文献名1出口王仁三郎著作集 第1巻 神と人間
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3いろは歌よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要明治36年9月10日 小松林命作
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データ最終更新日2017-09-15 15:01:17
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本文
いろは歌
明治三十六年九月十日
小松林命 作
い まは斯世の、落ぶれものよ。人に笑われ、罵しられて、誠の道を辿りつつ、末にゃ夜光の、玉を得る。
ろ こく斗りか亜米利加迄が、末に日本を奪る企画。金と便利に任しつつ。
は やく勝負を極めん事にゃ、枕を高く休めない、神政成就遂ぐるまで。
に しに亜米利加、北には露西亜、前と後に敵ひかえ、四方海なる日本国。
ほ くそ笑いを、為しつつ聞きし、神の教えの現われて、今じゃ頭が上らない。
べ んべんだらりと、談判延ばし、深い巧みをする夷国、太平洋のまん中に。
と くを貰うも又た落すのも、心次第の大本ぞ。天の岩戸の御戸開らき。
ぢ しん雷鳴、火の雨降らし、人の心を戒しめる、天地の神の御経綸。
り くつ斗りを、エラソウに言うて、腹に誠の無いものは、今の世界の流行物。
ぬ くいふところ八髭生やし、神も仏も要るものか、金が神じゃと鰌鯰、一寸先きは泥の暗み。
る すじゃ留守じゃと、何時来て見ても、奥に主人は居る癖に。不思議と門に立留り、能く能く思案をして見れば、何時も嘘つくこの家に、神が御不在という事か。
を にも十八番茶も出花、時が過ぎたら間に合わぬ。世界の立替あるまでに、身魂研いて置くが良い。後の改心間に合わぬ。
わ しは備前の岡山育ち、米の生る木は未だ知らぬ。綾部に生れた人でさえ、世の大本を未だ知らぬ。灯台下は真の暗。
か えせ戻せと扇を揚げて、招くは熊谷須磨の浦、モ一度斯世を持たんとて、呼べど招けど白波の、おきの毒でも此度の、二度目の世界は返やしゃせぬ。鬼門の金神在る限り、世に出て居れた守護神。早く心を入れ直し、変性男子に従いて、今度の御役に立つが宜い。
よ 言どころか確言ばかり、一分一厘違がやせぬ。誠の心で聞くなれば、ヒヤリヒヤリと汗が出る。何程邪見な身魂でも、改心せずには居られない。皇大神の御神諭。
た すけ玉われ世界の人に、如何なる罪の在りとても、暗夜の如き人民の、代りと天地へ御詫して、朝な夕なに変りなく、出口の守の御祈念は、世界の為と国の為。
れ ん花経でも南無阿弥陀でも、今度の事には間に合わぬ。木魚をどれだけたたいても、太鼓をドンドンなぐっても、妙見坊主や日蓮の、一寸挺には合い兼る。二度目の斯世の立替は、勝手気儘の神々や、生臭坊主の年の明き。
そ んじゃ徳じゃと計算斗り。損の中にも得がある。得と思えば損となる。兎角この世は人民の、思案斗りで行きはせぬ。万事万端神界の、教を守り行くなれば、見えぬ所から神々が、守護なされて何事も、キチリキチリと遂げらるる。思案も工夫も要りはせぬ。心研いて御教に、なびけよなびけよ神の子等。
つ るぎの山に登るとも、千尋の荒海打ち渡り、底の藻屑と成とても、ナドヤ厭わん敷島の、日本男子を引連て、丹後の国の無人島、沓島冠島を開かんと、神の御言を畏こみて、勇み進んで出て行く、出口の守の雄々しさよ。明治三十三年の、七月八日の未明、一つの神祠を建初めて、唱うる祝詞の声清く、沖に聞ゆる浪の音も、神の御声と偲ばるる。東の空は茜刺す、日の出の景色拝しつつ、神の教の神務終えて、大本さして帰らるる、出口の御親の勇ましさ。
