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文献名1霊界物語 第64巻上 山河草木 卯の巻上
文献名2第1篇 日下開山よみ(新仮名遣い)ひのしたかいさん
文献名3第2章 宣伝使〔1631〕よみ(新仮名遣い)せんでんし
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-05-24 10:18:02
あらすじ
主な人物ブラバーサ、バハーウラー 舞台エルサレムへ向かう列車の中 口述日1923(大正12)年07月10日(旧05月27日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年10月16日 愛善世界社版17頁 八幡書店版第11輯 383頁 修補版 校定版17頁 普及版 初版 ページ備考
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本文の文字数7733
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本文  カンタラ駅からスエズ運河を横ぎつて、エルサレム行の軍用列車に乗り込みし一人の東洋人ありき。汽車は茫々たる大砂漠の真中を一瀉千里の勢で馳走して居る。窓外は、森林も田畑も、河川も村落も人の影さへも、眼に入らない寂寥さである。所々に小屋の様な、殺風景な停車場が黙々として建つて居る。シナイ山は遥の遠方にボンヤリと霞んでゐる。ユデヤの高地に掛つたと見えて、丘が刻々に急勾配になつて、橄欖の樹が窓外に追々と見えて来る。四十歳前後の、一人の眼のクルリとした色の浅黒い、何処ともなしに凛々しい東洋人らしき宣伝使は、高砂島から派遣されて数十日間の海洋を渡り、メシヤ再臨の先駆として神の命により遥々出て来たルートバハーの教主ウヅンバラ・チヤンダーに先だつて来た、ブラバーサと云ふ紳士なり。
 ブラバーサは世界各国の言語にも通じ、且つ近来流行のエスペラント語にも精通し居たり。それ故特にルートバハーの宣伝使として抜擢され、万里の海洋を打渡り、異域の空に聖跡を尋ねてメシヤ再臨の先鋒として赴任したのである。このブラバーサには郷国高砂島に一人の妻と一人の愛娘が残つて居る。ブラバーサは窓外の際限もなく広く展開せる砂漠を眺めて、聖者の古の事蹟を思ひ浮べ、感慨無量の体で吐息を漏らし居たり。
 隣席に控えてシガーを燻らして居た白髪の老紳士は、ブラバーサの傍近く寄つて、さも馴々しげに握手を求めた。ブラバーサは海洋万里の不見不識の国で同じ車上に於て握手を求められたのは実に意外の歓びに打たれざるを得なかつた。ブラバーサは直に立つて老紳士と握手を交へた一刹那、百年の知己に逢つた様な懐しさを覚えた。
 老紳士は馴れ馴れしく、
『私はバハイ教のバハーウラーと申すものですが、メシヤの再臨の近づきし事を神様より承り、老躯を提げて常世国から今日漸と茲まで無事到着致しました。貴師は何れより御越しで御座いますか。一寸拝顔しただけでも普通の御人とは見えませぬ。聖者と御見受いたしますが、御差支なくば御話しを願ひたいものですなア』
『ハイ有難う御座います。私も貴師の様な聖者に、異域の空で而も同じ車中に御眼にかかり、互に御道の談を交換さして致だくのは望外の幸ひで御座います。実は私は高砂島の中心地点に宮柱太敷立てて鎮まりたまふ、大国治立大神の御許に仕へ奉るプロパガンディストで、ブラバーサと申すもので御座いますが、暫くエルサレムの霊気に触れ、神界の御経綸の一端に奉仕いたしたきものと神命のまにまに遥々出向致しましたものです。何分宗教や信仰には、国籍や人種別などの忌はしき障壁は御座いませぬから、何卒同胞として親交を願ひます』
