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文献名1出口王仁三郎全集 第5巻 言霊解・其他
文献名2【随筆・其他】よみ(新仮名遣い)
文献名3日本語と国際語よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2018-07-16 19:24:57
ページ499 目次メモ
OBC B121805c231
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本文  神様が明治二十五年から御示しになつた御経綸は初段が開きまして愈々これから二段、三段が来らむとしてゐる時であります。ついてはこの初段、二段と云ふ時は最も入手の必要な時であつて、三段目になると大活動の時期になります。この初段、二段の時は総ての事の始まりを意味して居ります。
 大本の神様はもう四十年以来もお出ましになつて居りますが、愈々こゝ一二年前から御経綸実現の緒についたのであります、それでお筆先にお示しになつてゐる通りの御経綸が現れかけたならば、何もかも一時に出て来るのであります。軍事も外炎も亦政治、経済、何から何まで一時に出て来て目が舞ふ程忙しいと云ふ事が書いてありましたが、大本信者ぐらゐ忙しく神様に使はれる信者はないのであります。
 今まで既成宗教は全部坊主を初め信徒は居眠つて、戦争が何処にあるかと云つた様な顔をし、景気は何時になつたら立直るかと云つた様な事ばかり云つたり思つたりしてゐる。併し大本信者は神様から選まれて今度の御神業に参加するため招かれてゐる信者でありますから、外の宗教の信者より何倍も忙しいのであります。けれどもこの忙しいのが非常に結構なのでありまして、働けば働いた丈の実入りがあり、よい結果が出て来るのであります。じつとしてをつて棚からぼた餅は決して落ちて来ないのであつて、御用が次から次と大燮忙しいのであるが、これは神様のお恵みであります。大いなる責任を担つてゐることを自分らの光栄にして益々活動して頂きたいのであります。
 この間の光照殿に於ける役員会議で一寸お話しておおきましたが、大本でやつてゐる総てのことは神界からの命令によつてやつて居るのでありまして、云ひたいことでも公然と云へないことが沢山にあります。それで兎も角この間の会議に於て決められたことを御実行されむことを願ふのであります。
 一昨夜のエスペラントの会議に出まして御話しておきましたが、エスペラントは世界の国際語であるが、お筆先には日本の言葉いろは四十八文字、所謂日本の言葉を国際語にすると云ふ様なことが書いてあります。エスペラントが出来ましてから僅かの間に、今日のやうに世界中にエスペランチストが沢山出来たことを見れば、神国日本の明晰なる日本語が国際語にならない道理はないのであります。併し今日の日本語では非常に複雑で字と口で云ふのと意味が違つたりします。悪いことも字で書けば巧く書く様な工合で、今の日本語は文字を見ないとわからぬ様な言葉が沢山にあります。又漢字やアクセント等が難かしくて西洋の人にはわかりにくい。それをよくわからす為にはローマ字会と云ふものがあつて非常に都合がよいのであります。今日のところではエスぺラントも必要であるが、やはり最後には日本語が世界共通語になる。日本語を世界の者に知らすにはローマ字を以てすればよいのであります。かう云ふ工合に神界から承はつて居りますので、大本にエスペラントを引張つたり、又ローマ字を入れたりしてゐるのであります。決してローマ字やエスペラントの普及等はもの好きでやつてゐるのではなく、必要なものであるから神様から命ぜられてゐるのであります。この神業の忙しいのに、何の役にもた、ないローマ字見た様なものしないでもえゝと思つて居る人がありますが、さう云ふ意味ではないのでありまして、日本語を世界共通語にするには、エス語もローマ字も最も必要なのであります。併し今日の日本語では之でも行かないが、日本が神界の経綸通りになり世界に君臨する様になつたら、日本語がどうしてもかうしても世界の共通語になるのであのます。その考へでエス語なり又ローマ字を研究して貰ひ度いと思ふのであります。