ね らう要所は対馬に津軽、馬関海峡其次ぎに、舞鶴軍港岸和田の、間の軍備に眼を付けて、地勢要害取り調べ、又も越前敦賀より、尾張の半田に至るまで、国探を放ちて探索し、一挙に御国へ攻め寄せて、総ての活動中断し、日本を占領する企み。夢でも見てるか夷国人、日本神国の敷島の、神の身魂を知らないか。鰐の如うなる口開けて、只一呑みと思うても、日本男子の魂は、胸に約りて呑めないぞ。行きも戻りも成らないぞ。綾部の錦の大本の、十里四方は宮の内、見事覚えが在るなれば、沓島の沖まで来て見よれ。鋼鉄艦も潜艇も、丹後の海の埋め草に、一隻も残さず揺り沈め、日本兵士の忠勇と、出口の守の御威徳で、艮大神現われて、三千世界を立直す、首途の血祭り覚悟せよ。
な り鳴りて鳴余りたる駿河なる、富士の高峰の神霊が、まさかの時に現われて、三千世界に鳴り渡り、登る竜巻すさまじく、清水の港に攻め寄せし、外国船を残りなく、沈め絶やして葦原の、中津御国を鎮めます、神は木花咲耶姫。神の勲の尊とけれ。
ら ん暴極まる畜生国、欲に眼光を曇らせて、我神国を屠らんと、日頃巧みし軍略は、旅順、大連、韓国に、計画外ずれて馬鹿を見む。石炭兵糧軍資まで、用意して置け旅順港に。今に日本が貰てやる。其返礼に日本刀、一度は切味見せてやろ。覚悟召されよスラブども。
む かしの神の仕組まれし、最も便利な世が参り、蒸気、電気の働きで、三千世界を近よせる、交通機関も完備して、千里万里も夢の間に。是も昔の神代から、神の御裔の奇魂、奇しき力の賜ぞ。艮金神現われて、世界一つに統べ玉う。天の時節の来たものを、訳の分らぬ人民が、人智や科学の活きと、誤解して居る憐れさよ。
う そで固めて得心させて、あとでペロリと舌を出す。今の世界の人々は、上から下たまで其通り、一分も誠のものは無い。是が畜類の世の中ぞ。
ゐ つも鳴いてる烏と思い、神の教もウワの空。欲と慢心強くして、心の空もかけくもり、暗夜に烏の飛つ如く、何が何やら白雲の、曙の烏に近よりて、日の出の守護と成るなれば、悪の審判は眼のあたり。罪穢の深き人々よ、早く身魂を研き上げ、改心するが日本一、不二の山ほど在る罪も、直霊の御魂に清くなる。弥々日出と成るなれば、元の生神あらわれて、激しき守護ある故に、心に曇りあるものは、余り眩ゆて寄り付けぬ、竜宮館の庭までも。
の 山の奥も都路も、天にも地にも押竝べて、神の坐まさぬ所は無い。日輪お照し在る限り、変性男子が現われて、常磐の松の世となれば、神の守護はあり明の、月の形ちの御簾の内。
お もい違いの斯世の政治、是から凡てを立替て、随意競争の弊を去り、天下公共の其為に、世界桝掛引き均らし、神も仏事も人民も、勇みて暮す神代とし、綾部を世界の中心と、定めて国々統べ守る、天津日継の御威徳と、変性男子の御守護で。
く にの為とは口先ばかり、今の高座の番頭は、我身好かれのしがくして、下タの難儀は露知らず、人車や馬車に打ち乗りて、手掛足懸色々に、而も大道の中心を、従来の妨害気にもせず、鼻高々と澄し込み、口に葉巻を啖えつつ、横柄面する見苦しさ。