『イヤ、お互様に御懇親を願ひませう。私は現代の宗教家の態度に飽き足らない一人で御座います。同じ太陽の光の下に生育する吾々人類は、何処までも神様の最愛の御子として、相愛し相助け合つて行かねばなりませぬ。そして凡ての迷信から脱離した宗教、過去の死神死仏は言ふ迄も無く、黴の生えた形式から解放された宗教、宗派根性を超越した真善美愛に徹底した宗教、種々の伝説や附会や迷信を交へた上に紛雑した教理と註訳に織込まれた曼陀羅的の教典から離脱した宗教、名実一致、霊肉一体、神人合一、聖凡不二を実現した宗教、其時代に必要あつて起れる教祖を以て唯一の救世主となし、教祖の教示を万世不易の聖言となす偏狭固陋なる牢獄的信仰の束縛を解いて、万聖の大集会即ち≪世界の国会開き≫を出現せしむる宏大無辺の宗教、一夫一婦の大道を明示した宗教、世間と出世間の障壁を除却して、真に一実在の生ける道を教ふる宗教、善と悪、信者と不信者、救済と罪悪、天界と地獄とを区別して争論の種を蒔く狭隘な宗教から脱却して、心底から親愛の目的として凡ての人類を見る所の真の救世の宗教、国語、労働、国際等の問題、学術と宗教との問題等一切を解決し、世界人類をして平等に光明世界の住民たらしむる権威ある宗教の必要に迫られて、数十年間あらゆる迫害や艱苦と戦つて来たもので御座いますから、貴師もルートバハーの神使として聖地へ御出張遊ばした以上は、互に神の子の兄弟として相提携し、万国の民を天界に救ふため、持ちつ持たれつの親交を願ひたきものです』
『バハーウラー様、只今貴師の御言葉には実に感服いたしました。私が奉ずるルートバハーも、その主義精神に於て寸毫の相違点をも見出す事が出来ませぬ。高砂島に於けるルートバハーの教と、貴教とは東西符節を合する如くで御座いますよ。何うか今後は姉妹教として永遠の親交をお願ひいたしたく存じます』
『何卒よろしく御願ひいたします。時にブラバーサ様、現今世界の有様は如何でせう。吾々人類のために、天の神様より懲戒的大鉄槌を下される様な形勢になつて来たぢや在りませぬか』
『昨日も船中でロンドンタイムスを読んで見ましたが、其中に吾々としては依然として落着いて居られない様な記事が載つて居ましたよ。ルートバハーの教と全然同一でしたワ』
『ドンナ記事が載つて居ましたか』
『表題が二号活字で麗々しく「死んだ新聞王の霊が探偵小説家のコナン・ドイル氏に世界の大災厄が来ると云ふことを囁いた」と出て居りましたよ。今懐に持つて居りますから朗読いたしませう』
と云ひつつ、懐より細かく折つた新聞を取り出し、押し開いて、
『目下米国にあるコナン・ドイル氏は、三十一日、桑港に於て左の奇抜な発表をなした。曰く「新聞王故ノース・クリフ卿の霊が余に囁くに、「汝等の生存中この世界に一大災厄が来る。若し人間が霊的に改造されて、この災厄を除かなければ、千九百十四年の世界大戦よりも更に恐ろしい運命に陥る」一体○国人は余り齷齪し過ぎる。余も生存中同様の誤謬を敢てしたが、物質的進歩の競争のため、人間の智慮は滅び遂に災厄が来るものであると云ふことを初めて理解するに至つたと、ドイル氏は全く真剣に真面目に右の言明をして居る』云々
と読み了り、
『吾々の信仰いたしますルートバハーも亦同様の神示を三十年以前から主張して来ましたが、物質的研究にのみ焦心して居る世界の学者も、其他の同胞も容易に信じて呉れないのみか、流言浮説をなして人を誑惑するものだと言つて聖主を始め信者は所在社会上下の圧迫を受けて来ました。聖主の教にも、右同様に人心の悪化は宇宙に邪気を発生し、遂には地異天変を招来するものだと説かれてあります。天地が今に覆るぞよ。吃驚箱が開くぞよ。脚下から鳥が飛つぞよ。霊魂を研いて改心致して下されよ。神は世界の人民は皆最愛の我子であるから、一人なりとも助けてやり度いのが胸一杯であるから、永らく予言者の口と手に由りて世界の人民に気を付けて居るなれど、余り今の人民は科学に凝り固まりて神の申す真誠の教が耳に這入らぬので、神も大変に心を砕いて居るぞよと仰せられて居ます』
