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文献名1大本七十年史 下巻
文献名2第8編 >第6章よみ(新仮名遣い)
文献名3あらたな決意よみ(新仮名遣い)
著者大本七十年史編纂会・編集
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
ページ1284 目次メモ
OBC B195402c8601
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本文  一九六二(昭和三七)年、教団はついに開教七十年をむかえた。この年は三代教主の還暦の年にあたっていると同時に、三代教主就任の一〇年目、二代教主の十年祭の年でもあり、大本にとってきわめて意義のふかい年にあたっていた。開教七十年をむかえるにあたって、ここ数年来、神教宣布に真剣にとりくんできた教団は、記念の各大祭や盛大な祝賀行事とともに、宣教活動の面にみられるあらたな展開、本部機構の改革による体制確立や、大本会館の建設、『大本七十年史』編纂などの記念事業を積極的に推進した。それと同時に内面的には、信仰と実践の一致を重視する報身みろく時代にふさわしい信仰の姿勢の確立が要請されてきた。信仰や教義を現時点のなかで深化し、さらに実践を通じて身魂みがきをおこない、大本神業の意義を認識することによって己れをただし、神教宣布を推進することにこそ、開教七十年をむかえる教団としての、もっともたいせつな課題があった。
 一方、一九六二(昭和三七)年は、緊迫した世界情勢と、こんとんとした国内の諸問題がからんでいた。すなわち、ドイツ・ベルリン問題をめぐっての東西の対立激化は、ようやく愁眉をひらいたとはいえ、なお予断をゆるさず、ソ連の核実験の再開、それに相呼応しての米国の核実験再開などが、世界におおきな衝撃をあたえた。ふたたび国際的緊張が切迫し、戦争への危険を人々に感せしめずにはおかなかった。さらに、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの諸地域における植民地解放と、民族独立をめぐっての活動はいっそうたかまり、コンゴ、アルゼリヤ、南ベトナム、ゴア、西イリヤン、朝鮮半島等々における事態は、戦争への危険をはらんでいた。国際緊張は、必然的に軍備拡張や軍事同盟を促進した。日米安保条約の強化が加速度的に進行し、日本本土と沖縄の軍事基地の強化がおこなわれて、極東における国際緊張がさらに激化する要因ともなった。同時にそれは、国内における平和憲法にかかわる問題ともなった。また経済面においては、所得倍増・高度成長の経済政策は、そのあまい見通しと貿易ののびなやみのためにゆきづまって、国際収支の前途もきわめて憂慮される情勢を形づくりつつあった。
 一九六二(昭和三七)年二月三日、開教七十年を記念する初の節分大祭の当日、三代教主からつぎのような挨拶がなされた。

御神諭に示されておりますように、大本の中の出来事が雛型となり、世界の大きな事がらとなって、大本の歴史の流れと世界のうつりかわりとの間に、大きな神のみ仕組が行われていると推察致されるのでございます。
私が厳・二霊の道統をつぎましてから、十年を経ました今日、立教の大宣言であります世の立替え立直しのご神示は、いよいよあらゆる姿で世界にあらわれて、明らかに証しせられつつあります。このとき、私たち大本信徒は、み教と神機の動きにかんがみて己れの姿勢を正し、みろくの世のありかたを魁けて備えなくてはならぬと存じます。……私たちが日々奏上いたしております感謝祈願の祝詞には、信徒として、ふみ行うべき道のすべてが示しつくされておるのでございます。しかしその一つ一つのお示しをふみ行なってゆくことは、なかなか容易ならぬ厳しい道でございますが、神さまのみ前に自からを深くかえりみ、まことの神の子とならしていただくことの、今日程大切なときはないと強く感じられるのでこざいます。
われよしの、強いものがちの人類の歴史は、あげもおろしもならぬ行きづまりのかたちとなり、核兵器による軍備の競争から、人類存亡の危機にまで及んでまいりました。そして国と国、民と民、人と人との不信の念は容易に解けず、不安の声は地を覆うかの如くでございます。
しかし、このような時代のくることは、開教のときから明らかに神示されておりますことで、私たちは、はやくからこのことを世に叫び続けて来たのでございますが、かえって世に容れられず、度重なる弾圧と迫害を受けてまいったのでございます。ただ私たちがこのような試煉に耐えて、今日まで道を貫いてまいりましたよりどころは、神様の厚い大みまもりと、毛筋の横巾程も違わぬと申される御神示に対する確信でございました。開教七十年を迎えました今日、世界の人々が直面している大きな苦難を思いますとき、今こそ、心を一つに全人類の平和と繁栄を祈り、国祖大神さまのみさとしを広く世に伝えさせていただくことは、私たちの使命であると存じます。「誠の力は世を救う」とのらせましたお言葉を体し、神さまから与えられております大きな使命を果さしていただきますため、信念と勇気をもって水晶世界の実現に前進致したいと存ずる次第でございます。

 このような情況のなかで開教七十年をむかえた大本は、開教の精神につよくいき、信仰と実践をふかめつつ、神教
を一段と積極的に宣布すべきときであると決意して、基本的諸施策をさらに力強くすすめることになったのである。

〔写真〕
○世の立替え立直しをさけび…神の真理と人間への愛に生きぬいた大本70年のあゆみ 大本会館定礎 p1284
○開教70年をむかえ信徒は決意をあらたにした 信徒大会 綾部梅松苑みろく殿 p1285
○三代教主のあいさつ p1286
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