や がて三十七年の、明治の春の四月には、斯世の滅亡と基督の、神の信徒がヒマラヤの、高地を尋ねて寄り集い、寺を建たり祈禱して、凡ての事を打棄てて、救いを祈る最中に、神の御国に生れたる、日本の人が知らぬとは、灯台下は真の暗。さわ去り乍ら世の人よ、周章てず騒がず一筋に、神の教に従いて、誠を尽せば此度は、一先ず延ばす神の旨。斯世の滅亡来る事は、何れの神も知りつれど、此儘続かす経綸をば、知らざる故に色々と、騒ぐは無理も無けれ共、世界に鬼は無いとやら、鬼と言われし艮の、隅に坐ませし生神が、斯世この儘預りて、善と悪とを立別けて、世界の洗濯為し玉い、清きは赦し玉うなり。早く改心一等ぞ。心次第で此度は、どんな御徳も授けられ、心の悪るい人民は、厳つき懲戒ある故に、何んにも知らぬ神の子等、凡てを捨て神界に、心捧げて祈れかし。
ま いにち新聞披いて見れば、魔法の斯世は眼のあたり、殺人、強盗、窃盗に、詐偽に間男、大喧嘩、一つも碌な記事は無い。熟々思案をして見れば、実にもこの世は暗黒よ。畜生ばかりの住み処。思えよ思え秋津人。日本は神の住み処、大和御魂の持主ぞ。世界に先立ち善行の、鏡を出して敷島の、水晶魂を輝かし、出口の守に従いて、二度目の岩戸の大前に、世界の人を助くるは、日本の民の天職ぞ。日本御魂の持まえぞ。
け ん利義務じゃと小理窟斗り、潜りて飯を喰うものは、我神国の土の上に、いく十万の穀潰ぶし。法律ばかりを楯と為し、情誼も義理も知らばこそ、鬼の上前越す悪魔、日本御国に蔓こりて、今や斯世は真の暗、仁義、道徳、敗頽し、誠の人はなき暮し、獣畜ばかりの住む世界、清めて元え立て復す、変性男子の斯の教。
ふ じの高峰に村雲懸り、清き姿を包めども、雲立ち退けば元の不二、神代ながらの神の山、気高き姿は世界一。日本魂も其通り、心に懸れる村雲を、除けば直ぐに光り出す、元は天地の分身魂。魂を磨けよ人々よ。神の誠の御教を、畏こし謹しみ赤心に、誓いて固く守る可し。
こ ん輪奈落の底まで落た、腐敗堕落の世の中に、水晶御魂が只一トつ。一つの御魂を種として、日本御魂を培養し、二度目の世界の御柱と、したつ岩根の大本の、神の御役に立てんとて、心を千千に砕きつつ、血を吐く思いの辛労を、世人の為に舐め玉う、変性男子の雄々しさよ。
明治三十六年九月八日
え ん慮会釈も梨地の硯、齢も長き命毛の、筆を振いて皇神は、三千世界の出来事を、示して斯世を救わんと、明治の廿五年より、出口の守は一筋に、知らせ給えど濁る世の、人の心は真の暗、悪魔の住家と成果てて、誠の言葉は聞入れず、何時も恐喝と思いつめ、悪胴据えて動かない、訳の分らぬ人草は、地球の上に充満し、益々この世は汚れ行く。
て んの神勅を畏こみて、泥海世界を清めんと、三千年の其の間、堪らえ玉いし御難苦は、種々雑多に身をやつし、神政成就の其為に、守り給いし霊徳が、天運循環りて歴然と、花咲き初めぬ煎豆に。
あ 細亜、亜弗利加、エフロッパ、南北亜米利加、大洋洲、一つに丸めて日本の、天津日嗣の神徳で、万古末代続かせる、神の出口の道開き。竜宮やかたに表現れて、三千世界の主と成り、普天率土を統一し、元の神世と改めて、神も仏も人民も、勇んで暮す松の世の、七福神の楽遊び。
さ ん千世界の梅の花、一度に開く今や時、鬼門の金神現われて、鬼も大蛇も帰順して、松の神代と成る上は、二度目の世界は天国ぞ。曲も醜女も消え失せて、上から下たまで神心、勇みて暮す楽しさよ。
き もんの神は元の神、国常立の大神よ。斯世を造り固め成し、世の根の本に隠身て、善悪正邪の審判を、最と厳重に立て玉い、この世一切守ります、尊とき神にましませり。鬼門の神は男神、経の守護と定まりて、緯の守護が裏鬼門、女神に坐して坤、変性女子の神霊ぞ。世界の悪魔や病い神、悪しき心の鬼どもを、払い清めて経緯の、夫婦の神は人民を、導びき給うぞ尊とけれ。
ゆ めになり共セメテは一度、綾部高天の大本の、竜宮館へ往て見たい。ト言うて霊魂は泥まぶれ、何うしたら垢が落ちるやら。近所に居ながら気が揉める、教祖を一度拝したさ。