『如何にも、真に結構な御神示ですなア。それに寸毫の間違ひも御座いますまい。私も神示によつて、貴師の御説と同様のことを承はりましたので、バハイ教を開いて世界の同胞に警告を与へて居るのです。最早メシヤの再臨も余り長くは有りますまい』
『左様です。メシヤの再臨は世界の九分九厘に成つて、此エルサレムの橄欖山上に出現されることと確信いたして居ります。既にメシヤは高砂島の桶伏山麓に再誕されて居りますよ。再誕と再臨とは少しく意義が違ひますからなア』
『救世主が最早再誕されたと仰有るのですか。大聖主メシヤたる可き神格者には九箇の大資格が必要ですが、左様な神格者は容易に得られますまい。先づ第一に、
一、大聖主は世界人類の教育者たること
二、其教義は世界的にして人類に教化を齎すもの成ること
三、其智識は後天的のものに非ずして自湧的にして自在なる可きこと
四、彼は所在賢哲の疑問に明答を与へ、世界の所在問題を決定し、而して迫害と苦痛を甘受す可きものなること
五、彼は歓喜の給与者にして、幸福の王国の報導者なる可きこと
六、彼の智識は無窮にして、理解し得べきものなる可きこと
七、其言説は徹底し、其威力は最悪なる敵をも折伏するに足るの人格者なる可きこと
八、悲しみと厄難は、以て彼を悩ますに足らず、その勇気と裁断は神明の如く、而して彼は日々に堅実を加へ、熱烈の度を増可きこと
九、彼は世界共通の文明の完成者、所在宗教の統一者にして、世界平和の確定と世界人類の最も崇高卓絶したる道徳の体現をなす可き人格を有すること 以上
「爾等が此等の条件を具備したる人格者を世に求むる時には、初めて彼によつて嚮導をうけ光照を被るを得む」と吾バハーの聖主アブデユル・バハーは仰有いました。果して右九箇の大資格を備へた聖主が再誕されて在るとすれば、吾々は実に至幸至福の身の上で御座います。併し人各信仰に異同のあるものですから、私はアブデユル・バハーこそ大聖主と信じて居るものであります』
『成程大聖主はアブデユル・バハー様でせうが、最早現界に生存遊ばさない上は、如何に九箇の大資格を備へたまふとも、今や来らむとする世界の救済事業に対しては、御手の下し様がありますまい。勿論聖主の教を汲みて、後の弟子達が完成さるれば兎も角もですが』
『貴師の仰有るメシヤの平素の言心行について、一応御話を承はり度いものですな』
『先に貴師は九箇の大資格を羅列して説明下さいましたが、其大資格者に私は朝夕接従して居りましたから、大略申し上げて見ませう。虚構も誇張も方便も有りませぬから、そのおつもりでお聞きを願ひます』
 バハーウラーは襟を正し、さも謹厳な態度で、ブラバーサの談話を耳を傾けて聞き初めた。
 汽車は早くもユデヤの高丘を足重たげに刻みて上り行く。
『私のメシヤと云ふ人格者は目下高砂島の下津岩根に諸種の準備を整へて居られます。そして其名はウヅンバラ・チヤンダーと謂つて、実に慈悲博愛の権化とも称すべき神格者です。世界人類に対して、必須の教育を最も平易に懇切に、施し玉ひつつあるのです。故に宗教家も教育家も、政治家も、経済学者も、天地文学者も軍人も職工も農夫も皆訪ね来つてそれ相応の教を受け、歓んでその机下に蝟集して居ます。如何なる難問にも当意即妙な答を与へられ、何れも満足して居ります。是が只今貴師の仰せられた第一の資格たる
「大聖主は世界人類の教育者たるべきこと」の条項に匹敵するやうに思ひます』
『成程御尤もです』
と頭を三ツ四ツ振つてうつむく。
『ツルク大聖主が伊都の御魂と顕はれ玉ふて、三千大千世界一度に開く梅の花の大獅子吼を遊ばしましたが、此御方は約りヨハネの再臨だと信じられて居られます。そして基督とも謂ふべき美都の御魂の神柱、ウヅンバラ・チヤンダーと云ふ聖主が現はれて、世界的の大教義を宣布し、凡ての人類に教化を与へたまひ、今や高砂島は言ふに及ばず、海外の諸国から各種の宗教団体の教主や代表者が、聖主を世界の救世主と仰いで参り、其教義の公明正大にして且つ公平無私なるに感化され、日に月に笈を負ふてその門下に集まつて来て居ります。今貴師の仰せになつた第二の大資格たる
