文献名1出口王仁三郎全集 第2巻 宗教・教育編
文献名2【宗教編】第5篇 宗教と政治よみ(新仮名遣い)
文献名3第6章 蜻蛉の臀呫の真意義よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要蜻蛉(あきつ)の臀呫(となめ)
備考2023/10/05校正。
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データ最終更新日2024-03-11 06:27:37
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本文
日本人が日本国を讃美するのは、御国自慢の常性からであると云ふものがある。大日本国は天国の移写であるといへば、少し許り似て居たとて、直に移写とは早計だといふものがあるであらう。
日本国が天国の移写であると云ふ点は、大小一切の要件を具備して居るから云ふので、少し許りと謂ふ程度では毛頭ないのだ。請ふ何等かの方面に、其一致せざる点があるだらうか。問ひ糺すぺき問題である。
有名無実な現代の誤れる部分を、比較するは非法である。根本の国体、政体を比較せねば成らぬ。筧博士の古神道などは、この証明の一部を為して居るものである。
天地初発の時に於て、天地の父母の神は大地球国土を産みましたが、特に御心を傾けて産みたまふたのは、豊秋津洲(地球)であつたのである。
豊秋津洲に其核とも称すベき、同形小型の国が成立して居て、これを「根別」の国と謂うたのでる。実あれば核あるは、天地の通理である。核は新植物の素体なるも亦天地の玄妙なる通則である。(古事記参照)
豊秋津洲は地球である。而して根別の国は我大日本国である。大祓詞に豊葦原瑞穂国とあるは、豊秋津地球の別名で、大倭日高見とは根別日本国の別の名である。
豊秋津洲は地球の又の御名秋津根別は日の本の国
葦原の瑞穂の国は地球なり、我大日本は日高見の国
考証は幾多の紙面と、幾多の時日とを要するが故に、今は之を省くより仕方がない。省略の背後に幾多無量の研鑽的産物が蔵せられて居る事を記憶せられたいのである。
試みに世界地図を開いて、世界各国の地形と、日本国の地形とを比較研究して見よ。其の如何に類似し、其同一典型に出でたるかの俤を認むるに難からざることを。
世界の各大洲に、幾多の変遷があつたに相違ない。日本の地形にも幾多の変遷があつたのである。双方に幾多の変遷を重ねた大小の秋津洲は、今や其形容を甚だしく変化せしめては居るが、神誓神約の太古の趣は、髣髴として之を認めるに難からざる次第である。
○濠太利──四国 ○阿弗利加──九州 ○北亜米利加──北海道 O南亜米利加──台湾 ○亜細亜欧羅巴──本州
右の対照を地図の上に於て、仔細に精査したならば、思ひ半ばに過ぐるものがあるであらう。
神武天皇が、腋上の嗛間丘に登りまして国状を廻望し給ひ、
妍哉乎。国之獲矣。雖内木綿之真作国。猶如蜻蛉之臀呫焉。
と仰せられたのは、大小の秋津洲の環物状を為して、互に密接相対の関係のあるを示させ給うたのである。
日本は世界一、地の中枢である。文芸、宗教、教育、其他あらゆるものの枢府である。熱帯に枕し、寒帯に脚を延ばし、あらゆる気候、あらゆる土質風土の凝聚地である。即ち世界一切の小縮写である。否、世界万邦の中つ国として、万国統治の中府である。霊域である。この霊域、日本国の中府に天御柱アオウエイの父音なす金竜海が神示に因りて築かれたのである。名づけて大八洲と称し、世界の縮写とす。
木村鷹太郎氏の日本太古史は、地理歴史上から日本国の範囲の偉大なる事を考証して、頗る皇典の光を発揮した大学者であるが、大小秋津洲の関係を了知されないから、何時日本人が希臘方面から此土に来たかの証明に窮し、幾多の歳月と多量の黄金を以てせずば、知るの手段が見出せないと投出して居るのである。
若し木村氏の従来の儘の考へなれば、幾多の歳月と多量の黄金が在つても、トテモ駄目である。心気一転して、蜻蛉の臀呫の研究に向はねばならないのである。
地球は天球の縮図である。而して日本国は地球の縮図である。以上歴史が変遷して、大小の秋津洲が、今や相疎隔して何等の関係無く寧ろ仇讎の如き間柄を現はさないとも限らない有様ではあるが、ものは必ず其根本に立ち帰るベきものであれば、皇典古事記、大本の教の光が世に出て、日本国内の整理が充分に行はれて、本来の面目に復帰した時に、必ずや世界の大統一が実現して、天国本来の寂光土で此の世に発現すべき事何の疑なき次第である。
皇太祖大神の顕現し給ひて、神示を垂れさせ給ひ、言霊の稜威によりて、皇典大本の教発展の際にあらずむば、天国も浄土も斯土には降らぬのである。此際を弥勒の出世、松の世の出現、キリストの再生、荒木棟梁の御門参りと申すのである。
(大正七、五、一、神霊界誌)