし
 朝日輝く吾妻彦  玉を御輿に納めつつ
 黄金山下に現れませる  埴安彦や三葉彦
 埴安姫の御許に  送り来りて暫くは
 宝の倉に納めつつ  時の至るを待つ間に
 黄金の玉は何時しかに  唸りを立てて竜門の
 玉と釜とに別れつつ  頻りに不思議のありければ
 埴安彦は神勅を  伺ひまつり桶伏の
 山に再び埋蔵し  朝な夕なに村肝の
 心を配り守り居る  時しもあれやバラモンの
 神の司の蜈蚣姫  いろいろ雑多と計略
 めぐらし遂に黄金の  珍の宝を盗み出し
 三国ケ岳の岩窟に  納めゐたるを三五の
 神の司の国依別や  玉治別の一行に
 玉の所在を嗅出され  再び玉は桶伏の
 山の麓に千木高く  築きあがりし綾錦
 貴の都に納まりて  三五教の神司
 高山彦の妻として  仕へ奉りし黒姫に
 玉の保管を命じつつ  言依別の大教主
 神の教を遠近に  伝へゐませる時もあれ
 日の出神の生宮と  自ら名乗る高姫や
 黒姫達の心意気  甚だ怪しくなりければ
 言依別は神前に  進みて祝詞を奏上し
 玉照彦や玉照姫の  珍の命の手を通ふし
 国治立の御前に  請ひのみまつり伺へば
 『高姫、黒姫両人の  心の空は定まらず
 又もや玉を呑み込みて  ウラナイ教を恢復し
 此世を紊す虞あり  言依別は今の間に
 金剛不壊の如意宝珠  紫色の宝玉や
 黄金の玉を取出し  私かに隠しおくべし』と
 いと厳かに宣り玉ふ。  言依別は意を決し
 高姫、黒姫両人が  生命の綱と朝夕に
 頼みて守る神宝を  神の神言に従ひて
 何時の間にかは取出し  錦の宮の奥深く
 納めおきしと知らずして  松の根元に黒姫は
 夜な夜な通ひて玉の番  隠せし場所の何となく
 心にかかり黒姫は  ソツと唐櫃を押開けて
 中をつくづく眺むれば  金光眩き宝玉は
 空しく消えて玉無しの  唐櫃の姿に仰天し
 四尾の峰の山麓に  薄き氷の張り詰めし
 小池にザンブと飛込みて  生命を棄てむとなしけるが
 窺ひ寄つたる従僕の  テーリスタンやカーリンス
 バサリと聞えた水音に  コリヤ大変と玉の緒
 生命を的に厳寒の  空をも厭はず池中に
 飛び込み水底かひくぐり  黒姫司を救ひあげ
 やうやう館に連れ帰り  生命を助けた黒姫に
 無理難題を浴びせられ  困り入つたる折柄に
 高姫司の耳に入り  竜国別や鷹依姫の
 神の司を始めとし  テーリスタンやカーリンス
 黒姫五人に打向ひ  『黄金の玉の所在をば
 どこどこまでも捜し出し  錦の宮に持帰り
 其責任を果す迄  再び聖地に帰るな』と
 いとも厳しき命令に  涙を呑んで五人連れ
 高山彦や黒姫は  大海原に漂へる
 一つ島なる竜宮へ  玉の所在を探らむと
 出で行く後に鷹依姫の  神の司は竜国別の
 神の命やテー、カーの  三人を伴ひ高砂の
 テルの港に安着し  南を指して進み行く。
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ。
 黒姫は私かに高山彦を伴ひ、竜宮の一つ島に黄金の玉の所在を探らむと、聖地を後に出で行きたることは、既に如意宝珠(酉の巻)に述べた通りである。
 又テーリスタンやカーリンスは亜弗利加の筑紫洲へ、玉の所在を探すべく決心して、聖地を出発したるが、途中にてつくづく考ふるに、広袤数千里の筑紫の島に、一人や二人出かけた所で、雲を掴むよりも便りなき話と俄に心機一転し、鷹依姫、竜国別の後に従ひ、一行四人、運を天に任して、南米(高砂島)へ玉の所在を探らむと、数百日の間、海上をさまよひ、大小無数の島々を、残る隈なく探索し、漸くにしてテルの港に安着し、夫より一行四人は路を南に取り、昔猿世彦が狭依彦神となりて、三五教を開きたる旧跡、蛸取村の山奥、アリナの滝の上流、鏡の池の岩窟に巣を構へ、鷹依姫は岩窟の中に深く潜みて姿を隠し、竜国別は岩窟の外に庵を結び、日夜鏡の池の神勅を請うと称し、玉の所在を居乍らにして探るべく計画を立てたりける。