め くら聾よ世界の九分は。昔の神代が巡り来て、変性男子が現われて、世界の事を知らせども、実地見せても気が付かぬ。一度に驚愕する事が、出来ては成らぬと朝夕に、声を限りに叫べ共、何処を風が吹くらんと、言わぬ斗りに鼻の先、フフンと笑って空向いて、自が乗り行く火の車、実に憐れな人ばかり。
み 仙の神山に立籠り、この世の泥を清めんと、三十四年は菊の月、八日に館を立出て、神徳も高きこの山に、祈り玉いし我教主。至誠は天地に通じけん、十五の月の有明に、尊とや神霊現われて、世の行先きの事どもを、いと懇ろに説き給い、教御祖の御心は、春野の雪と解け初めぬ。され共高き神の山、木立は繁く渓深く、雲霧四方を閉籠めて、月日も為に光り浅せ、常世の暗の如くなり。
し ん徳高き神の山、開けて茲に千四百、四十余年と成りぬれど、女人禁制の神の山、今に汚れし事も無く、神祇の集いの神園として、清き霊地と鳴響く、浪音たかき八塩路の、女島男島と諸共に、神代の姿変えぬなり。神代の儘の神の国、瑞穂の国を守らんと、冠島沓島の神々は、弥山の神山に神集い、清けき和知の河水に、世界を清め人々を、安きに救い助けんと、天の岩戸を押開き、村雲四方に掻別けて、教御祖の手を通し、口を通して詳細に、諭させ玉うぞ尊とけれ。
え い耀栄花に暮して来たが、報いは忽ち丸裸体、楽した後の糠苦労、難儀ばかりの珠数つなぎ。誠の為の苦労なら、神の助で何事も、末に萎れぬ花が咲、万古末代名を残し、斯世の神と仰がれん。勤めよつとめ人々よ。誠の道に乗り替て、松の心で励む可し。
ひ ろい世界に只一柱、是を誠の神という。斯世つくりて万類を、育てん為に日月を、守りの神と神定め、神の御子なる民草を、養い賜う難有さ。
も もち万の神々が、鬼門の神に従がいて、三千世界を夫れ夫れに、持場々々を守ります。山には山の神坐まし、河には河の神居まし、草木は草木の神居まし、海には海の神います。大地は禁闕金の神、二度目の世界の守護神。陸と海との竜宮の、乙姫どのはこの砌り、綾の高天に現われて、日の出の神とひっそうて、斯世の守護と代りたり。天地覆りて上え下タに、成るとの教は此事ぞ。実にも尊き神代かな。
せ まい心で鼻高さんが、高天原へ出て参り、出口の守の「筆先」を、聞いたら嘸や困るべし。心に合ぬ事斗り、三日や十日や百日に、神の経綸は解りゃせぬ。誰しも覚え在る故に、一寸様子を書くなれば、浅智慧学者の胸の内、一から百まで知れ渡る。変性男子の御身魂、出口の守の書れたる、世界の宝の神教が、心に当りて耳痛く、聞ば聞く程腹が立ち、身体がビリビリ震い(ママ)出し、気分悪しくてモジモジと、終にゃ遁げて去にとなる。眼と口の間に在る、鼻が知らずに高く成り、夫れが邪魔して脚下が、見えない故に丼壺へ、落ちて難渋する迄は、ここの教は聞かれない。少しの学が邪魔になり、理窟斗りに固まりて、何時も疑念の晴間なく、心に取越苦労而巳。生れ赤子に成るまでに、高い鼻めが邪魔をして、誠の教の垣をする、なさけないのは人心。
す でに悪魔に取ひしがれて、危うい処を差添の、誠こころに染められて、捨た思案の後戻り、洋服脱いで沓捨てて、皮のカバンも投捨てて、昔の神代の人となり、熟々思い回らせば、出口の守の御知らせの、通りに汚れた世界じゃと、固く心を取り直し、只一筋の神の道、心も勇み気も開き、花咲く春に遇う思い。斯んな結構が又と世に、三千世界に在ろうかと、初めて覚り大本に、大きな尻を末長く、綾の高天で猫と成る。オットどっこい神様の、激しき威徳に照らされて、心の底の塵芥を、白状したが情け無い。是が出口の王仁三郎。
(「神霊界」大正六年十一月号)