 昭和青年、坤生会は兵隊さんの様な風をして居りますが、何か不穏なことでもやるのではないかと或方面から疑はれてゐる様な形勢があるけれども、吾々は人類愛善のため働くのであつて、武器を持つて人を征服する様なことはなく、何処までも愛と善とを持つて人を救済し助けて行くと云ふ目的であります。又武道宣揚会が出来たのも人を投げつけたり、なぐつたり、蹴つたりするために拵へたのではなく、これは一つの日本の国体の権威であります。昔から細矛千足の国の名義に於いても武道はどうしても要るのであります。武道を用ゐようが用ゐまいが、丁度それは武士の家に、腰に大小を飾つ如く容易に抜かない。抜かずして国をよく治めて行くのが武道宣揚会の目的であります。
 併しながら愈々の揚合になればじつとして居るわけには行かないが、さう云ふ場合は稀で滅多にないのであります。
 日本は今日まで武術、所謂剣道とか柔道とか云ふものは、丁度一つの芸術かの様な一種の興業的になつて了つて実用に適しない。それが為に愈々神界の御経綸によつて植芝氏が神様から守護を頂いて自然に色々な手を考へ、その魂によつて本当の実戦に間に合ふ様に初めて権威ある武道が発見されたのであります。この武術は昔の神様の武術でありまして、昔の元へ戻す大本の真理に非常に適してゐるのでありまして、愈々私もこれから武道宣揚会に力を入れようと思ひます。併し余り身体の弱い人にはいかんが、身体の元気な人は大いに研究して少しも構はないのであります。又武道を研究するために神様の御意志を知る。或はそれによつて宇宙の総ての摂理がわかるやうになつて居るのであります。何もかも元は一株であつて、どんな方面からでも誠の道はわかるのであります。一心に心をとめて研究すれば、やはり神様の実地の生きた激がわかる様になつてゐるのでありまするから、その考へで元気な人は研究されむことを希望します。
(第二回信者総会に於て 昭和八・四・一五号 真如の光誌)

 今年は大本ヘエスペラントを採用してから丁度満十年になりました。大本がエスぺラントを入れた当時は、まだ天恩郷に祥閣があつた丈で光照殿もなかつたのです。その頃私が祥閣で日出新聞を見て居ると同志社に於て一週間のエスぺラント講習があると云ふ広告が出て居りました。それには只国際語と書いてある丈で、どう云ふものであるかと云ふ事は判らなかつた。そこで一度調ベて来て貰ひ度いと思ひ、加藤明子氏を派遣して同志社講習会に臨ませたのであります。これがすんで帰つて来て報告を聴きまして、非常に今の所では結構な事であると思ひましたから、これを直に大本に入れる事にしたのであります。実の所、神様の御神勅では世界中をいろは四十八文字を使つて、日本語を以て世界中を統一するとお筆先も出て居ります。併しこれは容易なことではなく余程の時日を要すのであります。でありますから、どうしてもその間はエスペラントによらなければならないのであります世界には二十億の人が住んで居ると云ふことですが、この二十億の人に日本語を教へることは大変なことであります。暫定的にエスペラントを採用して世界へ普及することは非常に時宜に適したことであると思つて探用した次第です。
 言葉の世界に通用する国が世界を支配するものであります。今日の英国があの通り大きくなつたのも英語のおかげが余程あるのでありますが、将来は日本語を以って世界共通語とするのが神様の思召しであります。それ迄の利用策としてエスペラントを学び、又これによつて大本の海外宣伝はたすけられて居るのであります。
 このエスペランの始まりの間は非常に困難であり、ザメンホフ博士も発狂者と云はれ、多くの人の迫害を受けてやうやく今日のやうな世界の国際語として普及されるに到つたのであります。これより見れば言霊の幸はふ国の日本語が世界共通語になれない筈はなく、なり得ると云ふことは明かな事実であります。併し、それも世界の大峠がすんでからですから、二十年後のことであります。日本の国運発展と共に日本語は国際語となるベき運命を持つてゐるのであります。それまでの代用品としてエスペラントを応用し研究する必要があるのであります。又さうなっても日本語が俄かに隅から隅まで日本語ばかりでやるわけにはいかぬ。その時にはエスペラントも今日の何層倍も拡がつて居るのでありますが、今から研究して置く必要があるのであります。日本語が共通語として盛んに使はれる様になるその時には、エスペラントは今日の英語の様な地位になると思ひます。
(エスペラントとローマ字の夕に於て 昭和八・四・一五号 真如の光誌)
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