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文献名1霊界物語 第16巻 如意宝珠 卯の巻
文献名2第1篇 神軍霊馬よみ(新仮名遣い)しんぐんれいば
文献名3第6章 石槍の雨〔596〕よみ(新仮名遣い)いしやりのあめ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-08-30 17:27:59
あらすじ神素盞嗚大神、国武彦命、また亀彦、英子姫、悦子姫らは桶伏山の蓮華台上に上り、天神地祇・八百万の神々を集えた。神々は皇大神の出でましを口々に讃えた。神素盞嗚大神は、国武彦に何事かを密かに任命し、ミロク神政の三十五万年後の再会を約して、丹頂の鶴に乗って東を指して飛んでいった。国武彦命は亀彦、英子姫、悦子姫らに何事かをささやき、万神に厳格な神示を与えた後、ひとり四王の峰の彼方に姿をお隠しになった。この神界の秘密は容易にうかがい知ることのできるものではない。亀彦らは再び大江山に進むこととなった。一方、秋山彦の館を襲った鬼彦らは、神素盞嗚大神を始め、秋山彦ら三五教の神人たちを生け捕ったと思い、囚人の駕籠を担ぎながら大江山の山道を登っていた。すると、一行を石の槍雨が襲ってその場に打ち倒されてしまう。気がつくと、捕らえたはずの神素盞嗚大神らは駕籠を抜け出して、笑っている。鬼虎は気合を入れるが、今度は矢の雨が一同を襲った。秋山彦は天の数歌を唱えた。すると魔神らの身体は癒え、あちこちに喜びの声が満ちた。秋山彦が三五教への帰順を促す宣伝歌を歌うと、鬼彦らは感謝の涙に咽んだ。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年04月14日(旧03月18日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年12月25日 愛善世界社版78頁 八幡書店版第3輯 429頁 修補版 校定版81頁 普及版33頁 初版 ページ備考
OBC rm1606
本文のヒット件数全 3 件/素盞嗚尊=3
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本文  大空碧く澄み渡り  山河清くさやかにて
 静かに流るる和知の川  枝も鳴らさぬ音無瀬の
 川の流れは緩やかに  幾千丈の青絹を
 流すが如くゆらゆらと  水瀬も深き由良の川
 神代も廻り北の風  真帆を膨らせ登り来る
 深き恵を河守駅や  河の中央に立ち岩の
 関所を越えて漸うに  足許早き長谷の川
 水の落合右左  左手に向ひ舵をとり
 上る河路も長砂や  幾多の村の瀬を越えて
 此処は聖地と白瀬橋  下を潜つて上り来る
 臥竜の松の川水に  枝を浸して魚躍り
 月は梢に澄み渡る  向方に見ゆるは稲山か
 丹波の富士と聞えたる  弥仙の山は雲表に
 聳えて立てる雄々しさよ  敵も無ければ味方郷
 味方平に船留めて  四方の国形眺むれば
 青垣山を繞らせる  下津岩根の竜宮館
 此処は名におふ小亜細亜  地上の高天と聞えたる
 昔の聖地ヱルサレム  橄欖山や由良の
 景色に勝る聖地なり。
 神素盞嗚大神、国武彦命其他三人は、桶伏山の蓮華台上に登らせ給ひ、天神地祇八百万の神を神集へに集へ給へば、命の清き言霊に先を争ひ寄り来る百の神等、処狭きまで集まりて、皇大神の出でましを、祝ひ寿ぐ有様は、蓮花の一時に、開き初めたる如くなり。
 神素盞嗚大神は、国武彦命に何事か、密に依さし給ひ、ミロク神政の暁迄三十五万年の其後に再会を約し、忽ち来る丹頂の鶴にヒラリと跨り、中空高く東を指して飛び去り給ふ。国武彦命は亀彦を始め、英子姫、悦子姫に何事か囁き乍ら万司に向ひ厳格なる神示を与へ、茲に別れて只一柱、四王の峰の彼方に雄々しき姿を隠したまひける。
