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文献名1霊界物語 第62巻 山河草木 丑の巻
文献名2第6篇 聖地の花よみ(新仮名遣い)せいちのはな
文献名3第32章 神殿〔1607〕よみ(新仮名遣い)しんでん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年05月16日(旧04月1日) 口述場所竜宮館 筆録者隆光 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年10月16日 愛善世界社版374頁 八幡書店版第11輯 253頁 修補版 校定版408頁 普及版61頁 初版 ページ備考
OBC rm6232
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本文
  第五六二

    一

 高山に雲湧き立ちて天津日の
  影もかすかになりにけるかな。

    二

 東の峰をわけつつ昇り来る
  月の姿の大きく見ゆるも。

    三

 いつ迄も日はわが上に輝かじ
  やがて傾く夕暮の空。

    四

 大空の星の光を押しかくし
  輝き渡る天津日の神。

    五

 天津日の光の西に沈みてゆ
  星の真砂は輝き初めぬ。

  第五六三

    一

 星影もまばらになりぬ秋の夜の
  清けき月の昇りましてゆ。

    二

 半開の花も嵐にたたかれて
  もろく散り行く浮世なりけり。

    三

 現し世の恵の神のまさずあれば
  人の命の如何であるべき。

    四

 限りなき玉の命の真清水を
  恵ませたまふ瑞の大神。

    五

 永久に朽ちず亡びぬ玉の緒の
  命賜ひし元津祖神。

  第五六四

    一

 鳩の棲む桶伏山の木の間より
  夜は明けにけり霞晴れけり。

    二

 山々に数多啼けども時鳥
  その諸声は空音なりけり。

    三

 奥津城の山に咲きぬる女郎花
  露の涙に打萎れつつ。

    四

 奥津城の松の梢は緑して
  常世の春を迎へ顔なる。

    五

 奥津城の紅葉の色の紅は
  教御祖の御心なるらむ。

  第五六五

    一

 玉の身をかくしまつりし奥津城を
  醜の獣の穿つ御代かな。

    二

 奥津城は幾度となく穢されぬ
  深き経綸のおはすなるらむ。

    三

 世にありて仇に攻められ死りては
  又もや獣に呪はれ玉ひぬ。

    四

 鳥獣虫族までも救ひ行く
  厳の御霊は安くますらむ。

    五

 奥津城の御庭の広く清けきは
  教御祖の心なるかも。

  第五六六

    一

 時鳥のみか諸鳥夜な夜なに
  来りて教祖の奥津城守る。

    二

 白雲の遠き国より尋ね来て
  教祖が奥津城拝み泣くなり。

    三

 おさへられ足に踏まれて水袋
  いや益々も固くなりぬる。

    四

 瑞御霊中に充たせし水袋
  押へよ踏めよ力限りに。

    五

 奥津城の御空を高く照る月は
  露の涙を夜な夜な降らせり。

  第五六七の一

    一

 諸々の去りにし教子は喜びて
  露おくつきの庭に遊びつ。

    二

 天王平常磐の森に八百万
  神集ひしてはかり玉はむ。

    三

 大方の春の哀れは鶯の
  啼く音にまさるものなかりけり。

    四

 奥津城に来啼く鶯声嗄れて
  また啼き渡る時鳥かな。

    五

 村雀露おくつきの塚の前に
  伊寄り集ひて太祝詞宣る。

  第五六七の二

    一

 荒されし厳の御墓も神直日
  国直霊主の深き神心。

    二

 奥津城を慕ひて詣る信徒の
  心に悲しき五月雨の降る。

    三

 奥津城の空晴れ渡り日は照れど
  音なき時雨に袖は濡れつつ。

    四

 嬉しさと悲しみの雲行き交ひて
  心の空の月は曇りぬ。

    五

 奥つきの神は表に現はれて
  開き玉はむ五六七の御世を。
(大正一二・五・一六 旧四・一 於竜宮館 隆光録)
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