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文献名1霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻
文献名2第4篇 巴留の国よみ(新仮名遣い)はるのくに
文献名321章 滝の村〔371〕よみ(新仮名遣い)たきのむら
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-06-07 14:40:48
あらすじ蚊々虎は喧嘩虎に殴られながら、平然として宣伝歌を歌っていた。群衆の中から喧嘩芳という男が現れ、喧嘩虎の加勢をして、蚊々虎に打ってかかった。しかし酔いどれの喧嘩芳の棒切れは、間違えて喧嘩虎の頭に命中した。それが元で虎と芳は激しい喧嘩を始めてしまった。蚊々虎は二人の間に割って入ったが、二人は再び蚊々虎に殴りかかる。蚊々虎はやはり平然として二人のなすがままにされている。群集は蚊々虎の忍耐強さを見て、三五教を口々に褒めたたえた。そこへ淤縢山津見が高彦(荒熊)を従えて、宣伝歌を歌いながらやってきた。淤縢山津見は蚊々虎が血を流しているのを見て心配して声をかけるが、蚊々虎は『血をもって世界を洗うのだ』とにこにこしている。高彦(荒熊)は声を張り上げて、自分の改心を引き合いに、群集たちに三五教への改心を呼びかけた。群衆は悪名高い関守だった荒熊が三五教に改心して力ある言葉で人々に語りかけるのを聞き、三五教を褒めたたえるのであった。淤縢山津見は中央の高座に登って三五教の教理を説き始めた。これよりこの群集の七、八分は一度に三五教の信者となった。たくさんの駱駝を宣伝使に送り、巴留の都行きを助けた。この村は滝の村という。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月08日(旧01月12日) 口述場所 筆録者土井靖都 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年6月15日 愛善世界社版142頁 八幡書店版第2輯 202頁 修補版 校定版144頁 普及版63頁 初版 ページ備考
OBC rm0821
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本文  蚊々虎は喧嘩虎に、蠑螺の如き拳を以て、頭といはず顔と云はず、身体一面、嫌といふ程打擲せられ、平気の平左で宣伝歌を謠つて居る。群衆の中より又もや一人の泥酔者現はれきたり、
『おい虎公、そんな手緩い事であくかい。俺が手伝うてやらう』
と云ひながら、脚もひよろひよろと進み来り、棒千切を以て、
『こうやるのだ』
と云ひつつ、ポンと喰はしたり。酒に酔ひ潰れて眼も碌に見えない泥酔者は、蚊々虎と間違へて、喧嘩虎の頭を嫌といふ程打ちのめす。喧嘩虎は、
『コラ、何をしよるのだ、喧嘩芳。貴様は蚊々虎の贔屓をしよつて、何だ。こんな酒を飲むなと云ふやうな馬鹿な奴に、味方をすると云ふことがあるかい。喧嘩なら負けはせぬぞ』
と云ふより早く鉄拳を振り上げて、芳公の頭を打擲る。芳公は矢庭に棒千切を以て、虎の頭を打つ。虎公はますます怒つて、芳公の髪を掴んで引摺り廻す。芳公は悲鳴を挙げて泣き叫ぶ。群衆の中より口々に、
『オイオイ、誰か這入らぬか這入らぬか』
『這入れと言つたつて彼様酒癖の悪い奴の中に、誰が仲裁に這入る奴があるものか、放つとけ放つとけ』
 二人は組んづ組まれつ、血塗になつて、死物狂に闘ひ出したるを、蚊々虎は二人の中に分け入り、
『マアマア待つた待つた。喧嘩は止めた止めた。オイ虎公、芳公、貴様らが喧嘩してるのではない。酒が喧嘩をしてるのだ。それだから俺が酒を止めろと云ふのだ。どうだ止めるか』
『ヤア何だい。貴様だと思つて喧嘩して居つたのに、俺の友達の虎公だつたのかい、此奴あ、的が外れた。虎公勘忍せ。是からこの宣伝使に掛るのだ』
 芳公と虎公は両方より、蚊々虎に向つて、頭にポカポカと鉄拳を加へる。蚊々虎は泰然自若として打たれて居る。群衆は口々に、
『何と豪いものだな。三五教の宣伝使は本当に忍耐力が強い。吾々も彼の宣伝使に見倣つて、何事も辛抱するのだ。さうすれば喧嘩も何もいりはしない。立派な教だ。ウラル教の宣伝使の様に口ばつかりと違ふ。本当に立派な行ひだ。我々も三五教が俄に好きになつたよ』
 この時又もや暗中より、
『朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 たとへ大地は沈むとも  誠の力は世を救ふ』
と云ふ宣伝歌が聞えて来た。群衆は耳を澄まして、声する方に向き直る。
 松明の火はドンドン燃え立つて、周囲は昼の如く明かである。そこへ宣伝歌を歌ひながら淤縢山津見は、荒熊の高彦を従へて、悠々と出で来たる。
『ヤア蚊々虎か。お前その頭はどうした。ひどく血が流れて居るではないか』
『血ぐらゐ流れたつて、血つとも応へぬ。誠の力は世を救ふ。血を以て世界を洗ふのです。血つとも心配はいりませぬ。力とするは神ばかりです』
とニコニコ笑つて居る。
 荒熊は大音声を張り上げて、
『我こそはブラジル山の関所を守る荒熊である。今迄の悪を改め、善に立ち帰り、三五教の宣伝使に従つて、此処まで来たのだ。今此処に居る蚊々虎は、宣伝使のお供だ。供でさへも、これほどの忍耐力を持つて居る。人間は忍耐力がなくては、何事も成就せないぞ。七転八起は世の習ひとはいふものの、転ぶは易い、亡ぶのは容易だ。されど起き上るのは却々六ケ敷い、是には堪へ忍が肝腎だ。皆の人たちよ、三五教の教を聞いて心のドン底から霊魂の洗ひ替をなさるがよからう。この世はウラル教の宣伝歌ぢやないが、一寸先は闇の世だ。弱い人間の力で、この世が渡れさうな事はない。俺も今までの我慢や悪を止めて、三五教に入信したのだ。皆の人々よ。俺が鏡だ。皆揃うて改心して下さい』
と呶鳴り立てる。群衆は各小声になつて荒熊の話を聞き、
『アヽ、人間も変れば変るものだ。彼奴の口から、どうして、あんな言葉が出るのだらう。きつと好い教に違ひない』
と口々に誉め称へて居る。
 淤縢山津見は中央の高座に登り、諄々として三五教の教理を説き初めたり。是よりこの群衆の七八分は一度に三五教の信者となり、沢山の駱駝を宣伝使に贈つて、巴留の都行きを助けたり。この村は滝の村と云ふなり。
(大正一一・二・八 旧一・一二 土井靖都録)
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