文献名1二名日記
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名35月25日 於道後鮒屋旅館よみ(新仮名遣い)
著者月の家(出口王仁三郎)
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データ最終更新日2018-08-19 19:35:13
ページ211
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本文
今日も亦大空清く晴れ渡り庭の若葉に清風到る。
二名支部山口宣使始めとし各支部宣使迎へに来たる。
○今治新聞社編輯長近藤善寛氏来訪、左の一首を贈る。
今治に近藤始めて来て見れば風光も善し国原寛し。
○東予日報記者松岡精巳氏来訪、左の一首を贈る。
松の岡二名の島に茂り合ひて天地きよみ海精巳つつ。
富田村郵便局長渡辺氏色紙に揮毫乞ひて帰りぬ。
文相はいよいよ辞職為したりと東予日報松岡氏語る。
午後一時宮田氏方を立ち出でて急ぎ今治の停車場につく。
波止浜の駅に進めば老木の茂る荒神山の美はし。
塩田の広く開けし波止浜は木原鬼仏の生地とぞ聞く。
渦巻の激しき久留島海峡は阿波の鳴門と並び名高し。
宇知麿や栗原両氏の講演を為せし公会堂の棟見ゆ。
老松の茂れる瀬早の神社は海に面して風光佳きかな。
黄ばみたる麦田に立ちて百姓の手にする鎌に初夏の陽輝く。
面白き小松の丘を縫ひ乍ら水の面清き沢池陽に照る。
並木松長く続きて龍神の社の森は海の面に映ゆ。
大井駅来たれば村瀬武男氏等車窓の外に吾行見送る。
巡礼者三十余人金剛杖つきて大井の駅頭に立つ。
老松の茂れる丘に産土の大井八幡神社かがやく。
大井駅西に過ぐれば海の面に松美はしき島嶼浮く見ゆ。
小丘を残らず開き梨の畑處狭きまで作れる里かな。
雉の住む怪島の山は海中にかすみの幕を引きて覗けり。
風光の妙なる山海誉め乍ら伊予亀岡の駅に入りけり。
海岸の近くに烏帽子の如くなる臍島の景眺め妙なる。
斎島遠くかすみて瀬戸内の海の彼方にかすみ浮く見ゆ。
家の瓦数多産する菊間駅の南山北海眺め妙なり。
山と海景色競ひて美はしく厄除け大師の遍照院映ゆ。
瓦焼く松の枯葉を山の如浜辺に積める菊間の里かな。
清々し海原見れば遠近と青き小島の浮ける瀬戸海。
汀辺に網を干しつつ漁夫数多裸体となりて囁き合へり。
砂浜に初夏の海風浴び乍ら老若男女の貝拾ふ見ゆ。
あちこちと老松の森散在し風光清き浅海につく。
遊廓の在りてふ瀬戸の哀島の姿小さく遠海に浮く。
鹿の住む鹿島神社の島森は新緑映えていとも崇高し。
燕子花小さき為に名の高き腰折山の新緑さやけし。
鹿島山老樹の若葉萌ゆる見て北條の駅近くなりけり。
契り島鹿島に近く門柱の如く巌の立つぞ珍らし。
高縄山高く聳えて観音を祀れる寺院の風景佳きかな。
その昔河野通有の戦ひし山野は清く黄ばむ麦畑。
山々の景色変りて麦畑に包まれ清き粟井駅かな。
一本の蜈蚣の松は道の辺に怪しく立ちて吾を見送る。
海原にかすみの幕を懸けまはし景佳き島々浮かぶ瀬戸内。
海原を劃して大島中ノ島霞にけぶり静に浮かべり。
島山の影遠みつつ風清き堀江の駅に汽車の行き交ふ。
二股の老松見えて松山の城は遥けく吾眼に入りけり。
和気の駅あたりの家の秀高くして松の翠に夕陽かがやく。
太山寺山はかすみて右左丘に橘梨の畑充つ。
山海の眺め妙なる三津ケ浜駅より伊予の小不二見ゆ。
伊予小不二麓は全部桃の畑花の盛りの美はしかるらむ。
衣山を過ぐれば昔純友の駒止め岩の遺跡ありけり。
松山の駅に降れば宣信徒プラツト埋めて吾迎へけり。
自動車を数多つらねて松山市横ぎり道後鮒屋に入りけり。
庭園は水音高く渓川の流れて水車米搗く床しさ。
三階の一間に坐して庭の面見れば風光一入清けし。
水声も高く流れもいと清き鮒屋の庭の珍らしきかな。
紅葉谷流れを引きて庭の面にうるほふ鮒屋の恵まれたるかな。
せせらぎの音ざわざわと響きつつ嫩葉の庭に小鳥鳴くなり。
雨蛙梢に鳴きて空曇り庭に凉しき風吹きわたる。
庭の面の青葉に電灯照りはえて夜の眺めの珍らしきかな。
公会堂棟の上高く大電光かがやき夜の公園明るし。
松山の城山明かき電灯かな。
和歌詠草無事亀岡に届きしと細々清記ゆ報じ来たれり。
歌日記十九日迄届きしと天声社より知らせの文来る。
数十人まめ人達に面会を宿の広間に終りたりける。
小夜更けて宇知麿宿に帰り来ぬ松山分所の礼拝終りて。
五月雨の降り頻く夕べ消えもせで光いやます沢の蛍火。(蛍)