 其方法はテーリスタンやカーリンスをテルの国や珍の国、ヒルの国、ハルまでも巡礼姿となつて巡回せしめ、……此度テルの国の鏡の池の岩窟に月照彦神現はれ給ひ、如何なる玉にても鏡の池に献上する者は、富貴を与へ長寿を守り、盗難、風難、水難、火難、剣の難まで免れしめ玉ふ。何人に依らず、玉を所持する人は一日も早く、アリナの滝の鏡の池に持参せば、福徳円満、子孫長久の基を開き、遂には天下の覇権を握る神徳を与へらるべし。特に黄金色の玉は、最も大神の喜び給ふ所なり……と両人は東西南北に手分けして宣伝に廻つた。
 比較的質朴なる高砂島の人間は、テー、カーの宣伝を真に受け、玉らしき物は、先を争うて、遠き山坂を越え、遥々とアリナの滝の上流、鏡の池に持参し、神徳を蒙らむと参来集ふ者踵を接した。幾百とも知れぬ玉は一年ならずして集まつた。され共何れも珍らしき石の玉や、丸き団子石玉にて鷹依姫や竜国別の尋ね求むる黄金の玉は一つも集まらざりける。
 時にヒルの国のアールと云ふ男、先祖代々より、神宝として秘蔵したる黄金色の玉を取出し、恭しく柳筥に納め、美はしき御輿を造り、里人に担がせ乍ら、数十旒の旗を押立て、法螺貝を吹き、磬盤を叩き、横笛、縦笛等にて、長き道中をねり歩き乍ら、アリナの滝の月照彦神に献上せむと、夜を日についで長途の旅をつづけ、漸く蛸取村に安着し、茲に暫し止まつて、七日七夜の御禊をなし、改めて祭服を着し、鏡の池に献上することとなりける。
 テーリスタン、カーリンスは一わたり、高砂島の目星き地点を宣伝し終り、漸くアリナの滝に帰つて、竜国別、鷹依姫と共に、黄金の玉の集まり来ることを、指折り数へて待ちつつありき。
 又鷹依姫は岩窟の奥深く身を忍び、竹筒を口に当て、ド拍子の抜けた声にて神示を伝へる生神様となり、竜国別は神勅を伺ふ審神者の職を勤め、国人をうまく誤魔化し、玉の収集に全力を尽してゐたり。
 今日は朝から何人も来さうにないので、鷹依姫も気を許し、竜国別、テーリスタン、カーリンスと鏡の池の傍の庵に集まり、懇談会を開きゐたり。
鷹依姫『わしも年がよつてから聖地を離れ、はるばるとこんな遠いテルの国までやつて来て、窮屈な岩窟の中に身をかくし、虫には咬まれ、蟹には脛を挟まれ、いろいろと辛抱して、歯の抜けた口を無理にすぼめて、こんな重たい竹筒を吹かされ、丸つきり野師の様な所作をして、玉集めをせなきやならぬと思へば、いくら神界の為、世界の為とは言へ、情無うなつてきた。玉は山の如くに集まつたけれども、一つも黄金の玉は出て来ず、団子石に毛の生えた様な、ヤクザ石ばつかりで、目的の宝玉は一つも集まらず、……あゝヤツパリ此島には、黄金の玉は来て居らぬと見えまするワイ。わしも何時迄もこんな窮屈な真似は叶ひませぬから、一つ代つて貰つて、わしは外へ出て働かして貰はう。モ一度宣伝して見たら、集まつて来るかも知れぬ。人間は欲の皮が厚いから、黄金の登り竜、下り竜の現はれた、あのお宝は、有つても容易に手放しするものではない。それには一つ宣伝の方法を替へて、出す様に致さねばなりますまい。中には随分珍しい玉も集つてゐるが、どうも神政成就のお宝に比べては雲泥の相違だ。アヽすまじきものは宮仕へだ』
と太い息を漏して首を傾け、グニヤリとなる。