「その教義は世界的にして人類に教化を齎す可きものなること」の条項に合致するものでは有りますまいか』
『御尤もです。第三の資格に合致した点の御説明を願ひます』
『我聖主ウヅンバラ・チヤンダー様は、小学校へ通ふこと僅かに三年で、しかも世界智識の宝庫とまで言はるる程の智識を有し玉ひ、天地万有一切の物に対して深遠なる理解を有し、三世を洞観し、天界地獄の由来より過去現在未来に渉りて、如何なる質問にも尠しも遅滞せず即答を与へ、且つ苦集滅道を説き道法礼節を開示し、泉の如く淆々として湧出するその智識には、如何なる反対者と雖も感服して居りますよ。天文に地文に、政治に宗教に、道徳に芸術に、医学に暦法に、詩歌に文筆に演説等、何れも自湧的に無限に其真を顕はし得ると云ふ稀代の神人であります。幼時より八ツ耳、神童又は地獄耳などの仇名を取つて居た方ですからなア。今も猶、神政成就の神策に関する神秘的神示を昼夜執筆されつつあります。世界各国の国語と雖も、未だ一度も学んだ事の無いお方が、凡ての国の言語が習はずして口から出て来るのですから、吾々はどうしても凡人だとは思ひませぬ。何人も聖主を指して生神だ生宮だと崇めて居りますよ。所謂貴師の仰せに成つた
「その智識は後天的のものに非ずして、自湧的なる可きこと」に合致するぢやありませぬか』
『ヘエー、何と不思議な方ですな。それこそ真正の大聖主メシヤですな』
『それから瑞の御魂の聖主は、あらゆる賢人哲人の疑問に対し、即答を与へて徹底的に満足せしめ、且つ世界に所在種々の大問題に対し決定を与へ、種々雑多の迫害と苦痛を甘受し、常に平然として心魂にも止めず、部下の罪科を一身に負担して泰然自若、日夜感謝の生涯を送つて居られるのです。如何なる迫害も苦痛も聖主に対しては、暴威を振ふ事は出来ないと見えます。是が第四の条件に匹敵せる大聖主の資格の一ではありますまいか』
『なる程感心いたしました。それから第五の条件は如何で御座いますか』
『聖主は実に歓喜の給与者とも云ふべきウーピーなお方です。如何なる憂愁の雲に閉されたる時にも、聖主の御側に在れば忽ち歓喜の心の花が開きます。そのお言葉を聞けば直ちに天国の福音を聞く如く、楽園に遊ぶが如く、何事も一切万事忘却し、歓喜の情に溢れ、病人は忽ち病癒え、失望落胆の淵に沈むものは希望と栄光に充たされ、一刻と雖も御側を離るる事が出来ない様な気分になつて了ひます。又身魂共に至幸至福の花園に遊び、天国を吾身内に建設する様になつて了ひます。実に仁慈と栄光との権化とも云ふべき神人で御座いますよ。斯くてこそ三千世界の救世主だと思ひます。次に第六の資格としては、聖主の深遠宏大なる内分的智識です。その深遠なる智識に由つて、無限無窮に人類の身魂を活躍せしめ、老若男女智者愚者の区別なく、直に受け入るる事の出来る自湧の智識と言霊を用ゐて衆生を済度されます。それ故、一度聖主に面接し又はお言葉を聞いたものは、決して忘れる様な事はなく、且つ時々思ひ出して歓喜に酔ふのです。婦女や愚人にも理解し易く、且つ宏く深き真理を、平易に御開示下さいます。
 また第七の資格としては、過去現在未来に渉る一切万事の解説は、終始克く徹底し、前人未発の教義を極めて平易に簡単に了解し易く説示し、内外種々の反抗者や圧迫者に対しても、凡て大慈大悲の雅量と神直日大直日の神意に従ひ敵を愛して、終には敵をして心底より悦服せしめ、善言美詞の言霊を以て克く言向和し、春野を風の渡るが如くその眼前に来れるものは、一人も残らず善道に導きたまひ、自己に対して種々の妨害を加へ災厄を齎したる悪人に対しても、聊かの怨恨を含まず、貴賤老幼の別なく慈眼を以て見給ふ所は、第七の大資格に合致して居られる様に思ひます。
