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文献名1霊界物語 第62巻 山河草木 丑の巻
文献名2第2篇 桶伏の山よみ(新仮名遣い)おけふせのやま
文献名3第7章 神降〔1582〕よみ(新仮名遣い)しんこう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年05月11日(旧03月26日) 口述場所竜宮館 筆録者隆光 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年10月16日 愛善世界社版75頁 八幡書店版第11輯 162頁 修補版 校定版82頁 普及版61頁 初版 ページ備考
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本文
  第三一二(エルサレムは至聖地の意なり)

    一

 浮世の闇にさまよひて  身も魂も疲れたる
 悲しき人よとく来れ  救ひの神は日の下の
 神のよさしのエルサレム  自転倒島の聖場に
 雨の如くに天降りませり。

    二

 高天原の神国の  厳の住居はいと広し
 常世の春の楽みは  花咲き匂ひ鳥歌ひ
 玉の小琴は時じくに  床しく響き天人の
 清き御歌の声すなり。

    三

 類も知らぬ天津国  厳の御園は現世に
 見し事もなき花薫り  栄光歓喜充ち溢れ
 生命の清水は永久に  泉の如く湧き立てり
 あゝ美はしき神の国  あゝたのもしき神の園。

  第三一三

    一

 故郷の高天原を眺むれば
  憂愁に曇る目も晴れ渡る。

    二

 限りなき醜の仇ものよく防ぎ
  飛び来る火矢も怯ぢなく立たむ。

    三

 わが悩み波とも打たば打てよかし
  恵の真帆をかけて渡らむ。

    四

 わが憂愁雨とも降らば降れよかし
  恵の傘を開き進まむ。

    五

 故郷の清き家路に帰り行く
  身は恐れむや百の艱難を。

    六

 疲れたるわが魂を永久に
  休むる神国に吹く嵐なし。

  第三一四

    一

 何事も神に任せて身の幸を
  賜へかしとは祈りまつらじ。

    二

 わが負へる罪の重荷を取りてよと
  祈らずとても守らせたまへる。

    三

 さりながら祈りにまさる宝なし
  夢な迷ひそ祈りの道を。

    四

 我神は麻柱まつる魂を
  花咲く道に進ませ玉ふ。

    五

 紅の花咲き薫る鬼薊
  手折らむとする風流男もなし。

    六

 鬼薊花咲かずともわが教主は
  床の飾りと愛でさせ玉ふ。

    七

 皇神の恵の露は隈もなく
  百の草木を潤はせ玉ふ。

    八

 皇神の珍の光に導きて
  暗き心を照させ玉へ。

    九

 足曳の山にも野にも皇神の
  恵の露は濺ぎ充ちぬる。

    一〇

 夜の初めさやかに知らす曙の星の
  清き姿を仰ぐ嬉しさ。

    一一

 現世は暮れやすけれど天津国は
  空澄み渡る東雲に似たり。

    一二

 静かなる朝の景色眺むれば
  神の御国の偲ばるるかな。

  第三一五

    一

 神によりしわが言の葉も為す業も
  皆喜びのおとづれとなる。

    二

 襲ひ来る醜の仇草薙ぎ払ひ
  神の御前に勝鬨あげむ。

    三

 許々多久の妬み汚れを打棄てて
  誠の道に進み入りてむ。

    四

 神の代の現れ来る日を待たむ
  厳の御言葉力となして。

  第三一六

    一

 麻柱の救ひの道を遠近に
  神に習ひて開かせたまへ。

    二

 許々多久の罪や穢れに沈みたる
  世人を救ふ瑞の大神。

    三

 たのもしき家に波風起すものは
  皆悉く罪の鬼なり。

    四

 いと猛く強き悪魔に勝鬨を
  あげて進まむ神のまにまに。

    五

 御恵の鎧甲を身につけて
  曲言向くる神の御使。

    六

 永久に荒び騒ぎし戦ひの
  日も暮れ果てて朝日輝よふ。

    七

 矢叫びの声は御歌と変りけり
  瑞の御霊の清き御名にて。

  第三一七

    一

 試錬に勝つ度毎に強くならむ
  恵の鎧身にまとひつつ。

    二

 攻め来る仇を雄々しく防ぎつつ
  平和の国に進ませ玉へ。

    三

 御恵をたえず求むる信徒の
  心に宿る厳の大神。

    四

 ねぢけたる心の友に交らで
  神の教を友とし敬へ。

    五

 真心の矛たづさへて道の為
  進む行く手にさやる枉なし。

    六

 皇神に習ふ武士一度は
  倒れ伏すともやがて起たなむ。

    七

 神軍に従ひ勇み戦へば
  木の葉の如く仇は散り行く。

  第三一八

    一

 春の花よ蝶よと愛でしいとし子を
  後に残して上る苦しさ。

    二

 たのみなき浮世の旅にさまよひて
  花散る暮に会ふは悲しき。

    三

 心ゆくばかり御前に平伏して
  わが子の為に幸を祈りぬ。

    四

 大空をひた翔り行く雁に
  わが子の便り聞かまほしかな。

    五

 大空の天津御国に上りたる
  子は如何にぞと歎き悲しむ。

    六

 皇神の御使と見しいとし子の
  今は夜なき国に上りぬ。

    七

 現世の父と母とを後にして
  弥永久の親に会ひけむ。

    八

 雪の朝雨の夕べに思ふかな
  逝きしわが子の魂や如何にと。

  第三一九

    一

 夜深き獄舎に眠る瑞御霊を
  照し玉へる厳の大神。

    二

 万代の齢を保つ御使に
  鉄の門も安く開けり。

    三

 鉄の垣根の内に鬼はなし
  外にさまよふ人鬼多きも。

    四

 欲の川に溺れ苦しむ友垣を
  瑞の御国へ上らせ玉へ。

    五

 恐ろしき獄舎の夢も覚めにけり
  日出の神の光仰ぎて。

  第三二〇

    一

 誰も彼も千代の栄光を望まざる
  されど波風荒き世なれば。

    二

 足はなえ手は折るるとも皇神の
  めぐみの光わが身を守らす。

    三

 永久の誠の親にまみゆべき
  五六七の御世は近づきにけり。

    四

 世の中にいとも弱きは人にこそ
  神にすがりて神力を得よ。

    五

 わが弱き心をつなぐ鎖まで
  断ち切らむとする枉忌々しかり。

  第三二一

    一

 焦げやすき黄泉を走る火の車
  乗り行く人の声悲しかり。

    二

 御教への舟に棹し罪の海に
  溺るる人を救ふ御使。

    三

 荒波に溺るる友の声聞けば
  投げむと思ふ救ひの綱を。

    四

 罪の海に浮きつ沈みつ叫ぶ友を
  救ふは誠の人なりにけり。

    五

 常暗の夜は来るとも御光の
  充ち足らひたる神は助くる。

    六

 厳御霊投げさせ玉ふ御綱こそ
  生命をつなぐ力なりけり。
(大正一二・五・一一 旧三・二六 於竜宮館 隆光録)
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