文献名1開祖伝
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名313 霊夢よみ(新仮名遣い)
著者愛善苑宣教部・編
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OBC B100600c13
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明治二十五年旧正月元旦の夜、開祖様五十七才の時、不思議な霊夢を見られたのです。開祖様御自身のお体が突然、神境へ入ったと思われますと、荘厳というか、美麗というか、いまだかつて御覧になったことのない立派な宮殿楼閣が、幾層とも知れず開祖様の目前に建ちならんで、大小の間取りが整然として連なって見えました。
開祖様はまず表門からお入りになって中殿へ行かれますと、そこには容貌とうとく麗しく、八束に余るひげのある神様が端然と正坐しておられました。開祖様は余りの神々しさに魂も身に添わず、我を忘れてお進みになりますと、神様は大兵肥満のお体をお起しになり、やおら御座を立って開祖様のお手を取り、奥殿深くお導きになりました。
やがて奥殿の階段の下に開祖様を残して御昇殿の上、何事か御奏上になって、また元の御座に正坐したもうのを見て、開祖様は気もそぞろに、我にもあらず門外にお出になり、艮の方向とおぼしき方へお回りになりますと、そこにはまた大きな門があり、門内の殿堂の荘厳にして規模の壮大なることは、前の殿堂よりも更に更に勝ったものでありまして、その中央に端坐まします大神様のお姿の神々しさ、御身に着けたもう宝玉は光輝いて、打仰ぐ開祖様の胸の血を躍らせるのでした。
しばらくしますと、その大神様は悠然と御座をお立ちになり、開祖様の間近まで進まれ、開祖様のお顔をシゲシゲとご覧になっておられましたが、別にお言葉はなく、元の御座にお帰りになられました。
開祖様はひたすら畏敬の念に打たれながら、ひた走りに走って門外へ出られますと、そこにまた一棟の立派な殿堂がありまして、その中に先年亡くなられた夫政五郎さんがおられましたから、開祖様は我を忘れて走り寄り、互いに既往を語り将来を談じて、時の移るのも覚えられぬほどでしたが、この時忽然として夢よりさめたのです。
その翌日も翌々日も、その後幾回となく同じような霊夢を御覧になり、一回は一回よりますます畏敬の念つよまり、開祖様御自身も何だか神様と御一緒におられるようなお心持ちになられ、いわゆる神気来格の徴がこの時からみち満ちてまいりました。