 また第八の資格として茲に申上げますれば、聖主は暗黒なる社会又は宗教方面より非常な圧迫を受け、終には今や八洲の川原の誓約の厄に逢ひ、千座の置戸を負はせられ、髭を根底よりむしられ、手足の生爪まで抜き取られ、血と涙とを以て五濁の世を洗ひつつ、あらゆる困苦と艱難に当つて益々勇気を振り起し、世界人類のために大活躍を昼夜間断なく続けられて居られます。又諸事物に対しては神明の如く明確なる裁断を下し、即座に解決を与へ、且つその信念は日に月に堅実を増し、熱烈の度を加へ、今や官海方面より強烈なる圧迫を受けつつ泰然自若として天下万民のために心力を傾注し、五六七神政の福音を口に筆に開示されつつあります。開闢以来深く閉されつつあつた神秘の門も、漸次聖主に由つて開放されつつあります。何れの世にも勝れたるものは、世界の圧迫を一度は受けるものですが、我聖主の如きは、十字架を負ひ玉ひし基督の贖罪にも優つた程の世の圧迫と疑惑と嘲罵とを浴せかけられて少しも撓まず屈せず、殆ど旅人の春の野を行く如き状態で身を処し、能く神の教に従つて忍耐されつつ居られます』
『どうも有難う。貴師のお談によつて私も大に心強さを感じました。何うか今一つ第九の資格に就いて、聖主の御行動に関する御説示を願ひます』
『聖主は人類愛善は言ふに及ばず、山河草木禽獣虫魚の端に至るまで博く愛し玉ふことは、平素の行動に由つて一般信者の崇敬感謝措く能はざる所です。凡ての宗教に対し該博なる観察力を以て深く真解を施し、生命を与へ、以て世界の宗教の美点を揚げ、抱擁帰一の大精神を以て対したまひますが故に、凡ての宗教家の白眉たる人士は雲の如く膝下に集まり、何れも皆満足をしてその教を乞ふて居ります。世界平和の確定と宗教の統一、世界共通的文明の建設者にして、最も卓絶したる真善美の道徳体現者だと信じます。やがて時来らば、天晴メシヤとして万人に仰がれ玉ふ時が来るであろうと、私共は固く信じて疑ひませぬ。アブデユル・バハー大聖主の再来か、その聖霊の再現か、何れにしても暗黒無明なる現社会の光明だと信じて止まないので御座います』
『いろいろと御懇切なる御説示に預かりまして、私も大に得る所が御座いました。どうやらエルサレムに着車した様ですから、茲で御別れ致しませう。私はパレスタインの或る高丘に、大聖主の後嗣が居られますので、一寸御訪ねいたし、再び橄欖山上にお目にかかり、結構なる御説示を蒙り度いと存じて居りますから、今後宜敷く御指導を願ひます。そして私はアメリカンコロニーへ訪問したいと思つて居ります』
『私も貴師と同道を願ひたいものですが、少しばかり神命を帯びて来て居りますので、先づ第一に橄欖山へ参り、神様の御都合に由つてアメリカンコロニーや貴師の御在所を御訪ねするかも知れませぬから、何分にも宜敷く御願申上げます』
と、茲に両人は又もや固き握手を交換し、互に車窓を急いでプラツトホームへ出たり。
    ○
 三千世界の人類や  禽獣虫魚に至るまで
 救ひの御船を差向けて  誠の教をさとし行く
 神幽現の大聖師  太白星の東天に
 閃く如く現はれぬ  一切万事救世の
 誠の智慧を胎蔵し  世間のあらゆる智者学者
 凡ての権威に超越し  迫害苦痛を一身に
 甘受し世界を助け行く  歓喜と平和を永遠に
 森羅万象に供給し  至幸至福の神恵の
 精神上の王国を  斯の土の上に建設し
 無限の仁慈を経となし  無窮の智識を緯として
 小人弱者の耳に克く  理解し易き明教を
 徹底的に唱導す  如何なる悪魔も言霊の
 威力に言向和しつつ  寄せ来る悲哀と災厄を
 少しも心に掛けずして  所信を飽くまで貫徹し
 裁制断割の道極め  神人和合の境に立ち
 悪魔の敵に会ふ毎に  心は益々堅実に
 信仰熱度を日に加へ  三千世界に共通の
 真の文明を完成し  世界雑多の宗教や
 凡ての教義を統一し  崇高至上の道徳を
 不言実行体現し  暗黒無道の社会をば
 神の教と神力に  照破し尽し天津日の
 光を四方に輝かす  仁慈の神の神業に
 奉仕するこそ世を救ふ  大神人の任務なれ
 あゝ惟神々々  御霊幸倍坐ませよ。
(大正一二・七・一〇 旧五・二七 加藤明子録)
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