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文献名1大本七十年史 下巻
文献名2第8編 >第1章 >1 教主 出口直日よみ(新仮名遣い)
文献名3道統の継承よみ(新仮名遣い)
著者大本七十年史編纂会・編集
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ページ951 目次メモ
OBC B195402c8111
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本文  一九五二(昭和二七)年の二月、節分大祭をむかえるにあたって、教団の規則が改正された。そして苑主補には、ふたたび出口直日の就任をみた。二代苑主出口すみ子は静養中であったために、節分大祭をはじめとして、神務・諸祭事の先達など、苑主としてのつとめはすべて苑主補によって代行された。したがって、道統の継承についても、おのずからなる準備ができあかっていたということができる。
 他方、宗教法人法の実施にともなって、教団の諸規則を根本的に刷新し、純粋に大本本来のありかたを確立するための準備がつづけられていた。その結果四月一日をもって、「大本」と名称をあらため、あたらしい教団規則を実施することになった。そのぎりぎりの三月三一日に二代苑主の昇天があり、大本の代がわりをみたことは、たんなる偶然といいきれないものをひめている。
 大本における道統継承は、はやくから神諭によって定められていたところである(上巻三八九頁)。全信徒に、一点のまよいの生じる余地はない。ここで明治四三年旧四月一八日の神諭をつぎにかかけておこう。

変性男子の後のお世継は、明治二十五年に初発に、出口直の筆先に一度かかしたことは違いはいたさん、何事も出口直の後の二代のご用を勤めさすのは末子のおすみが定めて有るなり、三代の御用いたすのが、出口すみの総領の直霊に渡る経綸に定まりてあるぞよ。この三代の直霊が世の元の水晶の胤であるぞよ。綾部の大本の御世継は、末代肉体が婦女であるぞよ。

 三代教主の就任をみた間もないころのことである。総長出口伊佐男は新教主の方針について指示をあおいだ。そのとき三代教主はただちに、「教えは開祖さま、聖師さまにより至れり尽せりに示されており、教についてわたしから言わねばならぬことは少しもありません。わたしは、ただ示された教えを実践し、二代さまのご遺志を行わせていただくばかりと思っています」と総長に心境がかたられた。一九五二(昭和二七)年四月九日、二代教主の十日祭にさいして、新教主の就任にあたっての詠歌が、総長から発表された。この歌は「神の国」五月号に掲載されて、ひろく信徒に知らされた。
 〝この道を継ぐべく生れ来し吾に神の守りのなかるべしやは〟
 〝吾がいのち天知り給ふ残されし道一筋にふみゆかむのみ〟
 三代教主の道統継承の決意は「木の花」(昭和28・2)の「むめの花ひらく」のなかにも

私か小さいときから、祖母に聞かされていたこと、父や母から話してもらったことそのままに、世の中が、私の周囲がなってきています。世界の大きな動き、日本のこと、社会の潮流が、お筆先のままに変ってきています。これを神秘といわないで、この世のどこに神秘といえるものが存在しましょう。大本は理屈は下手でも、大きなみ力によって生れてきたもので、そのみ力によって仕組まれ、守られて来たのであります。このみ力によって約束され、定められています故に、わたし自身はつたなくとも、私は偉大なる神の経綸とご守護を信じて、このお道を継がしていただいたのであります(『私の手帖』)。

とのべられている。これらの短歌や文章のなかに、三代教主のたかき信仰とつよい自覚をくみとることができる。
 一九五三(昭和二八)年の四月一七日、みろく大祭のおりに、新築成ったみろく殿で、三代教主就任の祝賀会がもよおされ、大本審議会議長嵯峨保二は全信徒を代表して、「素朴、清楚、優雅な御環境の中の一断面におかれまして、時に世の迫害の嵐を受けられ、苦難な道に立たれたこともありまして、み心を鍛えられましたことを、私達は忘れることができません。かかる御生活の結晶として、いまや先生は一女性として、一人間として、きわめて深く、きわめて高い御教養と強い御信念をお持ちになられたのであります。天性の気高く、美しさに加えて、このような人間的御精励をお積みになられました直日先生を、いま三代教主に仰ぎ得ましたことは、私達大本信徒の大きな誇りであり、深い喜びであります」と祝賀の言葉をのべているが、これは全信徒の気持を素直にあらわしたものであったといってよい。

〔写真〕
○みろく殿が完成し三代教主の時代をむかえた教団は世界の大本へと脱皮してゆく p951
○三代教主出口直日 昭和29年 亀岡天恩郷 葉がくれ居 p953
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