 後に残されし一男二女の宣伝使は二神の依さしの神言を心の底に秘め置きて、又もや此処を立ち出でて、大江の山を目蒐けて、いそいそ進み行く。嗟此の山上の五柱は、如何なる神策を提議されしぞ。神界の秘密容易に窺知すべからず、月は盈つとも虧くるとも、仮令大地は沈むとも誠の力は世を救ふ、誠の神が出現し再びミロクの御代となり、世界悉く其堵に安むじて、天地の神の恵みを寿ぎ、喜び、勇む尊き神代の来るまで、云うてはならぬ神の道、言ふに言はれぬ此仕組、坊子頭か、禿頭、頭かくして尻尾の先を些し許り述べて置く。もとより物語する王仁も、筆執る人も聞く人も、何だか拍子の抜けたやうな心いぶせき物語、今は包みてかく言ふになむ。
 秋山彦の門前に数多の魔人を引連れて、現はれ出でたる鬼彦は、第一着に秋山彦の口に石を捻込み、猿轡を箝ませ、高手小手に縛め置き、尚も進みて奥殿深く、神素盞嗚の大神を始め、国武彦、紅葉姫、英子姫、亀彦諸共、高手小手に踏ン縛り、勝鬨あげて悠々と大江山の本城を指して勇み帰り行く。
 千歳の老松生茂れる山道を、網代の駕籠を舁つぎながら、川を飛び越え岩間を伝ひ、やつと出て来た魔窟ケ原、一同網代の駕籠を下ろし周囲の岩に腰打ち掛け、息を休めながら雑談に耽る。
甲『オイ鬼虎、貴様は竜灯松の根本に於て、さしも強敵なる二人の女にちやつちや、もちやくにせられ、鬼雲彦の御大将に目から火の出るやうなお目玉を頂戴致して真青になり、縮上つて居よつたが、何うだい、今日は大きな顔をして帰れるだらう、帰つたら一つ奢らにやなるまいぞ』
鬼虎『オヽさうだ、熊鷹、貴様らも同じ事だ、あの時の態つたら見られたものぢやなかつたよ。何分此方様の御命令通り服従せないものだから、ハーモニイ的行動を欠いだ為めに思はぬ失敗を演じたのだ。それにしても慎むべきは酒ではないか、あの時に吾々は酒さへ飲みて居なかつたら、アンナ失敗は演じなかつたのだよ』
熊鷹『ナニ、決して失敗でもない、二人の女を取り逃がした為に却て素盞嗚尊の所在が分り、禍転じて幸となつたやうなものだ。何事も世の中は人間万事塞翁が馬の糞だ、併し今日は鬼彦の指揮宜しきを得たる為に、かういう効果を齎したのだ、何事も戦ひは上下一致ノーマル的の活動でなくては駄目だワイ、何程ジヤンジヤヒエールが沢山揃つて居たところで総ての行動に統一を欠いだならば失敗は目前だ。総て何事も大将の注意周到なる指揮命令と、吾々が大将に対する忠実至誠のベストを尽すにあるのだ、サテ鬼彦の御大将、今日の御成功お祝ひ申す、之で鬼雲彦の御大将も御安心貴方も安心皆の者も安心、共に吾々も御安心だ、アハヽヽヽ』
 此時頭上の松の茂みよりポトリポトリと石の団子が雨の如く降り来り、鬼彦始め、鬼虎、熊鷹其他一同の体に向つて叩きつけるやうに落ち来たり。一同はアイタヽ、コイタヽ、イヽイタイと逃げようとすれども、石雨の槍襖に隔てられ、些しも身動きならず頭部面部に団瘤を幾つとなく拵へけり。石熊は頭上を仰ぐ途端に鼻柱にパチツと当つた拳骨大の石に鼻をへしやがれ、血をたらたらと流し、目をしかめ、ウンと其場に倒れたり。網代駕籠の中に囚はれたる神々は、金城鉄壁極めて安全無事、此光景を眺めて思はず一度に高笑ひ、アハヽヽヽ、オヽホヽヽヽ。
 石の雨はピタリとやみぬ。神素盞嗚尊を始め、一同七人はヌツと此場に現はれたりと見れば猿轡も縛の縄も何時の間にか解かれ居たりける。
悦子姫『オー皆様気の毒な事が出来ましたナア。此峻嶮の難路を吾々を駕籠に乗せて、命辛々汗水垂らして送つて来て呉れました博愛無限な人足を、頭部面部の嫌ひなく、支店を開業して団子販売営業を盛に奨励致して居ります。何うか皆さま腹も減いたでせう、あの出店の団瘤を一つ宛買つてやつて下さい、アハヽヽヽ』
亀彦『吾々も大変腹が減きました。支店の売品では面白くない、一層の事本店の背から上の目鼻の附いた団瘤を捩ちぎつて頂戴致しませうか。アハヽヽヽ』
一同『ホヽヽヽヽ』
 鬼虎は顔を顰めながら、
『ヤイヤイ皆の奴確りせぬかい、石の雨が降つたつてさう屁古垂れるものぢやない。俺は除外例だが、貴様達は早く元気をつけて此奴を踏ン縛つて仕舞はねば、ドンナ事が出来致すも分らぬぞ。エイ、何奴も此奴も腰抜けばかりだナア、鬼掴の奴、敵と味方と感違ひを仕よつて、味方の頭上に石弾を降らしよつたのだ。敵の石弾に打たれたと云ふのならまだしもだが、味方の石弾に打たれてこの谷川の露と消えるかと思へば、俺ア死ンでも死なれぬ哩。アヽヽ何うやら息が切れさうだ、オイ貴様達、俺の女房を呼ンで来て呉れ、最後の際に唯一目会うて死にたい顔見たい、そればつかりが黄泉の迷ひだ。アンアンアン』
