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文献名1故山の夢
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3祭礼よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-10-30 20:57:00
ページ110 目次メモ
OBC B119300c026
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本文       二十二三歳の頃
先祖より伝はる胯矢をとり出して池の真鯉をねらつて突き刺す
玉の井の池にかひたる鯉一尾胯矢にさしてそつと捕獲す
友の家にとりたる鯉を持ちゆきて麦飯の副食物に舌つづみうつ
氏神の祭礼の日はちかづきて鯉一尾足らぬを父は見出だせり
わが友の弟来り何時の日かたいて食つたと父に告げたり
わが父の舌うち聞きていちはやく頭かかえて逃げ出しにけり
友達を頼みてこわごわ家に帰り父の怒りをなだめてもらひぬ
亀岡の伯母船岡の叔父きたり氏神祭りで父もおこらず
秋祭ぜんざい餅に鯖のすし食ひすぎピーピー腹下したり
ピーピーと尻のなる音鵯鳥の谷わたりよと友に嗤はる
三四日すぐれば鵯の谷わたりすみてまたもや山に柴刈る
     ○
夏されば暑き野山に草を刈り稲田の肥料となして勤しむ
炎天の夏を汗して造りたる米を地主にをさめてむなしき
小作米と肥料の代をひきされば新年までは食らふ米なし
雪の道びしやびしや草鞋うがちつつ荷車ひきて米を買ひ食ふ
荷車をひきて帰れば藁をうち夜業に草鞋あみつくりけり
雪道の草鞋のよわさ日に四足うがてど帰りは半ば跣足なる
晴れわたり道かわきたる春日なれば一足の草鞋一日たもてり
十人の家族の生活ささへんと重き車をひきてかせぎぬ
     ○
楽しみに団々珍聞あほら誌を眼をも放たずしのび読みけり
あほら誌や団々珍聞に投書して記事ののり来る日を待つ楽しさ
亀岡の雑誌公園と真砂誌をあがなひ投書なしてたのしむ
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