竜国別『お母アさま、お歎きは御尤もなれど、これ丈玉の多い高砂島、初まりは団子石の様な玉計り集まつて居つたが、段々と数は減つて来た代りに、一日々々立派な玉が此通り集まつて来ることを思へば、モウ暫く此処で御辛抱下さいませ。私が中へ這入つて、あなたは外で審神者の役をして貰ふのは易いことですが、何程竹筒を通して物を言つても、竜国別の声は熱心な信者が能く聞分けるであらうし、又今迄姿を見せた事のない、年寄りのお前さまが審神者となり、此竜国別の姿が見えなくなつたら、それこそ疑の種を播き、千仭の功を一簣に虧く様な事が出来ても詰りませぬから、モウ暫くの所、何程御窮屈でも御辛抱下さいませ。大蛇や猛獣の猛び狂ふ此山国や、大沙漠を渡る事を思へば、何程窮屈でも、穴の中で涼しい目をして、辛抱して下さる方が何程能いか分りませぬ』
鷹依『アヽそんなら、お前の言ふ通り、モウ暫く辛抱致して見ようかなア』
竜国『どうぞ御苦労ですが、暫く、さうして居つて下さいませ。キツト前途有望だと信じますから……。オイ、テーリスタン、お前も永々と御苦労だつたが、随分宣伝に骨が折れただらうなア。……カーリンス、お前も中々の骨折だつた。お前の往つた方も、テーの行つた方も、余程よく宣伝が行き渡つたと見えて随分、珍の国や、ヒルの国、カルの国あたりから、種々の玉を供へに来たよ。まだ一人も出て来ぬのは、ハルの国だ。ヒヨツとしたらハルの国にあるかも知れない。併しあの国はブラジル山と云ふ大きな山があり、アマゾン河と云ふ広大な流れがあつたり、大沙漠もあるから、何程熱心な者だとて、一寸此処までワザワザ玉を納めに来るものはなからう、モウ一寸辛抱しても来なかつたら、ハルの国へ宿替へして、モウ一芝居打たうぢやないか』
テー『さうですな、随分山の如く玉が集つて来ましたが、世の中には欲呆けや、迷信家が沢山あると見えますわい。アハヽヽヽ』
カー『身魂相応の玉を持つて来ると見えて、随分ヤクザ玉ばかり集つたものだ。高姫玉や黒姫玉、高山玉に杓子のお玉、狸の睾丸、瓢六玉、団子玉などは沢山集まつて来たが、肝腎の黄金の玉はまだ根つからお出で遊ばさぬ。何程毎日、あゝ惟神御玉幸はひましませ……とか、玉ちはひませ……とか云つて拝んでも、根つから神様は肝腎の御性念玉を集めては下さらず、わしも肝玉がひしげる様な恐い目にあうたり、睾丸が縮み上がる様な苦労をして、随分頭の脳味噌を絞つて見たが、タマで目的の黄金玉は集まり来らず、玉々黄色い色がして居ると思へば、土玉で、少しひねくつてをると砕けて了ふ様なフヌケ玉許り、これ丈苦労艱難しても玉の悪い奴許りより集つて来ぬかと思へば、わしも癇癪玉が破裂しさうだ。本当に遠い山坂や谷川を駆けめぐり、こんな張合のない事では、たまらぬぢやありませぬか。なア竜国別さま』
竜国『さう気投げをせずに、モウちつと辛抱して呉れ。チツとは結構なことが出て来るよ。黄金の玉を手に入れるが最後、俺達は聖地へ帰り、高姫の頑固者に頭を下げさせ、アツと云はして、天晴三五教の柱石となり、巾を利かして大神業に参加するのを楽みに、モウ暫く忍耐して、モウ一働き働いて呉れ』
カー『忍耐は幸福の母、鷹依姫は竜国別の母、瑞の御霊は世界の母だ。……母に別れて幼子が、遠き山路を打渉り、艱難して此処まで尋ね来たものを、聞えませぬと取り付いて、涙先立つ恨み声、チンチリチンぢや』
テー『コリヤコリヤ、そんな気楽な事所かい。チツと確りと智慧をめぐらし、モウ一活動やらねばならぬ、肝腎要の性念場だぞ』
 斯く云ふ折しも、俄に聞ゆる縦笛、横笛、法螺貝、磬盤を叩く音頻りに聞え、『黄金の玉献上』と云ふ旗幾十となく木の間に見えつ隠れつ、翩翻として谷風に吹かれ乍ら登つて来る。
 鷹依姫は竹筒を右手に握つたまま、慌だしく岩窟内に姿を隠した。竜国別は威儀を正して鏡の池の前に端坐し、両手を合せて天津祝詞を奏上してゐる。テー、カー両人は行儀よく竜国別の後に平伏して一生懸命に鏡の池を拝み居る。
(大正一一・八・一一 旧六・一九 松村真澄録)
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