熊鷹『ヤイヤイ何奴も此奴も確りせぬかい、何ぢや、地獄から火を取りに来たやうな真青な顔をしよつて、ソンナ弱い事でこの役目が勤まらうか、確りせぬかい、アイタヽヽ、矢張り俺も苦しい哩、苦しい時の鬼頼みだ、南無鬼雲彦大明神様、吾等が精忠無比の真心を憐れみ給ひ、一時も早く痛みを止め、其反対に素盞嗚一派の奴の頭の上に鋼鉾の雨でも降らして滅ぼし給へ。それも矢張貴方の為ぢや、一挙両得自分が助かりや家来も助かる、コンナ好い事が何処にあるものか、エヽナンボ頼みても聞き分けのないバラモン教の大神様だワイ』
 此時又もや鋭利なる切尖の付いた矢は雨の如く降り来り、鬼彦以下の魔神の身体に遠慮会釈もなく突き立ちにける。
『アヽまたか、大神様は感違をなされたか、敵はあの通り無事、味方には激しき征矢の集注、好く間違へば間違ふものだなア、アイタヽヽヽ耐らぬ真実に此度は息が切れるぞ、仕方が無い死ンだら最後地獄の鬼となつて此奴共の来るのを待ち受け、返報がへしをしてこます、ヤイ素盞嗚尊、其他の奴等覚えて居れ、貴様が死ンだら目が潰れるやうに、口が利けぬやうに、びくとも動けぬやうにしてやるぞや』
亀彦『アハヽヽヽ、吐くな吐くな、目が潰れる口が利けぬ、体が動かぬやうにしてやらうとは好くも言へたものだワイ、天下一品の珍言妙語だ、モシモシ英子姫さま、悦子姫さま、舞でも舞うたらどうでせう、コンナ面白い光景は滅多に、大江山でなくては見られませぬよ』
『ホヽヽヽヽ』
 秋山彦は両手を組み、声も涼しく一二三四と天の数歌を唱ふるや、一同の魔神の創所は忽ち拭ふが如くに癒え来たり、彼方にも此方にも喜びの声、充ち充ちにける。
『アヽ助かつた』
『妙だ』
『不思議だ』
『怪体の事があるものだワイ』
と囁き始めたり。秋山彦は一同に向ひ声も涼しく宣伝歌を謡ふ。
『朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 鬼雲彦は強くとも  大江の山は深くとも
 数多の部下はあるとても  虱の如き弱虫の
 人の生血を朝夕に  漁りて喰ふ奴ばかり
 沢山絞つて蓄へた  身体の中の生血をば
 吐き出すための神の業  頭を砕く石の雨
 血を絞り出す征矢の先  潮の如く流れ出でぬ
 吾は此世を救ふてふ  人子の司三五の
 神の教のまめ人ぞ  鬼や悪魔となり果てし
 汝が身魂を谷川の  清き流れに禊して
 天津御神のたまひたる  もとの身魂に立て直し
 今迄犯せし罪咎を  直日に見直し聞き直し
 百千万の過ちを  直日の御霊に宣り直す
 神素盞嗚の大神の  恵も深き御教
 胆に銘じて忘れなよ  石熊、熊鷹、鬼虎よ
 心猛しき鬼彦も  此処で心を取り直せ
 如何なる敵も敵とせず  救ひ助くる神の道
 誠の力は身を救ふ  救ひの神に従ふか
 曲津の神に心服ふか  善と悪との国境
 栄え久しき天国の  神の御魂となり変はり
 誠一つの三五の  教にかへれ百人よ
 元は天地の分霊  善もなければ悪もない
 善悪邪正を超越し  生れ赤子の気になりて
 天地の法則に従へば  鬼や大蛇の荒ぶなる
 魔窟ケ原も忽ちに  メソポタミヤの顕恩郷
 栄えの花は永久に  木の実は熟し味もよく
 心を砕いて世の人を  苦しめ悩め吾身亦
 苦しむ事は要らぬもの  サア諸人よ諸人よ
 心の底より改めて  真の道に帰るなら
 神は救の御手を延べ  栄に充てる永久の
 高天に救ひ玉ふべし  応は如何にサア如何に
 心を定めて返り言  声も涼しく宣れよかし
 神は汝の身に添ひて  厚く守らせ給ふらむ
 あゝ惟神々々  霊幸倍坐世よ』
と謡ひ終れば、鬼彦始め一同は大地にはたと身を伏せて、感謝の涙に咽びつつ山岳も揺ぐばかりに声を放つて泣き叫びける。
(大正一一・四・一四 旧三・一八 加藤明子録)
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