文献名1東京朝日新聞
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3昭和10年12月8日 号外よみ(新仮名遣い)
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OBC NPTAc19351208G1
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再び大本教に鉄槌下る
今暁三府県にわたり幹部卅名を一斉検挙
教主王仁三郎は松江で捕縛
行動精神の不敬発覚
【京都電話】最近京都府亀岡町大本教天恩郷から信者間に配布した文書中に不敬に亙る内言が記載されてゐるのを発見した京都府警察部では事件を重大視し内務省及び京都地方検事局などと重要打合せを遂げた後七日深更全市の警察官の非常召集を為し各署から応援した凡そ三百名を以て特別検索隊を組織し数十台の市バスに分乗し薄田府警察部長、杭迫特高課長等指揮して八日午前一時京都を出発、亀岡行綾部に急行午前四時半を期して永岡保安課長の指揮する一隊は綾部町の大本教本部を襲ひ又豊原警務課長の率ゐる一隊は亀岡町の大本教天恩郷の一斉検索を行ひ教主出口王仁三郎の一族幹部等三十余名を検挙多数の証拠物件を押収した尚教主出口は八日松江市において開かれる同教山陰大祭に出席中急行した京都府警察部高橋警部に逮捕され八日午前五時松江駅発京都に護送され、一族出口宇知麿外数名は東京において検挙された、尚京都市内各署も総動員で京都市内の大本教支部の一斉検索を行つてをり京都地方検事局からも小野検事外書記十数名亀岡に主張検索のメスを揮ひ、大正十年当時の警察部長藤沼庄平氏によつて行はれた大検挙以来の大検挙と見られてゐる、尚古賀、小倉両内務属は同事件のため八日午前六時京都着入洛した
【松江電話】大本教一斉検挙に相呼応して島根県警察部では七日深夜から俄然活動を開始、工藤島根県特高課長の指揮の下に松江署特別隊をはじめ県警察練習所生、講習生その他島根県出雲部警察官約二百名が八日午前四時を期して松江市北堀町大本教別院を襲ひ別院に同日午前十時から挙行される秋季大祭並に別院創設五周年記念祭に出席のため一党を引連れて七日午後一時五分松江駅着列車で来松した大本教総帥出口王仁三郎氏を検挙し、直に自動車数台に警察官を分乗せしめ山陰線揖屋駅に向ひ午前五時十七分同駅発京都行列車で松江署松浦警部補外警官十五名の護衛裡に京都へ護送された
何れも留置
【京都電話】亀岡及び綾部において検挙した出口王仁三郎氏の一族や大幹部など三十余名現場から自動車で京都へ護送し各署へ留置した
京都府検索
【京都電話】八日午前十時すぎ京都地方裁判所岡本予審判事、高木検事、書記数名の一行は中西西陣署特高係長を伴ひ京都市大宮御池上ル皇道大本教京都本部、昭和神聖会京都地方本部、四方万寿方の家宅捜索を行ひ多数の証拠書類を押収して引揚げた
【京都電話】京都府木津署では小林署長以下署員十名は八日午前三時二台の自動車に分乗、相楽郡東和束村にある大本教相楽郡別院筒井正助方を襲ひ家宅捜索を行つて大本教の新聞雑誌掛軸書類及び気合術用木刀等を大行李二個に積込み押収同十時五十五分本署に引揚げた
綾部と亀岡を取巻く検索隊
【京都電話】京都地方検事局では八日未明から全検事を総動員し堀部次席、鈴木主席、小野思想主任検事外大部分の検事は京都地方裁判所西川、栗原、松野三予審判事と共に亀岡、綾部に急行警官隊の指揮に当つてゐる
尚午前十時岡本予審判事、高木、池本両検事は数名の書記府特高課員を帯同西陣署に向ひ西山署長と打合の後直に同署中西特高係長と共に二台の自動車に分乗京都市内の大本教四十五支部の総元締と京都市御池通り押小路下ル西側皇道大本京都分院昭和神聖会京都地方本部(四方万寿)を襲ひ二時間余に亙り家宅捜索の後多数の証拠書類を押収して引揚げた
紫雲郷幹事
浦和で検挙
【浦和電話】県特高課では八日午前五時警視庁よりの手配により小林警部、伊藤警部補、山口部長(浦和)の一隊が浦和市常盤町四四四七東京市王子区日本製紙加工会社工場長米倉範治氏(60)宅を襲ひ同氏を浦和署に連行留置した
同氏は紫雲郷の幹事で今回の事件については相当主要な役割を勤めてゐるらしい
信徒に及ばず
【京都電話】八日払暁の大本教一斉検挙において検挙されたものは京都、東京、島根の三府県にわたり教主王仁三郎氏(65)が松江市において逮捕された外五十麿、日出麿、宇知麿、大幹部岩田久太郎、栗原白嶺等の出口一族及び幹部等全部で三十名である右に付杭迫特高課長は「今回の検挙の範囲は最も必要な人物出口王仁三郎とその一族及び最高幹部凡三十名を検挙しただけでこれ以上には拡大しない模様である」と語つた
帝都七ケ所に手入れ
京都警察部と相呼応した警視庁では八日午前四時半一斉検挙に着手、東京地方裁判所の戸沢、木内、芳賀、吉江の四検事並に両角外三予審判事指揮の下に特高課千速係長以下課員数十名それに管下各署からの七十名の応援を得て、四谷愛住町昭和神聖会総本部、杉並区方南町皇道大本紫雲郷別院、麹町一ノ一〇同会東京地方支部等七ケ所を襲ひ小石川区原町一五一御田村竜吉(同教大宣伝使)荏原区小山一九七高川宅治(正宣伝使)四谷区愛住町七六、昭和神聖会広瀬義郎並に同所において、出口王仁三郎の次男同教副統監出口宇知麿、品川上大崎二ノ五五九下田貞次、杉並区方南町三一二紫雲郷別院土井靖都(正宣伝使)淀橋区戸塚三ノ三一九米倉嘉平(王仁三郎秘書)及び指名手配によつて埼玉県浦和町四四四八米倉恭一郎を検挙、それぞれ所轄署に収容したが、四谷愛住町の昭和神聖会本部では王仁三郎のお筆先、瑞祥新聞、機関雑誌「真如の光」「皇軍と少女」のトーキーフイルム、日本刀一口、木刀五本、紫雲郷別院では書籍、日誌、短刀一本、等を押収したなほ大本教正宣伝使深町霊陽は八日午前十時靖国神社境内で捕はれた