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文献名1霊界物語 第60巻 真善美愛 亥の巻
文献名2前付よみ(新仮名遣い)
文献名3総説よみ(新仮名遣い)そうせつ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2017-05-09 14:41:02
あらすじ古人は『善願あれば天必ず之を輔く』と言いました。月は神明のまにまに病躯を駆ってようやく神示の物語、原稿用紙七万五千枚、約八百五十万言、頁数二万四千、九か月の着手日数を要してここにいよいよ六十巻を口述編著しました。今日の大多数の人々は古人に比して容易に深遠な教義を理解することができず、上走りにご解し易く、三五教の真相や大精神を曲解し、ついには忌まわしき大本事件を引き起こすにいたったことは返す返すも遺憾の至りであります。中根下根の人々にたいしては高遠微妙なる文章や言語ではかえって神意を誤解し大道を汚濁するおそれがある。ゆえに月は現代多数の人々のために多大の努力と日子を費やしてのです。現代は奥行きが浅い人間が多く現れるのはやむを得ない。今後の人々に徹底せしめんとするためには、不断の根気が何よりも大切である。たとえ百年かかろうが神の大御心を万人に徹底せなくては措かない決心である。現代の人々がただの一人も自分が口述した物語を用いてくれず、また了解してくれなくてもかまわない。自分だけただ一人これを信じて大神の大精神を幾分なりとも実行し、正しき信仰の下に人間として生きていく考えである。世間の行事が悪化し獣化するのを見て、自分一人が心身を正しくし神の示した教えを信じることができようか、という人々の考えはあまりに狼狽している。国が滅亡するときは、一人の義人もおらず、一人の識者もいない、という極端まで行くものである。しかし国に一人でも義人や真の識者がある限り、決してその国は亡びるものではない。神諭にも、「誠の義人が三人あれば弥勒神政必ず成就すべし」と示してある。今日はお互いに最後の一人をもって任じ、せめて自分だけでも正しき信仰に生き、清き人間として世のため道のために尽くそうとする同じ心の人々と共に、この聖なる団体の擁護を開展し、この世界を真善美愛の楽土と化し、国祖の神慮に叶い奉らんことを希望する。あらゆる迫害に堪えよく忍び、もってこの千載一遇の神業に奉仕せんと欲し、最後の一人となるも決して絶望せず、狼狽せず、平静に生命ある聖き希望を抱いて天下のために尽くさんとするものである。ゆえに吾人は世俗のあらゆる非難攻撃にも屈せず、たゆまず屈せず、口述を続けて後世の規範とせんことを希求しつつあるのである。『この世を造りし神直日、心も広き大直日、ただ何事も人の世は、直日に見直せ聞き直せ身の過ちは宣り直せ』と吾人は日夜この神示を楯として、ひしひしと押し寄せ来る激浪怒涛を浴びながら、善言美詞の言霊の武器をもってすべての外道を言向け和す覚悟である。なにほど多勢の敵といえども驚くには及ばない。ただ一言の善辞、すなわち言霊の善用によって強敵はたちまち化して強き味方となり、また多数の味方といえども、ただ一つの悪言暴語によって直ちに怨敵となる。言霊のもっとも慎むべきを明示したのは、本書霊界物語を通じての大眼目であります。読者幸いに本書に依って言霊の活用を味わいたまうことあらば、月の微衷も報われたりというべきであります。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年04月05日(旧02月20日) 口述場所皆生温泉 浜屋 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年8月12日 愛善世界社版3頁 八幡書店版第10輯 597頁 修補版 校定版3頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm600002
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本文  古人曰ふ、『善願あれば天必ず之を輔く』と。月は神明の随々病躯を駆つて漸く神示の物語原稿用紙七万五千枚約八百五十万言、頁数二万四千、約九箇月の着手日数を要して、茲にいよいよ六十巻を口述編著しました。斯かる阿房多羅に長い物語を書いて識者より冗長粗漫の文章だと失笑さるる恐れ無きには非ざれども、今日の大多数の人々は古人に比して頭悩の活動力最も劣り、容易に深遠なる教義を真解すること能はず、且つ何事も上走りにて誤解し易く、為に三五教の真相や大精神を曲解し終には忌はしき大本事件を喚起するに到つたのは、返す返すも遺憾の至りであります。
 上根の人は一言聞いて其真相を了解し、至仁至愛の神の大精神や大経綸を正覚すと雖も、中根下根の人々に対しては到底高遠微妙なる文章や言語にては解し得ない而己ならず、却て神意を誤解し、大道を汚濁する虞がある。故に月は現代多数の人々の為に多大の努力と日子を費したのであります。
 現代は古と異つて何事も大仕掛になつて居り更に益々大きく成らむとしつつあるが故に、非常に其間口が広くて、奥行が浅い人間が多く現はれるのは止むを得ない。故に今後の人々に対して徹底せしめむとするには不断の根気が何よりも大切である。たとへ百年掛らうが神の大御心を万人に徹底させなくては措かない決心である。
 現代の人々が只の一人も自分が口述した物語を用ゐて呉れず、又了解して呉れなくても構はない、自分だけ只一人之を信じて大神の大精神を幾分なりとも実行し、正しき信仰の下に人間として生きて行く考へである。現代人の中には斯の如く世間の行事が悪化し獣化するのを見ては、……自分一人が心身を正しくし神の示教を信じる事が出来ようか……と思つたり云つたりして居る人々の考へは余りの狼狽である。今日の社会にコウ言ふ狼狽へた人々の多いことは如何にしても慨はしいことである。国の滅亡する時は「一人の義人あるなし。又識者なるもの一人もある無し」といふ極端まで行くものだが、国に一人にても、義人や真の識者のある限り、決して其国は亡ぶるものでは無い。神諭にも「誠の義人が三人あれば弥勒神政必ず成就すべし」と示してある。今日はお互に最後の一人を以て任じ、せめて自分だけでも正しき信仰に生き、清き人間として世の為め道の為めに尽さむとする同じ心の人々と共に、この聖なる団体を擁護し開展し以て斯の世界をして真善美愛の楽土と化せしめ、国祖の神慮に叶ひ奉らむことを希望し、あらゆる迫害に耐へ、克く忍び以て斯の千載一遇の神業に奉仕せむと欲し、最後の一人となるも決して絶望せず、狼狽せず、平静に生命ある聖き希望を抱いて天下の為に竭さむとするものである。故に吾人は世俗の所在非難攻撃にも屈せず、山鳥の尾のしだり尾の長々しくも撓まず屈せず、口述を続けて後世の軌範とせむことを希求しつつあるのである。
 この世を造りし神直日、心も広き大直日、唯何事も人の世は、直日に見直せ聞き直せ身の過ちは宣り直せ。と吾人は日夜この神示を楯としてヒシヒシと押寄せ来たる激浪怒濤を浴びながら、善言美詞の言霊の武器を以て凡ての外道を言向和す覚悟である。何程多勢の敵と雖も驚くには及ばない。只一言の善辞、即ち言霊の善用に依りて強敵は忽ち化して強き味方となり、又多数の味方と雖も、唯一つの悪言暴語に依つて直ちに怨敵となる。言霊の尤も慎むべきを明示したのは本書霊界物語を通じての大眼目であります。読者幸に本書に依つて言霊の活用を味ひたまふことあらば月の微衷も酬はれたりといふべきであります。アヽ惟神霊幸倍坐世。
   大正十二年四月
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